ダウンロードするには

基礎インスリン増量による
空腹時血糖値是正の意義
HbA1c 8%以上は空腹時血糖値の是正が必要
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Monnier L. et al;Diabetes Care (30), 2, 2007
空腹時血糖値が高まると、
血管病変やがんによる死亡のリスクが高まる
 がんによる死亡
(試験数43;死亡例数12,370)
 血管病変による死亡
(試験数50;死亡例数16,211)
 それ以外による死亡
(試験数42;死亡例数8,380)
2.5
2.5
2.5
2.0
2.0
2.0
1.5
1.5
1.0
1.0
0.9
0.9
ハ
ザ
ー
ド 1.5
比
(
9
5
%
C
I 1.0
)
0.9
0
0
0
54 72 90 108126 144 162180
(mg/dL)
平均空腹時血糖値
0
0
54 72 90 108126 144 162180
54 72 90 108126 144 162180
(mg/dL)
平均空腹時血糖値
ベースラインでの糖尿病の既往:
あり
(mg/dL)
平均空腹時血糖値
なし
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Emerging Risk Factors Collaboration:N Engl J Med 364(9): 829-841, 2011
日本人の空腹時血糖値とインスリン分泌能の関係
(m単位・hr/mL)
140
*
120
AUCINS 100
*†
*
糖尿病型群(n=483)
IGT型群 (n=809)
正常型群 (n=829)
*
*
*†
*
*:p<0.01
*†
*
(vs 正常型群)
†:p<0.01 (vs IGT型群)
Mean ± SE
*
*
†
80
60
60
80
100
120
110
140
160
180
200
220 (mg/dL)
FPG
Tanaka Y, Matsuoka K, et al. Diabetes Care 1998;21:1133-1137
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空腹時血糖値を是正することで、
インクレチン効果が高まることも示唆されている
(%)
100
コントロール群
第一度近親者
80
イ
ン
ク
レ
チ
ン
効
果
2型糖尿病
r2=0.48
p<0.0001
回帰分析(点線は95%CI)
60
40
20
0
100
150
200
250(mg/dL)
空腹時血糖値
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Meier JJ, et al.: Diabetes 59(5): 1117-1125, 2010
Glargineは1日1回投与に適した24時間型基礎インスリンであるため、
用量調節がしやすく、目標とする血糖コントロールの達成が可能
高
血
糖
降
下
作
用
Degludec
Glargine
0
6
12
18
24
作用時間
30
42 (hr)
36
発現時間
最大作用時間
持続時間
Glargine
1~2時間
あきらかな
ピークなし
約24時間
Degludec
-注2)
あきらかな
ピークなし
42時間以上
注2) 定常状態にて作用持続する。
日本糖尿病学会編:糖尿病治療ガイド2012-2013 血糖コントロール目標改訂版より改変
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A Randomized, Multicentre, Multinational, Open-Label, Parallel-Group,
24-Week Phase IV Study evaluating the Effectiveness and Safety of Physician
versus Patient-led Titration of Insulin Glargine in Type 2 Diabetes Mellitus
Asian Treat to Target Lantus Study (ATLAS): A 24 week Randomized,
Multinational study
Satish Garg, Karim Admane, Nick Freemantle, and the ATLAS Study Group
Evaluating the Patient Experience in the Asian Treat to Target Lantus Study
(ATLAS): A 24-Week Randomized, Multinational Study
Nick Freemantle, Karim Admane, Satish Garg, and the ATLAS Study Group
目的と主評価項目
 目的
– アジア地域(中国、インド、日本、パキスタン、ロシア、フィリピン)の
経口血糖降下薬で血糖コントロール不良で、インスリン未治療の
2型糖尿病患者に対し、患者主導による用量調節または医師主導に
よる用量調節を実施したときのグラルギンの有効性を比較検討した。
 主要評価項目
– 患者主導により用量調節した場合の平均HbA1cの低下を、
医師主導により用量調節した場合と比較した。
Diabetes Technol Ther. 13(1):67-72, 2011
ATLAS 試験デザイン
-2週
スクリーニング
試験期間
0
24週
<患者主導群>※
n=275
2型糖尿病患者
2種類のOAD*を3ヵ月以上
投与しても十分な血糖コン
トロールが得られず、
インスリン未治療の患者






