J P M A N E W S 2015年7月号 No.168 L E T T E R Top News|トップニュース 「定例会長記者会見」 を開催 2015年5月26日、野村コンファレンスプラザ日本橋(東京都中央区)にて製薬協定例会長記者会見を開催しました。医 療分野は「日本再興戦略」において戦略的産業と位置付けられており、本年4月には、業界の要望も受ける形で日本医 療研究開発機構(Japan Agency for Medical Research and Development、AMED)が設立されました。これに伴い、 今まで以上に、日本の研究開発型製薬産業による新薬開発への期待が寄せられることと思います。会見には40名を超 える報道関係者が参加し、多田会長から2015年度事業方針についての説明がありました。その概要を紹介します。 会場風景 2015年度事業方針について 「イノベーションの促進による医療の質の向上・経済発展への貢献」 、 「国際連携の推進とグローバルヘルス改善への取組」 、 「コンプライアンスの徹底と企業活動の透明性の向上」の3つを2015年度の事業方針に掲げ、会員会社・関係委員会・医薬産 業政策研究所および事務局が一体となった取り組みを展開しています。今回は、この3点の取り組みを中心に、業界を取り 巻く環境変化も含めて説明します。 イノベーションの促進による医療の質の向上・経済発展への貢献について (1) 日本の製薬産業の研究開発力 政府の「日本再興戦略」では、医療分野を日本の戦略的産業と位置付けています。 医療分野は世界の中で日本が優位性を発揮でき、高度な医療の育成は「健康長寿社 会の実現」につながり、国民一人ひとりに幸せをもたらすものです。 新薬を創出できる国は世界でも限られていますが、日本は、世界第3位の新薬創出 国です。 近年、新薬の承認数は減ってはいないものの、日本オリジンの比率が低下傾向に あります。世界的に見ても創薬自体が難しくなってきており厳しい局面にあるため、 国を挙げて、創薬環境の整備をお願いしたいと考えています。 日本製薬工業協会 会長 多田 正世 JPMA NEWS LETTER 2015 No. 168 Top News|トップニュース 「定例会長記者会見」を開催 1/7 J P M A N E W S 2015年7月号 No.168 L E T T E R 「定例会長記者会見」を開 催 Top News |トップニュース (2)AMEDへの期待 AMEDは、政府の健康・医療戦略推進本部によって策定された戦略を具体的に推進する機構であり、医療分野の研究開 発における司令塔の実務部分を担う組織となります。 今回、創薬支援ネットワークの本部機能が、創薬支援戦略部としてAMEDに移管されました。そこで、国が進めるプロジェ クトとの「縦横連携」により、これまで以上に創薬シーズの創出が加速されることを期待しています。 産業界は、アカデミアの基礎研究成果について積極的に評価してバトンを受け取り、世界に先駆けて実用化を目指した いと考えています。そのため、企業への情報提供・マッチングについては透明性、客観性が高い、適切な体制を整備いた だきたいと思います。 (3)臨床研究・治験の支援策への期待 臨床開発段階については、臨床研究中核病院の整備が政府により進められています。今後、拠点の整備が推進されるこ とで、企業が実施する治験においても、下記3点において開発の迅速化・効率化に対する効果を期待しています。 1.ほかの医療機関との連携強化による症例集積性向上 2.臨床試験実施体制整備による試験手続きの合理化・効率化 3.先進的な臨床試験の実施による革新的臨床評価手法の開発 また、さらなる研究開発投資の活性化のために、今年度の税制改正で拡充されたオープンイノベーション型の税額控除 制度を積極的に活用したいと思います。 (4) 「先駆け審査指定制度」の活用 先ごろ厚生労働省から発表された「先駆け審査指定制度」は、世界に先駆けて、革新的医薬品の日本での開発を加速でき る制度として、 産業界は非常に期待しています。研究開発型製薬企業は、独立行政法人 医薬品医療機器総合機構 (Pharmaceuticals and Medical Devices Agency、PMDA) と連携して、革新的な作用機序の医薬品や、治療法のない疾患 での速やかな医薬品開発にチャレンジしていきます。 (5)次期薬価制度改革 革新的な新薬創出というハイリスクなイノベーションに挑戦する製薬企業にとって、薬価制度改革は事業運営の生命線で す。次期薬価制度改革においては、 「新薬創出・適応外薬解消等促進加算」の制度化が必要です。 本ルールの趣旨は、 「企業が研究開発に費やした投資を早期に回収し、速やかに次の新薬開発への再投資を可能にする」 というものであり、最終的には、新薬を待ち望む患者さんの利益につながる仕組みです。 1.特許期間中に前倒しして研究開発投資を回収し、ハイリスク・イノベーションに挑戦 2.特許満了後は、後発品使用による薬剤費の効率化 3.新薬や未承認薬などの開発が促進され、患者さんの利益につながる 新薬の特許期間満了後は、加算累積額分の一括引き下げに加え、後発品への置き換えにより薬剤費の効率化が図られて いきます。