ワー エピソード ワーク① ワーク①

2-2� � 夫をイクメン・カジメンに変身させよう!!�
� � 子育てや家庭教育が、何となくあなたに任せられていませんか。子育てや家庭教育に
対する責任感や使命感から、いつの間にか気持ちのゆとりをなくしてしまって、子ども
との接し方がうまくいかないなどの心配はありませんか。あなたが多く背負っていた責
任感や使命感を夫と分かち合うことができれば、気持ちや考え方にゆとりができます。
また、夫を含めた家族との触れ合いは、子どもの豊かな育ちや成長につながります。夫
をイクメンに変身させることは、子どもにとってもとても大切なことなのです。
� � 夫をイクメン・カジメンに変身させるためにいっしょに作戦を立てましょう。
エピソード�
健太さんと恵さんは、二人の子ども(2歳と4歳)のパパとママです。健太さんも
恵さんも、それぞれ仕事をしているので、子どもたちを保育所に預けて、一日中、働
いています。�
仕事が終わって帰っても、家事や子どもたちの世話など、することがたくさんあり
ます。でも、健太さんは、仕事から帰ってくると、
「疲れた」と言って、なかなか手伝
� ってくれません。休みの日になると、少しは子どもたちと遊んではくれますが、いろ
いろと手が掛かることや家事は、なかなかしてくれません。�
ワーク①
� �� お母さんとあおいちゃんは、児童館に出かけました。児童館に着くと、あおい
ちゃんは、早速お気に入りの絵本を見つけて、読んでいました。そのうち、あおいち
ワーク①�
ゃんはトイレに行きたくなったので、本をテーブルの上に置いたままトイレに行きま
恵さんは、どんなことを思っているでしょうか。また、健太さんに対して、どんな
した。すると、後から児童館に来たかえでちゃんがその絵本を見つけて、読み始めて
ことを言いたいでしょうか。�
しまいました。トイレから帰ったあおいちゃんは、かえでちゃんに絵本をとられたと
思って、
「返して」と言いますが、かえでちゃんは、
「わたしが読んでいる絵本だから」
と言って応じません。言い合っているうちに、とうとう本の取り合いになってしまい
ました。�
若いお父
さんのイ
ラスト�
若いお母
さんのイ
ラスト㻌
☆� 恵さんは、健太さんに
食事の後の皿洗いをして
ほしいと思っています。
さて、恵さんは、健太
さんにどのように言えば
いいでしょうか。
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ワーク②
� � あなたが、家事や育児でパートナーに手伝ってもらって、うれしかったことや助かっ
たこと、そして、そのときのあなたがパートナーに対して取った行動を思い出して、書
き出してみましょう。� � � � � � � � � � � � � � � � � � � � �
� � 家事や育児で手伝ってもらったこと� � � � パートナーに対して取った行動�
�
☆� あなたが、パートナーに「してほしいこと」と、パートナーを「やる気にさせる作戦」
(言葉掛けや行動など)を考えましょう。�
� � � �
してほしいこと� � � � � � � � � � � 作戦(言葉や行動)�
�
�
☆� このワークを通して「気付いたこと」「やってみよう」と思ったことを書きましょう。
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2-2� 夫をイクメン・カジメンに変身させよう!!�
参考①� � 父親の役割とは?�
�
� 1� 母親を肉体的・精神的に支える。�
母親にとって妊娠・出産・育児に加えて家事等を一人でこなすことは、肉体的に�
� � 大変なだけでなく、日々、不安や心配、悩みを抱えることも多く、精神的な支えも�
必要です。�
夫が妻の話をよく聞いて相談に乗ったり、手伝ってほしいことに手を差し伸べた�
� � りするなど、一番のよき理解者であり、サポート役になることが大切です。�
夫が妻の味方になることで、母親としての気持ちにゆとりや安心感が生まれ、妊�
� � 娠中の母体の安定や子どもとの穏やかな関わりにもつながります。�
�
2� 子どもと関わり、母親と一緒に子どもを見守り、支える。�
親が、子どもに人間として生きていくために必要なことを教えることで、子ども�
は様々なことを身に付け、成長していきます。父親が、母親と協力し合って、お互�
いの気付きや考えを子育てに生かしたり、子どもの遊びや勉強に関わったりするな�
ど、一緒に子どもを見守り、支えることで、子どもは両親からたくさんの喜びや愛�
情を受け取り、心身ともに健やかに成長することができます。
�
3� 子どもの社会性の発達を助ける。�
� � � 家庭は最も小さな社会と言われます。人との関わり方や相手の気持ちを考えて行�
� � 動することなど、社会性の素地を身に付けるためには、親子のふれあいが最も大切�
です。�
そして、子どもを中心に母親と父親が関わり合うことによって、家族としてのふ�
