極薄0.15mmの両面コンタクト 高速・高機能・大容量対応で優位に

《ASJ のスパイラルコンタクト・高周波テストソケット》
極薄0.15mmの両面コンタクト
高速・高機能・大容量対応で優位に
(株)アドバンストシステムズジャパン 代表取締役 平井 幸廣
半導体の高速・高機能・大容量化が著しい。2000を超えるコンタクトピンによるデバイスへの 機械的応力歪み、対応する
テストソケット自体の機械的強度や固定方法などが問題となっている。
アドバンスト システムズ ジャパン (ASJ)が開発した独創的な「スパイラルコンタクト」は、発表から2年を経た現在、
市場が要求する性能に到達した高周波テストソケットとして完成した。
●高周波電気特性と効率的なばね特性を両立
半導体のファイナルテストでは、高速・高機能・大
容量化と、超多ピン化の道を突き進むデバイスの
テスト適合性が求められている。ASJ では、この市
場が要求する高周波特性と、コンタクトの効率的な
ばね特性に対して、独創的なスパイラルコンタクト
でソソリューションを提供する。以下に、当社が開
発したスパイラルコンタクトと、この技術を活用し
た最新の高周波テストソケットを紹介する。
nHとなっている。
スパイラルコンタクトの1ピン当たり加圧力は、鉛
フリーはんだバンプの場合 8gf、共晶はんだバン
プの場合 4gf、金バンプの場合 2gf で接触抵抗が安
定領域に入る。ばね定数が小さいため、多数端子
デバイスへの適合性に優れ、従来技術に比べても
約 1/10 の加圧力となり、デバイスへの応力歪みが
緩和できる構造となっている。
●応力歪みが緩和できるコンタクト
●ダメージフリーを実現
電子機器のブロードバンド化に伴い、半導体の高速・
高機能・大容量化が著しい。このような状況下におけ
通電のためには、コンタクトピンに荷重をかけては
るテストソケットは、デバイスの電気性能に適合する んだボール表面の酸化膜を突き破ることが必要で
高周波電気特性と、高機能化に伴う電極端子数増大 ある。このため、一般的なスプリングピンでは、はん
への対応が求められる。2000 を超えるコンタクトピン だボールの酸化膜を破りやすくする目的で、先端を
のデバイスにかかる機械的応力歪み、それらに対応 鋸歯状に加工している。この方式では、一時的な通
するソケット自体の機械的強度や、デバイスの固定 電状況は良いが、耐久性の点で課題がある。さらに、
方法などが問題となっている。ASJ は、これらの課題 はんだボールにキズや変形などのダメージを与えや
に対するソリューションを提供するため、独創的な すいといった問題を抱えている。
スパイラルコンタクトを開発した(図 1)。
スパラルコンタクトは、デバ
イス端子からテスト電子回路
基板までの距離が両側コン
タクトタイプで、0.15∼0.35mm
の極薄構造をしている(図 2)。
電気的通過特性は、6GHz/-1d
B、インダクタンスは、0.6
これらのダメージは、実装ラインでの外観検査の
端子エッジがはんだボールに接触し、さらに、回転摺
際に認識エラーで不良率が高くなる上、ダメージデ
動をしているので、はんだ屑の発生が少ない。さらに、
バイス自体が実装不良の原因になるなど重要課題
異物付着現象も起こりにくい。そして回転摺動は、セ
となっている。スパイラルコンタクトの接触メカニズ ルフクリーニングの効果もある。社内試験において、
ムを図 3 に示す。はんだボールをスパイラルコンタク 50万回を越えるコンタクトでノーメンテナンスの記録
トに押圧すると、スパイラルコンタクトの端子エッジ も有している。
部がはんだボールに接触する。さらに、押圧に従っ
て回転摺動(ワイピング動作)し、はんだボールの酸 ●経済性を重視したソケット
化膜を切り破り、低圧力、低接触痕で、信頼性の高
い通電を可能にする。スパイラルコンタクトの接触痕 コンタクト部の交換をしなければならない場合、ソ
は、外観検査エラーを起こしにくいため、実装上の問 ケットベース部を残して容易にコンタクト部を交換で
題にはならない。
きるソケットを開発した(図 6)。ソケットベースの移設
も容易に行える。この交換の効率により、経済面に
●メンテナンス性で優位に
一般的に用いられているスプリングピンでは、量産
おいて圧倒的に優位であると自負している。
* 本製品に関する問い合わせ先
ラインにおいて繰り返し挿抜使用する場合、コンタク
(株)アドバンスト システムズ ジャパン
ト先端にはんだ屑などの異物が付着し、コンタクト接
〒181-0013 東京都三鷹市下連雀 8-7-3 MHC ビル 305
触抵抗が増加しやすい。従って、コンタクト性能劣化
TEL:0422-41-2080 FAX:0422-41-2081
の前に、定期的にメンテナンスの必要が出てくるが、
E-Mail:[email protected]
稼働率低下の原因になるため、メンテナンスサイクル
URL:http://www.asjp.co.jp/
は長い方が望ましい。スパイラルコンタクトの場合、
コンタクトのメカニズムで説明した通り、スパイラルの