駐在員便り ウィーン 皆さんこんにちは。 1 月下旬から 2 月にかけては比較的暖かい日が続き、この原稿を書いている 2 月中旬は最高気 温が 15℃を超えるような日もありました。年明けの 1 月初旬には氷点下に達し非常に寒い思いを しましたが、それもピークを過ぎ、日照時間も少しずつ長くなり 1 月の午後 5 時頃は真っ暗でし たが、2 月に入ると薄暗くなってきました。寒い日が続いていますが、日中は日が差す日も多く 過ごしやすい日も多くなり、春が近いことも実感しています。 1 月から 2 月にかけては舞踏会シーズン(Ballsaison)となり、毎日どこかで開催されています。 舞踏会と聞くと優雅に聞こえますが、毎年政党主催の舞踏会が開催されるこの時期には、これに 異議を唱える人がデモを行うことでも有名です。1 月 29 日にはこの抗議デモに対応するために 2800 名もの警察官が対応にあたりました。私も丁度帰宅時、最寄駅まで歩いているところに抗議 デモの集団に出くわし、少し遠回りをして帰る羽目になりました。 また、2016 年は丁度オペラ座舞踏会(Wiener Operaball)の 60 周年を記念する年でもあり、先 日それを記念したグッズが発売されました。60 周年を記念した記念硬貨やペパーミント・キャン ディが販売され節目となる年を盛り上げています。記念硬貨は 5 万個のみの限定生産となってお り、ウィーン市内の記念硬貨ショップでの販売、ペパーミント・キャンディはケルントナー通り (Kärntner Straße、1 区)のカフェ・ゲルストナーで販売されています。 1 月 15 日から 18 日にかけての 4 日間、今年で 2 回目となる Vienna Coffee Festival が開催さ れました。ウィーンではカフェ文化が強く根付いており、カフェ・ザッハー(Café Sacher)やデー メル(Demel)、カフェ・ツェントラル(Café Central)といった老舗が有名ですが、このイベントで は若手のバリスタ等も多く参加し、コーヒーに関する講義やデモンストレーション、様々なコー ヒーの試飲、コーヒー関連商品や焙煎マシーン等の展示もあり、多くの人が参加し非常に好評だ ったとのことです。ウィーンにも現在スターバックスといったチェーン店が普及していますが、 ふらりと立ち寄った町にも様々な昔ながらのカフェが多くあり、ウィーンのカフェ文化の深さが 伺えます。 余談となりますが、ウィーンのカフェでは一般的にコーヒーを頼むと、自動でコップ 1 杯の水 がお盆に乗って一緒に付いてきます。なぜ水が付いてくるのか、以前現地スタッフの方に質問し た際、日本の飲食店に入店した際に最初に出されるお冷と一緒なのではないかという返答を受け ました。日本とウィーンでは文化は色々違うと思いますが、意外なところで共通点も多いのかも しれません。 2 月 14 日はバレンタインデー(Valenteinstag)でしたが、欧州では日本とは様子が違い、女性が 男性に思いを告白する日という認識は無いようです。女性、男性を問わず愛を誓い合う日として 認識されているようです。そのため、日本で見られるようなスーパーでのこの時期特有のチョコ 商戦といったものはなく、花やカードといった様々なギフトを恋人や夫婦間で送りあうのが一般 的なようです。また、バレンタインデーは聖バレンティヌスに由来する記念日でありますが、こ ― 90 ― の人物に関する伝説は複数あり、真偽の程が定かではないため、バレンタインデーは現在では祝 日としては扱われていないとのことです。 写真は、今年で 60 周年を迎えたオペラ座舞踏会の様子です。 ジェトロ・ウィーン事務所 産業機械部 ― 91 ― 藤田 侑士
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