� � れあいが増え、さらに子どもの社会性を伸ばすことにつながっていきます。�
�
�
参考②� � 夫をイクメン・カジメン・父親に変身させる?方法�
� �
1� 夫に頼ってみる、ただし、まずは簡単なことから、得意そうなことから、1つだけ。�
� � � �
� 2� 頼んだことをしてもらったら、必ずその行為を認め、ほめる。結果を求めない。�
� � ・� 具体的にほめる。「とってもきれいになって、私がするより上手!」�
�
�
�
�
�
�
�
�
�
�
�
�
� ・� 助かったことを伝える。「手伝ってくれたおかげで、晩御飯が早く準備できて助�
� � かったわ。」�
� ・� 体格や仕事振りなどをほめる。「やっぱりお風呂洗いは、パパの方が丁寧だし、�
� � 高いところまできれいにしてくれるから、気持ちいい。」�
� �
3� 新しい道具や製品等で、夫の家事や育児への興味・関心をひく。�
4� 夫の頑張りを子どもに向けて、「パパすごいね。」といってほめる。子ども以外に�
� も自分の親や近所、友達などに伝えて、いずれ夫の耳に入ることによる効果をねらう。�
5� ちょっとした御褒美できっかけづくりをして、後は、ほめて、やる気を高める。�
� �
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2-2�
� �
夫をイクメン・カジメンに変身させよう!!(�� 分)�
家庭教育における父親の役割の大切さを理解し、夫が父親として家庭生活
や子育てに関わるきっかけづくりや取り組む意欲を高めるための方法につい
て考える。�
○� 父親の役割の大切さを再認識することによって、夫が父親として家庭生
ねらいと�
活を支え、家庭で活躍する場やきっかけをつくろうとする意識を高める。�
する効果�
○� 夫が父親として家庭生活や子育てに取り組もうとする気持ちを高めるた
めの具体的な方法や言動を考える。�
○� 4~6人のグループを事前に作っておく。�
事前準備�
○� 気持ちや具体的な方法等を整理するための付箋、マジック等�
○� 協力してほしいことや実現に向けての作戦を書き出すカード�
学習活動�
学習活動のねらいとポイント�
流れ・時間�
アイスブレイク�
・家族構成や日頃の夫の様子などを話しながら自己紹介
導入�
�
をする。�
(�� 分)�
ワークの趣旨理解� ・夫が父親としての役割を果たし、家庭での活躍の場や
きっかけづくりのための作戦を考えることを伝える。�
・自分の家庭の状況について、
「2-3� イクメン・カ
ジメンに変身しよう!!」の参考①「イクメン・カジ
メン度チェック表」に記入しながらふりかえり、問題
意識を高めてもよい。�
ワーク1�
・恵さんの家庭生活の場面を全体で理解し、健太さんに
展開�
個人�
対する恵さんの気持ちを吹き出しに書かせる。�
(�� 分)�
エ ピ ソ ード を 読ん ・健太さんに皿洗いをしてもらうには、恵さんはどうす
�
で ワ ー クシ ー トに
ればよいか、具体的な方法や言動を考えて、ワークシ
�
考えを記入する�
ートに書くように説明する。�
�
グループ�
・各自が、一番強いと思う恵さんの気持ちと、一番よい
�
恵 さ ん の気 持 ちと
と思う具体的な方法や言動を、それぞれ別の付箋に書
�
具 体 的 な方
き出し、紹介しながら意見交換し、恵さんの気持ちや
な 方 法 等を
意見交換する�
具体的な方法等を整理する。�
�
ワーク2�
・夫に家事や育児を手伝ってもらって助かったことやう�
�
個人�
れしかったこと、そして、そのときパートナーに対し
�
家 事 や 育児 で 手伝
て自分がどうしたかを書き出すことで、夫との関わり
(�� 分)�
っ て も らっ た とき
方についてふりかえることができるようにする。�
�
のことを思い出す� ・参考資料を活用し、夫が父親として家庭生活に欠かせ
�
グループ�
ない存在であることを再確認し、作戦(言動)は家庭
�
体 験 を 交流 す るこ
にとって重要な意味をもつことを意識付ける。�
�
とで考えを広げる� ・グループ内でお互いに夫に対して取った行動について
個人�
体験を交流することで、夫を家庭生活や子育てに取り
�
夫
を
父
親と
し
て家
組ませるための作戦の手掛かりにする。�
�
(�� 分)� 庭 生 活 に関 わ らせ ・グループ内で紹介し合った体験をもとに、自分の夫に
る作戦を考える�
してほしいこととそのための作戦(言動)を考えるよ
うに伝える。一人一枚ずつカードに書き、できた人か
ら前に貼り出し、お互いに共有できるようにする。�
ふりかえり�
・自分の作戦の紹介と今日のワークの感想を数人に発表�
まとめ�
してもらい、学習者の考えや意思を認めることで、実�
(�� 分)� 個人→全体�
感想を記入し、発表
践への意欲を高める。�
する�
ねらい�
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