ダイバーシティSENDAI―仙台市働く女性の活躍推進計画

ダイバーシティ SENDAI
~仙台市働く女性の活躍推進計画~
(平成 28 年度~32 年度)
平成 28 年3月
仙台市
目
次
第1章
計画の基本的な考え方
1
計画策定の背景 ................................................................................................................................ 1
2
計画の位置づけ ................................................................................................................................ 3
3
計画の期間 ......................................................................................................................................... 3
4
計画の構成 ......................................................................................................................................... 3
5
計画の体系 ......................................................................................................................................... 4
第2章
女性活躍推進のための施策
Ⅰ 政策・方針決定過程への女性の参画 ................................................................ 5
Ⅱ 男女の仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)の実現 ................................ 8
Ⅲ 男女が共にいきいきと働ける労働環境づくり ....................................................14
第3章
計画の推進
1
計画の推進体制 ............................................................................................................................. 18
2
計画の評価 ...................................................................................................................................... 18
用語解説(本文中に*印のある用語) ................................................................................................ 20
参考資料 ......................................................................................................................................................... 24
第1章
1
計画の基本的な考え方
計画策定の背景
就業は個人の経済的自立を支え、社会からの孤立や貧困を防ぐとともに、自己実
現を可能とするものであり、また、この社会は人々が働き、支え合うことで形成・
発展していることから、就業を望む人が性別にかかわらず、希望に応じた働き方が
できる社会づくりが重要です。
今、我が国における雇用者(役員を除く)は約 5,300 万人ですが、就業を希望し
ながらも育児や介護等を理由に働いていない女性は約 300 万人に上ります。出産や
育児を機に約6割の女性が退職しているほか、年間約 10 万人に上る介護等を理由
とした離職・転職者の約8割は女性であることが、その大きな要因となっています
※
。また、女性が再就職するに当たっては、雇用が不安定で低賃金な非正規雇用者
となる場合が多く、男性雇用者における非正規雇用者の割合は約2割(21.7%)で
あるのに対し、女性雇用者における割合は6割近く(56.6%)を占めています※。
一方、就業を継続できた女性でも、家庭における家事・育児・介護等の負担が重く、
昇進をためらいがちになり、事業主側も固定観念から女性に過分に配慮する傾向が
見られます。
こうした背景には、社会に根強く残る「男性は仕事、女性は家庭」といった固定
的性別役割分担意識*や、長時間労働や転勤等を前提とする男性中心型労働慣行が
あります。その影響として、昇進や給与の面で男女間の格差が生じており、我が国
の管理的職業従事者における女性の割合は、欧米諸国はもちろん、アジア諸国と比
べても著しく低い状況にあります。
しかしながら、我が国は急速な人口減少局面を迎え、将来の労働力不足が懸念さ
れる中、消費者ニーズの多様化や、グローバル化等に対応するために、企業等にお
ける人材の多様性、いわゆるダイバーシティの確保により、新たな価値の創造やリ
スク管理等への適応能力を高めていくことが必要となり、その一環として、女性の
活躍を社会全体で推進する機運が高まっています。
雇用の分野における男女平等の実現に向けては、昭和 60(1985)年に勤労婦人
福祉法が改正され、男女雇用機会均等法(雇用の分野における男女の均等な機会及
び待遇の確保等に関する法律)*となって、企業の募集・採用から定年・退職・解
雇に至る雇用管理における男女の均等な機会及び待遇の確保等が規定されました。
さらに、平成 11(1999)年には男女共同参画社会基本法*(以下「基本法」という。)
が制定され、社会のあらゆる分野への参画の機会に係る男女間の格差を改善するた
め、必要な範囲内において「ポジティブ・アクション」(積極的改善措置)*を含
「*」…用語解説あり(P20~)
-1-
む施策を講じる責務が国に課されました。以降、国は、基本法に基づき策定した男
女共同参画基本計画に沿って、女性活躍推進に関する各種の取り組みを推進。本市
においても、仙台市男女共同参画推進条例*及び男女共同参画せんだいプランに基
づき、市役所自らの率先した取り組みや、企業や働く女性への啓発等に努めてきま
したが、長年の慣行はなかなか変わりづらく、また、女性の登用等は事業主の自主
的な取り組みに委ねられる部分が多かったこともあり、女性の力はいまだに「潜在
化」しています。
このような状況を踏まえて、政府は「日本再興戦略」(平成 25(2013)年6月閣
議決定)や、それに続く「
『日本再興戦略』改訂 2014」
(平成 26(2014)年6月閣
議決定)において、女性の活躍を中核に位置付けるとともに、平成 27(2015)年
8月には「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律(女性活躍推進法)*」
を制定し、翌9月から施行しました。この「ダイバーシティ SENDAI~仙台
市働く女性の活躍推進計画~」は、女性活躍推進法第6条第1項に基づく市町村計
画として策定するものです。
豊かで活力ある都市・仙台の発展に向けて、本計画に基づき、市域における女性
の職業生活における活躍の推進を図る各種施策を、経済団体や行政機関などと連携
して、着実に推進していきます。
※総務省「労働力調査」より
-2-
2
計画の法律上の位置づけ
本計画は、
「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律*」に定める市町
村推進計画とします。また、「仙台市男女共同参画推進条例*」に基づく「男女共
同参画推進施策の総合的かつ計画的な推進を図るための計画」である「男女共同参
画せんだいプラン 2016」に包含されるものです。
3
計画の期間
社会情勢の変化、国の動向を踏まえた内容とするため、計画期間は、平成 28 年
度から平成 32 年度までの5年間とします。
4
計画の構成
本計画は、
「男女共同参画せんだいプラン 2016」の基本目標1「政策・方針決定
過程への女性の参画」
(一部を除く)、基本目標3「男女の仕事と生活の調和(ワー
ク・ライフ・バランス)の実現」、基本目標4「男女が共にいきいきと働ける労働
環境づくり」
(一部を除く)により構成します。
本計画を包摂する「男女共同参画せんだいプラン 2016」と同様に、計画期間の
5年間で特に優先的・重点的に取り組む部分を重点課題として基本目標ごとに設定
し、明らかにすることで、計画の総合的かつ着実な推進を目指します。重点課題に
ついては、取り組みの成果を測るための成果目標と、重点課題に関する状況を把握
するためのモニタリング指標を設定し、本計画の進捗状況を把握するとともに、効
果的な推進を図ります。
-3-
5
計画の体系
Ⅰ
政
女
過策
性
程・
の
へ方
参
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画
決
定
施策の方向
施策の方向
(
Ⅱ
ワ ー男
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ス和
① 市及び関係団体等における方針の立案や決定の場への女性の参画を推進する
② 企業等における方針の立案や意思決定の場への女性の参画を促進する 重点課題
① 市の女性職員の管理職への登用促進
② 企業等における女性登用に向けた啓発と支援の拡充
① 男性の家庭生活や地域活動への参画を促進する ② 保育や子育て支援の充実を図る ③ 高齢者や障害者の介護・自立支援の充実を図る ④ 企業等におけるワーク・ライフ・バランス推進に向けた取り組みの啓発・促進を図る
⑤ 男性中心型労働慣行の改革を推進する(再掲 Ⅲ)
⑥ 働く男女の健康管理対策を推進する 重点課題
① 市の職員のワーク・ライフ・バランスの推進
② 男性の家事・ 子育て・介護等への参加の促進
)
③ 保育サービスの拡充と多様な子育て支援の展開
