高齢者と慢性運動器痛 ⑴ 肩関節痛

高齢者と慢性運動器痛
⑴ 肩関節痛
愛知医科大学医学部整形外科 特任教授
岩堀 裕介
Ⅰ. はじめに
の使用だけでも腱板断裂を生じうる。一旦断裂
を生じると、筋肉の牽引力と上肢の重量の物理
的負荷により、断裂部は拡大していく。これは
高齢者の肩関節の慢性疼痛の原因となる主
衣類にひと度綻びを生じると、同部の穴が拡大
な疾患は腱板断裂である。この腱板断裂は高
していくのに似ている。今回、腱板断裂につい
齢化社会を迎えて、その断裂例は増加の一途
て疼痛との関連性を中心に概説したい。
である。加齢により腱板を構成している膠原線
維は退行変性により劣化して力学的強度が低下
Ⅱ. 腱板の機能解剖
する。上肢の重量は日本人女性で 5kg、男性で
6kg 程度あるため、日常生活動作程度の上肢
腱板(rotator cuff)のcuff はワイシャツの袖
プロフィール
Yusuke Iwahori
最終学歴 1986 年 名古屋大学医学部卒 主な職歴 1986 年 安城厚生病院研修医 1987 年 名古屋大学整形外科入局 1990
年 県 西 部浜 松 医 療 センター 副 部 長 1993 年 名古屋 大 学 医学 部 附属 病 院 医 員 1997 年 米 国 臨 床 留学 (Mississippi Sports
Medicine & Orthopedic Center, MS, USA)、 米 国 臨 床 留 学 (Southern California Orthopedic Institute, USA, CA, USA) 1997 年 静岡済生会総合病院医長 1998 年 愛知医科大学整形外科講師 2000 年 同・助教授 2007 年 同・准教授 2012
年 同・特任教授 現在に至る 資格 1986 年 医師免許取得 1993 年 日本整形外科学会専門医 1995 年 日本リハビリテー
ション医学 会 認 定 医 1997 年 日本リウマチ財 団 登 録 医 1997 年 日本体 育協会 公 認 スポーツドクター 1998 年 医学 博士 1999 年 日本リウマチ学会専門医 受賞歴 2010 年 11th International Congress of Shoulder and Elbow Surgery(ICSES)
The Kelly Best Poster Prize 所属 学 会 日本整 形外 科 学 会、JOSKAS、日本肩関 節学 会、日本 肘関 節学 会、臨 床スポーツ医学
会、日本整形外科スポーツ医学会、日本リハビリテーション医学会、日本運動器疼痛学会、日本リウマチ学会、中部整形災害外科学会、
ISAKOS 評議員・世話人・幹事 1999 年 中部リウマチ学会評議員、2001年 中部整形災害外科学会評議員、2003 年 日本関
節鏡学会(現 JOSKAS)評議員、2004 年 日本リウマチ学会評議員(現代議員)、2005 年 スポーツ傷害フォーラム世話人、2006
年 ISAKOS associate member、2007 年 日本肘関節学会評議員、2008 年 日本肩関節学会幹事(現代議員)、2009 年 肩関
節鏡手術研究会世話人、2010 年 日本運動器疼痛学会評議員(現代議員)、2011年 大阪肩関節鏡フォーラム世話人、2012 年 日
本整形外科学会専門医試験委員、2012 年 日本整形外科スポーツ医学会代議員、2014 年 愛知県整形外科医会勤務医部門理事 チー
ムドクター 1999 年 守山 Boys ( 小学生軟式野球チーム )、2007 年 デンソー女子バレーボールエアリービーズ、三菱電機女子バス
