なぜこの指標が大事なのか? <新興国編>

 ご参考資料
2016 年 4 月 13 日
43 なぜこの指標が大事なのか?
<新興国編>
チーフ・ストラテジスト
神山 直樹 これから何をきっかけに好循環が起きるのか?
原油:需給動向
中国:生産動向
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これから何をきっかけに好循環が起きるのか?
世界景気のトレンド(傾向)としては、リーマン・ショックからの回復が継続していると考えているが、循環的に弱さがみ
られる。何をきっかけに好循環が起きるのか、投資家としては見るべき指標を知りたいところだと思う。前回の先進国
編では、米国の賃金動向、日本の物価動向、欧州の政治経済・物価動向を取り上げた。今号では、原油と中国につい
て伝えたい。
原油:需給動向
2014 年以降に原油価格が急落した背景の一つに、技術革新の成果であるシェール革命があったといえよう。原油の
下落は先進国を中心に消費の拡大を促し、景気拡大要因となる。実際、ガソリン価格の低下が米国の消費者信頼感
の回復を支援しているとの見方もある。日本では車に満タン給油する人が増えているとの報道もあり、消費拡大に貢
献しているとみられる。ところが、原油価格の下落は、市場のセンチメント(心理)に悪影響を与えているようだ。
原油価格と在庫増減量の推移
(米ドル/バレル)
120
(2010年1-3月~2017年10-12月)
WTI原油の価格(四半期平均)(左軸)
400
(万バレル/日)
100
300
EIA予想
80
200
60
100
40
0
20
-100
在庫増減量(右軸)
-200
0
10年 11年 12年 13年 14年 15年 16年 17年
※予想は2016年4月時点
(EIA(米エネルギー情報局)のデータをもとに日興アセットマネジメントが作成)
上記は過去のものおよび予想であり、将来を約束するものではありません。
まず、1 バレル=100 米ドルの原油価格を当てにして資
金を借りたシェールオイル・ガス関連企業の信用問題
がある。同 30 米ドルに下落した場合は、企業の返済
能力に疑問が持たれるだろう。一方、技術力がある強
い企業は原油価格が値下がりしても供給を増やせる
ように努めてきたので、弱い企業が淘汰されても供給
は減らず、原油価格が値上がりしない状況にあるよう
だ。次に、ロシアはウクライナ問題で経済制裁を受け
ているので増産したい、イランは核問題にかかわる経
済制裁を解かれたので増産したい、サウジアラビアな
どは競合との交渉力を維持するためにシェアを維持拡
大したい、といった供給圧力が続いていることだ。いま
だ世界需要の本格的な回復が見えておらず、原油需
要の回復には時間がかかりそうだ。 ここで注目しておきたい指標は、原油の世界需要を占う在庫増減量のほか、シェールオイル・ガス採掘に欠かせないリ
グ(掘削装置)の稼働数や生産などになる。もっとも、シリアの政府軍と反政府軍の停戦継続によって、サウジアラビア
とロシアの原油供給拡大を凍結する交渉が良い結果になる可能性があり、シェールオイル・ガスについても、サバイバ
■当資料は、日興アセットマネジメントが投資環境などについてお伝えすることなどを目的として作成した資料であり、特定ファンドの勧誘資料で
はありません。また、当資料に掲載する内容は、弊社ファンドの運用に何等影響を与えるものではありません。■投資信託は、値動きのある資
産(外貨建資産には為替変動リスクもあります。)を投資対象としているため、基準価額は変動します。したがって、元金を割り込むことがありま
す。投資信託の申込み・保有・換金時には、費用をご負担いただく場合があります。詳しくは、投資信託説明書(交付目論見書)をご覧ください。
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KAMIYAMA REPORTS
VOL. 43
ルゲーム(生存競争)が一段落すれば、価格支配力維持のための生産調整が始まる可能性もある。早晩、原油の在
庫量は徐々に減少し、価格がさらに下落する可能性は低下するとみている。
中国:生産動向
米国中心に先進国の回復が世界経済の回復をリードするとみている中で、先進国の生産拠点となっている中国の生
産動向は、世界需要の大きさを示しているといえよう。視点を変えれば、中国の景気循環は世界景気にとって重要な
こと、と言うことではない。
中国は、リーマン・ショック直後に日本や米国、欧州などが金融緩和で危機を乗り越えようとする中、(高い成長率目標
もあったのだろうが)財政出動などで固定資産投資を拡大し、世界需要の増大に大きく貢献した。しかし、世界需要の
回復がことのほか遅かったため、結果として中国の製造業は過大投資となり供給過剰状態になってしまった。このよう
な状況で李国強首相が指導する供給過剰削減策は、経済成長率を引き下げざるを得ないが、適切な政策といえよう。
中国の製造業PMIと投資の推移
(%)
(2007年1月末~2016年3月末)
製造業PMI(左軸)
70
40
都市部固定資産投資(年初来累計、前年同月比)(右軸)
60
30
50
20
40
10
※都市部固定資産投資は2016年2月末まで
30
07
08
09
10
11
12
13
14
15
0
16 (年)
いずれ世界需要が回復し始めた場合には、当初、
中国は供給削減と生産拡大が並立するかもしれな
い。そのような状況を想定するのであれば、生産の
回復の先行指標として、生産データよりも製造業
PMI のような景気実態を把握することができるサー
ベイ調査の方を見ておけば良いだろう。
日本企業から見れば、業種によっては、中国の最
終需要が重要なポイントとなる。しかし、生産する
ためには産業機械や部品が必要となるため、最終
需要が世界的に強まれば、日本からの中国向け
輸出が拡大することになろう。 ※PMIは購買担当者景気指数で、50が景気の好不況の境目とされています。
(注)都市部固定資産投資は、春節(旧正月)の関係で1月のデータが発表されていない
場合、12月のデータを掲載
(中国物流購買連合会、中国国家統計局のデータをもとに日興アセットマネジメント作成)
上記は過去のものであり、将来を約束するものではありません。
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