自律訓練法のご紹介 ~これから始めることを考えている人へ~ 自律訓練法ってどんなもの? 自律訓練法(Autogenes Training ; Autogenic Training)とは,1932 年ドイツの精神医学者のシュルツに よって創始された心理療法の一つです。彼は,当時言われていた「中性催眠状態(催眠状態に入っている 状態のことです)が健康増進に役立つ」ということについて,中性催眠状態がどのような特徴を持ってい るのかを研究しました。そして見出した特徴である感覚を,自分で習得していく技法を考えだしました。 それが自律訓練法です。 日本に自律訓練法が紹介されたのは,1950 年代になってからです。始め,自律訓練法は教育領域と医 学領域で盛んに研究と応用がなされてきました。特に心療内科領域の,心身症(こころの問題が大きく関 連している身体疾患)の方の治療に多く用いられており,現在でも心療内科の治療の 3 本柱のひとつに, 自律訓練法があります。今日では,心理・教育・医療領域だけでなく,スポーツ,産業,生涯教育など の領域へも広く応用されるようになりました。1978 年には自律訓練法の研究と正しい普及を目的に「日 本自律訓練学会」が創設され,さらなる発展へとつながっています。 自律訓練法を練習すると何に効くの? ① 症状の緩和 心身がリラックスすると,ストレスによって精神 的に緊張することで起きる疲労,不眠,肩こり,腰 痛,頭痛,下痢,冷え性などの症状が和らぎます。 リラックス •自律訓練法を続けることで,心身が リラックスできるようになります ② 健康増進 ストレスに対してイライラが減ったり,ストレス 自己コントロール感 や自分の身体の状態に気づきやすくなるので,貯め こむ前の早めの対応ができるようになります。 ③ 行動上の変化,能力発揮 •自律訓練法は自分で練習を積んでい くものなので,継続することで,自 己コントロール感が増えます。 自己コントロールする力が高まり,心身が安定し てくるので,学習態度が改善したり,忍耐力がつい たり,アガリが減っていきます。 ④ 対人関係の改善 心身が安定することで心にゆとりが生まれ,対人 関係にもよい影響が出てきます。 心身の安定 •継続して練習をしていくと,症状や ストレスが緩和されていき,心身の 安定が得られます。
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