施策の方向
Ⅲ
働男
け女
るが
労共
働に
環い
境き
づい
くき
りと
① 若者や女性の自立や就業を支援する ② 雇用における男女の均等な機会及び待遇確保に向けた取り組みを促進する ③ 起業家や自営業に従事する女性を支援する ④ 働く女性の能力発揮に向けた取り組みを支援する ⑤ 働く男女のための相談事業を実施する ⑥ 男性中心型労働慣行の改革を推進する(再掲 Ⅱ)
重点課題
① 働く女性の活躍や多様な働き方への支援
② 経済団体や関係団体、行政等の連携・協力による取り組みの強化
-4-
第2章
女性活躍推進のための施策
Ⅰ 政策・方針決定過程への女性の参画
急速な少子高齢化や市民ニーズの多様化など、社会経済情勢が変化する中で、仙台市
が豊かで活力ある都市として発展し続けるためには、女性をはじめとする多様な人材の
社会参画を促し、あらゆる分野に多様な視点を導入していくことが必要です。日本にお
ける女性の参画は徐々に拡大しているものの、他の先進諸国と比べて低い水準にあり、
また、固定的性別役割分担意識*が根強く残っていることから、これまでの延長線上の
取り組みを超えた対策が必要です。政治や経済、行政分野をはじめ、地域活動、学術、
医療、農業、防災・復興等あらゆる分野において女性の参画拡大を図り、暫定的に必要
な範囲において「ポジティブ・アクション」(積極的改善措置)*を進め、実質的な機
会均等の実現を目指していくことも求められています。
平成 27 年9月に「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律(女性活躍推進
法)*」が施行され、行政や企業は積極的な女性登用を求められています。平成 24 年
の仙台市の女性の有業率は 60.6%で、5年前に比べて 2.1 ポイント上昇していますが
(図表1)
、管理職に占める女性割合は 8.5%※であり、宮城県の 12.8%、全国平均の
13.4%に比べ、低い数値となっています。また、本市の職員についてみると、女性管理
職の割合を平成 27 年度末までに 15%以上とする「男女共同参画せんだいプラン 2011」
の目標については、平成 27 年度当初で 14.5%と、達成に向け着実に伸びている状況で
すが、新規採用職員の約半数を女性が占め、全体の職員数に占める女性割合も約 35%
となっている現状に鑑みると、登用が進んでいるとは言い難い状況です(図表2)
。
本市が係長級以下の女性職員を対象に、平成 27 年度に実施したアンケート調査では、
約6割が役職者(係長職・課長職)になることを全く考えておらず、その理由としては
約7割が「自身の資質や能力への不安」、約6割が「仕事と家庭生活の両立が困難にな
ることへの不安」を挙げました(図表3)
。また、日頃から家庭生活との両立に困難を
感じている女性職員は、全体の約7割に上っています(図表4)
。
市域における女性の参画・登用の拡大に向けては、まずは、事業主としての本市が地
域に率先して取り組むことが必要であり、男女共にワーク・ライフ・バランスが実現で
きる職場環境づくりを進めます。さらに女性職員に対し、キャリア形成につながる幅広
い業務経験の機会を提供してスキルや自信を高めさせるとともに、上司が適切な指導や
助言が行える仕組みづくり等を進め、女性職員の活躍を促進し、多様化・複雑化する市
民ニーズに対応できる、活力ある組織づくりに取り組みます。また、女性登用に積極的
な企業・団体の事例を広報するなどし、機運の醸成やノウハウの共有を図るとともに、
こうした企業に対するインセンティブの付与等についても検討を進めるなど、取り組み
の拡充を図っていきます。
※総務省「平成 24 年就業構造基本調査」より
-5-
施策の方向
程
へ
の
画女
性
の
参
政
策
・
方
針
決
定
過
①市及び関係団体等における方針の立案や決定の場への女性の参画を推進
する
②企業等における方針の立案や決定の場への女性の参画を促進する
重点課題・主な取り組み
① 市の女性職員の管理職への登用促進
 女性職員のキャリア形成やスキルアップへの支援
 女性職員の管理職への登用促進と職域の拡大
② 企業における女性登用に向けた啓発と支援の拡充
 経済団体、行政等による協議会の設置(再掲 Ⅲ)

企業に対するワーク・ライフ・バランス及び女性活躍推進の広報・啓発
(再掲

Ⅲ)
企業における女性人材育成に係る支援(再掲 Ⅲ)
成果目標・モニタリング指標
項
目
現状(直近値)
目標値
市役所の女性職員の
21.4%
30%以上
係長職昇任試験受験
(27 年度)
(32 年度)
率
市役所における女性
14.5%
20%以上
管理職の割合
(27 年4月1日現在) (33 年度当初)
※市長部局
仙台市の小・中学校
17.5%
における女性管理職
(27 年4月1日現在)
の割合
民間企業における女
9.2%
性管理職(課長相当職) (26 年・全国)
の割合
目標・指標
〃
総務局
人事委員会事務局
〃
総務局
モニタリング指標
教育局
〃
-6-
担当局等
事業の概要―施策の方向別の主な取り組み
【重点】:重点課題に関する取り組み
施策の方向1 市及び関係団体等における方針の立案や決定の場への女性の参画を
推進する
「男女共同参画せんだいプラン 2016」基本目標1
主な取り組み
担当局
〇 市職員の性別にとらわれない能力開発や人員配置を進めるととも
に、女性職員のキャリア形成支援を図り、管理的地位にある職員へ
の女性の登用拡大を進めます。
● 男女共同参画の推進に係る職員研修の実施
● 女性職員のキャリア形成やスキルアップへの支援【重点①】
● 女性職員の管理職への登用促進と職域の拡大【重点①】
● 女性教職員の管理職への登用促進
〇 市の外郭団体等に対し、理事・評議員等への女性の登用や、職員
の性別にとらわれない能力開発、能力・適性を重視した登用を進め
るよう働き掛けを行います。
●
施策の方向2
総務局
教育局
全局
全局
市の外郭団体等への男女共同参画推進に関する取り組みの要請
施策の方向2 企業等における方針の立案や決定の場への女性の参画を促進する
「男女共同参画せんだいプラン 2016」基本目標1
施策の方向3
主な取り組み
担当局
〇 企業等における性別にとらわれない能力開発や、能力・適性を重
視した登用を促すため、広報・啓発に努めます。
● 経済団体、行政等による協議会の設置【重点②】
(Ⅱ-5、Ⅲ-6 再掲)
● 企業に対するワーク・ライフ・バランス及び女性活躍推進の広
報・啓発【重点②】
(Ⅱ-5、3-6 再掲)
● 働く女性向けセミナー及び交流会の開催(Ⅲ-4 再掲)
市民局
〇 女性従業員の活躍推進に取り組む企業等を支援します。
● 男女共同参画推進センターにおける女性活躍推進に係る支援
(Ⅲ-4 再掲)
●
●
企業における女性人材育成に係る支援【重点②】
(Ⅲ-4 再掲)
ワーク・ライフ・バランスや女性活躍を推進している企業への優
遇措置の導入(Ⅱ-4、Ⅲ-4 再掲)
-7-
市民局
Ⅱ
男女の仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)の実現
仙台市の人口のピークは平成 32 年頃と推計されており(図表5)
、その後は緩やかな
減少局面に転じるものと見込まれています。人口減少社会の到来に伴い、性別に関わり
なく働きたい人がやりがいをもって職業生活を送ることのできる社会づくりが求めら
れる一方で、働く世代が担う子育てや介護の負担はますます増加することが見込まれま
す。こうした中で、あらゆる人が個性と能力を発揮して活躍し、活力ある豊かなまちを
実現していくためには、男女が共に仕事と家庭・地域における活動などをバランスよく
担うことが必要であり、ワーク・ライフ・バランス*を図ることがますます重要になっ
ています。
平成 26 年度の市民意識調査では、生活の中の各活動の優先度について、仕事と個人・
家庭生活を共に優先したいと考える人が全体の約4割と最も多くを占めているにもか
かわらず、これを実現できていると考える人は約2割にとどまっています。仕事を優先
したいと考える人は1割未満ですが、現実には2割以上の人が仕事を優先させていると
回答しており、仕事と個人・家庭生活が両立しにくい現実が浮かび上がります(図表6、
7)
。また、20 歳代から 50 歳代の年齢層に着目すると、男女共に仕事と個人・家庭生
活の両方を優先したい人が比較的多いのですが、現実には男性は仕事を、女性は個人・
家庭生活を優先しているとの回答が多くみられ、固定的性別役割分担意識*との関連が
推察されます。子育て期にある 30 歳代および 40 歳代の男性は、他の年代に比べて長時
間労働の割合が高く、本市の調査においても未就学児のいる男性の家事時間はあまり伸
びていません。また、介護の主な担い手は、同居者の場合約7割が女性であるほか(図
表8)、晩婚化・晩産化の進行に伴い、子育てと介護が同時進行する「ダブルケア」に
直面する女性も増えています。一方で、近年は男性介護者も増加しており、仕事を持ち
ながら親の介護をする中高年男性等の介護離職も課題となっています。男女が互いに責
任を分かち合いながら、仕事や家事・育児・介護等へ参画し、地域活動でも活躍できる
社会を実現するには、片働き男性正社員を前提とした長時間労働などを特徴とする「男
性中心型」の労働慣行を変え、男性の家庭生活、地域活動への参画を社会全体で進めて
いく視点が不可欠です。勤労者世帯の過半数が共働き世帯になるなど(図表9)、人々
の生き方が多様化する中、こうした変化に対応できる保育環境の整備や介護サービスの
充実等の社会的基盤の整備を一層推進するとともに、ライフイベントに応じた柔軟な働
き方や、男性の子育て・介護等への参画の拡大、働く男女の健康管理対策の推進に向け
て、事業主だけでなく、就業者に対しても普及・啓発に努めていきます。
ワーク・ライフ・バランス*の必要性について社会的な理解は進みつつあるものの、
これを実現するには、まだ多くの課題が残されています。まずは、事業主としての本市
自らが率先して、長時間労働の削減等の「働き方改革」や、男性職員の育児休業の取得
促進等に取り組むとともに、企業や経済団体、関係団体、行政等と連携し、こうした取
り組みが地域全体に波及するよう施策を推進していきます。
-8-
施策の方向
)
①男性の家庭生活や地域活動への参画を促進する
②保育や子育て支援の充実を図る
③高齢者や障害者の介護・自立支援の充実を図る
④企業等におけるワーク・ライフ・バランス推進に向けた取り組みの啓発・促進を
図る
(
ラ
イ
フ
・
バ
ラ
ン
ス
の
実
現
男
女
の
仕
事
と
生