しかしながらこの加算制度は、いまだ試行的な導入にとどまっている一方、後発品の使用は、加速度的に進ん でいるのが実情です。 加算部分と後発品への置き換えのバランスが適切でなければ、ハイリスクな開発投資への挑戦に影響が生じる恐れがあ ります。結果的に患者さんに必要とされる革新的な新薬を早期にお届けすることが困難になります。事業運営の予見性を 高めるためにも同加算の制度化を強く要望していきます。 (6)研究開発費の推移と研究開発原資の確保 1つの新薬を創出するためには、10年以上に及ぶ長い期間が必要であると同時に、巨額の研究開発投資を行います。国 内大手10社の平均投資額は、近年、毎年約1000億円を超えており、2013年度には約1400億円の研究開発費が必要でした。 国内大手10社が新薬創出等加算制度により受けた年間加算額を、2011年の薬価本調査の数量から求めた場合、1社あたり 平均で約14億円でした。 新薬開発には巨額の投資が必要であるため、新薬開発企業は、世界的な競争下で研究開発原資を確保するための努力 JPMA NEWS LETTER 2015 No. 168 Top News|トップニュース 「定例会長記者会見」を開催 2/7 J P M A N E W S 2015年7月号 No.168 「定例会長記者会見」を開 催 L E T T E R Top News |トップニュース を継続しています。その原資には、特許期間中の新薬のみならず、長期収載品から得られる収益も重要です。長期収載品 からの収益が急激に減少すると、研究開発への再投資、つまりイノベーションのサイクルを回すことに支障をきたす可能性 があるからです。 (7)先発品企業における安全性情報管理 先発品企業は、創薬イノベーションサイクルを回すと同時に、発売から後発品の収載以降も安全性情報を提供するため の体制を構築し、大きなコストをかけて情報の収集、分析・評価、蓄積を行い、適正使用に寄与し続けています。特許が 切れて長期収載品となった後も、患者さんに必要とされる限り、継続的に供給する責務を果たしています。 このようにして、得られた知識、情報、ノウハウを次の新薬開発に結び付け、上市後も新たな効能や用法の開発などに よるアンメットニーズへの対応を通じて、医療に貢献しています。 (8)後発医薬品の浸透 後発医薬品の浸透率が上昇・加速しています。図1内の 印は、後発医薬品が初収載された後、数量シェアを指標に、 浸透率を示したものです。シェア20%到達に要した期間は、図中の右端の矢印で示した通り、2004年収載品が32四半期(8 年間)要したのに対し、左端の矢印の2014年収載品は、たった2期、つまり6ヵ月まで短縮されており、近年収載されたもの ほど、浸透率が加速しています。 現状、長期収載品からの収益が研究開発費の原資の一部となっている側面があります。政府の後発品浸透策の推進に関 しては、財政健全化と薬剤費の節減を急ぐあまり、過度に後発品への置き換えを図るのは、新薬メーカーの体力・競争力を 一挙に奪ってしまう恐れがあります。高すぎる目標を定めることなく、円滑に進められ得る方策とすることを要望します。 図1 後発医薬品の浸透率の推移 JPMA NEWS LETTER 2015 No. 168 Top News|トップニュース 「定例会長記者会見」を開催 3/7 J P M A N E W S 2015年7月号 No.168 「定例会長記者会見」を開 催 L E T T E R Top News |トップニュース (9)国内市場の現状と研究開発の原資確保における課題 国内市場の現状についてご説明します。図2は、2011年度以降の国内医療用医薬品売上高を公表している製薬協会員会 社22社の売り上げに関する年次データです。 図2 国内医療用医薬品売上高の推移 3 2 1.8% 1.2% 1.1% 1 -1 -2 -3 薬価改定 薬価改定 対前年同期比 0 -4 - 4.2% -5 国内医療用 医薬品 売上高累計 2011.4 ~ 2012.3 2012.4 ~ 2013.3 2013.4 ~ 2014.3 2014.4 ~ 2015.3 41,500 42,000 (500) 42,700 (700) 40,900 (▲1,800) 出所 :日本製薬工業協会加盟22社*合計 ; 億円 * 対象会社:2010年度以降の国内医療用医薬品売上高を公表している会社 2012年および2014年は薬価改定の年です。右端の2014年度は、前年比約1800億円の売り上げ減が認められますが、 後発品の浸透が急激に進んだことが要因の1つと考えられます。このような急激な市場変化の中で、研究開発の原資を確保 するためには、今後も2年ごとに薬価改定を実施する現行のルールを継続していただきたいと考えます。 研究開発型の製薬産業は、イノベーションの担い手として、わが国の経済成長に貢献していくことが期待されています。 政府により策定された「日本再興戦略」および「健康・医療戦略」においても製薬産業の発展に向けた政策が盛り込まれてい ます。薬価の頻回な改定はこうした政策の方向性に反し、各企業の競争力を一様に弱体化させるものにほかならず、また 製薬産業の発展、創薬に向けた取り組み努力を評価・支援する視点と相反するものであり、到底容認することはできません。 (10)次期薬価制度改革 新薬開発を成功させるために新薬メーカーは、多額の研究開発費を継続的かつ安定的に投じながら取り組んでいく必要 があります。経営の予見性を確かなものにするためにも、イノベーションに対する適切な評価が必要です。そのためには、 次期薬価制度改革において、 「新薬創出等加算」の制度化を要望していきます。 国際連携の推進とグローバルヘルス改善への取組について アジアでの革新的医薬品開発を速やかに推進するために、製薬協が主導して、2012年にアジア製薬団体連携会議(Asia Partnership Conference of Pharmaceutical Associations、APAC)を発足させました。PMDAはじめ政府関係機関の支援を 受けています。2015年4月、第4回APACを開催し、引き続き薬事審査の迅速化や創薬のオープンイノベーションの環境整 JPMA NEWS LETTER 2015 No. 168 Top News|トップニュース 「定例会長記者会見」を開催 4/7 J P M A N E W S 2015年7月号 No.168 L E T T E R 「定例会長記者会見」を開 催 Top News |トップニュース 備などに関する協議を進めています。 4月13日に開催された厚生労働省主催の「革新的医薬品・医療機器創出のための官民対話」 で、医薬品産業の国際展開に 向けた施策や喫緊の課題への対応策などを取りまとめた「国際薬事規制調和戦略(仮称)」を策定する考えが示されました。 今後も、政府の方針に沿って、官民がいっそう協力しながら、アジア圏での日本のリーダーシップのもとに、国際調和・国 際協力が推進され、産業界の国際展開が伸展することに尽力していきます。 APACの規制許認可エキスパート・ワーキング・グループでは、ミッションの実現のため、承認申請・審査プロセスの効率 アップを目指し、申請者である企業が遵守すべき事項をまとめた「Good Submission Practice」を取りまとめ、APACで承認 されました。 一方、審査当局側が遵守すべき事項は、「Good Review Practice」 として、アジア太平洋経済協力(Asia Pacific Economic Cooperation、APEC)の場で承認され、現在その加盟国で普及するように推進されており、ガイドライン自体は世界保健機 関(World Health Organization、WHO)にも提案されています。また、APECの会議において、われわれ産業界が申請者の ための規範である 「Good Submission Practice」を策定することが、すでに了承されています。今後、APECの「Good Review Practice」 とセットで、審査マネジメントの向上に資するためにアジア諸国で普及することを目指します。 コンプライアンスの徹底と企業活動の透明性の向上について 生命関連産業である製薬産業は、社会、国民からの信頼を確保することがすべての活動の前提です。そのため、昨年に 引き続き、コンプライアンスのいっそうの遵守、推進を図るため、全会員会社のコンプライアンス責任者、実務担当者を通 じて、各社の「コード・オブ・プラクティス」の定着、遵守に努めます。また、 「製薬協コード・オブ・プラクティス」の、国際製薬 団体連合会(The International Federation of Pharmaceutical Manufacturers & Associations、IFPMA) コードとの整合性を より高め、さらなる理解向上を目指し、よりシンプルにわかりやすくするために改定します。また、従来のコンプライアンス 委員会とコード委員会の役割・責任を再編し、機能強化、対応の迅速化および効率化を図ります。 企業活動の透明性 新薬の創出・育薬には、治験・臨床研究が欠かせません。このような活動は、製薬企業単独で行うことはできず、各種医 療機関と連携協力しなければ実現することはできません。この活動には製薬企業から資金の提供が発生しますが、連携活 動が盛んになればなるほど、医療機関・医療関係者の判断に製薬企業がなんらかの影響を及ぼしているのではないかとの 疑念をもたれる可能性が高まります。その疑念を払拭するためにも、企業の活動が高い倫理性を担保したうえで行われて いることに広く理解を得るためにも、透明性を高めることが不可欠と判断し、2013年度より情報公開を実施しています。 2014度は、 「原稿執筆料等(C項目)」の詳細公開を新たに実施しました。一部の公開方法が閲覧し難いといった意見があっ たことから、公開方法をより納得性の高いものにするよう、会長声明を発出するなど、改善を会員会社に要請しました。 2015度からは「原稿執筆料等」の詳細公開をウェブ方式に統一することを協会として決定しています。 また、 「研究費開発費等(A項目)」の2016年度支払い分については、2017年度から詳細公開することを決定しています。 