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JAPAN LIFELINE TVI MARKETING REPORT
Vol.023
橋本 治
先生 (足利赤十字病院 循環器内科)
分岐部病変に対する ATHLETE Spider の有用性
Fig. 1
年齢:46 歳 /性別:男性
主訴:労作時胸部圧迫感 (CCS Ⅱ ) 診断:労作性狭心症
ターゲット病変情報
LAD #7 75% (Fig. 1, Fig. 2)
使用デバイス
Sheath:
メディキットスーパーシース(スリット付き)
6Fr 17cm(Medikit)
Guiding catheter: Heartrail II 6Fr IL 3.5SH(TERUMO)
Guide wire:
ATHLETE Spider、
ATHLETE JOKER(Japan Lifeline)
Balloon catheter: NC Quantum Apex
Φ 2.5 x 15mm Φ 3.0 x 15mm(Boston Scientific)
Stent:
Xience V Φ 2.5 x 28mm(ABBOTT JAPAN)
IVUS:
ViewIT(TERUMO)
Fig. 2
手技手順・方法
右撓骨動脈より撓骨動脈用のメディキットスーパースリットシース 6Fr
17cm を挿入し、ガイディングカテーテルは Heartrail Ⅱ 6Fr IL 3.5SH を
LCA に挿入した。ATHLETE Spider を LAD 本幹末梢にクロスした後、
ATHLETE JOKER を用いて病変部より分岐している対角枝にクロスを試
みたが、角度が急峻で目的とした対角枝ではなく、その近位部の対角枝へ
クロスした (Fig. 3)。その後再度ワイヤリングしなおし、目的とした対角
枝へクロスした (Fig.4, Fig.5)。IVUS(ViewIT)を施行し、病変部の血管
径は 3.0mm 弱であり偏在性の石灰化を伴っていた。
Fig. 3
Fig. 4
Fig. 5
JOKER
JOKER
Spider
Spider
Spider
JOKER
JAPAN LIFELINE TVI MARKETING REPORT
NC Quantum Apex Φ 2.5x15mm で病変部を前拡張し (Fig. 6)、Xience V Φ 2.5x28mm で対角枝をまたいで留置した (Fig. 7)。
LAD 本幹の ATHLETE Spider と対角枝の ATHLETE JOKER を入れ替えて (Fig. 8)、IVUS を施行した。ステント留置部内腔
は 2.0-2.5mm の拡張にとどまっていたため、NC Quantum Apex Φ 3.0x15mm で後拡張を実施した (Fig. 9)。
再度 IVUS を施行し、血管内腔 2.75mm 程度まで拡張できていたため手技を終了とした (Fig.10, Fig. 11)。
Fig. 6
Fig. 7
Fig. 8
JOKER
Fig. 9
Fig. 10
Fig. 11
症例のポイント
対角枝を含んだ左前下行枝病変で、側枝が病変部より急峻な角度で分岐している。LAD 本幹に先にワイヤリングを行うと、
側枝へのワイヤリングが場合によっては難しくなることが予想される。また、ステント留置後に対角枝が閉塞してしまう可能
性もあり、その際急峻な角度で分岐している側枝に再度ワイヤリングすることが困難となることがある。
評価・コメント
ATHLETE シリーズとして新たに発売された Spieder と JOKER を今回使用した。Spider は屈曲病変に対しても追従すると
共に、血管を進展させることがないため、分岐角度のきつい側枝病変を持つ本幹へのファーストワイヤーとして用いている。
一方 JOKER はトルク特性に優れているため、側枝を狙うためのファーストワイヤーとして用いている。Spider は急峻な角度
で分岐している側枝を持つ本幹病変部へクロスしても、本幹を伸ばすことがないため、角度が更にきつくなるということがな
く、その後の側枝へのワイヤリング、またステント留置後の側枝へのワイヤリングも容易になるのではないかと考えている。
一方 JOKER はそのトルク特性と親水性コーティングを生かして、狭窄部より分岐している角度の急峻な病変部へのクロスを
容易にすると考えられた。
術者紹介
足利赤十字病院
循環器内科
橋本 治 先生
2005 年 信州大学卒業、福岡徳洲会病院臨床研修医
2007 年 国立病院機構九州医療センター脳血管内科レジデント
2008 年 足利赤十字病院神経内科
2009 年 同循環器内科(現在に至る)
2012-09-05-01