活
の
調
和
ワ
ー
ク
・
⑤男性中心型労働慣行の改革を推進する(再掲・基本目標4)
⑥働く男女の健康管理対策を推進する
重点課題・主な取り組み
① 市の職員のワーク・ライフ・バランスの推進
 職場で取り組む子育て推進プログラム*の推進
女性職員活躍推進プラン*の推進
② 男性の家事・子育て・介護等への参加の促進
 男性の家事・育児・介護等への参画に向けた啓発
 仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)の実現に向けた各種講座の充実
③ 保育サービスの拡充と多様な子育て支援の展開
 保育所整備事業
 幼稚園預かり保育事業
 一時預かりや延長保育など多様な保育サービス事業
 放課後児童健全育成事業*・放課後子ども教室*等事業
-9-
成果目標・モニタリング指標
項
目
「ワーク・ライフ・バ
ランス」という用語の
認知度
未就学児を持つ男性の
一日の平均家事時間
(仕事のある日)
現状(直近値)
目標値
目標・指標
担当局等
59.4%
(26 年度)
100.0%
(32 年度)
成果目標
市民局
101 分
(26 年度)
120 分以上
(32 年度)
〃
市民局
予定人数の
100%
(32 年度)
〃
健康福祉局
15%以上
(31 年度)
〃
総務局
〃
子供未来局
〃
子供未来局
〃
子供未来局
〃
子供未来局
〃
健康福祉局
モニタリング
指標
子供未来局
〃
市民局
介護ナイター講座
男性が参加しやすい
介護研修の参加者数
※
※夜または土日開催
市役所における男性職
員の育児休業取得率
113%
土・日曜日に実施する
介護講座 156%
(26 年度)
12.2%
(部分休業を含む)
(26 年度)
17,321 人
(27 年度当初)
71,786 人
(26 年度)
4,589 人
(26 年度)
4
(26 年度)
3,770 人
保育施設等の利用定員
19,963 人
数
(32 年度当初)
保育所等の一時預かり
86,308 人
延べ利用者数
(31 年度)
保育所等の延長保育
4,817 人
利用者数
(31 年度)
病児・病後児保育実施
5
施設数
(31 年度)
介護保険関連施設の
4,470 人
(27 年4月1日現在) (29 年度末)
定員
保育施設等入所待機
419 人
(27 年4月1日現在)
児童数
既婚女性の結婚・妊
娠・出産・育児をきっか
55.2%
けとする退職経験の有
(26 年度)
無
男性 24.5%
介護・看護時間の男女
比(介護をしている者対象) 女性 74.5%
(総務省「社会生活基本調査」
)
(23 年・全国)
宮城県内における女性
平成 28 年度
活躍推進法に基づく認
制度開始
定の取得企業数
宮城県内における次世
23 件
代認定マーク(くるみ
(27 年 4 月)
ん)取得企業数
宮城県「女性のチカラ
455 社
を活かす企業」認定企
(27 年4月1日現在)
業数
- 10 -
〃
〃
事業の概要―施策の方向別の主な取り組み
【重点】:重点課題に関する取り組み
施策の方向1 男性の家庭生活や地域活動への参画を促進する
主な取り組み
担当局
〇 男性の家事・育児・介護等への主体的な参画を促すため、様々な
機会を捉えて広報・啓発を行うとともに、スキルアップ講座等を実
施します。
● 男性の家事・育児・介護等への参画に向けた啓発【重点②】
● 仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)の実現に向けた
各種講座の充実【重点②】
● 男性が参加しやすい介護研修の充実
● 母親教室・両親教室の充実
● 父親の子育て力支援事業
● PTA活動等への父親の参加促進
市民局
健康福祉局
子供未来局
教育局
施策の方向2 保育や子育て支援の充実を図る
主な取り組み
担当局
〇 保育施設等入所待機児童の解消に向けて、保育施設等の整備等を
計画的に進めます。
● 保育所整備事業【重点③】
● 認定こども園整備補助
● 家庭的保育事業
● 小規模保育事業
● 事業所内保育事業
● せんだい保育室事業
〇 多様な保育ニーズに対応するため、延長保育や休日保育、病児・
病後児保育など、保育サービスの充実を図ります。
● 子育て支援ショートステイ事業
● 病児・病後児保育事業
● 幼稚園預かり保育事業【重点③】
● 一時預かり事業【重点③】
● 延長保育(2時間以上)事業【重点③】
● 休日保育事業
● 地域での子育て支援団体に対する活動支援
● 子育てふれあいプラザ(のびすく)*運営事業
● 仙台すくすくサポート事業
● 保育所地域子育て支援事業
● 幼稚園地域子育て支援事業
● 市などが行う催事の際の託児の充実
〇 子どもたちの放課後等の安全な居場所の確保・充実に取り組みま
す。
● 放課後児童健全育成事業*【重点③】
● 児童館整備事業
● 放課後子ども教室*等事業【重点③】
- 11 -
子供未来局
子供未来局
全局
子供未来局
教育局
施策の方向3 高齢者や障害者の介護・自立支援の充実を図る
主な取り組み
担当局
〇 多様化・複雑化する保健福祉のニーズや課題に対応するため、各
区保健福祉センターや各専門機関等における相談支援事業の充実を
図ります。
● 区保健福祉センターにおける障害者総合相談窓口の充実
● 区保健福祉センターにおける高齢者総合相談窓口の充実
● 地域包括支援センターにおける総合相談窓口の充実
〇 介護を必要とする方とその家族が、安心して在宅生活を継続でき
るための支援の充実を図ります。
● 特別養護老人ホームにおける緊急ショートステイの実施
● 認知症高齢者等の家族教室の開催
● 障害者家族支援等推進事業(レスパイトサービス)
● 障害児放課後ケア事業の拡充
健康福祉局
各区
健康福祉局
施策の方向4 企業等におけるワーク・ライフ・バランス推進に向けた取り組みの
啓発・促進を図る
主な取り組み
担当局
〇 働く男女のワーク・ライフ・バランスの実現に向け、企業等に対
する広報・啓発を行うとともに、企業等の取り組みを支援します。
● ワーク・ライフ・バランス推進に関するセミナーや出前講座の
実施
● 「働くみなさんのためのガイドブック」の発行(Ⅲ-2 再掲)
● ワーク・ライフ・バランスや女性活躍を推進している企業への
優遇措置の導入(Ⅰ-2、Ⅲ-4 再掲)
〇 市自らが率先して、職員のワーク・ライフ・バランスの推進に取り組
みます。
● 職場で取り組む子育て推進プログラム*の推進【重点①】
● 女性職員活躍推進プラン*の推進【重点①】
市民局
子供未来局
総務局
全局
施策の方向5 男性中心型労働慣行の改革を推進する
主な取り組み
担当局
〇 長時間労働などを特徴とする「男性中心型」の労働慣行の改革に
取り組みます。
● 経済団体、行政等による協議会の設置(Ⅰ-2、Ⅲ-6 再掲)
● 企業に対するワーク・ライフ・バランス及び女性活躍推進の広
報・啓発(Ⅰ-2、Ⅲ-6 再掲)
- 12 -
市民局
子供未来局
施策の方向6 働く男女の健康管理対策を推進する
主な取り組み
担当局
〇 職業生活を心身共に健康に営めるよう、働く男女の健康管理対策
に取り組みます。
● 区保健福祉センターにおけるこころの健康相談の実施
健康福祉局
(Ⅲ-5 再掲)
●
こころの電話相談(はあとライン・ナイトライン)の実施
(Ⅲ-5 再掲)
●
●
自殺予防対策事業の推進(Ⅲ-5 再掲)
女性医療相談の実施(Ⅲ-5 再掲)
- 13 -
各区
Ⅲ 男女が共にいきいきと働ける労働環境づくり
就業は生活の経済的基盤であり、また、働くことは自己実現にもつながることから、
就業を望む人が性別に関わりなく、希望に応じた働き方ができる社会づくりが男女共同
参画の視点からも重要です。少子高齢化やグローバル化などの社会情勢の変化に対応し
ていくため、企業等においても、性別、年齢、国籍などの属性にかかわらずその能力を
発揮できる環境づくりが重視されつつあり、ダイバーシティ*の考えに基づき組織の活
力や競争力を高めていこうとする企業も目立ってきました。しかし、いまだ、女性活躍
の阻害要因として、固定的性別役割分担意識*や性差による差別、固定観念、さまざま
な社会制度・慣行が根強く残っており、働く場においては年功的な処遇や長時間労働、
既婚女性の非正規雇用を中心とする働き方などが特徴としてみられます。
平成 26 年度の市民意識調査では、女性が働くことについて、
「子どもができても、ず
っと働き続ける方がよい」という‘就業継続型’を支持する人の割合は、年代別では男
女ともに 30 歳代で最も高く、女性では約半数、男性でも4割以上に上り、子育て世代
において就業継続希望が強い傾向がみられます(図表 10)。一方で、市内では出産や育
児を機に約6割の女性が退職しており、女性の年齢階級別の労働力率の「M字カーブ*」
は解消されていません(図表 11、12)
。さらに、家族の介護や看護を理由とした離職・
転職者は、平成 23 年 10 月からの1年間に全国で約 10 万人に上っており、うち約8割
は女性であることが社会問題化しています。
希望する全ての女性が職業生活において活躍できるよう、就業継続や再就職への支援、
働く女性の能力開発の機会の提供およびネットワークづくり等を進め、働く場において
女性が能力を発揮できる環境づくりを推進していくことが必要であり、企業や経済団体、
行政等と連携し一体となって、実効性ある取り組みを進めていきます。また、多様で柔
軟な働き方を選択できる社会の実現に向けては、起業家や自営業者、農業者などに対す
る支援も必要です。特に本市は、
「日本一起業しやすいまち」の実現を目指しており、
起業に関わる支援は、地域経済の活性化の面だけでなく、男女共同参画の視点において
も推進が求められることから、相談事業や専門家による支援などに引き続き取り組みま
す。
近年は、男女共に若年層の離職率の高さや、就業する意思のない若者の増加が課題と
なっています。また、男女共に雇用者全体に占める非正規雇用者の割合が上昇傾向にあ
り、特に女性については、雇用者の過半数を占めている状況です(図表 13)
。非正規の
雇用形態が女性やひとり親家庭の貧困、子どもへの貧困の連鎖、男女の格差拡大など
様々な社会的課題の要因ともなり得ることを認識し、誰もが安心して働くことができる
雇用環境や待遇確保に向けて、市として他機関と連携し、どのように取り組んでいくこ
とができるか、検討を進めていきます。
- 14 -
施策の方向
①若者や女性の自立や就業を支援する
男
女
が
共
に
い
き
い
き
と
働
け
る
労
働
環
境
づ
く
り
②雇用における男女の均等な機会及び待遇確保に向けた取り組みを促進する
