第8章 「キャリアプランニング能力」とキャリア教育諸活動との関連

第8章
「キャリアプランニング能力」とキャリア教育諸活動との関連
1 .「 キ ャ リ ア プ ラ ン ニ ン グ 能 力 」 の 構 成 要 素
「 キ ャ リ ア プ ラ ン ニ ン グ 能 力 」は「 基 礎 的・汎 用 的 能 力 」の う ち の 一 つ で あ り ,
「高等学
校 普 通 科 に お け る キ ャ リ ア 教 育 の 実 践 と 生 徒 の 変 容 の 相 関 関 係 に 関 す る 調 査 研 究 」( 以 下 ,
「 変 容 調 査 」) で は , 以 下 の 六 つ の 質 問 項 目 に よ っ て 測 定 さ れ て い る 。
①
勉強をすることの意味について自分なりの考えを持っている
②
仕事をすることの意味について自分なりの考えを持っている
③
世の中には,様々な働き方や生き方があることを理解している
④
職業や働き方を選ぶ際に,どのように情報を調べればよいかわかっている
⑤
将来の夢や目標が具体的になっている
⑥
将来の夢や目標に向かって努力している
こ れ ら の 問 い に 対 し て ,「 あ て は ま る 」「 や や あ て は ま る 」「 あ ま り あ て は ま ら な い 」「 あ
て は ま ら な い 」の 四 つ の 選 択 肢 か ら 回 答 を 求 め た と こ ろ ,
「あてはまる」
「ややあてはまる」
を選択する割合は,いずれの項目においても,調査の進行とともに高くなる傾向が見られ
た 。『 変 容 調 査 報 告 書 』 で は , 以 下 の 図 に よ っ て そ の こ と が 示 さ れ た ( 図 1 )。
図1
「キャリアプランニング能力に関する設問の集計結果
( 出 典 :『 変 容 調 査 報 告 書 』 14 ペ ー ジ )
57
「 ① 勉 強 を す る こ と の 意 味 に つ い て 自 分 な り の 考 え を 持 っ て い る 」「 ④ 職 業 や 働 き 方 を 選
ぶ 際 に ,ど の よ う に 情 報 を 調 べ れ ば よ い か わ か っ て い る 」
「⑤将来の夢や目標が具体的にな
っている」
「 ⑥ 将 来 の 夢 や 目 標 に 向 か っ て 努 力 し て い る 」の 四 つ の 項 目 で は ,1 年 生 前 半 の
時点での5~6割の水準から3年生後半の時点での7~8割の水準へと上昇している。ま
た,2年生後半から3年生にかけての時期の伸び率が大きく,進路の展望がこの時期に明
確化することが推測された。加えて,変化の幅が相対的に小さかった「②仕事をすること
の意味について自分なりの考えを持っている」
「 ③ 世 の 中 に は ,様 々 な 働 き 方 や 生 き 方 が あ
る こ と を 理 解 し て い る 」の 2 項 目 に つ い て も ,
「 あ て は ま る 」の 割 合 は 上 昇 傾 向 に あ る こ と
が指摘された。
これらの結果から推し量ることができるのは,
「 高 等 学 校 生 活 の 3 年 間 を 通 じ て ,自 身 の
進路についての考え方や職業に対する考え方が高まった生徒が多い」ということである。
それでは,これらの諸要素は高等学校生活に関する意識・態度とはどのような関係にあ
り,また,キャリア教育の諸活動とはいかなる関連をもつのだろうか。以下ではこれらの
点について概観する。
2.六つの構成要素と高等学校生活に関する意識・態度の相関
「 変 容 調 査 」で は ,高 校 生 の「 生 活 の 充 実 度 」「 意 欲・態 度 」「 学 ぶ こ と に つ い て の 意 識・
意味付け」
「 職 業 観・勤 労 観 」に つ い て の 問 い も 設 定 さ れ て い る 。例 え ば「 学 校 生 活 は 充 実
し て い る 」「 自 分 の 能 力 を い か せ る 仕 事 が し た い 」 と い っ た 項 目 に 対 し て ,「 あ て は ま る 」
「 や や あ て は ま る 」「 あ ま り あ て は ま ら な い 」「 あ て は ま ら な い 」 の 四 つ の 選 択 肢 か ら 回 答
を求めている。
これらの回答と,キャリアプランニング能力の構成要素に対する回答との相関を求める
と,その結果からは以下のことを指摘することができる(詳細は,参考資料付表8-1を
参 照 )( 注 1 )。
まず総じて,キャリアプランニング能力の構成要素と高等学校生活に関する意識・態度
が,高等学校生活の進行に伴って次第に互いの関わりの強さを増していることである。先
に確認したように,キャリアプランニング能力は高等学校3年間を通じてポジティブな反
応を示す生徒の割合が高まる傾向にある。すなわちそれに伴って,学校生活や職業につい
てもポジティブな意識や意欲が表明される割合が次第に高まっていることになる。
キャリアプランニング能力の構成要素ごとに,関わりの強い項目を整理すると,以下の
ようになる。
①勉強をすることの意味について自分なりの考えを持っている

