京都市動物園における ツシマヤマネコの出産・死亡について(お知らせ) 平成 28 年4月 11 日(月) 環境省 ・九州地方環境事務所野生生物課 課長 横田 寿男 ・対馬自然保護官事務所 (対馬野生生物保護センター) 首席自然保護官 佐藤 大樹 ℡0920-84-5577 ・ (公社)日本動物園水族館協会 会長 荒井 一利 生物多様性委員会 委員長 日橋 一昭 ツシマヤマネコ計画管理者 ℡: 092―531-1960 藤代 敏行 環境省と(公社)日本動物園水族館協会(以下、「日動水」)は、「生物多様性保 全の推進に係る基本協定」に基づき、国内の日動水加盟園 9 施設においてツシ マヤマネコの飼育下繁殖事業に取り組んでいます。同事業の協力施設である京 都市動物園において、ツシマヤマネコ2頭の出産があったものの、2 頭とも死 亡しましたので、お知らせします。 1.今回の出産について ○平成28年4月8日(金)17時30分頃、京都市動物園のツシマヤマネコ のメス(2歳、No66)が、帝王切開により2頭(オス1頭、メス1頭)の子ネ コを出産したものの、子ネコは無呼吸状態でした。 ○直ちに蘇生措置を試みましたが、平成28年4月8日(金)18時30分頃、 子ネコ2頭とも死亡を確認しました。 ○帝王切開を行ったメスについては、現在のところ順調に回復しています。 ○詳細は、別添京都市資料のとおりです。 2.経緯 日本動物園水族館協会では、平成8年より、環境省が実施している絶滅危惧 種ツシマヤマネコの保護増殖事業に協力し、国内の計9施設において飼育下繁 殖事業に取り組んでいます。本種は平成 12 年4月に福岡市動物園で初めて飼育 下繁殖に成功し、これまでに 53 頭 (今回の個体を除く)が誕生しています(現 在はオス 15 頭メス 12 頭の 27 頭が生存)。 平成 25 年からは、繁殖の可能性を高めるために、繁殖可能年齢の個体を福岡 市動物園、九十九島動植物園に集めて複数ペアによる繁殖に取り組み、平成 27 年までに 7 頭が誕生・成育しました。このうち平成 26 年に成育した個体は、繁 殖成功率の高い若齢での繁殖を進めるために、設備の整っている京都市動物園 および名古屋市東山動物園にオス 1 頭、メス 1 頭ずつ移動させ、繁殖に向けた 準備を進めてきました。このうちメスが繁殖可能年齢に達したため、平成 27 年 秋に日動水で制定した「平成 27―28 年ツシマヤマネコ飼育下繁殖計画」に基づ き、メスと遺伝的にも適合するオスを福岡市動物園よりそれぞれ 1 頭ずつ移動 させました。京都市動物園では、メスの発情を確認後、同居を試みたところ、 交尾を確認しました。このたび、出産予定日に近づいたため、ビデオ等での観 察の強化を行い、出産に備えましたが、このような残念な結果となってしまい ました。今後は、今回の事例の原因究明を図り、引き続き日動水・加盟園館と 協力し、飼育下繁殖の技術向上に努めてまいります。 3.問合せ先 ○ツシマヤマネコ保護増殖事業全般について 環境省対馬自然保護官事務所(℡:0920-84-5577、担当:佐藤) ○公益社団法人 日本動物園水族館協会の取組について 日本動物園水族館協会生物多様性委員会ツシマヤマネコ計画管理者 (℡:092-531-1960、担当:藤代(福岡市動物園)) ○個体の状況について 京都市動物園 (℡: 075−771−0210、担当:長尾)
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