③起業家や自営業に従事する女性を支援する
④働く女性の能力発揮に向けた取り組みを支援する
⑤働く男女のための相談事業を実施する
⑥男性中心型労働慣行の改革を推進する(再掲・基本目標3)
重点課題・主な取り組み
① 働く女性の活躍や多様な働き方への支援
 企業における女性人材育成に係る支援(再掲Ⅰ)
 働く女性向けセミナー及び交流会の開催
 仙台市起業支援センター「アシ☆スタ」*における起業支援
②
経済団体や関係団体、行政等の連携・協力による取り組みの強化

経済団体、行政等による協議会の設置(再掲Ⅰ)
 企業に対するワーク・ライフ・バランス及び女性活躍推進の広報・啓発(再掲Ⅰ)
成果目標・モニタリング指標
項
目
働く女性向けの事業
参加者数
起業相談件数
25 歳~44 歳の女性
の有業率 ※総務省
現状(直近値)
目標値
目標・指標
担当局等
320 人
5年間延べ
2,000 人
(32 年度)
成果目標
市民局
(26 年度)
女性 537 人
男性 499 人
(26 年度)
モニタリング
指標
68.5%
(24 年仙台市)
〃
平均年齢
男性 42.7 歳
宮城県における労働
女性 38.9 歳
者の平均年齢・平均勤 平均勤続年数
続年数
男性 14.1 年
※宮城県「労働実態調査」
女性 10.5 年
(26 年)
〃
「就業構造基本調査」
- 15 -
経済局
事業の概要―施策の方向別の主な取り組み
【重点】:重点課題に関する取り組み
施策の方向1 若者や女性の自立や就業を支援する
「男女共同参画せんだいプラン 2016」基本目標4
主な取り組み
施策の方向2
担当局
〇 関係機関との連携の下、若者や女性の就業を支援する取り組みを推
進します。
市民局
● 仙台市ひとり親家庭相談支援センター事業
● 若年女性無業者の自立支援事業
子供未来局
● 求職者と求人企業のマッチング支援
経済局
● キャリア・コンサルティングの実施
● 学生等対象の合同企業説明会等の実施
施策の方向2
雇用における男女の均等な機会及び待遇確保に向けた取り組みを促進
する
「男女共同参画せんだいプラン 2016」基本目標4
施策の方向3
主な取り組み
担当局
〇 安心して働ける雇用環境や待遇の確保を図るため、広報・啓発の充
実に努めます。
● 「働くみなさんのためのガイドブック」の発行(Ⅱ-4 再掲)
● 職場における男女共同参画の推進を阻害する慣行の解消に向け
た働き掛けの実施
市民局
施策の方向3 起業家や自営業に従事する女性を支援する
「男女共同参画せんだいプラン 2016」基本目標4
施策の方向4
主な取り組み
担当局
〇 起業を目指す人や創業間もない企業経営者等に対して、情報提供や
ネットワークづくりなどの多面的な支援を行います。
● 仙台市起業支援センター「アシ☆スタ」*における起業支援
【重点①】
● 起業家への開業後の事業継続・拡大支援
● 起業に関する啓発や機運の醸成
● コミュニティビジネス、ソーシャルビジネスの啓発・促進
経済局
〇 多様で柔軟な働き方を選択できる社会の実現に向けて、農業や自営
業等に従事する女性への支援を行います。
● 農業者を対象としたセミナーや講座等の実施
● 女性農業者の育成
● 自営業従事者に対する情報提供や交流機会の拡大
- 16 -
市民局
経済局
施策の方向4 働く女性の能力発揮に向けた取り組みを支援する
「男女共同参画せんだいプラン 2016」基本目標4
主な取り組み
施策の方向5
担当局
〇 企業等において女性が能力を発揮し、いきいきと働けるよう、女性
の人材育成や登用促進を支援します。
● 企業における女性人材育成に係る支援【重点①】
(Ⅰ-2 再掲)
● 男女共同参画推進センターにおける女性活躍推進に係る支援
(Ⅰ-2 再掲)
市民局
● 企業への出前研修の実施
● ワーク・ライフ・バランスや女性活躍を推進している企業への
優遇措置の導入(Ⅰ-2、Ⅱ-4 再掲)
〇 働きたい女性が能力を発揮し、いきいきと働けるよう、女性のキャ
リアアップとネットワークづくりを支援します。
● 働く女性向けセミナー及び交流会の開催【重点①】
(Ⅰ-2 再掲)
● 女性のためのキャリア形成事業
市民局
施策の方向5 働く男女のための相談事業を実施する
「男女共同参画せんだいプラン 2016」基本目標4
主な取り組み
施策の方向6
担当局
〇 職業生活における悩みや困り事等の解消を目指して、働く男女の相
談事業の充実を図ります。
● 仙台市労働相談室における相談事業
● 区保健福祉センターにおけるこころの健康相談の実施
(Ⅱ-6 再掲)
● 自殺予防対策事業の推進(Ⅱ-6 再掲)
● こころの電話相談(はあとライン・ナイトライン)の実施
(Ⅱ-6 再掲)
●
●
●
●
市民局
健康福祉局
エル・ソーラ仙台における女性相談事業の実施
性別による差別などに関する相談の実施
女性医療相談の実施(Ⅱ-6 再掲)
男性相談事業の実施に向けた検討
施策の方向6 男性中心型労働慣行の改革を推進する(再掲)
「男女共同参画せんだいプラン 2016」基本目標4
主な取り組み
施策の方向7
担当局
〇 長時間労働などを特徴とする「男性中心型」の労働慣行の改革に取
り組みます。
市民局
● 経済団体、行政等による協議会の設置【重点②】
(Ⅰ-2、Ⅱ-5 再掲)
● 企業に対するワーク・ライフ・バランス及び女性活躍推進の広 子供未来局
報・啓発【重点②】
(Ⅰ-2、Ⅱ-5 再掲)
- 17 -
第3章
1
計画の推進
計画の推進体制
本計画は、本計画が包含される「男女共同参画せんだいプラン 2016」と一体的
に推進するものとします。
なお、地域全体で本計画の取り組みを推進するため、経済団体や関係団体、関係
行政機関等と連携体制を構築し、一体となって地域における女性の活躍及びワー
ク・ライフ・バランスの推進等に取り組みます。
2
計画の評価
計画の評価は、
「男女共同参画せんだいプラン 2016」と一体的に行います。重点
課題に関する施策や成果目標、基本目標に関連する状況を把握するためのモニタリ
ング指標を中心に、事業担当部局及び市民局男女共同参画課が年度ごとに評価・確
認を行い、推進状況を管理します。また、仙台市男女共同参画推進審議会からの意
見や評価も明らかにした上で公表します。
推進状況に対する審議会や市民からの意見や、国の動向、社会情勢の変化等を施
策に反映させながら、計画を着実に推進していきます。
- 18 -
「男女共同参画せんだいプラン 2016」推進体制(参考)
庁内推進体制
仙台市男女共同参画推進本部
●男女共同参画に係る施策の推進及び総合調整
【本部長:市長】
本部員:副市長、各局・区長、会計管理者、公営企業管理者
○幹事会
幹事長:市民局協働まちづくり推進部長
施策へのフィードバック
指示・決定
幹事:各局区主管課長
施策の推進状況報告
市民局男女共同参画課
各局・区等
●プラン掲載事業
の実施・進捗管理
●男女共同参画推進に係る企画調整
●施策の推進
●計画の推進状況の管理
・連携による
施策の推進
・推進状況報告
・進捗管理
仙台市男女共同参画推進センター
●男女共同参画推進施策の実施拠点


推進状況等
報告
評価、
意見等
仙台市男女共同
参画推進審議会
●男女共同参画に関
する重要事項につい
ての調査審議
・計画策定にあたって
の意見
・計画の推進状況に関
する評価
・施策に関する苦情の
対応に関する意見
エル・パーク仙台
エル・ソーラ仙台
連
携
宮城労働局、宮城
県等関係行政機関
経済団体
●女性の自立及び社会参画の促進
●市民の主体的活動の援助育成
●男女平等の社会的風土づくり
・男女共同参画社会形成促進のための調査研究
・男女共同参画に関する普及啓発
・情報の収集・提供
・相談、学習支援、研修及び交流促進
・市民活動の支援
・男女共同参画推進に関する事業の受託
・男女共同参画推進センターの管理運営
市民団体
関係団体
(公財)せんだい男女共同参画財団
等
- 19 -
用語解説
【ア行】
* M字カーブ
女性の労働力率を年齢階級別にグラフ化すると、30 歳代を谷とし、20 歳代後半と
40 歳代後半が山になるアルファベットのMのような形になることをいう。結婚や出
産を機に離職し、子育てが一段落すると就労を再開する女性が多いという特徴がみ
られる。欧米諸国では、子育て期における就業率の低下は見られない。
【カ行】
* 公益財団法人せんだい男女共同参画財団
平成 13 年4月1日設立。仙台市における、女性の自立及び社会参画を促進する事
業並びに男女共同参画推進に向けた市民の自主的な活動に対する多様な支援を行う
とともに、男女平等の社会的風土づくりを進め、
「男女・平等のまち・仙台」の実現
に寄与することを目的として事業を展開している。仙台市男女共同参画推進センタ
ー(用語「仙台市男女共同参画推進センター」の項目参照)の指定管理者として、
エル・パーク仙台とエル・ソーラ仙台の管理・運営を行っている。
* 子育てふれあいプラザ(のびすく)
親子が気軽に立ち寄り交流できる場や、子育て支援に関する様々な情報を提供す
る施設。のびすく仙台・泉中央・長町南・宮城野の4施設がある。
* 固定的性別役割分担意識
男女を問わず個人の能力等によって役割を決めるのではなく、
「男性は仕事・女性
は家庭」
、
「男性は主要な業務・女性は補助的な業務」等のように、性別を理由とし
て、役割を固定的に分ける考え方。
【サ行】
* 仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)
男女が共に、人生の各段階において、仕事、家庭生活、地域生活、個人の自己啓
発など様々な活動について、自らの希望に沿った形でバランスを取りながら展開で
きる状態を実現すること。
* 次世代育成支援対策推進法
急速な少子化の進行や家庭・地域を取り巻く環境の変化を踏まえ、次代の社会を
担う子どもが健やかに生まれ、育成される社会の形成に資することを目的に平成 15
年に制定された法律。子育て家庭への支援その他の子育て環境の整備、雇用環境の
- 20 -
整備等の取り組みに関し、基本理念を定め、国、地方公共団体、事業主及び国民の
責務を明らかにするとともに、次世代育成支援対策を推進するために必要な事項を
定めている。
平成 26 年度までの時限法であったが法改正により 10 年延長となった。
* 職場で取り組む子育て推進プログラム
次世代育成支援対策推進法(用語「次世代育成支援対策推進法」の項目参照)に
基づき、市役所が事業主として定めている計画。現行の第3期計画の期間は平成 27
年度~31 年度の5年間。
「職員が子育てしながらも働きやすい職場環境をつくること
