【目的】 脳梗塞発症患者では, 後遺症と して摂食 ` 嚥下障害が高率で生じ

28pmD050S
慢性脳低濯流 ラ ッ トにお け る嘩下機能 障害 に対 す るフ ェル ラ酸 の効果
○浅野 昂志 1,松崎 広和 1,横瀬 祐太 1,日南 結子 1,日比野 康英 1,
岡崎 真理 1(l
城西大薬 )
【目的】脳梗塞発症患者 では,後遺症 として摂食 ・嘆下障害が高率で生 じ, これ
に起 因す る誤嚇性肺炎 が問題 となってい る。近年,モデル動物 を用いた基礎研究
によ り,米ぬか等 に含 まれ る抗酸化物質のフェル ラ酸が組織 の虚血性酸化 ス トレ
ス障害 に対 して抑制効果 を示す ことが報告 され てい る。 しか し,脳虚血後 に生 じ
る嘩下障害 に対す る効果 に関 しては明 らかではない。そ こで本研 究では,慢性脳
低潅流 ラッ トの嚇下障害に対す るフェル ラ酸の効果 について検討 した。
【
方法】イ ソフル ラン麻酔下,雄性 SD ラッ トの両側総頚動脈 を永久結染 (
2VO)
し,慢性脳低潅流モデル を作製 した。 2
VO 処置の 2週間後 に喋下反射機能の測定
を行 った。 ウレタン麻酔 下,予 めラ ッ トの喉頭蓋近傍 に留置 したチ ューブを介 し
流速 3.
3〃
て,刺激液 として水, クエ ン酸,またはカブサイ シンを各 50 〃L (
L/
s
ec,1
5s
e
c
)投与 し,誘発 され る嘆下回数 を測定 した。フェル ラ酸 (
30mg/
kg)
は,嚇下反射機能測定の 3 週間前か らラ ッ トに経 口投与 した。嘩下反射機能測定
pami
ne (
DA)含量 を高速液体 クロマ トグラ
後 に脳 を摘 出 し,線条体 にお ける do
フィー によ り測定 した。
【
結果 ・考察 】2
VO ラッ トでは,擬似手術群 と比較 し,各種刺激液 に対す る喋下
回数 が有意 に減少 した。一方, フェル ラ酸 を投与 した ラ ッ トでは,2
VO 処置 によ
る嚇下回数 の減少 は見 られず,嘆下反射機能の低下は抑制 された。 また,2VO ラ
ッ トの線条体では DA 含量の低下が見 られたが, フェル ラ酸投与群 にお ける DA
含量 は擬似手術群 と同程度 であった。以上の結果 か ら, フェル ラ酸 は,嚇下反射
に重要 な黒質 一線条体の ドパ ミン神経 を虚血障害か ら保護 し,虚血後の嚇下反射
機能の低下を抑制す ることが示唆 された。