「家での学習に積極的に取り組んでいる」

「学校で(これから)たくさんのことを学びたいと思う」

「学校での勉強はふだんの生活を送る上で役に立つと思う」

「学校での勉強は将来の仕事の可能性を広げてくれると思う」

「学校での勉強は将来の生活を豊かにすると思う」
②仕事をすることの意味について自分なりの考えを持っている

「学校で(これから)たくさんのことを学びたいと思う」
58

「自分の将来が楽しみだ」

「自分の能力をいかせる仕事がしたい」
③世の中には,様々な働き方や生き方があることを理解している

「学校で(これから)たくさんのことを学びたいと思う」

「自分の能力をいかせる仕事がしたい」
④職業や働き方を選ぶ際に,どのように情報を調べればよいかわかっている,⑤将来
の夢や目標が具体的になっている,及び,⑥将来の夢や目標に向かって努力している

「自分の将来が楽しみだ」
「 ⑥ 将 来 の 夢 や 目 標 に 向 か っ て 努 力 し て い る 」こ と は ,と り わ け「 自 分 の 将 来 が 楽 し み だ 」
との関わりを強く示しており,また非常に多くの高等学校生活に関する意識・態度の項目
と強く関わっていることがわかる。
さらに,
「 自 分 の 将 来 が 楽 し み だ 」へ の 回 答 は ,キ ャ リ ア プ ラ ン ニ ン グ 能 力 の 構 成 要 素 の
全てと強い関わりがある。
これらのことから,
「 キ ャ リ ア プ ラ ン ニ ン グ 能 力 」が 高 め ら れ る こ と は ,学 校 生 活 や 将 来
の ビ ジ ョ ン に 対 し て も ポ ジ テ ィ ブ で あ る こ と と ,直 接 的 に 関 わ り 合 っ て い る と 指 摘 で き る 。
3 .「 職 業 ・ 働 き 方 に つ い て の 情 報 源 の 理 解 」 の 変 容 パ タ ー ン
た だ し ,キ ャ リ ア プ ラ ン ニ ン グ 能 力 の 構 成 要 素 や ,高 等 学 校 生 活 に 関 す る 意 識・態 度 は ,
生徒個人の中で必ずしも累積的に高められていくものではない。確かに,これらの質問項
目に対して「ポジティブに回答する者の割合」は調査が重ねられるにつれて高まるが,そ
れは回答者一人一人の中で「一度ポジティブな状態になれば以降もそれが持続する」こと
を意味してはいない。
このことを確認するために,ここではキャリアプランニング能力のうちの「④職業や働
き方を選ぶ際に,どのように情報を調べればよいかわかっている」に着目したい。キャリ
ア教育の最重要成果の一つは,生徒が職業に至り付く経路を具体的に見いだせるようにな
ることであるため,この指標に注目することには重要な意味がある。
「 ④ 職 業 や 働 き 方 を 選 ぶ 際 に ,ど の よ う に 情 報 を 調 べ れ ば よ い か わ か っ て い る 」の 問 い に
対 し て ,「 あ て は ま る 」「 や や あ て は ま る 」 の 回 答 を 〇 ,「 あ ま り あ て は ら な い 」「 あ て は ま
ら な い 」 の 回 答 を ×と し , ○ ×の 変 遷 を 表 現 す る た め の タ イ プ を 作 成 し た 。 タ イ プ ご と の
回答者数を示したのが,表1である。
こ こ か ら は , あ る 調 査 で 〇 と 表 明 し た け れ ど も 次 の 調 査 で は ×と 表 明 さ れ る ケ ー ス が ,
決 し て 少 な く な い こ と が わ か る 。例 え ば タ イ プ 43 番 は ,第 1 回 調 査 か ら 第 6 回 調 査 に か け
て ,「 ×→〇 →×→〇 →×→〇 」と 非 常 に 激 し く 回 答 が 移 り 変 わ っ て い る 。一 方 ,一 度 〇 を
表 明 し ,以 後 も そ れ が 持 続 し た ケ ー ス を タ イ プ 1 番 ,33 番 ,49 番 ,57 番 ,61 番 ,63 番 と
考 え る と , そ の 回 答 者 総 数 は 13,151 人 で あ り , 全 体 に 占 め る 割 合 は 44.5%で あ る 。
このことからは,
「 キ ャ リ ア プ ラ ン ニ ン グ 能 力 の 高 ま り 」と 一 口 に 言 っ て も ,個 人 の レ ベ
ルでは進路の決定や変更,そのほか様々な生活経験により,揺れ動いていることが推測で
きる。生徒における資質・能力や意識・態度は,このような個々人における意味の捉えら
れ方と重ね合わせながら評価される必要がある。
59
な お , 第 1 回 調 査 か ら 第 6 回 調 査 に か け て , 全 て ○ を 表 明 し た 回 答 者 の 数 は 7,889 人
