新潟県の金融経済動向

2016 年 4 月 1 日
日本銀行新潟支店
新潟県の金融経済動向
【基調判断】
県内景気は、新興国経済の減速の影響などがみられるものの、緩や
かな回復基調が続いている。
公共投資は減少傾向にある。輸出は増加している。設備投資は緩や
かな増加基調にある。個人消費は持ち直している。住宅投資は弱めの
動きがみられる。
生産は弱めの動きがみられる。企業収益は高水準で推移している。
雇用・所得環境は、労働需給面では改善を続けている。雇用者所得は
緩やかに増加している。この間、企業の業況感は悪化した。
【前回からの変更項目】
今回(4 月 1 日公表)
前回(3 月 2 日公表)
新興国経済の減速の影響などがみられ
全
体
るものの、緩やかな回復基調が続いてい
る。
新興国経済の減速の影響がみられるも
のの、緩やかな回復を続けている。
設備投資
緩やかな増加基調にある。
増加している。
企業収益
高水準で推移している。
改善している。
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1
1.実体経済
公共投資は減少傾向にある。
2016 年 2 月の県内の公共工事請負金額は、市町村等での発注増加により、前
年を上回った。
[公共工事請負金額](前年比・実数)
(月次)
(四半期)
50
40
30
20
10
0
▲10
▲20
▲30
▲40
▲50
1,800
(前年比、寄与度、%)
(前年比、寄与度、%)
直近値は15/4Q
3.6
国
県
市町村
その他
合計
11年
12
13
14
15
(実数、億円)
15/3月
500
5
7
9
11
16/1月
(実数、億円)
直近値は15/4Q
1,500
400
1,200
300
900
200
162
600
100
300
0
11年
12
13
14
0
15
15/3月
5
7
9
11
16/1月
出所:東日本建設業保証㈱新潟支店
輸出は増加している。
最近の動向を業種別にみると、輸送用機械、金属製品(作業工具)は着実に
増加している。電気機械は増加している。化学は弱めの動きがみられる。一般
機械は減少している。
2016 年 3 月短観(製造業)では、2015 年度は、前年を上回る見込みである(前
回比修正率▲3.0%)。2016 年度は、前年を下回る計画である。
20
[短観・輸出(製造業)](前年比)
(%)
16.4
10
9.7
9.2
5.1
0
▲3.8
▲10
12年度
13
14
15
(見込み)
16
(計画)
出所:日本銀行新潟支店
2
設備投資は緩やかな増加基調にある。
2016 年 2 月の県内の建築着工床面積(非居住用)は、前年を下回った。
2016 年 3 月短観では、2015 年度は、前年を下回る見込みである(前回比修正
率▲7.8%)。2016 年度は、前年を上回る計画である。
[建築着工床面積(非居住用)] (前年比・実数)
(四半期)
(月次)
(前年比、寄与度、%)
100
180
直近値は15/4Q
80
(前年比、寄与度、%)
製造業
非製造業
合計
60
150
120
40
90
20
60
0
30
▲20
0
▲40
▲30
▲60
▲60
400
11 年
12
13
14
15
(実数、千㎡)
350
180
直近値は15/4Q
15/3月
5
7
9
11
16/1月
(実数、千㎡)
160
140
300
120
250
100
200
80
150
60
100
40
50
20
0
▲42.1
11 年
12
13
14
0
15
31
15/3月
5
7
9
11
16/1月
出所:国土交通省
[短観・設備投資](前年比)
40
(%)
製造業
非製造業
全産業
30
20
20.1
10
3.4
0
▲10
▲20
▲30
▲16.6
12年度
▲6.5
13
▲10.7
14
15
(見込み)
16
(計画)
出所:日本銀行新潟支店
3
個人消費は持ち直している。
2016 年 2 月の百貨店・スーパー売上高をみると、食料品は前年を上回った一
方、衣料品は前年を下回った。全体としては、回復している。
2016 年 2 月の乗用車の新車登録・届出台数は、前年を下回った。弱めの動き
がみられる。家電販売額は、持ち直している。
旅行取扱高は、弱めの動きがみられる。
[百貨店・スーパー売上高](前年比)
(月次)
(四半期)
12
(%)
(%)
直近値は15/4Q
9
6
