Ⅰ 研究の概要 1 研究主題及び副題 研究主題 副 題 2 学び合い、高め合う集団を育む教育活動の研究 生徒指導の機能を生かした学習指導を通して 主題設定の理由 ① 社会の情勢から 昨 今 の 少 子 化 や 核 家 族 化 は 、価 値 観 や ラ イ フ ス タ イ ル の 変 容 を も た ら す と と も に 、 親世代の子育てに対する意識の希薄化を招く一因となっている。また、パソコンや 携帯端末等に代表される情報化の急速な進展は、いつでもどこでも誰とでも容易に 情報を交換できる利便性をもたらす一方で、よりよい人間関係を築くためのコミュ ニケーションスキルの習得の機会を奪うという問題を抱えている。加えて、物事に 対する見方や考え方の多様化は、様々な価値観に触れるよさや可能性をもたらす一 方で、 「 個 性 」の 意 味 を は き 違 え 、集 団 へ の 所 属 間 や 規 範 意 識 の 希 薄 化 を 招 い て い る 様相もある。 ② 教育の動向から 21 世 紀 は 、知 識 基 盤 社 会 の 時 代 で あ り 、児 童 生 徒 を 取 り 巻 く 環 境 が 大 き く 変 化 す る中において、確かな学力、豊かな心、健やかな体の調和のとれた「生きる力」を 育成することが求められている。また、自分で考え自分で行動できること、その上 で他者と協力して助け合いながら「生きる力」を身に付けることが重要であると言 われている。 一方、生徒指導は、一人一人の児童生徒の人格を尊重し、個性の伸長を図りなが ら、社会的資質や行動力を高めるように指導、援助するものである。また、学校が 教育目標を達成するための重要な機能の一つであり、児童生徒の人格の形成を図り、 将来において社会的に自己実現ができるような資質・態度を形成していく上でも大 きな役割を担っている。 ③ 本校の実態から 本 校 が 小 中 一 貫 校 と し て ス タ ー ト し て 今 年 で 10 年 目 を 迎 え 、 現 在 在 籍 す る 児 童 生徒は全て小中一貫教育の体制の中で学校生活を送っている。 4 月当初に本校職員 で児童生徒や学校の姿について話し合いを行ったところ、以下のような成果や課題 が上がってきた。 ・素直で人懐っこく、上級生が下級生に優しく、面倒見がよい。 ・9 年間という長いスパンで成長を見ることができ、小中学部の職員も情報交換 がしやすい。 ・規範意識が希薄な面も見られ、個々であるとよさも分かるが、集団になるとル ールを守れなかったり、互いに認め合うことができなくなったりする傾向にあ る。 ・人前や学校外に出ると消極的になったり、リーダーとしての資質が十分でなか ったりする児童生徒が多い。 このように、本校児童生徒はそれぞれが優れた面を持ちながら、互いの立場や考 えを認め合ったり、学ぶ意欲や能力を高め合ったりする風土の醸成が十分でなかっ たことから、学びの集団としての機能が発揮されていない状況がある。 これらの課題を解決するには、自分を大切にすると同時に相手も大切にする心情 や態度が求められることから、個の高まりとともに集団への所属感を実感させる教 師 の 意 図 的 、計 画 的 な 働 き か け が 不 可 欠 で あ る 。そ こ で 、本 主 題 を 設 定 し 、 「自己決 定の場を与えること」 「自己存在感を与えること」 「共感的人間関係を育成すること」 といった生徒指導の機能を生かした授業づくりに関する実践に取り組み、本校の教 育目標である「豊かな心をもち、賢く創造性に富んだ、たくましい日向市の子ども の育成」の実現を図ることとした。 3 研究仮説 生徒指導の機能を生かし、児童生徒が互いの立場や考えを認め合うことのできる授業 づ く り に つ な が る 手 立 て を 講 じ て い け ば 、学 び 合 い 高 め 合 う 集 団 へ の 変 容 を 図 る こ と が できるであろう。 4 ○ ○ ○ 5 研究内容 小中別、ブロック別の教育目標(学習、生活など)の見直し 個別指導と集団指導についての理論研修と共通実践の構築 生徒指導の機能を生かした授業づくり 研究組織 校 長 教 頭 研究主任 (研究推進委員会) 全体会 学習研究班 生活研究班 連携班 授業実践研究班 ○ 研究推進委員会 研 究 の 内 容 や 流 れ を 検 討 す る 。( 校 長 、 教 頭 、 教 務 主 任 、 研 究 主 任 、 各 班 班 長 ) ○ 全体会 理論面での研修、研究内容の協議、方向性の検討などを行う。 ○ 学習研究班 学習規律や生徒指導の機能を生かした授業づくりなどについて研究する。 ○ 生活研究班 生徒指導や保健安全面から常時指導の在り方について研究する。 ○ 連携班 小中 9 年間のつながりを見据えた学習内容や行事などについて研究する。 ○ 授業実践研究班 全体会、各班からの提案等を受けて、授業実践や仮説の検証を行う。 ※ 校務分掌と関連させて各班を編成する。 6 月 4 5 研修計画 日 曜 形態 内容 3 金 全体研 研究主題、副題について 13 月 全体研 研究主題、副題の決定 27 水 全体研 研究の内容、研究組織の決定、研修計画 その他 検討 6 3 水 全体研 理論研修、班での取り組みについて 6/25(木) 17 水 全体研 指導案の共通理解と参観の視点検討 8年国語研究授業 24 水 全体研 研究授業①、事後研 (藤本先生) 7 1 水 班研 班の研究内容について 8 夏季 全体研 主題に関する講話やワークショップ 休業 班研 2 学期からの実践内容の検討と作業 9 2 水 全体研 指導案検討 16 水 全体研 研究授業②、事後研 30 水 全体研 学校訪問を受けての改善点や確認事項 7 水 班研 実践内容についての再検討 21 水 班研 実践内容の決定と準備 28 水 全体研 各班からの提案と共通理解 4 水 班研 班の研究内容の深化 18 水 全体研 実践の進捗状況確認や実践報告会について 25 水 全体研 実践内容や成果・課題の報告会 6 水 全体研 研究の成果と課題の検討 13 水 全体研 研究紀要(集録)作成要項提案 27 水 班研 研究紀要(集録)作成 2 3 水 全体研 研究の成果と課題について 3 2 水 全体研 来年度の研究の方向性 10 11 12 冬期 休業 1 学校訪問予定
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