参考資料2-3 海外調査報告 (スペイン(参考資料)) 平成28年4月15日 一般概況 【スペイン国旗】 【スペイン】 ●正式名称:スペイン王国(Kingdom of Spain) ●首都:マドリード(Madrid) 【一般事情】 ●面積:50.6万平方キロメートル ●人口:4,645万人(2014年) ●言語:スペイン語 【政治体制・内政】 ●政体:議会君主制 ●元首:フェリペ6世国王 ●議会:二院制(上院266議席、下院350議席。各々任期4年) ●現内閣(2015年12月以降暫定政権) 首相:マリアノ・ラホイ・ブレイ(民衆党) ●内政: ・ 2011年12月に発足したラホイ政権は,与党民衆党が上下両院で過半数を有し,多くの 自治州や市町村でも強い勢力を有することを背景に,経済危機克服に向けて,増税と 歳出削減からなる緊縮予算を発表・実施,また,金融改革,労働市場改革などの構造 改革を行ってきた。こうした緊縮策や構造改革により,国内総生産のプラス成長や輸出 額の好調な伸び,株価の上昇など,マクロ経済に回復傾向が現れ始めている。 ・ 2015年12月に投票が行われた総選挙では,約30年にわたり続いてきた二大政党制は 事実上終焉し,新興2党を加えた4大政党制と言える状況が生まれた。民衆党は第一党 の座を維持したものの勢力を減退して下院の過半数に届かず(186→123議席),社会 労働者党も議席減(109→90議席)となる一方,国政初参加のポデモス党は69議席,市 民党は40議席を獲得した。新首相の選出,政権発足に向けた各党間の協議が続いて いるが,こうした多極化を反映して流動的な状況が見られる。 1 (出典)外務省HP 【スペイン国章】 【経済】 ●名目GDP:1兆4,065億ドル(2014年) ●一人当たりGDP:30,272ドル(2014年) ●経常収支(対GDP比):0.9%(2015年) ●主要産業:自動車,食料品,化学品,観光産業 ●貿易(2014年) 輸出(実額):2,400億ユーロ (主な品目)自動車,機械,石油・ガス,電気機器,医薬品等 輸入(実額)2,645億ユーロ (主な品目)石油・ガス,自動車,機械,電気機器,医薬品等 経済・財政状況(データ) (単位:%) 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015 実質GDP成長 率 4.0 2.9 3.2 3.2 3.7 4.2 3.8 1.1 ▲ 3.6 0.0 ▲ 0.6 ▲ 2.1 ▲ 1.2 1.4 3.1 10年物国債 金利 5.2 4.3 4.3 3.7 3.3 4.0 4.4 3.8 4.0 5.5 5.1 5.3 4.2 1.6 1.8 経常収支対 GDP比 ▲ 4.4 ▲ 3.7 ▲ 3.9 ▲ 5.6 ▲ 7.5 ▲ 9.0 ▲ 9.6 ▲ 9.3 ▲ 4.3 ▲ 3.9 ▲ 3.2 ▲ 0.3 1.4 0.8 0.9 失業率 10.5 11.5 11.5 11.0 9.2 8.5 8.2 11.3 17.9 19.9 21.4 24.8 26.1 24.5 21.8 インフレ率 3.6 3.5 3.0 3.0 3.4 3.5 2.8 4.1 ▲ 0.3 1.8 3.2 2.4 1.4 ▲ 0.2 ▲ 0.3 PB対GDP比 2.0 1.9 1.7 1.7 2.7 3.5 3.1 ▲ 3.4 ▲ 9.6 ▲ 7.8 ▲ 7.5 ▲ 7.9 ▲ 4.0 ▲ 2.9 ▲ 1.8 財政収支対 GDP比 ▲ 0.5 ▲ 0.4 ▲ 0.4 ▲ 0.0 1.2 2.2 2.0 ▲ 4.4 ▲ 11.0 ▲ 9.4 ▲ 9.4 ▲ 10.3 ▲ 6.8 ▲ 5.8 ▲ 4.4 債務残高対 GDP比 54.2 51.3 47.6 45.3 42.3 38.9 35.5 39.4 52.7 60.1 69.2 84.4 92.1 97.7 98.6 (出典)10年物国債金利についてBloomberg、その他はIMF「World Economic Outlook」。 2 国家予算(中央政府・社会保障)の歳出・歳入構成(2016年度予算) ○ 歳出については、年金、失業給付等社会保障が大きな比重を占める。また、利払費と債務償還費の合計 で、歳出の4分の1強を占める。 ○ 歳入については、公債金が全体の3割以上を占める。 【歳入】 【歳出】 債務償還費 845 (19%) 利払費 335 (8%) 年金 1,354 (31%) 歳出合計額 4,364億ユーロ (対GDP比:38.8%) その他 469 (11%) 教育 25 (1%) 医療・保健 40 (1%) 防衛 57 (1%) インフラ 60 (1%) 3 公債金 1,373 (32%) 失業 市民安全、 196 刑務施設 79 (2%) (5%) 農業・漁業・食糧 74 (2%) 他の行政機関 への移転 488 (11%) 一般業務 340 (8%) 単位:億ユーロ 個人所得税 396 (9%) 法人税 249 (6%) 付加価値税 313 (7%) 歳出合計額 4,364億ユーロ (対GDP比:38.8%) その他税収等 618 (14%) 社会保険料 1,414 (32%) 経済状況の見通しと実績及び評価 ○ 2013年までの3年間はマイナス成長であったものの、足下ではプラス成長が続く見込み。 ○ 膨大な対外債務、高い失業率などの構造問題が、今後の経済成長に悪影響を及ぼす可能性。 経済の見通しと実績 【実質GDP成長率】 (%) 5 4 3 2 1 0 -1 -2 -3 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 安定化プログラム2009-2013 安定化プログラム2012-2015 実績 -4 評価 ○ 2007年以前は、平均3.5%(1996~2007年度)という高い成長が継続したが、これは、ユーロ圏が形成され資金アクセスが 容易になる中で、住宅投資に偏重する形で推移。このような中、不動産バブルが発生し、家計・企業の債務は増大し、経常収 支は赤字で推移した。 ○ このような経済の脆弱性がリーマンショックを契機に明るみとなり、2012年までの間に全体の17%に相当する350万人の雇 用が失われた。国内需要が弱い中、2011~13年はマイナス成長を記録。 ○ その後、金融環境の改善、石油価格の下落などを背景に、民需主導の景気回復を実現する見込み。とりわけ、雇用環境の 改善と低インフレによる民間消費の寄与が大きく、2016年度以降も成長が見込まれている。 4 財政状況の見通しと実績及び評価 ○ リーマンショック後の財政収支対GDP比は見通しよりも回復が遅れている。 財政の見通しと実績 【財政収支対GDP比】 4 (%) 0 -4 安定化プログラム2009-2013 -8 安定化プログラム2012-2015 実績 -12 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 評価 ○ 2011年の憲法改正、2012年の基本法制定など、財政健全化の枠組みが策定されて以降、景気後退による税収減、社会保 障支出増や金融機関支援など一時的な支出増の影響があったものの、健全化が進められ、2013年以降は景気回復もあり、 収支は改善。 ○ 今後の見通しについては、欧州委員会からマクロ経済の見通しが楽観的であることなどの指摘を受けており、財政収支対 GDP比の改善に向けて、引き続き財政健全化努力が必要。 5
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