式辞 例年にない暖冬に続く今年の春はやはり足早で、校庭の紅梅もすでに満開となり、鶴岡公園の桜も開花 し始めています。この暖かな春の佳き日に、鶴翔同窓会会長齋藤正志様、PTA会長加藤保様、前校長柴 田曜子様をはじめ、多くのご来賓の皆さまのご臨席を賜り、平成二十八年度山形県立鶴岡南高等学校全日 制課程入学式を挙行できますことは、私たち教職員一同にとりましても大きな喜びであり、皆さまに心よ り御礼を申し上げる次第です。また、本日この式にご出席いただきました保護者の皆さまにおかれまして は、喜びもひとしおのことと、心よりお祝い申し上げます。 ただ今、本校に入学を許可されました二百一名の新入生の皆さん、ご入学、誠におめでとうございます。 皆さんのはつらつとした返事と輝くまなざしからは、本校での高校生活に対する大きな期待と強い意欲が 感じられ、たいへん頼もしく思います。皆さんが、名門で難関のこの鶴岡南高等学校を志願し、みごと選 抜を突破し入学されたことに敬意を表し、在校生・教職員一同、心より皆さんのご入学を歓迎するもので あります。 本校は、明治二十一年に創立され、今年で百二十八周年を迎える県内有数の伝統校です。 「自主」 「叡智」 「剛健」を校是として受け継ぎながら、各界・各層で目覚しい活躍を遂げている多くの人材を輩出し、今 もなお、脈々とその伝統が受け継がれております。新入生の皆さんは、今日からその伝統の継承者となり ます。 鶴岡南高校では生徒に自学自習・文武両道・質実剛健の精神を求めています。この春の本校の国公立大 学合格者は、東京大学、京都大学等の超難関大学への合格を含めて百三十二名と大健闘し、なんと、卒業 生の六十七%の生徒が国公立大学に進学しています。その一方で、部活動等の課外活動もたいへん盛んで あり、全国大会や東北大会で活躍する部や個人は多岐にわたり、インターハイでの優勝を成し遂げた部活 動も継続してあり、運動部・文化部ともに目覚ましい躍進を見せています。学校行事や部活動で活躍し、 勢いのある時ほど大学進学の成績も良いというのが、本校の伝統となっているのです。新入生の皆さんに もこの伝統を引き継ぎ、あらゆる場面で力を発揮し、活躍してくれることを期待しています。 また、本校は文部科学省のスーパーサイエンスハイスクール(SSH)の指定を受け、今年がその完成 年度となる五年目を迎えます。この取り組み中で、慶應義塾大学先端生命科学研究所や山形大学農学部・ 理学部、東北公益文科大学、鶴岡工業高等専門学校、東北大学工学部、山形県水産試験場等の連携・協力 を仰ぎ、 「鶴南ゼミ」を開講しています。これは、理系・文系にかかわらず、情報や科学を読み解く力、サ イエンスリテラシーを身につけ、自ら課題を発見し、調査研究し、それをまとめ上げ、発信する力の育成 を図るものです。基礎的な知識を獲得することはもちろん重要ですが、与えられたものを学ぶだけでなく、 自ら考え、求め、実証していく「探究的な学び」を、本校では皆さんに求めます。このSSHをとおして、 探究心と課題解決能力を持った人材、グローバルな視点で世界を見据える人材、科学技術の発展を担う高 い志を持った人材の育成を目指しています。 このような伝統と先進の鶴岡南高等学校の一員となるということは、すなわち、 「トップランナーである」 と言う事に他なりません。鶴南が、あらゆる面で県内のトップクラスにあることは、重ねて言う必要は無 いでしょう。皆さんには、これからさらに高い目標を掲げて邁進していただきたい。皆さんには「トップ ランナーたれ」と、激励の言葉を送ります。 新入生の皆さん、皆さんの胸中には今、期待と不安が交錯しているかもしれません。環境も変わり、良 い友人ができるか、学習についていけるかなどの不安もあることでしょう。しかし、本校には親身になっ て皆さんを支え、皆さんの知的好奇心を刺激し、導いてくれる優秀な教職員がいて、必ずや皆さんの期待 に応えてくれるはずです。上級生も、部活動や生徒会活動等、皆さんの先に立ち、時には教え、ともに活 動出来ることを楽しみに待っています。安心して、また大いに期待して本校の生活に飛び込んで下さい。 そして、困難に出合った時、失敗したり、くじけたりした時には、先生方や先輩たち、そして同期生とな るここにいる仲間たちに胸襟を開いて相談し、あるいは議論し、それを乗り越え成長していってほしいと 思います。大丈夫です、みんなが「トップランナー」の厳しさも辛さも喜びも楽しさも知っている仲間た ちですから。 新入生の皆さんが、一日も早く本校の生活に慣れ、忙しくも充実した学校生活を送られることを期待し て、式辞といたします。 平成二十八年四月八日 山形県立鶴岡南高等学校 校長 京谷 伸一
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