によって、職員の子育てへの参加を促し、子どもたちが健やかに生まれ、育まれる
環境づくりを支援するとともに、職員の働く意欲と能力を引き出し、組織の活力を
向上させること」を目的とする。
* 女性職員活躍推進プラン
女性活躍推進法(用語「女性活躍推進法」の項目参照)に基づき、市役所が事業
主として定める計画。計画期間は平成 28 年度~32 年度の5年間。女性職員が個性と
能力を十分に発揮して、より活躍できる職場環境づくりを進めることにより、女性
職員のさらなる活躍を図り、組織の活力を向上させることを目的とし、女性職員の
キャリアアップや職域拡大、登用促進、仕事と家庭の両立支援等に関する具体的な
取り組み内容や実施時期、目標等を定める。
* 女性の職業生活における活躍の推進に関する法律(女性活躍推進法)
女性の職業生活における活躍を迅速かつ重点的に推進し、急速な少子高齢化の進
展、国民の需要の多様化、その他の社会経済情勢の変化に対応できる豊かで活力あ
る社会を実現することを目的として平成 27 年9月に施行。男女共同参画基本法の基
本理念にのっとり、女性活躍推進の基本原則を定め、国、地方公共団体及び事業主
の責務を明らかにするとともに、事業主の行動計画の策定や、女性の職業生活にお
ける活躍を推進するための支援措置等について定めている。
* 仙台市起業支援センター(アシ☆スタ)
「日本一起業しやすいまち」の実現に向け、起業支援の拠点として、仙台市産業振
興事業団内に平成 26 年1月に開設。専任のスタッフや起業支援コーディネーターが
配置され、政府系金融機関や民間の起業支援団体などの関係機関とも密接に連携を
図りながら、起業に係る様々な相談やニーズにワンストップで対応している。
* 仙台市男女共同参画推進条例
男女共同参画を総合的かつ計画的に推進し、男女平等のまちの実現に資すること
を目的として市が平成 15 年に制定した条例。男女共同参画の推進に関し、基本理念
- 21 -
を定め、市、事業者及び市民の役割を明らかにするとともに、男女共同参画の推進
に関する施策の基本となる事項を定めている。
* 仙台市男女共同参画推進センター
男女共同参画を推進し、男女平等のまちの実現に資するとともに、市民に文化活
動の場を提供し、市民の生活文化の向上に寄与することを目的として、仙台市男女
共同参画推進センター条例に基づき仙台市が設置する施設。エル・パーク仙台とエ
ル・ソーラ仙台の2館体制で運営されている。
【タ行】
* ダイバーシティ
「多様性」のこと。性別や年齢、国籍などに関わりなく、多様な個性を持つ一人一
人が力を発揮し、共存できる社会のことをダイバーシティ社会という。
* 男女共同参画社会基本法
男女共同参画社会の形成を総合的かつ計画的に推進することを目的として平成 11
年に制定された法律。男女共同参画社会の形成に関し、基本理念を定め、国、地方
公共団体及び国民の責務を明らかにするとともに、男女共同参画社会の形成の促進
に関する施策の基本となる事項を定めている。
* 男女雇用機会均等法
「雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律」
。事業主に、
募集・採用・昇進・教育訓練・定年などにおいて男女で異なる取り扱いを禁じると
ともに、女性労働者の就業に関して妊娠中及び出産後の健康の確保を図るための措
置を推進することを目的として昭和 60 年に制定された。
【ハ行】
* 放課後子ども教室
放課後等の小学校施設等を活用して、地域の方や保護者の参画を得て、子どもた
ちの安全な居場所を確保し、学習やスポーツ、地域に根ざした多様な体験活動及び
地域住民との交流活動等の機会を提供する取り組み。
* 放課後児童健全育成事業
保護者が仕事などにより昼間家庭にいない小学生の児童を対象に、放課後等の遊
びや生活の場を提供し、健全な育成を図る。仙台市では、児童館等において現在、
小学1年生から3年生までを対象に実施しているほか、民間事業者も実施している。
- 22 -
なお、児童館等においては、平成 31 年度当初までに、対象学年を段階的に拡大する
予定。
* ポジティブ・アクション(積極的改善措置)
男女が、社会の対等な構成員として、自らの意志によって社会のあらゆる分野に
おける活動に参画する機会に係る男女間の格差を改善するために、必要な範囲にお
いて男女のいずれか一方に対し、当該機会を積極的に提供すること。
- 23 -
参考資料
1
図表
図表1
生産年齢人口(15~64 歳)有業率 (単位%)
総数
男性
仙台市
70.2
(68.8)
79.9
(79.2)
60.6
(58.5)
宮城県
71.2
(71.6)
80.5
(81.1)
61.8
(62.1)
全国
72.3
(72.2)
81.4
(82.7)
63.1
(61.7)
(出典)
図表2
女性
総務省「平成 24 年就業構造基本調査」より作成。
(
)内は同平成 19 年より作成。
仙台市の各役職段階における男女別の職員数
平成 27 年4月1日現在
全市
【参考】市長部局
役職
男性
管理職※
係長級
女性
計
男性
女性
計
858 88.6%
110 11.4%
968
470 85.5%
80 14.5%
550
1,098 78.5%
300 21.5%
1,398
581 72.4%
222 27.6%
803
一般職員
4,192 58.6% 2,961 41.4%
7,153 1,579 45.8% 1,869 54.2%
3,448
合計
6,148 64.6% 3,371 35.4%
9,519 2,630 54.8% 2,171 45.2%
4,801
※管理職:課長級以上
- 24 -
図表3
役職者(係長職・課長職)へのチャレンジを考えていない理由(仙台市女性職員)
(n=462)
68.2%
役職者としての資質や能力に不安があるから
仕事と家庭生活(育児・介護等)の両立が難しくなるの
ではないかと不安だから
55.0%
30.5%
現在果たしている役割に適性があると感じているから
22.5%
責任の重い仕事はしたくないから
16.2%
仕事の大変さの割には給料が上がらないと感じるから
(係長職昇任試験対象職種の方のみ)試験勉強が大
変・負担だから
12.3%
16.9%
その他
目標となる女性役職者がいないから
0.0%
図表4
8.9%
20.0%
40.0%
60.0%
仕事と私生活の両立についてどのように感じているか(仙台市女性職員)
(n=869)
いつも困難に
感じている 16.8%
困難に感じることは
ほとんどない 33.8%
時々困難に
感じている
49.4%
図表3、4 (出典)仙台市職員アンケート(係長級以下の女性職員対象)
- 25 -
図表5
仙台市の将来人口の推移
(万人)
120.0
100.0
107.6 108.8 108.5 107.3 105.5
11.0
13.1
12.4
13.3
80.0
15.8
17.5
12.3
12.1
18.2
13.3
103.0 100.0
96.6
18.9
20.0
15.3
15.7
22.1
14.2
60.0
65.2
64.0
62.8
61.1
40.0
58.4
54.2
93.1
89.1
23.3
23.7
12.9
75歳~
11.6
50.4
47.0
44.2
41.9
65~74歳
20~64歳
20.0
19.0
18.4
17.6
16.6
15.6
14.6
13.9
13.3
12.7
11.9
H27
H32
H37
H42
H47
H52
H57
H62
H67
H72
0.0
(出典)
図表6
0~19歳
仙台市調査
生活の中での各活動の優先度の希望 (仙台市、性別)
((
「仕事」と「個人・家庭
生活の中での各活動の優先度の現実 (性・年代別) 「仕事」と「地域活動」 生活」と「地域活動」を
「地域活動」を
いずれも優先したい
をともに優先したい
優先したい
「個人・家庭生活」と
生活の中での各活動の優先度の希望 (性別)
「個人・家庭生活」
「仕事」を
「仕事」と「個人・家庭生活」 「地域活動」をともに
優先したい
優先したい を優先したい
をともに優先したい
図表5
0%
10%
20%
30%
40%
50%
60%
70%
80%
90%
100% わからない
無回答
全体(n=1、062)
6.7
32.5
39.5
11.4
(出典)
2.6
7.5
39.5
35.0
0.5
9.6
1.0
仙台市男女共同参画社会に関する市民意識調査(平成 26 年度)
- 26 -
0.9
7.7
1.9
0.9
0.6
2.9
女性(n=585)
45.7
23.4
1.0
7.4
0.9
0.6
男性(n=466)
8.8
1.0
7.4
3.1
図表7
生活の中での各活動の優先度の現実(仙台市、性・年代別)
「仕事」と「個人・家庭
生活」と「地域活動」を
「仕事」と「地域活動」
いずれも優先している
をともに優先している
「地域活動」を
優先している
「個人・家庭生活」と
「地域活動」をともに
優先している
「仕事」と「個人・家庭
「個人・家庭生活」を
「仕事」を
生活」をともに優先
優先している
優先している
している
0%
10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80%
23.8
全体(n=1、062)
34.9
21.6
34.1
21.2
15.7
6.4
5.6
1.5 2.8 2.6
1.3
女性(n=585)
5.6
2.3 2.6
1.1
24.5
100%
7.0
1.0
男性(n=466)
90%
43.2
22.2
5.0
7.7
0.9
0.9 1.9 2.6
【性・年代別】
44.4
男性/20代(n=36)
25.0
19.4
8.3
2.8
30代(n=64)
43.8
40代(n=79)
21.9
57.0
50代(n=75)
53.3
60代(n=121)
18.2
37.4
25.3
4.4
2.7
20.9
14.6
9.9
5.5
15.4
1.1
3.5
19.3
3.1
25.0
41.4
35.9
7.0
4.2
1.0
4.5
21.6
0.9
50代(n=103)
4.0 1.3
1.3
2.5
1.7
4.4
2.2
2.5
1.3
1.3
5.8 6.6
0.8
40.6
24.3
40代(n=111)
12.0
33.3
22.9
30代(n=96)
30.4
19.8
36.8
女性/20代(n=57)
7.6
34.7
8.8
70代(n=91)
1.6
32.8
3.1
2.7
1.8 2.7
3.9
38.8
1.9
1.0 2.9 1.0
60代(n=135)
