石巻の復興 - 東北教区被災者支援センター・エマオ

第8号 2014年8月11日 発行
Vol.8
累計ワーカー総数
6,267名
(2011年3月15日~
2014年8月11日)
石巻の復興
平田信之
(エマオ石巻専従者・阿佐ヶ谷教会信徒)
東日本大震災から3 年5ヶ月が経ちま
した。道々には土を満載したトラックが
行き交い復興の足音(地響き?)が毎日
のように聞こえて来ますが、周りに目を
やるとまだまだ長い年月がかかると思
われるような土地造成が始まったばか
りです。石巻は平たんな地形の故、宅地
に適した土地は殆ど水をかぶってし
まっており、造成は土の盛り上げから始
めなくてはなりません。復興住宅入居の
抽選会も行われるようになってきまし
たが、実際の入居はまだ5年先と言う声
をお聞きします。2014年度は149戸の復
興住宅が建つのみで、損壊(全壊・半壊)
した33,076棟からすると仮設住宅での
生活がまだまだ長期間続くことが想像
できます。
仮設住 宅か ら復興 住宅 への 移 転は物
理的にも大変ですが、心理的にはもっと
たくさんの友と共に…
今夏も台湾基督長老教会から派遣された
若いボランティア32名が、4回に渡って
エマオにやって来ています。また、全国各
地の高校生が大学生が…暑い被災地をさら
に熱くしています。たくさんの友の訪れを
いちばん楽しみにしているのは、被災され
た方々かもしれません。
重圧を与える事になります。復興住宅は
希望場所での抽選での入居となる為、従
来のコミュニティーがなくなり、それぞ
れの方が一からの構築を迫られること
になります。家賃有償化も大きな負担と
なります。
仮設住 宅の 入居者 の方 が減 る ことは
良い事なのですが、入居者が減り寂しく
なった仮設住宅の事を考えると心が痛
くなります。エマオ石巻は小規模仮設住
宅(20世帯以下)での活動が中心の為、
孤立防止を心に留め“おちゃっこ”を通
し交わりの時を大切にしています。
被災者 支援 センタ ーの 活動 を 覚えて
お祈り・またご支援いただければと思い
ます。
それぞれの
「かわら版」発行中!!
エマオ仙台では笹屋敷・石場地区のために「ささへあう」
仮設住宅のために「よいしょ~」
笹屋敷地区のこどものために「ささっこ」
エマオ石巻では「あばい~ん」
教会のために「共に生きる」
エマオのもう一つの情報誌のご購読お勧めいたします。
★農作業の再スタートワーク
エマオ仙台 ★仮設住宅支援
近 況
★ささっこクラブ(こどもの居場所支援)
★独居高齢者支援
農業再開が順調に進みつつある笹屋敷・石場地区でのワークについて、この4月から
体制を少し変えました。ワーク日を毎週木~土曜の3日間として、ていねいなリサーチと
それに応えられるワークを行っています。(なお、7月7日から9月27日まではこれまで
同様週6日間のワークです。)また、おひとり暮らしの方々などへの訪問の頻度を増や
し、お話し相手となって見守りを重視していきます。
地域再生のお手伝いとして3月11日に「3.11いこいの時~ささへあう」、5月3日「笹屋敷deすずめ踊り」、
この8月10日には「笹屋敷夏祭り」などワーカーが参加して盛り上げています。
(エマオ仙台現場スタッフ)
思わぬことに、ご家庭訪問…ワーカーさんの声です
エマオが関わり続け、信頼関係を築いて来ているとは言え、不安があった。
初めてお会いする方の私的な所にどこまで入り込んでよいものかわからなかった。しかし、動けないおばあちゃん
は、見えないのに「はいって…」と導き入れてくださった。
スタッフは、「それじゃ」とすぐに上がりました。私もつられて上がると、ばあちゃんの笑顔が待っていまし
た。そうじだってどこまで入っていいのかと心配したが、心配は無用だった。ぞうきんバケツの場所は分かった
し、今度はばっちり。
仮設住宅支援
(K.H.)
