最近の指標から見る中国経済(2016年3月)

2016年3月23日
(No.2,423)
〈マーケットレポートNo.4,723〉
最近の指標から見る中国経済(2016年3月)
景気減速が続き、金融・財政政策強化の期待が拡大
製造業PMIと
鉱工業生産指数
景気は下振れ
(ポイント)
素材などの生産の減少が続く
54
■2月の製造業PMIは、1月から低下し、節目となる
50を7カ月連続して下回りました。1-2月の鉱工業
生産指数も前年比の伸びが縮小しました。過剰生 52
産能力の削減や輸出減少などが生産を抑制しまし
50
た。
非製造業PMIと
小売売上高
(前年同月比、%)(ポイント)
生産(右軸)
8
58
6
56
4
54
5.4
(前年同月比、%)
小売売上高(右軸)
10.2
非製造業PMI
(左軸)
12
10
8
製造業PMI(左軸)
■2月の非製造業PMIも、1月から低下しました。
52.7
49.0
6
2 52
1-2月の小売売上高も前年比の伸びが縮小しまし 48
(年/月)
(年/月)
15/2
15/9
15/9
た。春節休暇中の消費が期待されたほどではなく、 15/2
(注)データは2015年2月~2016年2月(鉱工業生産指数と小売売上高は、
製造業の低迷が影響したと見られます。
1月を除き、2月は1-2月の前年同期比)。PMI(景況感指数)は国家
輸出入の減少続く
統計局による発表、好悪の判断の境目は50。数字は2016年2月。
(出所)Bloomberg L.P.のデータを基に三井住友アセットマネジメント作成
物価は一時的に上向く
■2月の輸出入は、前年比で減少が続きました。中
国の内需低迷から世界経済が減速し、それが中国
の輸出を減少させるという、負の循環が懸念されま
す。
輸出額と輸入額
(名目ベース、人民元建て)
(前年同月比、%)
消費者・生産者物価指数
4
60
(前年同月比、%)
2.3
2
30
輸出
0
消費者物価
輸入
▲8.0 ▲ 2
■2月の消費者物価は、天候要因による食料品価
0
生産者物価
格の上昇を受け、前年比で上昇が加速しました。ま
▲4
▲4.9
た、原油や資源価格が反発し、生産者物価も前
▲20.6
▲6
年比のマイナス幅が縮小しました。しかし、過剰生 ▲ 30
(年/月)
15/2
15/9 (年/月)
15/2
15/9
産能力の削減による物価下落圧力が大きく、物価
(注)データは2015年2月~2016年2月。 数字は2016年2月。
は上昇しづらい状況が続きそうです。
(出所)Bloomberg L.P.のデータを基に三井住友アセットマネジメント作成
金融緩和と財政拡大により、年「6.5%以上」の成長維持へ
■3月に開催された全人代(全国人民代表大会、 ■全人代では、最低限「6.5%以上」の成長を目標
日本の国会に相当)で、2016年の経済成長率
に掲げる5カ年計画も決定しました。イノベーション
目標が「年6.5%~7.0%」と決定されました。また、 (技術革新)主導の経済発展を目指し、積極的
李首相は閉幕後の記者会見で、「中国経済の
に金融・財政政策を活用すると見込まれます。足
ハードランディング(急激な悪化)はあり得ない」と
元の経済指標は低調であり、目標達成のために政
発言し、内外の不安払拭に腐心しました。
策対応が強化される期待が強まっています。
2016年 3月 16日 中国は安定成長を目指し「目標」決定(中国)
2016年 3月 1日 中国が預金準備率を引き下げ
■当資料は、情報提供を目的として、三井住友アセットマネジメントが作成したものです。特定の投資信託、生命保険、株式、債券等の売買を推奨・勧誘
するものではありません。■当資料に基づいて取られた投資行動の結果については、当社は責任を負いません。■当資料の内容は作成基準日現在のもので
あり、将来予告なく変更されることがあります。■当資料に市場環境等についてのデータ・分析等が含まれる場合、それらは過去の実績及び将来の予想であり、
今後の市場環境等を保証するものではありません。■当資料は当社が信頼性が高いと判断した情報等に基づき作成しておりますが、その正確性・完全性を
保証するものではありません。■当資料にインデックス・統計資料等が記載される場合、それらの知的所有権その他の一切の権利は、その発行者および許諾
者に帰属します。■当資料に掲載されている写真がある場合、写真はイメージであり、本文とは関係ない場合があります。