( 26.7%) で あ っ た 。 ま た 逆 に , 全 て の 調 査 で ×を 表 明 し た 回 答 者 の 数 は 2,210 人 ( 7.5%)
であった。後者のタイプの生徒については,詳細な背景の探索が別途必要と思われる。
60
表1
理解の変容パターン
(「 職 業 や 働 き 方 を 選 ぶ 際 に , ど の よ う に 情 報 を 調 べ れ ば よ い か わ か っ て い る 」)
タイプ
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
15
16
17
18
19
20
21
22
23
24
25
26
27
28
29
30
31
32
33
34
35
36
37
38
39
40
41
42
43
44
45
46
47
48
49
50
51
52
53
54
55
56
57
58
59
60
61
62
63
64
合計
1年前半
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
×
×
×
×
×
×
×
×
×
×
×
×
×
×
×
×
×
×
×
×
×
×
×
×
×
×
×
×
×
×
×
×
1年後半
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
×
×
×
×
×
×
×
×
×
×
×
×
×
×
×
×
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
×
×
×
×
×
×
×
×
×
×
×
×
×
×
×
×
2年前半
○
○
○
○
○
○
○
○
×
×
×
×
×
×
×
×
○
○
○
○
○
○
○
○
×
×
×
×
×
×
×
×
○
○
○
○
○
○
○
○
×
×
×
×
×
×
×
×
○
○
○
○
○
○
○
○
×
×
×
×
×
×
×
×
2年後半
○
○
○
○
×
×
×
×
○
○
○
○
×
×
×
×
○
○
○
○
×
×
×
×
○
○
○
○
×
×
×
×
○
○
○
○
×
×
×
×
○
○
○
○
×
×
×
×
○
○
○
○
×
×
×
×
○
○
○
○
×
×
×
×
61
3年前半
○
○
×
×
○
○
×
×
○
○
×
×
○
○
×
×
○
○
×
×
○
○
×
×
○
○
×
×
○
○
×
×
○
○
×
×
○
○
×
×
○
○
×
×
○
○
×
×
○
○
×
×
○
○
×
×
○
○
×
×
○
○
×
×
3年後半
○
×
○
×
○
×
○
×
○
×
○
×
○
×
○
×
○
×
○
×
○
×
○
×
○
×
○
×
○
×
○
×
○
×
○
×
○
×
○
×
○
×
○
×
○
×
○
×
○
×
○
×
○
×
○
×
○
×
○
×
○
×
○
×
度数
7889
359
508
136
678
132
181
100
791
107
188
87
317
88
192
161
1264
129
226
76
299
66
135
108
411
86
180
104
343
134
294
391
1787
169
228
84
332
80
164
113
473
106
166
91
290
117
253
306
1011
176
259
128
419
131
278
287
706
167
375
324
738
410
1020
2210
29558
%
26.7
1.2
1.7
.5
2.3
.4
.6
.3
2.7
.4
.6
.3
1.1
.3
.6
.5
4.3
.4
.8
.3
1.0
.2
.5
.4
1.4
.3
.6
.4
1.2
.5
1.0
1.3
6.0
.6
.8
.3
1.1
.3
.6
.4
1.6
.4
.6
.3
1.0
.4
.9
1.0
3.4
.6
.9
.4
1.4
.4
.9
1.0
2.4
.6
1.3
1.1
2.5
1.4
3.5
7.5
100.0
4 .「 職 業 ・ 働 き 方 に つ い て の 情 報 源 の 理 解 」 の 変 容 の 背 景
そ れ で は ,生 徒 の 資 質・能 力 や 意 識・態 度 の 変 容 の 背 景 に は ど の よ う な こ と が あ る の か 。
ここでは引き続き,キャリアプランニング能力の中の「④職業や働き方を選ぶ際に,どの
ように情報を調べればよいかわかっている」を検討対象とし,回答の変容パターンに対し
て,キャリア教育の諸活動がどのように関わっているのかを示したい。
回答の変容を把握するために着目したのは,以下の時期である。

