短期業務と個人所得税

短期業務と個人所得税
人力資源社会保障部、外交部、公安部、文化部から「外国人が入国し短期業務
を完了する場合の関連事務処理(試行)」の通知 人社部発[2014]78 号が 2014
年 11 月 6 日に公布され 2015 年 1 月 1 日から施行されます。申請すべきビザの
種類等にご注意ください。
短期業務とは
次の理由で入国すること。(かつ入国期間は 90 日を超えない)
① 国内の提携先に技術、科学研究、管理、指導等の業務。
② 国内の体育機構にて行う選考合宿(指導者、運動員を含む)。
③ 映画撮影(広告及び記録映像を含む)
④ ファッションショー(モーターショー、広告の撮影を含む)
⑤ 渉外営利性の公演
⑥ 人力資源社会保障部が認定したその他の状況
以下の状況については短期業務とみなさない。
⑦
⑧
⑨
⑩
⑪
購入機器、設備の維持、補修、据付、調整、試験、解体、指導と訓練
国内落札プロジェクトの指導、監督、検査
国内の分公司、子会社、代表処に派遣される業務
スポーツ大会の参加(運動員、指導者等を含む)
入国し無報酬で業務に従事し又は国外機構から報酬を受けて従事するボラ
ンティア及び志願者
⑫ 文化主管部門の発行する批准文書上に「渉外営業性演出」と明記していない
場合
取得するビザの種類
上記⑦~⑩の場合はM(商務貿易)ビザを取得し、上記⑪及び⑫の場合はF(交
流,訪問,視察)ビザを取得する。(但し入国滞在期間は 90 日を超えない)
従前は中国国内で 3 か月以上就労する場合や現地法人と雇用契約を締結する場
合にのみでしたが、今後は短期業務に従事する外国人は許可証書及び工作証明
を取得し、在外公館などでZ(就労)ビザを取得しなければなりません。
個人所得税の課税関係
今回の通知に国家税務総局の名前がないことから個人所得税の課税実務には影
響はないものと思われます。しかし、企業の中には出張扱いという理由や 15 日
西
山
会
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以内であればビザの取得なく入国できることから個人所得税の納税をしていな
い事案があります。就労の可否、ビザ取得の要否と課税関係は異なりますので
個人所得税の免税要件及び計算式を再確認します。
個人所得税における短期滞在者免税規定日中租税条約第 15 条(給与所得)2 項
日本の居住者が中国国内において行う勤務について取得する報酬に対しては次
の①から③までに掲げることを条件として、日本国においてのみ租税を課する
ことができる。
a 報酬の受領者が当該年を通じて合計 183 日を超えない期間 中国国内に滞在す
ること(日数基準)
b 報酬が中国の居住者でない雇用者又はこれに代わる者から支払われるもので
あること(支給者基準)
c 報酬が雇用者の中国国内に有する恒久的施設又は固定的施設によって負担さ
れるものでないこと(負担者基準)
(注)条文中の「一方の締結国」を「日本」、「他方の締結国」を「中国」と読み替えています。
中国における具体的な計算式
① 中国国内に住所を有せず一納税年度に連続或は累計 183 日を超えない個人
当月国内支給給与
当月国内業務日数
納付税額=算出税額×
×
当月国内外支給給与
当月日数
② 中国国内に住所を有せず一納税年度に連続或は累計 183 日を超え且つ一年
未満の個人
納付税額=算出税額×当月国内業務日数÷当月日数
③ 中国国内に住所を有せず或は中国国内に 1 年を超え 5 年未満の個人及び董事、
高級管理職
当月国外支給給与
当月国外業務日数
納付税額=算出税額× 1—
×
当月国内外支給給与
当月日数
(注)算出税額=国内外支給給与総額×個人所得税税率‐速算控除額
中国の課税方法の特徴
超過累進課税(3%~45%)で算出された個人所得税額にステータス毎に定め
られた割合を乗じて納付税額を計算することに特徴があります。また、個人
所得税の計算期間が 1 ヶ月単位であり、翌月の 15 日までに会社が源泉徴収を
して地方税務局に納付します。
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