ケットボールダイアモンドコアラーズ、三菱電機男子バスケットボールダイアモンドドルフィンズ 2012 年 東邦高校硬式野球部、愛知
工業大学硬式野球部 2015 年 トヨタ自動車硬式野球部、中日ドラゴンズ
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口の折り返しに由来する。肩甲下筋・棘上筋・
後方向の安定性も低下して上肢挙上が困難とな
棘下筋・小円筋の 4つの筋肉により構成され、
る偽性麻痺を生じる場合がある。
これらの筋肉が肩甲骨に起始して、上腕骨頚部
Ⅲ. 腱板断裂の分類
に上腕骨頭を包み込むよう停止し、その腱性部
分が腱板である。
腱板の解剖学的な機能は、①非常に浅く小
腱 板 病 変 の 進 行を、 福 田ら 1)が 腱 板 の
さな肩甲骨関節窩の骨性臼蓋を腱性臼蓋として
integrityに基づいて、grade1 腱板炎、grade2
補う、②筋力ベクトルの総和により上腕骨頭に
腱板不全断裂、grade3 腱板完全断裂に分類
安定した支点を与える(動的安定機構)、③内
した。 腱 板 断 裂 の 形 態 分 類は、Cofieldら 2)
外転・内外旋の動作筋としての機能を有する、
が、肩関節腔と肩峰下滑液包との交通性のあ
の3 つである。よって、この腱板に断裂を生じ
る腱板完全断裂と交通性のない不全断裂に分
ると、股関節の臼蓋形成不全と同様に主に上
け、腱板不全断裂をその断裂部位により、滑
方への骨頭の安定性が低下して骨頭の上方化を
液 包 側 断 裂(bursal side tear, BST)
、関節
まねき、断裂した腱板の部位や程度に応じて内
包 側 断 裂(joint side tear, JST)
、腱内断裂
外転・内外旋の筋力低下を生じるとともに、疼
(intratendinous tear, ITT)に分類した
(図 1)
。
痛や運動制限が発生する。断裂が前方・後方
腱板完全断裂は、サイズ、部位、形状により更
に広がり断端の退縮を伴う広範囲断裂では前
に分類されるが、サイズは DeOrio&Cofieldの
不完全断裂
関節包側断裂
(JST)
滑液包側断裂
(BST)
腱内断裂
(ITT)
完全断裂
図1 腱板断裂の分類(Cofieldの分類、文献2から引用改変)
68
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分類 3)に従い腱欠損の最大径が 1cm 未満を小
腱板完全断裂の発生頻度は、50 歳未満で 0%、
断裂、1cm 以上 3cm 未満を中断裂、3cm 以上
50 歳代で10.7%、60 歳代で15.2%、70 歳代で
5cm 未満を大断裂、5cm 以上を広範囲断裂と
26.5%、80 歳以上で 36.6%であった(図 2 )
。そ
する。
のうち、疼痛が全くない無症候性完全断裂の
Ⅳ. 腱板断裂の疫学と自然経過
頻 度 は、50 歳 代 で 50%、60 歳 代 で 68%、70
歳代で 64.6%、80 歳以上で 67.6%であった(図
3)
。つまり、50 歳以上で腱板断裂は発生する
これまで屍体標本・画像検査・手術症例で
ようになり、年齢が上昇するにつれて発生頻度
の腱板断裂の発生頻度を検討した報告が多数
は増加し、60 歳以上の 4 人に1人は完全断裂
あるが、研究対象や方法により、その頻度には
を生じていることとなる。また、そのうち60%
当然のことながら差がある。その中で、最も現
程度は完全断裂があっても無症状である。
状を反映できているのは、住民検診におけるエ