70代(n=83)
(出典)
4.4
49.6
19.3
1.2
54.2
6.0
3.6
14.8
15.7
6.0
1.2
仙台市男女共同参画社会に関する市民意識調査(平成 26 年度)
- 27 -
5.2
2.2 2.2
1.5
0.7
12.0
わからない
無回答
図表8
要介護者等から見た主な介護者の続柄 (全国、平成 25 年)
不詳
その他 13.0%
1.0%
事業者
14.8%
別居
38.4%
配偶者
26.2%
同居
61.6%
別居の
家族等
9.6%
その他の
子の
親族 父母
配偶者
1.8% 0.5%
11.2%
(出典)
図表9
同居の主な介護者の男女内訳
男性
女性
平成 19 年
28.1%
71.9%
平成 22 年
30.6%
69.4%
平成 25 年
31.3%
68.7%
子
21.8%
内閣府男女共同参画局「男女共同参画白書(平成 27 年版)
」より
共働き等世帯数の推移(全国)
男性雇用者と無業の妻から成る世帯
(万世帯)
雇用者の共働き世帯
1,200
1,100
1,000
900
800
700
600
昭和 57
55
(出典)
59
61
63 平成
2
4
6
8
10
12
14
16
18
内閣府男女共同参画局「男女共同参画白書(平成 27 年版)
」より
- 28 -
20
22
24
26(年)
図表 10 女性が働くことについての考え方 (仙台市、性・年代別)
子どもができても、 出産を機会に退職し、
ずっと働き続ける 育児が一段落した後、
再び働く方がよい
方がよい
0%
全体(n=1、062)
男性(n=466)
10%
20%
30%
32.7
40%
女性は
働かない方
出産を機会に退職 結婚を機会に退職
し、家事・育児に
し、家事・育児に専念 がよい
専念する方がよい する方がよい
わからない
50% 60% 70% 80% 90% 100% その他
4.9
2.4
46.2
30.7
34.7
7.4
2.9
7.7
3.2
0.2
4.4
2.7
7.4
1.7
0.5
2.6
0.4
5.4
3.2
45.9
46.0
女性(n=585)
無回答
3.1
3.6
【性・年代別】
男性/20代(n=36)
22.2
11.1
42.2
30代(n=64)
40代(n=79)
52.8
3.1
39.1
39.2
32.9
1.6
2.5
5.1
8.3
5.6
12.5
16.5
1.6
2.5
1.3
50代(n=75)
60代(n=121)
70代(n=91)
女性/20代(n=57)
30.6
30代(n=96)
40代(n=111)
50代(n=103)
49.5
29.8
1.8
49.1
36.0
33.0
5.3
1.8
35.4
42.3
5.8
5.0
7.7
6.6
49.0
4.1
8.3
43.0
24.2
5.3
1.3
1.3 4.0
1.3
56.0
30.7
2.2
2.2
7.7
7.0
5.3
9.4
1.0
1.0 1.0
5.4
7.2
2.7
0.9
2.7
3.1
2.7
3.3
3.9
47.6
13.6
1.0
1.0
60代(n=135)
29.6
70代(n=83)
30.1
(出典)
54.1
45.8
仙台市男女共同参画社会に関する市民意識調査(平成 26 年度)
- 29 -
7.4
9.6
2.4
2.4
2.2
2.2
3.7
0.7
3.6
4.8
1.2
図表 11 既婚女性の結婚・妊娠・出産・育児をきっかけとした退職経験の有無 ―経年比較(仙台市)
“退職経験あり”
結婚・妊娠・出産・育児を
きっかけに勤め先を辞め、結婚・妊娠・出産・育
1年以内に別の勤め先に 児をきっかけに勤め
先を辞めたことはない
変わったことがある
結婚・妊娠・出産・育児を
きっかけに勤め先を辞
め、1年を超える期間仕
事をしなかったことがある
0%
10%
20%
30%
40%
50%
60%
70%
80%
90% 100%
無回答
48.6
H26年度調査(n=486)
57.7
H21年度調査(n=428)
(出典)
6.6
22.6
22.2
5.8
18.7
17.8
仙台市男女共同参画社会に関する市民意識調査(平成 26 年度)
仙台市家事や育児等と仕事との両立に関する意識調査(平成 21 年度)
図表 12 女性の年齢別有業率
(出典)
総務省「平成 24 年就業構造基本調査」より作成。
図表 13 雇用者(役員を除く)の雇用形態別構成割合の推移(全国、男女別)
正規の職員・従業員
パート・アルバイト
その他(労働者派遣事業所の派遣社員,契約社員・嘱託,その他)
43.3
44.3
47.5
40.7
60.9
35.5
67.9
0%
20%
40%
60%
12.3
平成26年
11.8
平成17年
78.2
10.5 11.3
8.6 9.1
82.3
3.7
平成7年
91.1
5.2 3.7
28.5 3.6
昭和60年
92.6
3.3 4.1
80%
100%
0%
【女性】
20%
40%
60%
【男性】
(出典) 内閣府男女共同参画局「男女共同参画白書(平成 27 年版)
」より
- 30 -
80%
100%
2
女性の職業生活における活躍の推進に関する法律
(平成二十七年九月四日)
(法律第六十四号)
目次
第一章
第二章
第三章
第一節
第二節
第三節
第四節
第四章
第五章
第六章
附則
総則(第一条―第四条)
基本方針等(第五条・第六条)
事業主行動計画等
事業主行動計画策定指針(第七条)
一般事業主行動計画(第八条―第十四条)
特定事業主行動計画(第十五条)
女性の職業選択に資する情報の公表(第十六条・第十七条)
女性の職業生活における活躍を推進するための支援措置(第十八条―第二十五条)
雑則(第二十六条―第二十八条)
罰則(第二十九条―第三十四条)
第一章 総則
(目的)
第一条 この法律は、近年、自らの意思によって職業生活を営み、又は営もうとする女性がその個性と能
力を十分に発揮して職業生活において活躍すること(以下「女性の職業生活における活躍」という。)が
一層重要となっていることに鑑み、男女共同参画社会基本法(平成十一年法律第七十八号)の基本理念に
のっとり、女性の職業生活における活躍の推進について、その基本原則を定め、並びに国、地方公共団
体及び事業主の責務を明らかにするとともに、基本方針及び事業主の行動計画の策定、女性の職業生活
における活躍を推進するための支援措置等について定めることにより、女性の職業生活における活躍を
迅速かつ重点的に推進し、もって男女の人権が尊重され、かつ、急速な少子高齢化の進展、国民の需要
の多様化その他の社会経済情勢の変化に対応できる豊かで活力ある社会を実現することを目的とする。
(基本原則)
第二条 女性の職業生活における活躍の推進は、職業生活における活躍に係る男女間の格差の実情を踏ま
え、自らの意思によって職業生活を営み、又は営もうとする女性に対する採用、教育訓練、昇進、職種
及び雇用形態の変更その他の職業生活に関する機会の積極的な提供及びその活用を通じ、かつ、性別に
よる固定的な役割分担等を反映した職場における慣行が女性の職業生活における活躍に対して及ぼす影
響に配慮して、その個性と能力が十分に発揮できるようにすることを旨として、行われなければならな
い。
2 女性の職業生活における活躍の推進は、職業生活を営む女性が結婚、妊娠、出産、育児、介護その他
の家庭生活に関する事由によりやむを得ず退職することが多いことその他の家庭生活に関する事由が職
業生活に与える影響を踏まえ、家族を構成する男女が、男女の別を問わず、相互の協力と社会の支援の
下に、育児、介護その他の家庭生活における活動について家族の一員としての役割を円滑に果たしつつ
職業生活における活動を行うために必要な環境の整備等により、男女の職業生活と家庭生活との円滑か
つ継続的な両立が可能となることを旨として、行われなければならない。
3 女性の職業生活における活躍の推進に当たっては、女性の職業生活と家庭生活との両立に関し、本人
の意思が尊重されるべきものであることに留意されなければならない。
(国及び地方公共団体の責務)
第三条 国及び地方公共団体は、前条に定める女性の職業生活における活躍の推進についての基本原則(次
条及び第五条第一項において「基本原則」という。)にのっとり、女性の職業生活における活躍の推進に
関して必要な施策を策定し、及びこれを実施しなければならない。
(事業主の責務)
第四条 事業主は、基本原則にのっとり、その雇用し、又は雇用しようとする女性労働者に対する職業生
活に関する機会の積極的な提供、雇用する労働者の職業生活と家庭生活との両立に資する雇用環境の整
備その他の女性の職業生活における活躍の推進に関する取組を自ら実施するよう努めるとともに、国又
は地方公共団体が実施する女性の職業生活における活躍の推進に関する施策に協力しなければならない。
第二章 基本方針等
(基本方針)
第五条 政府は、基本原則にのっとり、女性の職業生活における活躍の推進に関する施策を総合的かつ一
体的に実施するため、女性の職業生活における活躍の推進に関する基本方針(以下「基本方針」という。)
を定めなければならない。
- 31 -
2 基本方針においては、次に掲げる事項を定めるものとする。
一 女性の職業生活における活躍の推進に関する基本的な方向
二 事業主が実施すべき女性の職業生活における活躍の推進に関する取組に関する基本的な事項
三 女性の職業生活における活躍の推進に関する施策に関する次に掲げる事項
イ 女性の職業生活における活躍を推進するための支援措置に関する事項
ロ 職業生活と家庭生活との両立を図るために必要な環境の整備に関する事項
ハ その他女性の職業生活における活躍の推進に関する施策に関する重要事項
四 前三号に掲げるもののほか、女性の職業生活における活躍を推進するために必要な事項
3 内閣総理大臣は、基本方針の案を作成し、閣議の決定を求めなければならない。
4 内閣総理大臣は、前項の規定による閣議の決定があったときは、遅滞なく、基本方針を公表しなけれ
ばならない。
5 前二項の規定は、基本方針の変更について準用する。
(都道府県推進計画等)
第六条 都道府県は、基本方針を勘案して、当該都道府県の区域内における女性の職業生活における活躍
の推進に関する施策についての計画(以下この条において「都道府県推進計画」という。)を定めるよう
努めるものとする。
2 市町村は、基本方針(都道府県推進計画が定められているときは、基本方針及び都道府県推進計画)を
勘案して、当該市町村の区域内における女性の職業生活における活躍の推進に関する施策についての計