高等学校1年時の変容
第1回調査(1年生前半)から第3回調査(2年生前半)への変化

高等学校2年時の変容
第3回調査(2年生前半)から第5回調査(3年生前半)への変化

高等学校3年時の変容
第5回調査(3年生前半)から第6回調査(3年生後半)への変化
それぞれの2回の調査のあいだで,
「 ④ 職 業 や 働 き 方 を 選 ぶ 際 に ,ど の よ う に 情 報 を 調 べ
ればよいかわかっている」への回答がどのように推移したかにより,回答の在り方を四つ
のパターンに分類した。
「 わ か っ て い る 」状 態 の 持 続( ○ → ○:理 解 の 持 続 ),
「わからない
状 態 」の 改 善( ×→ ○:理 解 の 改 善 ),
「 わ か っ て い る 」状 態 の 断 絶( ○ → ×:理 解 の 断 絶 ),
「 わ か ら な い 」 状 態 の 持 続 ( ×→ ×: 無 理 解 ) の 4 パ タ ー ン で あ る 。
そ し て こ の 回 答 の 推 移 と ,キ ャ リ ア 教 育 に 関 す る 七 つ の 活 動 の 取 組 状 況 ( 注 2 ),及 び「 卒
業 後 の 進 路 希 望 」の 決 定 状 況( 注 3 )と の 関 わ り を 探 索 し た 。分 析 の 結 果 か ら は 以 下 の こ と を
指 摘 す る こ と が で き る ( 詳 細 は 参 考 資 料 付 表 8 - 2 を 参 照 )。
●進路希望
1・2・3 年 時 の い ず れ の 時 点 に お い て も ,
「 進 学 し た い ,就 職 し た い 」と 決
まっていることは,
「 職 業・働 き 方 に つ い て の 情 報 源 の 理 解 」の 持 続 と 改 善 に 有 意 味 な 関 わ
りをもっている。
●キャリアプラン等の作成
1年時においては,
「 職 業・働 き 方 に つ い て の 情 報 源 の 理 解 」
の持続と改善に有意味な関わりをもつが,2年時においては理解の持続のみに関わること
となる。そして3年時においては有効な関わりが見いだされなくなる。
● キ ャ リ ア・ポ ー ト フ ォ リ オ の 作 成・活 用
1 年 時・2 年 時 に お い て は ,
「 職 業・働 き 方 に
ついての情報源の理解」の持続のみに関連するが,3年時においてはそれに加えて理解の
改善にも関連する。
● 上 級 学 校 の 教 員 や 社 会 人 講 師 に よ る 出 張 授 業・講 演 会
1年時においては,
「 職 業・働 き
方についての情報源の理解」の持続と改善に関連するが,2年時・3年時においては理解
の持続のみに関連する。
● 卒 業 生( 大 学 生 や 若 手 社 会 人 な ど )に よ る 講 演 ・ 体 験 発 表 会 ・懇 談 会
1年時において
は,
「 職 業・働 き 方 に つ い て の 情 報 源 の 理 解 」の 持 続 と 改 善 に 関 連 す る が ,2 年 時 に お い て
は有効な関わりが見いだされなくなる。さらに,3年時においてはこれを実施していない
ことの方が理解の持続に関連することとなる。3年時にこれを実施することは,理解の改
善に関連する面はあるが,他方で理解の断絶や無理解と関わることとなる。
62