一旦生じた腱板断裂の自然経過についても
コーによる調査結果である 4、5、6)
。それは、最
様々な報告があるが、総括すると腱板断裂は
近解像度が急速に改善して MRIをも凌ぐよう
完全断裂も不全断裂も、一度発生すると、縮
になり診断精度が高まったこと、無侵襲かつ
小・治癒するものはごく一部で、経時的に半数
ポータブルタイプの機種が開発され一般住民
近くは拡大する 7、8)
(図 4、5)
。腱板断裂後には
を対象とした検診で利用できることが、その
腱板筋の筋萎縮や脂肪変性といった不可逆性
理由としてあげられる。そのパイオニア的報
二次的変化が生じたり 9、10)
、変形性関節症まで
告として、皆川ら 4、5、)が山間部での一般住民
生じることがある 11、12)
。
664 名を対象とした報告がある。それによると
(%)
40
(%)
80
30
60
3人に1人
20
40
4人に1人
5人に1人
20
10
10人に1人
0
∼40歳代
50歳代
60歳代
70歳代
80歳代∼
年齢
図2 腱板完全断裂の発生頻度
(文献4から引用改変)
60歳以上の住民の約25%に腱板完全断裂を生じている
0
∼40歳代
50歳代
60歳代
70歳代
80歳代∼
年齢
図3 無症候性腱板完全断裂の頻度
(文献4から引用改変)
腱板完全断裂例の約60%が無症状
69
高齢者と慢性運動器痛 ⑴ 肩関節痛
から始まり表層まで進み完全断裂に至る説であ
Ⅴ. 腱板断裂の要因
る。一方、外因説は Neer14)が肩峰下インピン
ジメント説を唱え、腱板断裂は肩峰下での衝突
断 裂の生じる要因については、 代表 的な
により棘上筋腱の滑液包側から始まり完全断裂
ものとして内因説と外因説がある。内因説は
に進展していくとした。内因として腱板自体の
Codman13)が提唱し、腱板自体の変性と基盤
加齢による腱板自体の変性・脆弱化や血流不
としてrim rentと命名した関節包側不全断裂
良による治癒不良、外因として肩峰骨棘形成・
図4 腱板断裂の経時的拡大
初診時
6ヵ月後
図5 腱板断裂の経時的拡大例 MRI T2*強調像
70
高齢者と慢性運動器痛 ⑴ 肩関節痛
烏口肩峰靭帯の肥厚によるインピンジメント、
が断裂の大きさ・部位・元々の筋力の違いの影
下肢・体幹の機能・柔軟性低下による姿勢不良、
響を受けることによる。
転倒・打撲などの外傷がある。外傷を除けば、
特に高齢者で無症候性断裂がなぜ多いかに
内因・外因のすべてに加齢が関与する。これは、
ついては、以下の3 つがその理由として考えら
腱板断裂が 50 歳以上から発生し、以後加齢と
れる。①外傷性断裂を除き断裂の進行が緩徐
ともに頻度が増えること、10 歳以下の小児の方
であるため、断裂部周囲の炎症が生じにくく、
が、転倒して手をついたり肩を打撲する機会は
代償機能も自然に獲得できる。②多くの場合、
圧倒的に多いが、この年齢層で腱板損傷を生
断裂範囲が棘上筋腱部にとどまるため、代償
じることはないことからも、腱板断裂の発生に
機能の獲得により筋力・可動域・動的安定性を
加齢が大きく関わることは間違いない。
維持できる。③高齢になると、重労働や激しい
臨床的には、内因である腱板の退行変性に
スポーツ活動をする機会が減り、肩関節への力
よる脆弱性を基盤に、外因であるインピンジメ
学的負荷が減少する。
ントや外傷が加わって生じると思われる。それ
しかし、肩に外傷や急な作業負荷が加わる
ぞれの因子の関与する程度は症例により異な
と、断裂部周囲で炎症が誘発されたり、断裂
り、 その結果、 断 裂 発生様 式もJST、BST、