画(次項において「市町村推進計画」という。)を定めるよう努めるものとする。
3 都道府県又は市町村は、都道府県推進計画又は市町村推進計画を定め、又は変更したときは、遅滞な
く、これを公表しなければならない。
第三章 事業主行動計画等
第一節 事業主行動計画策定指針
第七条 内閣総理大臣、厚生労働大臣及び総務大臣は、事業主が女性の職業生活における活躍の推進に関
する取組を総合的かつ効果的に実施することができるよう、基本方針に即して、次条第一項に規定する
一般事業主行動計画及び第十五条第一項に規定する特定事業主行動計画(次項において「事業主行動計画」
と総称する。)の策定に関する指針(以下「事業主行動計画策定指針」という。)を定めなければならない。
2 事業主行動計画策定指針においては、次に掲げる事項につき、事業主行動計画の指針となるべきもの
を定めるものとする。
一 事業主行動計画の策定に関する基本的な事項
二 女性の職業生活における活躍の推進に関する取組の内容に関する事項
三 その他女性の職業生活における活躍の推進に関する取組に関する重要事項
3 内閣総理大臣、厚生労働大臣及び総務大臣は、事業主行動計画策定指針を定め、又は変更したときは、
遅滞なく、これを公表しなければならない。
第二節 一般事業主行動計画
(一般事業主行動計画の策定等)
第八条 国及び地方公共団体以外の事業主(以下「一般事業主」という。)であって、常時雇用する労働者
の数が三百人を超えるものは、事業主行動計画策定指針に即して、一般事業主行動計画(一般事業主が実
施する女性の職業生活における活躍の推進に関する取組に関する計画をいう。以下同じ。)を定め、厚生
労働省令で定めるところにより、厚生労働大臣に届け出なければならない。これを変更したときも、同
様とする。
2 一般事業主行動計画においては、次に掲げる事項を定めるものとする。
一 計画期間
二 女性の職業生活における活躍の推進に関する取組の実施により達成しようとする目標
三 実施しようとする女性の職業生活における活躍の推進に関する取組の内容及びその実施時期
3 第一項に規定する一般事業主は、一般事業主行動計画を定め、又は変更しようとするときは、厚生労
働省令で定めるところにより、採用した労働者に占める女性労働者の割合、男女の継続勤務年数の差異、
労働時間の状況、管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合その他のその事業における女性の
職業生活における活躍に関する状況を把握し、女性の職業生活における活躍を推進するために改善すべ
き事情について分析した上で、その結果を勘案して、これを定めなければならない。この場合において、
前項第二号の目標については、採用する労働者に占める女性労働者の割合、男女の継続勤務年数の差異
の縮小の割合、労働時間、管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合その他の数値を用いて定
量的に定めなければならない。
4 第一項に規定する一般事業主は、一般事業主行動計画を定め、又は変更したときは、厚生労働省令で
定めるところにより、これを労働者に周知させるための措置を講じなければならない。
- 32 -
5 第一項に規定する一般事業主は、一般事業主行動計画を定め、又は変更したときは、厚生労働省令で
定めるところにより、これを公表しなければならない。
6 第一項に規定する一般事業主は、一般事業主行動計画に基づく取組を実施するとともに、一般事業主
行動計画に定められた目標を達成するよう努めなければならない。
7 一般事業主であって、常時雇用する労働者の数が三百人以下のものは、事業主行動計画策定指針に即
して、一般事業主行動計画を定め、厚生労働省令で定めるところにより、厚生労働大臣に届け出るよう
努めなければならない。これを変更したときも、同様とする。
8 第三項の規定は前項に規定する一般事業主が一般事業主行動計画を定め、又は変更しようとする場合
について、第四項から第六項までの規定は前項に規定する一般事業主が一般事業主行動計画を定め、又
は変更した場合について、それぞれ準用する。
(基準に適合する一般事業主の認定)
第九条 厚生労働大臣は、前条第一項又は第七項の規定による届出をした一般事業主からの申請に基づき、
厚生労働省令で定めるところにより、当該事業主について、女性の職業生活における活躍の推進に関す
る取組に関し、当該取組の実施の状況が優良なものであることその他の厚生労働省令で定める基準に適
合するものである旨の認定を行うことができる。
(認定一般事業主の表示等)
第十条 前条の認定を受けた一般事業主(次条及び第二十条第一項において「認定一般事業主」という。)
は、商品、役務の提供の用に供する物、商品又は役務の広告又は取引に用いる書類若しくは通信その他
の厚生労働省令で定めるもの(次項において「商品等」という。)に厚生労働大臣の定める表示を付する
ことができる。
2 何人も、前項の規定による場合を除くほか、商品等に同項の表示又はこれと紛らわしい表示を付して
はならない。
(認定の取消し)
第十一条 厚生労働大臣は、認定一般事業主が次の各号のいずれかに該当するときは、第九条の認定を取
り消すことができる。
一 第九条に規定する基準に適合しなくなったと認めるとき。
二 この法律又はこの法律に基づく命令に違反したとき。
三 不正の手段により第九条の認定を受けたとき。
(委託募集の特例等)
第十二条 承認中小事業主団体の構成員である中小事業主(一般事業主であって、常時雇用する労働者の数
が三百人以下のものをいう。以下この項及び次項において同じ。)が、当該承認中小事業主団体をして女
性の職業生活における活躍の推進に関する取組の実施に関し必要な労働者の募集を行わせようとする場
合において、当該承認中小事業主団体が当該募集に従事しようとするときは、職業安定法(昭和二十二年
法律第百四十一号)第三十六条第一項及び第三項の規定は、当該構成員である中小事業主については、適
用しない。
2 この条及び次条において「承認中小事業主団体」とは、事業協同組合、協同組合連合会その他の特別
の法律により設立された組合若しくはその連合会であって厚生労働省令で定めるもの又は一般社団法人
で中小事業主を直接又は間接の構成員とするもの(厚生労働省令で定める要件に該当するものに限る。)
のうち、その構成員である中小事業主に対して女性の職業生活における活躍の推進に関する取組を実施
するための人材確保に関する相談及び援助を行うものであって、その申請に基づいて、厚生労働大臣が、
当該相談及び援助を適切に行うための厚生労働省令で定める基準に適合する旨の承認を行ったものをい
う。
3 厚生労働大臣は、承認中小事業主団体が前項に規定する基準に適合しなくなったと認めるときは、同
項の承認を取り消すことができる。
4 承認中小事業主団体は、第一項に規定する募集に従事しようとするときは、厚生労働省令で定めると
ころにより、募集時期、募集人員、募集地域その他の労働者の募集に関する事項で厚生労働省令で定め
るものを厚生労働大臣に届け出なければならない。
5 職業安定法第三十七条第二項の規定は前項の規定による届出があった場合について、同法第五条の三
第一項及び第三項、第五条の四、第三十九条、第四十一条第二項、第四十八条の三、第四十八条の四、
第五十条第一項及び第二項並びに第五十一条の二の規定は前項の規定による届出をして労働者の募集に
従事する者について、同法第四十条の規定は同項の規定による届出をして労働者の募集に従事する者に
対する報酬の供与について、同法第五十条第三項及び第四項の規定はこの項において準用する同条第二
項に規定する職権を行う場合について、それぞれ準用する。この場合において、同法第三十七条第二項
中「労働者の募集を行おうとする者」とあるのは「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律第
十二条第四項の規定による届出をして労働者の募集に従事しようとする者」と、同法第四十一条第二項
中「当該労働者の募集の業務の廃止を命じ、又は期間」とあるのは「期間」と読み替えるものとする。
- 33 -
6 職業安定法第三十六条第二項及び第四十二条の二の規定の適用については、同法第三十六条第二項中
「前項の」とあるのは「被用者以外の者をして労働者の募集に従事させようとする者がその被用者以外
の者に与えようとする」と、同法第四十二条の二中「第三十九条に規定する募集受託者」とあるのは「女
性の職業生活における活躍の推進に関する法律(平成二十七年法律第六十四号)第十二条第四項の規定に
よる届出をして労働者の募集に従事する者」とする。
7 厚生労働大臣は、承認中小事業主団体に対し、第二項の相談及び援助の実施状況について報告を求め
ることができる。
第十三条 公共職業安定所は、前条第四項の規定による届出をして労働者の募集に従事する承認中小事業
主団体に対して、雇用情報及び職業に関する調査研究の成果を提供し、かつ、これらに基づき当該募集
の内容又は方法について指導することにより、当該募集の効果的かつ適切な実施を図るものとする。
(一般事業主に対する国の援助)
第十四条 国は、第八条第一項若しくは第七項の規定により一般事業主行動計画を策定しようとする一般
事業主又はこれらの規定による届出をした一般事業主に対して、一般事業主行動計画の策定、労働者へ
の周知若しくは公表又は一般事業主行動計画に基づく措置が円滑に実施されるように相談その他の援助
の実施に努めるものとする。
第三節 特定事業主行動計画
第十五条 国及び地方公共団体の機関、それらの長又はそれらの職員で政令で定めるもの(以下「特定事業
主」という。)は、政令で定めるところにより、事業主行動計画策定指針に即して、特定事業主行動計画
(特定事業主が実施する女性の職業生活における活躍の推進に関する取組に関する計画をいう。以下この
条において同じ。)を定めなければならない。
2 特定事業主行動計画においては、次に掲げる事項を定めるものとする。
一 計画期間
二 女性の職業生活における活躍の推進に関する取組の実施により達成しようとする目標
三 実施しようとする女性の職業生活における活躍の推進に関する取組の内容及びその実施時期
3 特定事業主は、特定事業主行動計画を定め、又は変更しようとするときは、内閣府令で定めるところ
により、採用した職員に占める女性職員の割合、男女の継続勤務年数の差異、勤務時間の状況、管理的
地位にある職員に占める女性職員の割合その他のその事務及び事業における女性の職業生活における活
躍に関する状況を把握し、女性の職業生活における活躍を推進するために改善すべき事情について分析