● 就 業 体 験( イ ン タ ー ン シ ッ プ ) 「 職 業・働 き 方 に つ い て の 情 報 源 の 理 解 」に 関 し て は ,
1年時・2年時では一定の方向性をもった関わりは見いだされない。3年時においては,
これを実施しないことの方が理解の持続に関連する。逆にこれを実施することは,理解の
改善に関連する面はあるが,他方で理解の断絶や無理解と関わる面も生じることとなる。
なお,
「 上 級 学 校 の オ ー プ ン キ ャ ン パ ス 等 へ の 参 加 」と「 職 場 見 学・ジ ョ ブ シ ャ ド ウ イ ン
グ」については,どの学年においても「職業や働き方を選ぶ際に,どのように情報を調べ
ればよいかわかっている」ことに対しては有効な関わりは見いだされなかった。
以上のように,キャリア教育の諸活動と「キャリアプランニング能力」の構成要素との
関わりは,活動内容や,それが実施される学年によっても,様々な関わり方が見いだされ
る。生徒の資質・能力及び意識・態度に対する教育活動の寄与を考える際には,その活動
の性質と実施対象学年のマッチングが重要だといえる。
( 注 1 ) 「 キ ャ リ ア プ ラ ン ニ ン グ 能 力 の 構 成 要 素 」と「 高 等 学 校 生 活 に 関 す る 意 識・態 度 」
に 関 す る 質 問 へ の 回 答 を ,「 あ て は ま る 」= 4 ,「 や や あ て は ま る 」= 3 ,「 あ ま
り あ て は ま ら な い 」= 2 ,「 あ て は ま ら な い 」= 1 と 数 量 化 し ,両 者 の 相 関 係 数
を求めた。付表8-1では,キャリアプランニング能力の六つの構成要素ごと
に ,全 6 回 分 の 調 査 デ ー タ か ら 求 め ら れ る 相 関 係 数 を 示 し て お り ,第 6 回 調 査 に
お い て 相 関 係 数 が 0.3 を 上 回 っ て い る 項 目 に つ い て ,白 黒 反 転 さ せ た 強 調 表 示 を
している。
( 注 2 ) 1 年 時 の 取 組 を 把 握 す る た め に は ,第 2 回 調 査( 1 年 生 後 半 )で の 実 施 状 況 を 参
照 し た(「 今 年 度 予 定 」も 実 施 に 含 め た )。2 年 時 の 取 組 を 把 握 す る た め に は ,第
4 回 調 査( 2 年 生 後 半 )で の 実 施 状 況 を 参 照 し た(「 今 年 度 予 定 」も 実 施 に 含 め
た )。3 年 時 の 取 組 を 把 握 す る た め に は ,第 6 回 調 査( 3 年 生 後 半 )で の 実 施 状
況 を 参 照 し ,そ の 時 点 で の「 今 年 度 予 定 」は「 実 施 し て い な い 」に 含 め る こ と と
し た 。こ れ に よ っ て ,各 学 年 に お け る キ ャ リ ア 教 育 諸 活 動 の 実 施 の 有 無 を 把 握 し
た。
(注3) 第3回調査(2年生前半)での「進学したい,就職したい」と考えるか否かを
1年時での変容パターンの分析に,第5回調査(3年生前半)での結果を2年
時での変容パターンの分析に第6回調査(3年生後半)での結果を3年時での
変容パターンの分析に用いた。
63