楽読 (ラクヨミ) 2016年4月19日 Vol. 1,091 中国の2016年第1四半期は6.7%成長 ~成長率は鈍化するも、政府目標の範囲内~ 中国が4月15日に発表した2016年第1四半期の実質GDP(国内総生産)成長率は前年同期比6.7%増とな り、今年、政府が小康社会(ややゆとりある社会)を創るために設定した経済成長率6.5~7.0%増の範囲内 に収まりました。また、名目GDPの産業別比率では、製造業(第二次産業)は15年通年比約3%ポイント減 収まりま た また 名 産業 率 製造業(第 次産業) 年通年 約 ポ 減 の約37%となる一方で、サービス産業(第三次産業)が同約7%ポイント増の約57%となり、政府が目指す 製造業からサービス業への構造改革が着実に進んでいるとみられます。実際、小売売上高(金額は対GDP 比約50%)の伸び率は、旺盛な個人消費を背景に、前年同期比10.3%増(その内ネット通販は同27.8%増) と好調となりました。なお、国有企業やインフラ投資を中心とした固定資産投資も前年同期比10.7%増となり、 景気の下支えに一役買っているようです。 中国は、比較的安定した経済成長率を持続させるために、3月の全国人民代表大会(日本の国会に相当)の 中で、経済の活性化を図ることを目的に積極的な財政政策を強化すると表明しています。たとえば、減税な どで企業の負担を軽減する施策として、これまで商品の売上とその材料などに係わる中間業者の売上の両 方に課してきた税金を、5月1日からは付加価値税(日本の消費税に近い)に切り替え、適用範囲についても 建設業や不動産業、金融業、消費者向けサービス業へも対象を広げるとしています。これら施策の実施によ り、企業と個人の税負担は5,000億元(1人民元17円で約8.5兆円)超軽減される見込みです。 中国は、過剰設備の解消など供給サイドの改革を進める一方で、労働生産性を高め、産業の高度化を図る ことなどにより 豊かな国民生活の実現に向けた施策を進めています また 国際社会への対応として 中 ことなどにより、豊かな国民生活の実現に向けた施策を進めています。また、国際社会への対応として、中 国主導で設立した国際金融機関AIIB(アジアインフラ投資銀行)やアジアのインフラ整備のために中国独自 で創設したシルクロード基金などを通じて、アジアから欧州までの経済圏の構築を目指す一帯一路構想を実 現させ、新たな市場開拓や対外投資の拡大などを進めていくとみられます。すでに購買力平価でみたGDP で世界第1位の中国は、以前のように2ケタ成長とはいかないまでも、構造改革などを着実に進めることによ り、比較的安定した経済成長を目指していくと考えられます。 名目GDPの産業別比率の変化 実質GDP成長率と名目GDPの推移 (2008年1-3月期~2016年1-3月期*) (%) 14 13 12 11 10 9 8 7 6 5 4 名目GDP(右軸) 実質GDP成長率(左軸) 100 <2015年> <2016年第1四半期> (兆人民元) 90 80 70 60 50 40 30 20 10 0 政府成長率目標6.5~7.0% 08 09 10 11 12 13 14 *名目GDPは年の数値、期間は2008年~2015年 15 第一次 産業 6% 第一次 産業 9% 第三次 産業 50% 第二次 産業 41% 第三次 第 次 産業 57% 第二次 産業 37% 16(年) (信頼できると判断したデータをもとに日興アセットマネジメントが作成) ※上記は過去のものであり、将来を約束するものではありません。 ■ 当資料は、日興アセットマネジメントが市況等についてお伝えすることを目的として作成したものであり、特定ファンドの勧誘資 料ではありません。また、弊社ファンドの運用に何等影響を与えるものではありません。なお、掲載されている見解は当資料作成 時点のものであり、将来の市場環境の変動等を保証するものではありません。■投資信託は、値動きのある資産(外貨建資産に は為替変動リスクもあります。)を投資対象としているため、基準価額は変動します。したがって、元金を割り込むことがあります。 投資信託の申込み・保有・換金時には、費用をご負担いただく場合があります。詳しくは、投資信託説明書(交付目論見書)をご 覧ください。 1/1
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