が急に発生または拡大して疼痛を生じる。断裂
ITT、完全断裂のいずれか多様となる。つま
範囲が棘上筋腱以外の腱板まで及んで、代償
り、内因が主の場合は JST、外因が主の場合
しきれなくなると筋力・可動域・動的安定性の
は BST、内因と大きな外傷では完全断裂を生
低下や疼痛を自覚するようになる。高齢者でも、
じやすくなるなどである。
上肢に負荷の加わるスポーツ活動や作業労働を
Ⅵ . 無症候性断裂と有症候性
断裂の存在
実施する場合には、断裂部への物理的負荷が
加わり続けるため有症状となりやすい。また、
上腕二頭筋長頭腱の損傷や(亜)脱臼を合併
しかし、腱板断裂の不思議な点は、アキレ
すると、長頭腱周囲の炎症を生じたり、腱の肥
ス腱や手指の腱の断裂と違って、断裂=症状
大や(亜)脱臼により接触する棘上筋腱・肩甲
の発現とはならないことである。無症候性の腱
下筋腱の断裂部が物理的刺激を受けて轢音を
板断裂例 4、5、6、15、16、17)
、症状側と反対側の無
伴った疼痛を生じる。
症候性腱板断裂例 18)
、保存療法での疼痛消失
例 19、20、21、22、23)
、デブリドマン・肩峰下除圧術
のみでの疼痛消失例 24、25)
、無症状の腱板修復
Ⅶ . 腱板断裂の疼痛発現の機序
術後の再断裂例 26、27)などが現に存在する。ま
腱板断裂にどのような要素が加わると症状が
た、症候性の場合でも痛みが軽いものから激し
発現するのであろうか。腱板断裂の症状には
い痛みを伴うもの、可動域制限のないものから
疼痛・運動制限・筋力低下などがあるが、この
自動挙上がほとんどできないものまで多様であ
うち疼痛の発生機序について考察する。腱板
る。これは疼痛に直結する炎症の程度が症例
断裂例の疼痛には侵害受容性疼痛としての要
により違うこと、また同じ症例でも経過中にそ
素と神経の感作や反射による修飾をうけて痛み
の炎症が増減すること、代償機能の働きやすさ
が続くことになる 28、29)
。
71
高齢者と慢性運動器痛 ⑴ 肩関節痛
侵害受容性疼痛は、肩峰下滑液包圧の上昇、
いる。肩峰下滑液包圧は姿勢の影響をうける。
関節拘縮、機械的刺激(肩峰下 impingement、
臥位になると上肢の重力による牽引がなくなり、
internal impingement)、生化学的刺激となる
更に軽度伸展位をとることから、上腕骨頭がや
滑膜炎が関わる。
や前上方に移動して肩峰下滑液包圧は上昇する
肩峰下滑液包圧は肩の痛みの特徴である夜
と考えられている(図 6)
。山本ら 31)は肢位と肩
間痛に関連する因子でもあり、腱板完全断裂
峰下滑液包圧との関連を調べ、立位、仰臥位、
やJST があると上昇する。Gerberら 30)は肩峰
側臥位の順に高くなることを立証している(図 7
下滑液包への生理食塩水注入により肩から上
。また山本ら 32)はさらに腱板断裂例の術
− a)
前後で肩峰下滑液包圧を比較し術後は術前より
腕にかけての疼痛が誘発されることを証明して
陽圧
陰圧
骨頭への
引き付け
三角筋の剪断力
上肢の重力
腱板断裂
正常
腱板断裂
正常
立位での肩峰下滑液包圧
・上肢の重力により肩峰下腔は広がり、圧は仰臥位
より低い
・腱板断裂では陽圧である滑液包と陰圧の関節内が
交通するため圧は正常より低い
仰臥位での肩峰下滑液包圧
・上肢の重力がなくなり、三角筋の穿断力が加わり骨
頭は上方へ偏位し滑液包圧は立位より上昇する。
・腱板断裂では骨頭の引き付けが弱くなり上方偏位が
正常より大きくなり滑液包圧は正常より上昇する。
図6 体位による肩峰下滑液包圧の違い(文献31より引用)
