羅生門 芥川龍之介 罗生门事件 『藪の中』を原作 段落わけを確認 「時間」「主人公のいる場所」「主人公の心情」の変化に よって 冒頭の段落に状況設定が書かれている、それは いつ──── (1)時代: (2)季節: (3)時間帯: (4)天気: どこで─── だれが─── 何を─── 第一段落 単語確認 設定 時、所、人 羅生門の下に誰も人がいない理由 洛中:さびれ方は一通りではない。 羅生門:荒れ果てた、顧みる者がいない。 下人が羅生門で夜を明かそうとした理由 行く場所がない、風雨の患(うれ)えがない (死体があるにもかかわらず羅生門を選んだ理由) 人が寄り付かないので、物を盗まれたり命を奪われる心配 がないから 気味の悪さより、生命の安全を選んだ。 下人はどんな人だと思いますか。 若い にきびがある 暇を出された 身分が低い。職だけでなく住む家を失 う。主体性がない 名前がない ごく平凡、普通の人 下人の心理(羅生門の下) どうにもならないこと=明日の暮らし どうにかする 手段を選んでいる暇はない 選んでいれば 飢え死にをする (死) 選ばないとすれば 勇気がない 盗人になる (生) 低回 第二段落 単語確認 下人の心理変化 A火をともしているのを見た心理 濁った黄色い光 不気味 ただのものではない 強盗、犯罪者、鬼など B老婆を見た心理 強い感情=六分の恐怖と四分の好奇心 C髪の毛が抜けるのを見た心理 激しい憎悪 注意:老婆の様子 下人が「悪」と判断した根拠 第三段落 単語の確認 下人の心理変化 A太刀を老婆につけた心理 激しい憎悪が冷めて、安らかな得意と満足 B老婆の答えを聞いた心理 失望 憎悪と冷ややかな侮蔑(ぶべつ) 同時に 下人のうそについて 首になった身分では正義の見方にふさわしくない。 老婆に対して絶対優位を保ちたい。 老婆の「悪」に対する考え方 1相手が悪人である。 2生きるために仕方がなくする悪は許される。 3自分が相手の悪を許せば、相手も自分の悪 を許してくれる。 (矛盾:1死んだ女が許してくれるかどうか分からない。 2老婆の行為は弱者に対する行為であり、強者に対 するものではない。つまり、相手が強い場合はでき ない行為) 自己中心的な考え方、エゴイズム 第四段落 単語確認 下人の心情の変化 冷然として、にきびに触っている (老婆の話に共感や同情は覚えてはいない。) しかし ある勇気が生まれてきた 老婆の着物をはいで、下人はどうするつもり? 売ってもお金にならない。 盗人になる決意の表れとしての行動(その場の勢い) 下人は老婆に「憎むまいな」といった理由 老婆の論理をそのまま当てはめている。 下人はこれからはどうなると思いますか。 もともと:「下人は、すでに、雨を冒して、京都 の町へ強盗を働きに急ぎつつあった。」 主題 生か死かという、せっぱつまった場面で不安定に揺れ動き、 最後には適当な理屈によって自分自身を納得させ、自分 本位に利己的に行動してしまう、人間の心そのものの有 様が、この作品では描かれていると言えそうです. 老婆:弁解の理屈でしか生きられないような哀れな存在。 彼女の理屈は自分中心で、誰でも認めていない動物のよ うな存在。 下人:その理屈をさらに利用して、自分が盗人になる口実 にしてしまった。 人間の心とはエゴイズムであるといえる。心の弱さ、醜さの 現れである。 特別な人間でなく、どこにでもいるような平凡な一人の人間 として描かれている。だから、下人の心は度の人間の心に も通じるもの。 作者はどの人間でも下人になる可能性もあるという立場で 物語を描いたそうだ。 境界文学 羅生門(洛中・洛外/下界と遮断された非日常的空間。) 時間(平安末期/晩秋/昼・夜) にきび(大人・子供/善・悪) 生と死 昼(光の世界):道徳, 秩序, 希望,安心,集団,幸福,人 間性,生・ 夜(闇の世界):反道徳,無秩序,絶望,不安,孤独,不幸,獣 性, 死 小道具の象徴意義 羅生門 夕暮れ Sentimentalism(フランス語:感傷的) にきび きりぎりす(がいなくなった) 「夜の底」「黒洞々たる夜」 http://v.baidu.com/kan/movie/?id=14299&url= http://f.hd.baofeng.com/play/364/play96864.html?fid=1314#frp=v.baidu.com/v 映画『羅生門』 捨て子だった龍之介 龍之介は両親共に厄年(やくどし 父42歳、母3 3歳)の生まれであるため、慣習に従い、近くの教 会に捨て子(すてご)にされた上で父の会社の同僚 であり友人でもある人物に拾われた形を取った。 