「若者が主役!地域まるごと活性化事業」 「里山再生プロジェクト第1弾」 南昌院跡を探し隊実行委員会 (笠岡市大井公民館) 1 取組の目的 現在の生活環境では、山に入る機会もなく、故郷の山河を若者はどのように見 ているのだろうか、地域の大人として荒れ果てた田んぼと山を若者の記憶に残す わけにはいかないと思う。地域住民が山に入るきっかけとして、遠い昔存在した 南昌院の跡地を探してみたらどうだろうかと中学生に提案すると、やってみたい という意欲的な返事が返ってきた。そこで、中高生が中心となって、跡地の探索 に向けた企画運営を行い、中高生の活躍の場を設定するとともに、若者が後世に 伝えることのできる史跡の探索と森の遊び場づくりを目的として活動に取り組ん だ。 2 取組の内容 本取組は、現地調査、資料の作成や整理、地域の人からの聞き取り調査等を手 がかりに、南昌院跡地を探し出す探求的な取組である。山中での活動は、主に中 高生が休みの日に10回実施した。山の荒れが甚だしく、寺の区域の測量や登山 道の整備には、時間と労力を要した。高校生が活躍する場として、雑木林の手入 れ作業やスマホを活用した跡地の特定作業等があった。特に、スマホのGPSで 位置の座標や方位を測定し、得たデータをもとに地図を作成する作業に高校生が 積極的に関わった。 また、高校生が自主作業として山に入り、除 伐をしたり、カブトムシ・クワガタの住処づく りを行ったりするようにもなり、活動を楽しむ 姿勢を見ることができた。 3 事業実施による効果と課題 参加した若者が、事業に対して魅力ややる気 (スマホを活用しての測量の様子) を感じながら、綿密に立てられた計画に沿って、 大人と共に、調査・作業・話し合い・資料整理等を繰り返すことを根気強く行っ た。時には、調査途中に南昌院跡地が定まらず困惑することも経験しながら、仲 間と一緒に活動した成就感や体験で活躍できた達成感を十分に持つことができた のではないかと思う。また、知識だけでなく、作業を通したことで、より一層活 動に興味をもったり探究心も芽生えたりして、今まで知らなかった地区の歴史が 紐解かれいく「わくわく感」を感じることができたと思う。さらに、中高生と地 域住民との新たなつながりができ、今後の活動に活かせると考えている。今後の 事業展開としては、南昌院跡地に果実のなる木を植樹したり、巣箱を取り付けた り、跡地までの山道を整備したりする予定である。 次年度に向けて、現在参加している若者の声かけや実行委員会からの広報によ り、地域の若者に取組の魅力を伝え、新たな若者の参加メンバーを増やしていく ことが今後の課題ととらえている。
© Copyright 2024 ExpyDoc