(mmHg)
60
腱板断裂群
(N=25)
夜間痛無し
(N=7)
夜間痛有り
(N=18)
50
40
30
20
コントロール群
10
20
術後
※
10
側臥位
※
b. 腱板断裂術前後の肩峰下滑液包圧
(文献 32 より引用)
図7 肩峰下滑液包圧の計測値
72
※
※
圧 30
0
※;p < 0.05
術前
40
仰臥位
a. 体位変換した際の肩峰下滑液包圧変化
(文献 31 より引用)
※
※
50
立位
側臥位
仰臥位
立位
0
(mmHg)
高齢者と慢性運動器痛 ⑴ 肩関節痛
肩峰下滑液包圧が低下して夜間痛も消失したこ
悪くなり関節内圧が高まる 33)
。また関節包の伸
とを報告している(図 7−b)。腱板断裂の手術
長痛が生じるほか、滑液包・腱の癒着部での
では烏口肩峰靭帯切離術と肩峰形成術による
牽引痛、周囲筋の持続性収縮による筋肉痛も
肩峰下除圧術の効果と、腱板断裂の修復によ
生じる。
り腱板の骨頭引き付け力が回復し骨頭上方化
腱板断裂では、以下のように断裂部が機械
がおこらなくなる効果により肩峰下滑液包圧が
的刺激を受ける。肩峰下 impingement 14)
(図 8)
低下する(図 7−b)
。
では腱板滑液包面が肩峰・烏口肩峰靭帯と摩
腱板断裂例ではしばしば二次的に関節拘縮
擦を生じ、internal impingement 34)
(図 9)で
を生じる。関節拘縮は烏口上腕靭帯の短縮・
は腱板関節面が後上方関節唇と衝突する。ま
癒着、腱板疎部の狭小化、肩甲下滑液包開口
た、腱板疎部付近の腱板断裂例では上腕二頭
部の閉塞、肩甲上腕関節関節包の癒着・容量
筋長頭の亜脱臼・脱臼を生じることもある。こ
の減少、上腕二頭筋長頭腱の癒着、肩峰下滑
うした機械的刺激は周辺の mechanoreceptor
液包の癒着などが複合して生じる。関節拘縮
を直接刺激して瞬間的な鋭い疼痛を生じるほ
が生じると、関節包の容量が減少して伸長性も
か、近傍組織の炎症を誘発する。
MRI T2 *:
肩峰下滑液包の腫脹
肩峰下スペース関節鏡視像:
腱板滑液包面と烏口肩峰靭帯
の fibrillation.
図8 肩峰下インピンジメント症候群
90度前後の外転で腱板滑液包面と肩峰から烏口肩峰靭帯がインピンジメントする。
73
高齢者と慢性運動器痛 ⑴ 肩関節痛
腱板断裂例の疼痛に、関節内・肩峰下滑液
侵害受容器の感受性を亢進させて、正常では
包内・上腕二頭筋長頭腱鞘の滑膜炎が関与し
関節運動に反応しない侵害受容器が運動時に
ていることは、非ステロイド系消炎剤(NSAID)
興奮して疼痛を生じる疼痛・炎症増強作用もあ
の内服や関節内・肩峰下滑液包内へのステロイ
る。腱板断裂の疼痛への滑膜炎の関与を肯定
ド剤注射が有効であることや、保存療法での
するもののうち、肩峰下滑液包の滑膜炎が主体
改善例で MRI 上、関節包・肩峰下滑液包の腫
であるとする報告 35、36)
、関節包滑膜の滑膜炎
脹・炎症像や腱板腫脹像が改善していること
が主体であるとする報告 37)がある。最近では、
(図 10)
、術前の安静時痛・夜間痛の強い腱板
腱板断裂の疼痛と炎症との関連にからんで、骨
断裂例の術中所見で滑膜増生が強いことが裏
シンチグラフィーの検討で症候性断裂は無症候
付けている(図 11)
。滑膜炎が生じると、発痛
性断裂に比べて有意に取り込みが高いという
物質であるブラジキニン、プロスタグランディン、
報告 38)や、超音波ドップラーによる血流評価
炎症性サイトカイン、プロテアーゼなどが放出さ
で夜間痛を伴う腱板断裂例では前上腕回旋動
