2016年2月23日 (No.2,402) 〈マーケットレポートNo.4,677〉 最近の指標から見るインド経済(2016年2月) 物価目標を達成、利下げによる景気下支えに余地 生産は天候不順で下振れ 企業の景況感に持ち直しの兆し 【鉱工業生産指数と製造業PMI】 (前年同月比、%) 16 8 55 景況感指数、右軸) 0 50 45 16/1 ▲8 14/1 14/7 15/1 15/7 (年/月) (注)鉱工業生産指数は2014年1月~2015年12月。 日経/マークイットインド製造業PMIは2014年1月~2016年1月。 (出所)Bloomberg L.P.のデータを基に三井住友アセットマネジ メント作成 1月の物価目標を達成 RBIは引き続き金融緩和スタンス 60 日経/マークイットインド製造業PMI(購買担当者 ■ 15 年 12 月 の 鉱 工 業生 産 指数 は 前 年 同 月 比 ▲1.3%と、前月(▲3.2%)に続きマイナスにな りました。11月から12月に南部で洪水が発生し、 生産活動が一部で停止したことが一因と見られます。 ■生産のトレンドが見えづらい状況ですが、製造業の 景況感は16年1月に持ち直しています。インド準備 銀行(RBI、中央銀行)の政策金利引き下げ (15年中に合計1.25%、現在6.75%)を受け て、景気の基調は底堅いと思われます。 (ポイント) 鉱工業生産指数(左軸) 9 (%) 【消費者物価指数と政策金利】 政策金利 8 ■ 16 年 1 月 の 消 費 者 物 価 指 数 は 前 年 同 月 比 +5.69%となりました。食品価格の値上がりなどか ら足元で上昇しているものの、物価目標(16年 1月、同+6%以下)を達成できました。 7 ■RBIは、インドルピー安による物価押し上げへの警 戒などから、15年12月と16年2月の2会合連続で 政策金利を据え置きました。政府の財政再建への 取り組みに対する市場の信頼感が高まり、ルピーが 落ち着く場合などには、RBIは利下げする可能性が 高いと見られます。 2 6.75 16/1 5.69 6 5 4 3 2016年 1月の物価 目標+6% 2016年4月 以降の物価 目標 +4%±2% 消費者物価指数(前年同月比) 1 14/2 14/8 15/2 15/8 16/2 16/8 17/2 (年/月) (注)政策金利は2014年2月1日~2016年2月22日。 消費者物価指数は2014年2月~2016年1月。 (出所)Bloomberg L.P.、インド準備銀行(RBI)のデータを基に 三井住友アセットマネジメント作成 利下げによる景気下支えには、政府の財政再建姿勢がカギ ■政府は2月29日に16年度(16年4月~17年 3月)予算案を発表する予定です。やり繰りの工 夫で人件費上昇の抑制、一部歳出の削減、インフ ラ整備拡大などを盛り込むことができれば、政府の 財政再建姿勢への信頼感が高まると思われます。 ■予算案の発表を受けてルピーが安定し、物価上昇 懸念が後退する場合には、RBIが次回会合(4月 5日の予定)で追加利下げを実施し、景気を下支 えするとの期待も高まりそうです。 2016年 2月23日 本日からの「予算国会」に期待(インド) 2016年 2月12日 「物価安定」で成長加速に期待(インド) ■当資料は、情報提供を目的として、三井住友アセットマネジメントが作成したものです。特定の投資信託、生命保険、株式、債券等の売買を推奨・勧誘 するものではありません。■当資料に基づいて取られた投資行動の結果については、当社は責任を負いません。■当資料の内容は作成基準日現在のもので あり、将来予告なく変更されることがあります。■当資料に市場環境等についてのデータ・分析等が含まれる場合、それらは過去の実績及び将来の予想であり、 今後の市場環境等を保証するものではありません。■当資料は当社が信頼性が高いと判断した情報等に基づき作成しておりますが、その正確性・完全性を 保証するものではありません。■当資料にインデックス・統計資料等が記載される場合、それらの知的所有権その他の一切の権利は、その発行者および許諾 者に帰属します。■当資料に掲載されている写真がある場合、写真はイメージであり、本文とは関係ない場合があります。
© Copyright 2024 ExpyDoc