5.4
3
0
▲3
▲6
▲9
11 年
12
13
14
15
15/3月
5
7
9
11
16/1月
出所:日本銀行新潟支店
[乗用車新車登録・届出台数](前年比)
(四半期)
80
(月次)
(前年比、寄与度、%)
10
(前年比、寄与度、%)
直近値は15/4Q
60
5
40
0
20
▲5
0
▲10
▲20
▲40
11年
12
13
普通
小型
軽
合計
14
▲9.1
▲15
▲20
15
15/3月
5
7
9
11
16/1月
出所:新潟運輸支局
出所:新潟運輸支局
4
住宅投資は弱めの動きがみられる。
2016 年 2 月の新設住宅着工戸数は、持家、貸家、分譲のいずれも前年を上回
ったため、全体でも前年を上回った。
[新設住宅着工戸数](前年比・実数)
(四半期)
50
40
30
(月次)
(前年比、寄与度、%)
持家
分譲
合計
貸家
給与
(前年比、寄与度、%)
直近値は15/4Q
20
16.7
10
0
▲10
▲20
▲30
4,500
4,000
11年
12
13
14
15
(実数、戸)
15/3月
1,600
直近値は15/4Q
7
9
11
16/1月
(実数、戸)
1,400
3,500
1,200
3,000
1,000
2,500
691
800
2,000
600
1,500
1,000
400
500
200
0
5
11 年
12
13
14
0
15
15/3月
5
7
9
11
16/1月
出所:国土交通省
5
生産は弱めの動きがみられる。
食料品(米菓、練り製品)は、増加している。
電子部品・デバイスは、増加している。
一般機械では、建設機械、産業機械は、緩やかに増加している。工作機械は、
弱含んでいる。
金属製品(作業工具)は、増加している。
化学は、弱めの動きがみられる。
輸送用機械(自動車関連部品)は、増加している。
鉄鋼は、弱含んでいる。
繊維は、低調な生産を続けている。
なお、2016 年 1 月の県内の鉱工業生産指数は、前月比上昇した(季調済前月
比+1.2%)。
[鉱工業生産指数](月次・季節調整値)
110
(2010 年=100)
105
100
99.2
95
90
12 年
13
14
15
16
出所:新潟県
企業収益は高水準で推移している。
2016 年 3 月短観では、2015 年度の経常利益は、減益の見込みである(前回比
修正率▲9.7%)。2016 年度の経常利益は、減益の計画である。
40
[短観・経常利益](前年比)
(%)
14.5
20
0.2
0
▲1.5
▲20
▲40
12年度
製造業
非製造業
全産業
13
▲3.5
▲10.3
14
15
(見込み)
16
(計画)
出所:日本銀行新潟支店
6
雇用・所得環境は、労働需給面では改善を続けている。雇用者所得は緩やかに増加
している。
2016 年 2 月の有効求人倍率(季節調整値)は、前月と同水準となった。有効
求人数・求職者数をみると、求人数、求職者数ともに増加した。
この間、2016 年 1 月の現金給与総額は、前年を下回った。
[有効求人倍率]
(月次・季節調整値)
1.3
(倍)
1.24
1.2
1.1
1.0
0.9
0.8
0.7
12 年
13
14
15
16
出所:新潟労働局
[現金給与総額]
(前年比)
(四半期)
5
4
3
2
1
0
▲1
▲2
▲3
▲4
(%)
(%)
(月次)
直近値は15/4Q
▲0.1
11 年
12
13
14
15
15/2月
4
6
8
10
12
出所:新潟県
7
2.金融
預金、貸出金ともに増加している。
2016 年 2 月の県内金融機関の預金は、個人預金、法人預金で前年を上回った
一方、公金預金で前年を下回った。また、貸出金は、個人向け、法人向け、地
公体向けのいずれも前年を上回った。
[預金・貸出金残高](月次・前年比)
5
4
3
2
1
0
▲1
▲2
▲3
(%)
1.7
0.9
実質預金
貸出金
12
年
13
14
15
16
出所:日本銀行新潟支店
企業倒産は、件数は前年を上回ったが、負債総額は前年を下回った。
2016 年 2 月の県内企業倒産は、件数は前年を上回ったが、負債総額は前年を
下回った。
[倒産](月次・実数)
[倒産件数]
30
[負債総額]
(件)
150
20
(億円)
100
12
10
50
18
0
0
12 年
13
14
15
16
12 年
13
14
15
16
出所:㈱東京商工リサーチ新潟支店
以
8
上