れ、生化学的機序により関節包侵害受容器(自
脈の血流量が有意に増加している報告 39)があ
由神経終末)が興奮して疼痛が発生する。プ
る。
ロスタグランディンは直接的な発痛作用のほか、
その他、疼痛発現に関わる因子として皮膚温
MRI T2 *強調像
肩甲上腕関節内の後方鏡視像
図9 関節内インピンジメント症候群
外転外旋位で、腱板関節包面と後上方関節唇がインピンジメントする
74
高齢者と慢性運動器痛 ⑴ 肩関節痛
初診時
3ヵ月後
図10 腱板断裂例の保存療法前後の MRI T2*強調像
保存療法により腱板・肩峰下滑液包の腫脹が軽減している
夜間・安静時痛が強い症例
夜間・安静時痛がない or 軽い症例
図11 鏡視所見上の滑膜炎の違い
夜間・安静時痛が強い症例では血管に富んだ滑膜増生が強い
75
高齢者と慢性運動器痛 ⑴ 肩関節痛
がある。腱板断裂や五十肩例では夜間から早
小円筋ついで三角筋に筋枝、さらに肩外側から
朝に肩痛が増強する傾向がみられる。宮腰ら 40)
上腕外側の知覚を支配する知覚枝をおくる。そ
は肩の表面温度を調査して、温度は就寝後に低
の走行途中で運動枝・知覚枝以外に関節枝を
下し始めて午前4 時から5 時頃が最も低くなるこ
肩甲上腕関節関節包の前方・下方・後方や肩峰
とを明らかにし、温度が下がると疼痛の閾値が
下滑液包におくり、これが関節の位置覚や運動
下がることと合わせて疼痛発現の一因と考えた。
覚を支配するとともに疼痛にもかかわる。腱板
次に神経原生炎症など神経系の関与につい
断裂の疼痛によりQLS 周囲の筋過緊張をきた
て述べる。上述した様々な侵害受容性疼痛が
すと狭小化し QLS 症候群を生じ、疼痛を助長
持続すると、痛み中枢にも変調が生じて、疼痛
する。また挙上によりQLS は更に狭まるので挙
域値の低下や遷延化をまねく。更に脊髄反射に
上制限も増悪する 42、43)
(図 16)
。肩甲上神経は
よる筋肉痛(図 12)
、関連痛(図 13)、軸索反
肩甲上切痕を通過後に棘上筋に分枝をおくった
射による一次痛覚過敏 41)
(図 14)による修飾が
後、肩峰基部を回って後方に向かい棘下筋へ
加わり、疼痛は持続性かつ難治性となる。
むかう。肩甲上切痕部は靭帯に上方を覆われ
腱板断裂例の疼痛に関与する末梢神経障害
た狭い空間であることから、神経が障害されや
についてふれる。障害される主な神経は腋窩神
すいポイントであるが(図 17)
、阿部ら 44)によ
経と肩甲上神経である(図 15)。腋窩神経は腋
ると腱板広範囲断裂例では、腱板の退縮に伴
窩を通過する際、小円筋腱、上腕三頭筋長頭、
い肩甲上神経が牽引されて疼痛や麻痺を生じる
大円筋腱、上腕に囲まれた四辺形間隙(QLS)
可能性があると報告している。
とよばれるスペース(図 16)から後方に出て、
上位中枢
脊髄神経節
①
侵害部位
筋
③
脊髄視床路
血管
関節包
交感神経節
②
図12 脊髄反射(文献41から引用、一部改変)
侵害受容器からのインパルスの伝導経路
①脊髄視床路を通り上位脳へ(痛みの認識)
②脊髄反射による筋収縮 ③交感神経節を介し交感神経を興奮 76
高齢者と慢性運動器痛 ⑴ 肩関節痛
この皮膚の痛み
として認識
こちらのC線維終末部も
痛覚過敏になる
関節包の
侵害部位
上位中枢
侵害部位
逆方向性伝導
逆伝導性伝導
上位中枢
(P物質CGRP)
脊髄神経節
図13 関連痛(文献41から引用、一部改変)
関節包からの求心線維と皮膚からの求心線維が脊髄
後角の同一ニューロンに収束するため、関節包から
のインパルスを脳では皮膚と認識する。
