ポータブル 超音波フェーズドアレイ探傷器 「OMNISCAN-SX」

ポータブル
超音波フェーズドアレイ探傷器
「OMNISCAN-SX」
オリンパス株式会社/藤森洋志
溶接部検査、腐食マッピング、CFRPきずマッピングでフェーズドアレイ
(以下、PA)探傷器適用
が進んでいる。従来PA探傷器では「まだ大きい、重い、操作が複雑」といったお客様の要望があ
る。
また、
弊社PA探傷器のOMNISCAN-MX2の機能ほど必要ないが、PAが適用できる検査が
多くあり、
それに適しているPA探傷器がラインナップになかった。
本稿では、この用途に適した弊社ポータブル超音波フェーズドアレイ探傷器「OMNISCAN-SX」
(図1)
を紹介する。
1
「OMNISCAN-SX」が開発された。
「OMNISCAN-
開発の経緯、特長
SX」の主な特長を表 1に示す。
旧 R/Dtech が 2002 年に発売開始をした超音波
PA 探傷器 OMNISCAN-MX は外部電源が不要、小
型・軽量などそれまで移動が難しかった黎明期の
PA 探傷器を現場に持ち出し、対象物の近くで手
軽に検査ができるエポックメーキングな装置であっ
た。また、1 台の装置で測定モジュールが取り替
えることができ、これにより装置の機能・性能を
後から容易に変更することが可能であった。さら
に 2011 年に後継機のOMNISCAN-MX2 を発表し、
大型タッチパネル画面の採用、直感的なソフトウェ
アによる操作性の向上を図った。
OMNISCAN により多くの現場で
PA探傷が行われるようになったが、
市場の要求はさらに検査の可能性
を拡大するものであった。そこで、
大きさはできる限り小さく・軽く、
それでいて性能は落とさず、さら
に取り扱いやすい装置をお求めや
すい価格で提供する目的で新製品
eizojoho industrial
図 1 「OMNISCAN-SX」
表 1 OMNISCAN-SX の特長
小型、軽量
シンプル
簡単操作
データ
性能
バッテリ動作
検査モード
動作環境
お求め易い価格
OMNISCAN-MX2比較で重量33%ダウン、容積50%ダウン
固定式モジュール、シングルグループ(同時測定検査1つ)
タッチスクリーン、設定ウィザードによる簡単操作
2軸スキャナ接続による3次元データ保存可能
SDカードにすべてのAスキャンデータ、設定データ保存
PCソフト(OMNI-PC)により検証可能
MX2最新モジュールと同一設計、優れたSN比、
低消費電力設計によりバッテリ1個で最大6時間稼動
PA:16/64PR UT:1CH (TOFD)
気温:-10~45℃ 防塵・防滴:IP66相当
PAモデルで希望小売価格200万円台
February 2015︱7