まとめ 研究開発型製薬産業の貢献と挑戦 研究開発型製薬企業は、生命関連産業としての使命を果たすべく、自らのリスクで長期にわたる大きな研究開発投資を 行い、「科学技術の発展・波及」、「健康長寿社会の実現」、「経済成長への寄与」 といった側面における社会的貢献を目指し、 各種の課題に取り組んでいます。 「日本再興戦略」、「健康・医療戦略」、そして 「AMEDの発足」など、成長戦略として示された政府の取り組みと効果的に連 携し、創薬活動を促進していきます。また、社会、国民からの信頼向上を目指し、製薬協はメディアの方とのコミュニケー ションの場を各種設定し、情報発信、意見交換を行いたいと考えています。 JPMA NEWS LETTER 2015 No. 168 Top News|トップニュース 「定例会長記者会見」を開催 5/7 J P M A N E W S 2015年7月号 No.168 L E T T E R 「定例会長記者会見」を開 催 Top News |トップニュース 主な質疑応答 経済財政諮問会議において民間議員が提言しているさまざまな薬剤費削減策について、製薬協としてどのように受 Q1 け止めているのか? 必ずしも実態を正しく反映した意見ではない面もある。すべてに反対しているわけではないが、後発医薬品数値目 A1 標の引き上げに対しては、急激な変化により各社の予見性が失われ新薬開発への投資に支障をきたす恐れがある。 医療技術評価(Health Technology Assessment、HTA)に関しては、現在中医協の特別部会が検討中であり、その結果を踏 まえ判断することになる。また、薬価の頻回改定については当然反対の立場である。 2014年度分の透明性ガイドラインの「原稿執筆料等(C項目)」の詳細開示については、すべての会員会社がウェブ方 Q2 式で閲覧可能という理解でよいか? 本年7月ごろから開示が進む2014年度分については、すべてウェブ方式で統一する。ただし、公開の形式について A2 は、各社が異なったシステムを採用していることもあり、違いがあることについてご理解いただきたい。 iPS細胞を活用した創薬について、製薬企業はどのように期待しているか? Q3 iPS細胞の医療への活用には、再生医療と創薬への活用の2つの面があり、製薬企業としては創薬においてiPS細胞 A3 を活発に利用している。一昨年から製薬協が中心となりコンソーシアムを立ち上げ、安全性評価における応用可能 性を検討しているところである。iPS細胞を活用した各種安全性評価技術への応用が、日本発の国際スタンダードになること を期待している。高いポテンシャルを有していると考えている。 後発医薬品の浸透が早まったので、ビジネスに大きく影響しているという説明だった。長期収載品を後発医薬品に Q4 置き換えることについて、業界と国の方針にギャップがあるように思う。このギャップをどのように埋めるのか? 後発医薬品の促進に反対しているわけではない。長期収載品から後発医薬品に切り替わるスピードの問題である。 A4 各社は2017年度末に後発医薬品の数量シェアを60%以上にするという前提で企業戦略を立てている。これを上回る 急激な後発医薬品の浸透は、経営の予見性を失わせ、経営に極めて大きな影響があるということである。医薬品の浸透に ついて受け入れることについてはこれまでと同じスタンスであるが、たとえば2017年度末に80%目標といった極端な数値目 標には反対である。 臨床研究に関する資金提供の公開を法制化する方向の議論が進んでいるが、この点に関して製薬協としての見解を Q5 うかがいたい。 立法府がどのような法律を制定するかについては、結果を見守るしかない。仮に法制化となっても、現在の公開内 A5 容と大きな違いはないのではないか。フォーマットの変更や新たなシステム投資が必要となるのかなどについて関 心はあるが、しっかりと情報公開を進めていくといったこれまでの姿勢は変わらない。 AMEDは発足後、相当速いスピードで業務改革を進めている。製薬協とAMEDで協議している課題やAMEDへの期 Q6 待などがあれば教えてほしい。 最も期待しているのは、ビッグデータの活用である。これは民間では手を付けられない。国を挙げて質が高く安定し A6 たネットワークを構築しデータを蓄積し、活用することを期待している。また、創薬支援ネットワークのテーマの中か ら、1つでも2つでも成果が挙がることを期待している。現政権は、企画段階のみならず、実行段階においてもスピード重 視の方針である。AMEDについてもスピード感をもって具体的な課題解決を図る方向であることに間違いはない。製薬協と しても組織強化も含めて対応していきたい。 JPMA NEWS LETTER 2015 No. 168 Top News|トップニュース 「定例会長記者会見」を開催 6/7 J P M A N E W S 2015年7月号 No.168 「定例会長記者会見」を開 催 L E T T E R Top News |トップニュース 質疑応答での登壇者 (広報委員会 政策PR部会 駒野 萩) JPMA NEWS LETTER 2015 No. 168 Top News|トップニュース 「定例会長記者会見」を開催 7/7
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