図14 軸索反射による一次痛覚過敏
(文献41から引用、一部改変)
傷害されたC神経終末からのインパルスは脊髄神経節で
の軸索反射により、別のC神経終末が過敏化される。
b
b
a
a
a: 腋窩神経 b: 肩甲上神経
図15 肩関節近傍を走行する腋窩神経と肩甲上神経
(Rockwood CA, et al: The Shoulder. WB Saunders, 1990,30−31引用)
77
高齢者と慢性運動器痛 ⑴ 肩関節痛
Ⅷ . 腱板断裂例の治療
板断裂の予後予測因子に関して、関節可動域
と筋力が良好な例は予後良好であると報告。更
にその後、予後予測因子として①インピンジメ
腱板断裂例に対する治療には、保存療法と
ント徴候がない、②外旋可動域が良好、③棘
手術療法がある。腱板断裂自体の修復は、保
上筋萎縮がないか軽度、④棘上筋筋内腱が
存療法ではほとんど期待できないため、断裂自
温存されている4つを挙げ、この 4 因子を全て
体を修復するには手術療法が必要となる。しか
満たす例での保存療法の有効率は 85%、1因
し手術療法には、麻酔のリスク、入院の必要性、
子以下しか満たさない例での有効率は12%で
術後の疼痛、社会生活への復帰に時間がかか
あったと報告し、予後予測因子の1因子以下し
ること(日常生活で4 〜 6 ヶ月、作業労働で 6
か満たさない例や若年者・肉体労働者・スポー
〜 9 ヶ月)などの問題がある。また先述したよ
ツ愛好家といった断裂拡大リスクの高い例は手
うに腱板断裂は炎症が制御し代償機能がうまく
術適応とすべきであると報告している。その他、
働けば無症候となる。65 歳頃までの若年者は、
特殊な事情として労災や第三者行為による受傷
日常生活や職業上の活動性が高いため、断裂
例に早期から手術療法が適応される。
部周囲に物理的刺激が加わりやすく症候性にな
保存療法の目的は、腱板断裂部の修復では
る可能性が高く、またその後の生存期間も長い
なく、疼痛のコントロールと残存腱板機能や肩
ため断裂が拡大するリスクも高くなる。以上の
甲胸郭関節・体幹・下肢などの全身機能による
ことを勘案し治療法を選択する必要がある。つ
まり、若年者では基本的に手術療法を適応し、
高齢者では肉体労働者やスポーツ愛好家を除
肩甲上切痕
けば保存療法を優先する 29)
。Itoiら 45)は、腱
下垂位
挙上位
腋窩N
棘窩切痕
小円筋
QLS
Bennett骨棘
大円筋
上腕三頭筋
長頭
図16 四辺形間隙(QLS)症候群の発症機
四辺形間隙は拳上位で狭小化し、腋窩神経が絞扼
される。Bennett骨棘があるとその危険性は高まる
78
図17 肩甲上神経と障害発生部位
高齢者と慢性運動器痛 ⑴ 肩関節痛
断裂腱板機能の代償である 5、29、46)
。疼痛のコ
してホットパック、低周波、超短波、理学療法
ントロールには、生活指導、薬物療法、注射
として筋肉のリラクセーションを促す徒手療法、
療法、物理療法・理学療法などが用いられる
関節可動域訓練、残存する腱板の機能訓練(特
29、47)
。生活指導は、一定の安静、疼痛を回避
に外旋筋)
、肩甲骨の運動学習訓練を行う。こ
するための姿勢・動作、抱き枕使用(図 18)
、
うした肩関節周囲に対するアプローチだけでな
無圧マットなどの寝具の工夫、着衣・ナイトウエ
く、不良姿勢の矯正、胸郭・下肢の柔軟性の
アーによる肩の保温などを行う。薬物療法は、
回復のためのストレッチング・機能訓練も重要
アセトアミノフェン、非ステロイド系消炎剤(内
である 29、47)
。それは、肩挙上時には肩関節の
服薬、坐薬、外用剤)、慢性疼痛治療薬(プレ
