ツシマヤマネコの出産・死亡について

(お知らせ)
平 成28年4月11日
文 化 市 民 局
(担当 動物園 771-0210)
ツシマヤマネコの出産・死亡について
京都市動物園で飼育中のツシマヤマネコが出産を迎えましたが,自然分娩に至らず,母子の安全
を考慮し帝王切開手術しました。しかし,摘出子はすでに仮死状態で,蘇生措置を施しましたが死亡
を確認しましたのでお知らせします。
記
1 誕生・死亡したツシマヤマネコについて
⑴ 頭数及び性別 2頭(メス1,オス1)
⑵ 出生年月日 平成28年4月8日(金)
⑶ 体
格 メス 体長15.4cm,体重88.2g
オス 体長16cm,体重93.8g
⑷ そ の 他 父「キイチ」 平成19年5月9日生(8歳11か月)
(平成27年11月25日に繁殖を目的に福岡市動物園から来園)
母「メイ」
平成26年4月11日生(2歳)
(平成27年1月15日に繁殖を目的に福岡市動物園から来園)
2 経過
⑴ 平成28年4月8日午前7時50分に事務所棟監視カメラにて,微弱陣痛を確認しました。
⑵ 同日午前11時30分頃より巣箱内で陣痛間隔が短くなり,陰部をしきりに舐め力みも認め
られました。
⑶ 同日午後2時30分頃から巣箱から出たり入ったりを繰り返すようになりました。
⑷ 陣痛が強くなり始めてから3時間を経過し分娩の兆候が認められないため,母子の安全を考
慮し同日午後3時30分頃母親を捕獲。麻酔下にて帝王切開を施術しました。
⑸ 同日午後5時30分頃第1子,第2子摘出するが,無呼吸。蘇生措置を試み,一時は2頭と
も自発呼吸を認めるが,午後6時30分死亡を確認しました。
なお,母親については現在のところ,順調に回復しております。
3 これまでの経過
⑴ 平成24年4月に,ツシマヤマネコの保護増殖事業についての普及啓発を目的
として,ツシマヤマネコの展示を開始しました。
⑵ 平成25年7月に,園内にツシマヤマネコ繁殖施設を設置しました。
⑶ 平成26年5月に環境省と公益社団法人日本動物園水族館協会の間で締結した「生物多様性
保全の推進に関する基本協定」に基づき,本園と東山動植物(愛知県)が飼育下繁殖の第二拠
点として位置付けられました。
⑷ 現在本園では4頭を飼育しており,オス2頭「キイチ」
,
「マナブ」とメス1頭「メイ」を非
公開の繁殖施設で飼育し,
「ミヤコ」を「もうじゅうワールド」で展示中です。
4 ツシマヤマネコ保護増殖事業全般についての問合せ先
環境省九州地方環境事務所対馬自然保護官事務所
〒817−1603
長崎県対馬市上県町棹先公園
電話 0920−84−5577
(参考)ツシマヤマネコ(ネコ目ネコ科 学名 Prionailurus bengalensis euptilurus)
第4次環境省レッドリスト(平成24年)
;絶滅危惧ⅠA 類(CR)
ツシマヤマネコは,長崎県の対馬にだけ生息している野生のネコで,東南アジアから中国,朝鮮半
島に広く分布するベンガルヤマネコの亜種とされています。
生息環境の悪化等により生息数が減少し,昭和46年には国の天然記念物に,平成6年には種の保
存法に基づく国内希少野生動植物種に指定されており,野生での生息数は,70∼100頭程度と考
えられています。からだの大きさは,体長50∼60cm,体重3∼5kg で,イエネコと同じかやや大
きく,大きく太い尾や耳裏の白斑(虎耳状斑)が特徴です。
※平成27年12月末時点での飼育施設,頭数は,10施設,35頭。