n=552
無
作
為
化
HbA1c:7.0~11%
n=277
罹病期間:>2年
年齢:40~75歳
BMI:20~40 kg/m2
*SU薬, BG薬、α-GI, DPP4阻害薬、 グリニド系薬
両群ともに、グラルギン10IU/日から投与を開始。
(インドは8~10 IU/day, 日本は4IU/day)
日本人は160例(患者主導群81例、
医師主導群79例)
被験者自身が3日ごとに
グラルギンの用量調節を実施
<医師主導群>※
直接来院または電話により医師が
グラルギンの用量調節を実施
開始時、2週、6週、12週、16週、24週は来院、
1週、3週、4週、5週、8週、10週、20週は電話で
フォローアップ
※経口血糖降下薬を服用している場合は継続。ただし、SU
薬またはグリニド系薬を投与している患者に低血糖が生じ
た場合は、試験責任医師の判断によって投与を中止する
か、投与量を減量する。
Diabetes Technol Ther. 13(1):67-72, 2011
インスリン用量調節のアルゴリズム
 過去3回続けて測定した空腹時血糖値(FPG)の中央値に基づき調節
空腹時血糖値(FPG)
インスリン投与量
FPG≦56mg/dL
医師の裁量および医師の臨床的判断により
減量
≦70mg/dLまたは症候性低血糖*
-2U
70mg/dL<FPG≦110mg/dL
変更なし
110mg/dL<FPG≦160mg/dL
+2U
FPG>160mg/dL
+4U
* 空腹時血漿血糖値(FPG)とは無関係に生じ、炭水化物の経口摂取が有効な低血糖症状または血糖値が
≦56mg/dLを示す低血糖エピソードと定義。
Diabetes Technol Ther. 13(1):67-72, 2011
患者背景 (ベースライン時)
患者主導群
N=275
医師主導群
N=277
全体
N=552
57.0 ±8.67
57.4 ±8.45
57.2 ±8.55
52.0
51.3
51.6
糖尿病罹病期間 (年)
10.3 ±6.93
9.1 ±5.29
9.7 ±6.19
経口糖尿病薬治療歴 (年)
8.2 ±6.18
7.0 ±4.91
7.6 ±5.60
BMI (kg/m2)
27.5 ±4.69
27.3 ±4.69
27.4 ±4.69
腹囲 (cm)
94.3 ±11.99
94.0 ±11.12
94.1 ±11.55
HbA1c (%)
8.70 ±1.04
8.76 ±1.05
8.73 ±1.05
空腹時血糖値 (mg/dL)
162.8 ±39.1
162.3 ±36.8
162.5 ±37.9
食後血糖値 (mg/dL)
221.2 ±52.1
221.4 ±51.6
221.3 ±51.8
年齢 (歳)
性別- 男性 (%)
Mean±SD
HbA1cの変化量の推移
0
4
8
12
16
20
24 (週)
0
患者主導群
医師主導群
-0.3
HbA1c
LSMean±SD
-0.6
-0.9
-1.2
-1.5
(%)
0.15%
p=0.04
p<0.001
p<0.001
940-P ADA 2013
グラルギンの投与量(試験開始時と終了時)
(単位/日)
35
30
p<0.001
患者主導群
医師主導群
28.9
グ
ラ
ル
ギ
ン
の
投
与
量
25
22.2
20
15
10
5
8.2
8.1
0
試験開始時
試験終了時
940-P ADA 2013
グラルギンの投与量ならびに空腹時血糖値の推移
(mg/dL)
180
(単位/日)
30
平
20 均
イ
ン
ス
リ
ン
投
10 与
量
平
均 144
空
腹
時
血
糖 108
値
空腹時血糖 (患者主導群)
インスリン用量 (患者主導群)
空腹時血糖 (医師主導群)
インスリン用量 (医師主導群)
72
0
4
8
12
16
20
0
24 (週)
低血糖発現率
(%)
40
35
p=0.02
患者主導群
医師主導群
36.0
30
低
血
糖
発
現
率
25
25.6
20
p=0.002
15
16.4
10
5
0.7
6.5
0.7
0
重症低血糖
発現頻度
0.02件
(件/患者・年)
0.02件
夜間低血糖
0.78件
0.31件
症候性低血糖
3.35件
1.56件
940-P ADA 2013
体重の変化量

Small (< 1 kg) but generally significant increase in weight in both treatment arms, with no
significant difference between treatment arms
940-P ADA 2013
DTSQs値の経時的変化
35
30
25
DTSQs
平
均
値
患者主導群
医師主導群
8
29.7
29.8
30.1
28.9
29.1
29.9
26.2
25.2
5.34a
20
4.22a
4.65a
4.37a
4.71a
5.05a
7
6
5
4
15
3
10
2
5
1
0
0
治療開始時
6週後
12週後
調
整
治後
療平
開均
始値
時(
最
か小
ら
の二
変乗
化平
均
)
の
24週後
a p<0.01 vs. 治療開始時
1242-P ADA 2013
まとめ
 日本人160例を含むアジア人による初のランタス用量調節に関する
エビデンス
 簡易なアルゴリズムを用いて積極的な用量調節を実施した
 積極的な用量調節を実施することで、両群とも12週目からHbA1cは
有意に低下し、患者主導群で有意にHbA1cが低下した
 患者主導群では、平均28.9単位までより積極的に用量調節が可能で
あった
 ランタスをより積極的に用量調節した結果、患者主導群では医師主導群
と比較して、夜間ならびに症候性低血糖が有意に増加したが、重症低血
糖には差が認められなかった
 血糖コントロールの改善により、両群いずれもDTSQ値が向上した
Glargineは1日1回投与に適した24時間型基礎インスリンであるため、
用量調節がしやすく、目標とする血糖コントロールの達成が可能
高
血
糖
降
下
作
用
Degludec
Glargine
0
6
12
18
24
作用時間
30
42 (hr)
36
発現時間
最大作用時間
持続時間
Glargine
1~2時間
あきらかな
ピークなし
約24時間
Degludec
-注2)
あきらかな
ピークなし
42時間以上
注2) 定常状態にて作用持続する。
日本糖尿病学会編:糖尿病治療ガイド2012-2013 血糖コントロール目標改訂版より改変 |
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