動きだけでなく、体幹・胸郭運動も参加してい
ガバリン48)
、経口オピオイド製剤 49、50)
、ブプレ
るためである。
ノルフィン経皮吸収型製剤 50)など)、抗うつ剤、
手術療法には、一次修復術と一時修復不能
睡眠剤などを投与する。腱板断裂の最も辛い
例に対する手術がある。一時修復術には、直
症状である夜間痛に対しては慢性疼痛治療薬
視下修復術 51、52)と鏡視下修復術 53)
(図 20)が
が有用である。注射療法は肩甲上腕関節内や
あるが、現在は関節鏡の手術器具・材料・技
肩峰下滑液包内へのステロイド剤・ヒアルロン
術の急速な進歩により低侵襲な鏡視下修復術
製剤の注入や、肩甲上神経・腋窩神経のブロッ
が主流となり、
良好な成績が報告されている(図
ク注射などが用いられる(図 19)。物理療法と
21)
。一時修復不能例に対する手術には、除
図18 臥床時、安静時の肢位の指導
79
高齢者と慢性運動器痛 ⑴ 肩関節痛
肩甲上腕関節
肩峰下滑液包
四辺形間隙(腋窩神経)
肩甲上切痕部(肩甲上神経)
図19 肩関節ブロック注射
a
b
c
図20 Bridging suture法による 鏡視下腱板修復術
a 手術風景、b 皮切、c 鏡視像
80
高齢者と慢性運動器痛 ⑴ 肩関節痛
痛目的で鏡視下肩峰下除圧術・デブリドマンに
は、本邦でも2014 年から使用可能となり、主
とどめる方法、可及的に修復する部分修復術、
に70 歳以上の広範囲断裂例に適応される。こ
腱板欠損部をパッチで補填する方法、上方関
の人工関節は関節窩側が凸面・上腕骨側が凹
節包を大腿筋膜パッチで再建する方法 54)(図
面になっていて拘束性が増すとともに回転中心
22)、棘上筋・棘下筋の起始部を剥離し外側へ
を内方化し、骨頭を引き下げた位置で安定化さ
移動する方法、腱板以外の筋腱を移行する方
せる。それにより三角筋のレバーアームをかせ
法、反転型人工関節置換術 55)など様々な方法
ぎ腱板機能に頼らず三角筋の筋力を引き出し、
があるが、症例の年齢や活動レベルに応じて適
短期間に痛みなく肩の挙上が可能となる。
(図
応選択する。この中で反転型人工関節置換術
23)
。
術前
術後1y
図21 Bridging suture法による 鏡視下腱板修復術 術前後の画像所見
81
高齢者と慢性運動器痛 ⑴ 肩関節痛
Ⅸ . さいごに
大腿筋膜
高齢化社会を迎えて、腱板断裂症例は増加
の一途である。高齢者の腱板断裂は保存療法
で対処できる場合が多い。年齢、性別、利き手・
非利き手、職業・スポーツ活動、症状、腱板
断裂の部位・大きさ、腱板筋の萎縮・脂肪変
性の程度、関節症性変化の有無などを総合的
に判断して、治療方針を決定する。その際、最
も辛い症状である疼痛対策を最優先に考える
必要がある。
棘下筋腱、小円筋腱
図22 一次修復不能な腱板断裂に対する
大腿筋膜による上方関節包再建
大腿筋膜を棘上筋腱断端に縫合するのではなく、関
節窩上縁に縫着して上方関節包を再建することによ
り、骨頭の上方移動を回避する。
文 献
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図23 一次修復不能な広範囲腱板断裂&関節症合併例に対する反転型人工肩関節置換術
関節窩側を凸面・上腕骨側を凹面として拘束性を確保。回転中心を内方化し、骨頭を引き下げることによ
り、三角筋のレバーアーム(d)をかせいで三角筋の挙上筋力(F)を引き出す。
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