七郷中央公園仮設住宅での毎朝のラジオ体操とお茶っこは継続中。仮設住宅にお住ま
いの方が8~10名、ワーカーが毎朝3~4人参加しています。仮設住宅在住の皆さんは元
気に参加しておられます。またリピーターのボランティアが増えてきて、話がはずむ光
景などが見られます。
3月には「鳴子温泉お泊まりツアー」6月に「さくらんぼ狩りツアー」などのお出かけ
系や「落語会」「うたっこ」などの参加型イベントなど盛りだくさんに行っています。
荒井2号公園・荒井7号公園、七郷中央公園仮設住宅では定期的な活動として月1回の
「お弁当プロジェクト」を行っています。荒井2号仮設では、ご近所の方や他の仮設にお
住まいの方なども参加して下さり、地域交流に一役かっているようです…。
6月に2仮設住宅合同で「定義山お出かけツアー」を行ったり、2号仮設での
「映画会」など新しい企画も始めました。また、新たな仮設住宅への支援も開始。
仮設在住の方々への小さな力添え…まだまだ続きます。
(エマオ仙台仮設班スタッフ)
ささっこクラブ
5月3日(土)のプログラムで、こどもたちと3本の桜の木の植樹を行いました。
こどもたちの遊び場としてキッズひろば」を貸していただいているTさんと有志の
方がこどもたちと一緒に「桜の植樹」を行いたいとおっしゃってくださり、お手伝
いさせていただくことになりました。こどもたちと3本の桜の木を前日にスタッフ
がお手伝いをし、13本を植樹し計16本の桜並木ができました。まだまだ頼りな
い姿ですが、こどもたちのこれからと重なり、成長がとっても楽しみです。
来年からもう桜の花は見られるようで、待ち遠しく思います。
(エマオ仙台
八田美夕)
エマオ石巻
近 況
★仮設住宅でのお茶っこ・お弁当プロジェクト
★在宅者、仮設住宅の方々へ訪問、傾聴
★地域の他団体イベント支援
★こども教育支援「いしのまきっこ」
震災から3年5か月経ちました。被災された方々の現状は徐々に変わって来ています。エマオ石巻では中長期的な
支援を目指し始めました。 まだまだ点在する仮設住宅や地域コミュニティーの再構築へのお手伝い。こどもたちの
居場所づくりなど、それぞれの場所でニーズにあったワークを行っています。
「まきっこ探検隊」6/21(土)に第1弾“まきっこ探検隊”として、市内の『牧山市民の森』へ行ってきました。
今回初めての遠足でしたが、参加してくれたこどもは2名だけで
した。しかし、当日は天気も良く、ハイキングをしてお弁当を食べ、
アスレチックで遊び、とても楽しく充実した1日となりました。
こどもたちは、1時間以上も歩けるだろうかと不安に思っていたようで
したが、みんなが同じペースで、予定していたコースを全て歩けたこ
とは、彼らの自信に繋がったのではないでしょうか。ハイキングや自
然とふれあうことが少ないこどもたちと、ゆっくりじっくりいろんな
ものを観察しながら自然の中を歩けたことは、とても良い機会だった
と感じました。次回は、もっと多くのこどもたちと一緒に遊べるよう工夫していきます。(エマオ石巻
中野可菜)
仮設住宅で…今年2月から始めた「お弁当プロジェクト」参加して食事ボランティアさんの感想です。
「こいづねぇ、わだす、つぐったんだから、たべてみでくないん」
それはそれは、目にも鮮やかな小松菜のおひ
たしと刻み海苔を両手に、おん年90才(?)のとし子さんが坂道を登って来て下さったのです。他の方々も漬物や
煮物などをご持参しての仮設ランチの始まりです。エマオからはカレーとちょっとしたデザートを用意します。
「○○ちゃん、すばらくだねえ、おらあ同級生だけんと、さっぱ会わねえよ、こうやっ
て、みんなど、ご飯食べて、話すんの楽すいっちゃあ。」こうおっしゃるのは、自称
(?)石巻の綾小路きみまろさんです。話に花が咲いて賑やかなところもあれば、しみじ
みとご近所の消息や御自分達の健康のこと、御家庭の様子を語り合う方々と色々です。
これまで、この3月と4月に祝田地区と袖の浜地区の2ヶ所の仮設をお訪ねしました。カ
レーのランチを御一緒に食べ、そして地域の方々が語り合う場の橋渡しを、私たちがさせ
て頂くといったかんじでしょうか。はじめは私たちのような者が…と直接お訪ねすること
に多少のためらいもありました。しかし、皆さん、それぞれ大変
な心労がおありたっだ中で、とてもイキイキとした表情で和んでおられる様子に私たちの
方が教わっている気がします。
「こんど、いづ来てけんの?忘れないうぢにまだ来てね」いつも思うことですが、人の
交流の温かさをとても感じます。この震災がなけれが私たちもこのように足繁く石巻を訪
ねることはなかったでしょう。そして改めて私たちは目に見えないところで繋がっている
と思わされるのです。お知り合いになれたことで私たちには、また行くところがある。そして行かなければと思って