また、母親のフクが龍之介を産んだ後に発狂し子 育てが不可能になったため、まだ一歳にも満たない 龍之介は母の実家の芥川家に預けられることになっ た。 フクの兄道章(どうしょう)には妻との間に子供が なかったためでもある。独身を通していたフクの 姉・フキが、我が子のように龍之介の面倒を見まし た。 厄年 一般的に男性と女性の厄年は異なり、本 厄は男性の場合は、数え年で25歳、42歳、 61歳、女性の場合は19歳、33歳、37歳と されている。特に男性の42歳、女性の33 歳は大厄と呼ばれ、凶事や災難に遭う率 が非常に高いので十分な警戒を要すると されている。なお数え年は、元日から誕 生日前日午後12時までは「満年齢+2」、 それ以降は「満年齢+1」で計算する。 悲しい子供時代:もらわれっ子 愛情に包まれ、芥川夫妻を両親と信じて育った 龍之介でしたが、子供らしくわがままを言える、 自由な時代は続きませんでした。13歳で正式 に子入りする前から、自分が"もらわれっ子"だ と感づいていたのです。 実母(じつぼ)は、龍之介が11歳の時に世を 去りました。たまに訪れると、煙管(きせる) で頭を殴られる始末で、龍之介は後年、「僕は 一度も僕の母に母らしい親しみを感じたことは ない」と述懐しています。 成績優秀の学生時代と恋心 芥川は小学校の時から成績優秀で、一高 (東大の前身)へ無試験で入学を許可され、 2位の成績で卒業した後、東京帝国大学に 進んでいます。 23歳の夏、才色兼備の吉田弥生と交際を 始めます。青山女学院を卒業した弥生は、 文学を好み、英語も堪能です。英文科在籍 の龍之介と相性(あいしょう性格相合)は ぴったりで、順調に進めば結婚に行き着く はずでした。 初恋でショックを受けた龍之介 ところが弥生に、別の男性から縁談が舞い込 みます。龍之介はその時、どれだけ深く彼女 を愛しているか気づきました。弥生に求婚し たい。しかし養父母とフキに告げた途端、激 しい反対にあいます。相手の女性が「士族」 でないことや、私生児だったこと、また、婚 約者がいるのにプロポーズする龍之介の一途 (死心眼儿)さなどが、反発を買ったといわ れています。 おばのフキは夜通し泣き、龍之介も泣きまし た。結局、龍之介があきらめる形となるので す。 現 童 開 江 代 話 化 戸 物 期 物 物 『 秋 』 『 蜜 柑 』 『 ト ロ ッ コ 』 『 手 巾 』 『 蜘 蛛 の 糸 』 『 杜 子 春 』 『 舞 踏 会 』 『 お 富 の 貞 操 』 『 戯 作 三 昧 』 『 枯 野 抄 』 切 支 丹 物 伝『 奉 』 『 神教 々人 のの 死 微 』 笑『 き 』り し と ほ ろ 上 人 王 朝 物 そ の 他 ・ ・ ・ 保 吉 物 ( 自 伝 ) 、 外 国 物 、 な ど 『 『 藪羅 の生 中門 』』 『 鼻 』 『 芋 粥 』 『 地 獄 変 』 芥 川 文 学 の 分 類 初期 説話文学を典拠とした「羅生門」「鼻」「芋粥」 など歴史物、加えてキリシタン物が有名である。歴史 物では、人間の内面、特にエゴイズムを描き出したも のが多い。 中期 芸術至上主義的な面が全面に出た「地獄変」など を書き、長編「邪宗門」に挑んでいたが、後世の文学 者はあまり中期の芥川文学を評価していない。 晩年 自殺を考えていたのか、自分のこれまでの人生を 見直したり、生死に関する作品が多く見られる。初期 より晩年の方を高く評価する見解も示されている晩年 の代表作「河童」は、河童の世界を描くことで人間社 会を痛烈に批判しており、当時の人々に問題を提起し た。 新思潮派 大正中期以降、白樺派に代わって文壇の主流を占 めた新現実派のうち、「新思潮」によった東大系の一 派。 東京帝国大学の学生たちがだしていた同人雑誌 「『新思潮』によって文壇に出た人々である。芥川龍 之介・菊池寛・久米正雄・山本有三・豊島与志雄ら である。社会の暗い現実や人間の姿をつき放して観 察し、理知による新しい解釈を加え、繊細な技巧に よって描くことを試みた。
© Copyright 2024 ExpyDoc