した上で、その結果を勘案して、これを定めなければならない。この場合において、前項第二号の目標
については、採用する職員に占める女性職員の割合、男女の継続勤務年数の差異の縮小の割合、勤務時
間、管理的地位にある職員に占める女性職員の割合その他の数値を用いて定量的に定めなければならな
い。
4 特定事業主は、特定事業主行動計画を定め、又は変更したときは、遅滞なく、これを職員に周知させ
るための措置を講じなければならない。
5 特定事業主は、特定事業主行動計画を定め、又は変更したときは、遅滞なく、これを公表しなければ
ならない。
6 特定事業主は、毎年少なくとも一回、特定事業主行動計画に基づく取組の実施の状況を公表しなけれ
ばならない。
7 特定事業主は、特定事業主行動計画に基づく取組を実施するとともに、特定事業主行動計画に定めら
れた目標を達成するよう努めなければならない。
第四節 女性の職業選択に資する情報の公表
(一般事業主による女性の職業選択に資する情報の公表)
第十六条 第八条第一項に規定する一般事業主は、厚生労働省令で定めるところにより、職業生活を営み、
又は営もうとする女性の職業選択に資するよう、その事業における女性の職業生活における活躍に関す
る情報を定期的に公表しなければならない。
2 第八条第七項に規定する一般事業主は、厚生労働省令で定めるところにより、職業生活を営み、又は
営もうとする女性の職業選択に資するよう、その事業における女性の職業生活における活躍に関する情
報を定期的に公表するよう努めなければならない。
(特定事業主による女性の職業選択に資する情報の公表)
第十七条 特定事業主は、内閣府令で定めるところにより、職業生活を営み、又は営もうとする女性の職
業選択に資するよう、その事務及び事業における女性の職業生活における活躍に関する情報を定期的に
公表しなければならない。
第四章 女性の職業生活における活躍を推進するための支援措置
(職業指導等の措置等)
第十八条 国は、女性の職業生活における活躍を推進するため、職業指導、職業紹介、職業訓練、創業の
支援その他の必要な措置を講ずるよう努めるものとする。
- 34 -
2 地方公共団体は、女性の職業生活における活躍を推進するため、前項の措置と相まって、職業生活を
営み、又は営もうとする女性及びその家族その他の関係者からの相談に応じ、関係機関の紹介その他の
情報の提供、助言その他の必要な措置を講ずるよう努めるものとする。
3 地方公共団体は、前項に規定する業務に係る事務の一部を、その事務を適切に実施することができる
ものとして内閣府令で定める基準に適合する者に委託することができる。
4 前項の規定による委託に係る事務に従事する者又は当該事務に従事していた者は、正当な理由なく、
当該事務に関して知り得た秘密を漏らしてはならない。
(財政上の措置等)
第十九条 国は、女性の職業生活における活躍の推進に関する地方公共団体の施策を支援するために必要
な財政上の措置その他の措置を講ずるよう努めるものとする。
(国等からの受注機会の増大)
第二十条 国は、女性の職業生活における活躍の推進に資するため、国及び公庫等(沖縄振興開発金融公庫
その他の特別の法律によって設立された法人であって政令で定めるものをいう。)の役務又は物件の調達
に関し、予算の適正な使用に留意しつつ、認定一般事業主その他の女性の職業生活における活躍に関す
る状況又は女性の職業生活における活躍の推進に関する取組の実施の状況が優良な一般事業主(次項に
おいて「認定一般事業主等」という。)の受注の機会の増大その他の必要な施策を実施するものとする。
2 地方公共団体は、国の施策に準じて、認定一般事業主等の受注の機会の増大その他の必要な施策を実
施するように努めるものとする。
(啓発活動)
第二十一条 国及び地方公共団体は、女性の職業生活における活躍の推進について、国民の関心と理解を
深め、かつ、その協力を得るとともに、必要な啓発活動を行うものとする。
(情報の収集、整理及び提供)
第二十二条 国は、女性の職業生活における活躍の推進に関する取組に資するよう、国内外における女性
の職業生活における活躍の状況及び当該取組に関する情報の収集、整理及び提供を行うものとする。
(協議会)
第二十三条 当該地方公共団体の区域において女性の職業生活における活躍の推進に関する事務及び事業
を行う国及び地方公共団体の機関(以下この条において「関係機関」という。)は、第十八条第一項の規
定により国が講ずる措置及び同条第二項の規定により地方公共団体が講ずる措置に係る事例その他の女
性の職業生活における活躍の推進に有用な情報を活用することにより、当該区域において女性の職業生
活における活躍の推進に関する取組が効果的かつ円滑に実施されるようにするため、関係機関により構
成される協議会(以下「協議会」という。)を組織することができる。
2 協議会を組織する関係機関は、当該地方公共団体の区域内において第十八条第三項の規定による事務
の委託がされている場合には、当該委託を受けた者を協議会の構成員として加えるものとする。
3 協議会を組織する関係機関は、必要があると認めるときは、協議会に次に掲げる者を構成員として加
えることができる。
一 一般事業主の団体又はその連合団体
二 学識経験者
三 その他当該関係機関が必要と認める者
4 協議会は、関係機関及び前二項の構成員(以下この項において「関係機関等」という。)が相互の連絡
を図ることにより、女性の職業生活における活躍の推進に有用な情報を共有し、関係機関等の連携の緊
密化を図るとともに、地域の実情に応じた女性の職業生活における活躍の推進に関する取組について協
議を行うものとする。
5 協議会が組織されたときは、当該地方公共団体は、内閣府令で定めるところにより、その旨を公表し
なければならない。
(秘密保持義務)
第二十四条 協議会の事務に従事する者又は協議会の事務に従事していた者は、正当な理由なく、協議会
の事務に関して知り得た秘密を漏らしてはならない。
(協議会の定める事項)
第二十五条 前二条に定めるもののほか、協議会の組織及び運営に関し必要な事項は、協議会が定める。
第五章 雑則
(報告の徴収並びに助言、指導及び勧告)
第二十六条 厚生労働大臣は、この法律の施行に関し必要があると認めるときは、第八条第一項に規定す
る一般事業主に対して、報告を求め、又は助言、指導若しくは勧告をすることができる。
(権限の委任)
第二十七条 第八条から第十二条まで及び前条に規定する厚生労働大臣の権限は、厚生労働省令で定める
ところにより、その一部を都道府県労働局長に委任することができる。
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(政令への委任)
第二十八条 この法律に定めるもののほか、この法律の実施のため必要な事項は、政令で定める。
第六章 罰則
第二十九条 第十二条第五項において準用する職業安定法第四十一条第二項の規定による業務の停止の命
令に違反して、労働者の募集に従事した者は、一年以下の懲役又は百万円以下の罰金に処する。
第三十条 次の各号のいずれかに該当する者は、一年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。
一 第十八条第四項の規定に違反した者
二 第二十四条の規定に違反した者
第三十一条 次の各号のいずれかに該当する者は、六月以下の懲役又は三十万円以下の罰金に処する。
一 第十二条第四項の規定による届出をしないで、労働者の募集に従事した者
二 第十二条第五項において準用する職業安定法第三十七条第二項の規定による指示に従わなかった
者
三 第十二条第五項において準用する職業安定法第三十九条又は第四十条の規定に違反した者
第三十二条 次の各号のいずれかに該当する者は、三十万円以下の罰金に処する。
一 第十条第二項の規定に違反した者
二 第十二条第五項において準用する職業安定法第五十条第一項の規定による報告をせず、又は虚偽
の報告をした者
三 第十二条第五項において準用する職業安定法第五十条第二項の規定による立入り若しくは検査を
拒み、妨げ、若しくは忌避し、又は質問に対して答弁をせず、若しくは虚偽の陳述をした者
第三十三条 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業
務に関し、第二十九条、第三十一条又は前条の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人
又は人に対しても、各本条の罰金刑を科する。
第三十四条 第二十六条の規定による報告をせず、又は虚偽の報告をした者は、二十万円以下の過料に処
する。
附 則 抄
(施行期日)
第一条 この法律は、公布の日から施行する。ただし、第三章(第七条を除く。)、第五章(第二十八条を除
く。)及び第六章(第三十条を除く。)の規定並びに附則第五条の規定は、平成二十八年四月一日から施行
する。
(この法律の失効)
第二条 この法律は、平成三十八年三月三十一日限り、その効力を失う。
2 第十八条第三項の規定による委託に係る事務に従事していた者の当該事務に関して知り得た秘密につ
いては、同条第四項の規定(同項に係る罰則を含む。)は、前項の規定にかかわらず、同項に規定する日
後も、なおその効力を有する。
3 協議会の事務に従事していた者の当該事務に関して知り得た秘密については、第二十四条の規定(同条
に係る罰則を含む。)は、第一項の規定にかかわらず、同項に規定する日後も、なおその効力を有する。
4 この法律の失効前にした行為に対する罰則の適用については、この法律は、第一項の規定にかかわら
ず、同項に規定する日後も、なおその効力を有する。
(政令への委任)
第三条 前条第二項から第四項までに規定するもののほか、この法律の施行に伴い必要な経過措置は、政
令で定める。
(検討)
第四条 政府は、この法律の施行後三年を経過した場合において、この法律の施行の状況を勘案し、必要
があると認めるときは、この法律の規定について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずる
ものとする。
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ダイバーシティ SENDAI
~仙台市働く女性の活躍推進計画~
平成 28 年3月
仙台市市民局男女共同参画課
〒980-8671 仙台市青葉区国分町3-7-1
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