しまいます。遠く日本のあちこちから、また世界中の国々から馳せ参じて下さった方々にお礼を申し上げます。これ
からも被災地に住む隣人として私たちも寄り添えればと願っています。
少しづつですが、ここ石巻は元気を取り戻しつつあります。どうぞ覚えてお祈りの中に加えて下さいますように…
小田三九子(いずみ愛泉教会員)
石巻ワークの受入れ状況
現在、エマオ石巻は週5日(火~土曜)のワークが可能です。
仮設支援とこども教育支援がおもなワークになります。行事内容などの日程により石巻ワーク希望
の調整をしておりますので、お申し込みの際にご確認ください。
<メールマガジン発行しています>毎月11日に活動の近況やイベントなどをお知らせします。
ご希望の方は[email protected] まで、お名前とメールアドレスをお知らせください。
支援金のお願いと会計報告
これまで被災者支援センターは多くの方々のご支援とご協力によって支えられて参りました。この場をお借りして、心より感謝申
し上げます。今後もこの働きを続けていくために
会計報告(2011年3月~2014年7月末)
引き続きご協力をいただければ幸いです。
収入の部
支援金はこちらまでお願い致します
<振込方法>
①ゆうちょ銀行振替口座
口座記号・番号:02220-5-137681
加入者名: 日本基督教団東北教区
②ゆうちょ銀行総合口座
記号番号:18180-9624941
口座名義名:日本基督教団東北教区
※総合口座へ送金してくださった方は、お手
数ですが、金額、住所、お名前を、日本基督
教団東北教区事務所 へご連絡ください。
ご支援に心より感謝いたします
支出の部
94,284,410
活動費
食事献金
2,334,872
事務費
雑収入など
1,000,107
車両関係費
合計
97,619,389
人件費
救援特別会計など※
11,250,848
17,939,230
10,974,664
53,524,050
3,274,359
656,238
97,619,389
旅費交通費
繰越金
※東北教区や教団への支援金から支出され
合計
た金額です。
1~7月 ワーカー数・ワーク件数報告(2014年1月7日~7月31日)
Information
仙
おしらせ掲示板
台
石
巻
ワーク件数
270件(新規23件)
210件(新規15件)
ワーカー数
623名
158名
たくさんの友と共に その2
この3月に仙台・石巻で5名のスタッフが卒業していきました。エマオ当初からそれぞれに関わってきた上野ぱ
く、川上侑。‘13年7月から「ささっこ」を担当した小此木知香。石巻専従者として’12年8月から石巻メンバーを
引っ張ってきた飯野久美子。昨年12月から石巻現場ワーク担当の松原佑輔。これまでの働き感謝にし、新たな出
発に神様のお導きがありますようにお祈りいたします。そして今年に入ってから仙台に新しい顔や懐かしい顔が
3名、スタッフとして与えられ、今夏、石巻にもフレッシュな仲間が遣わされてきます。
たくさんの友と共に、現場であるいは生活面でエマオを支えていきたいと思います。
被災地フィールドスタディツアー随時開催中!
エマオでは『被災地の今と出会う』機会として、被災から4年目に入った現地を見学していただくツアーを行っ
ております。近隣からまたは遠方からと到着時間や滞在時間の制約などを考えて、ご参加くださるみなさまの日
程に合ったコースをご提案いたします。基本コースは「仙台・荒浜~名取・閖上コース」-所要時間4時間ーと
「石巻めぐり」ー所要時間7時間ーがあります。それぞれの被災地で特に見学したい場所などへのリクエストに
も応えられる範囲で応じております。どうぞ、教会毎にまたはグループで、変わりつつある被災地を覚えて祈る
旅をご検討下さい。詳しくは事務室までお問い合わせください。
☆参加費:500円(傷害保険料を含む) ☆2名から実施(基本的に当センターの車で移動します)
☆昼食代やその他は各自負担となります ☆大人数の参加も可能です
スタッフ
被災者支援センター長
上野和明
教団派遣専従者
佐藤真史・平田信之
エマオ石巻チャプレン
関川祐一郎
エマオ仙台スタッフ
茅野風歌・菊池護・千葉正彦・田中献一・高橋千沙子、八田美夕
エマオ石巻スタッフ
中野可菜・西田紗代子・鎌田仁美・深山鷹一
事務スタッフ
戸枝季子・永野香織・畑屋武志・新井ななえ(JOCS)
日本キリスト教団東北教区被災者支援センター・エマオ
〒980-0012 仙台市青葉区錦町1-13-6 2階
Tel 022-265-0173 Fax 022-265-0174
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