2016 年 4 月 18 日 原子力規制委員会 委員長 田中俊一様 国際環境 NGO グリーンピース・ジャパン エネルギー担当 関口 守 川内原発 1、2 号機の即時停止を求める緊急要請書 2016 年 4 月 16 日 01 時 25 分に熊本県熊本地方で発生した震度 6 強の地震を中心に、九州地方では、 14 日から現時点に至るまでに震度 5 から 6 強クラスの地震を含む余震が 500 回を超える中、九州電 力は川内原発 1,2 号機について異常が確認されないとして通常運転を継続しています。 気象庁は、14 日 21 時 26 分に熊本県益城町で発生したマグニチュード 6.5 の地震を「平成 28 年熊本 地震」と命名した後、16 日 01 時 25 分に発生した地震を受けてこちらを熊本地震の本震とすると発 表を訂正しています。さらに大分県でも大規模な地震が発生する中、活動の範囲が南西方向へ広が るなど、今後の展開は予想できないとしています。今後原発の安全な運行に支障をきたす地震が発 生する可能性が皆無であると断言することはできません。 川内原発では未だ重要施設への耐震対策を実施しておらず、再稼働に際し当初公言していた免震重 要棟の建設計画を撤回するなど大規模な地震災害への対策には多くの不安を残したまま稼働してい ます。大規模な地震が近隣地域で頻発する中、阿蘇山等の火山活動活発化も懸念されており、住民 の不安も増大しています。4 月 18 日には、地元 98 団体を代表して「ストップ川内原発! 3.11 鹿 児島実行委員会」が川内原発の即刻停止を求める要請書を九州電力社長宛に提出しています。万が 一を想定して備える予防原則的観点からも、住民を震災に加えて放射能事故の危険に晒すリスクは 迅速に取り除かれるべきです。 2011 年の東日本大震災と東京電力福島第一原発事故を通して、私たちは人間の予測や対策を凌駕し て大規模自然災害が発生しうること、またそれが原発とその周辺自治体へ及ぼす影響を学びました。 原発事故の可能性とその影響を最小限に止めるためには、稼働中の原発については停止させること がもっとも有効な手段であることは疑う余地がありません。異常が発見されてから対応するのでは なく、事故を予防するために最善の選択をすることこそが求められています。 グリーンピースは、これらの理由から、地元住民団体の九州電力に対する要請を支持するとともに、 以下を原子力規制員会に要請します。 一、九州電力川内原発 1,2 号機の稼働を即時停止させること 二、平成 28 年熊本地震収束の後も、第三者機関により実地での調査により安全が確認されるまで再 稼働を行わないこと 以上
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