2015 年 7 月 1 日 岡山医療生活協同組合 せいきょう玉野診療所 発行 せいきょう玉野診療所運営委員会 〒706-0026 玉野市羽根崎町 5-10 ℡0863-81-1696 せいきょう ―糖尿病について(10)― せいきょう玉野診療所・所長 谷口 英人 糖尿病による大血管症です・糖尿病のコントロールが悪い状態が続くと、脳、心臓、足な どへ行く大きな血管が傷つくことにより動脈硬化症が進むことで、心臓(狭心症、心筋梗塞)、 脳(脳梗塞、脳出血)足(閉塞性動脈硬化症、足壊疽)などの大事な臓器の障害がおこりま す。動脈硬化というのは動脈の血管の内側の壁に脂肪や、コレステロールがたまり、血管が 硬くもろくなってしまうことです。そのために詰まりやすく、破れやすくなります。糖尿病 以外での大血管症のリスクとして今までのべたように悪玉のコレステロール(LDL)が高い、 善玉のコレステロール(HDL)が低い、血圧が高い、喫煙などがあげられます。 大血管症でここでは心臓の病気(狭心症、心筋症)についてふれます。心臓には 3 本の 冠動脈という心臓自体を栄養する血管があり、それらが動脈硬化のために十分な血液を供給 できなくなる病態を虚血性心疾患(狭心症、心筋梗塞)といいます。動脈硬化が進行して冠 動脈が詰まりかけて十分な血液の供給ができなくなった状態を狭心症といいます。これは労 作時に胸痛が起こり、少し休むと改善します。血管が突然に完全に詰まってしまう状態が心 筋梗塞で、病変部より下流の心筋細胞に血液が届かず細胞が死んでしまいます。症状は「象 の足で踏みつけられるような胸部圧迫感」とも表現される胸痛(胸以外のこともあります) です。 さて、糖尿病患者さんでは糖尿病ではない人に比べて心筋梗塞の発症率が約 5 倍になる というデータがあります。 また糖尿病患者さんに合併する心筋梗塞の特徴は、 ① 無症候性心筋梗塞:糖尿病で神経が障害されたために激しい胸痛発作を感じない、「なん となく胸が重い」「なぜか冷や汗が出る」程度で発見が遅れることがあります。 ② 心臓の予備能の低下:糖尿病では心筋細胞の機能が低下し(糖尿病性心筋症)心臓の機能 が元々悪く、発作を起こすと心丌全(ポンプ機能の丌全)に陥りやすいことがあげられま す。 ③ 多枝病変:3 本ある冠動脈に複数の病変があることが多いこと。 ④ 予後丌良:②③の理由で糖尿病患者さんが心筋梗塞を起こすと生命予後は丌良といわれて います。 以上、糖尿病の大血管症も非常に怖い病態ですが、まずはきちっと血糖値をコントロールす ることが大切です。 七 月 診 療 予 定 表 月 火 水 木 金 午 谷 谷 谷 谷 谷 前 口 口 口 口 口 午 谷 口 谷 谷 谷 後 ○ 口 口 口 土 ※診療時間 午前 8 時 30 分~12 時 30 分 午後 15 時 00 分~17 時 00 分 ○ ※6 日(月)の午後と毎週土曜日の午前 は代診となります ※毎月 1 回目の受診の際には保険証を お持ちください 2015 年 7 月 1 日 岡山医療生活協同組合 せいきょう玉野診療所 地球にやさしいエコライフ 6 月1日岡山医療生協常山支部で岡山県地球 温暖化防止活動推進センターの中平徹也氏を講 師に講演会を開講、玉野支部の皆さんを含めて 48 名の参加がありました。お話では、このまま 温暖化が進んだ場合、2100 年には気温 40℃以上 が続き、各地で土砂災害や最大級の台風が発生 するそうです。ここ 50 年の生活の変化によって 大量の物とエネルギーを消費し大量の二酸化炭 素を放出した結果、地球規模で温暖化が加速し、 海面上昇等の危機が生じています。 吉田松陰の言葉に「知識をつける事は行動す る事。行わなければ、知っているとは言えない」 があります。地球を持続可能にするためには、 自分の行動を変える必要があるという話があり ました。中でもレジ袋 1 枚に 20ccの石油が必 要で、これをマイバッグ(エコバッグ)に変え てみる、あるいは寿命の格段に長いLED電球 に変えてみるといった具体的な話がありまし た。1 人の 100 歩より 100 人の 1 歩、1 人でなく みんなが何かほんの少しの行動を起こすことが 大事であるという話を聞いて、みんな何か一つ 実践してみようと心に決めたのではないかと思 います。 常山支部 今年も健診を受ける前に、どの検査を申し込 んだらよいかを保健師さんに来てもらい相談し ました。 初めは保健師さんの話を聞いているだけでし たが、話が進むにつれ打ち解けたのか、自分の 身体で不安なことなどの質問が出てきました。 そのような話から健診項目を決めて健診受診日 も決定しました。 そして、 『健診が終わった後は結果返しや病気 について学ぶ班会を開こう』との声がでて次に つなげる事ができました。 妹尾支部 杏班 斎藤 5月 30 日(土)に玉野支部と常山支部の合同 で健診学習会がありました。健診センターの明 関さんが「健診まるわかりブック」をもとに話 をしてくれました。この一冊があると、どの年 齢の人がどんな健診を受けられるか、またどん なサービスが受けられるかわかりやすく書いて あるので手元にあると助かります。 協立病院では土日の健診があり、3 名以上集 まると送迎もしてくれ、子どもがいてもボラン ティアの方がみてくれるなど安心して健診が受 けられます。病気を早く見つけるためにも、み んなが健診を受け、異常があった場合は精密検 査を受けましょうと話されました。 玉野診療所では乳ガン検診、ABC検診(ヘ リコバクター・ピロリ菌の検査)等行っていま す。みなさん受診しませんか? 常山支部 Yさん 学習会後の余興「笑いヨガ」の様子
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