2012 製品カタログ Opto Electronics Remote Control Receiver Modules リモコン受光モジュール リモコン受光モジュール ロ ームのリモコン 受 光 モ ジュール は 、面 実 装 タイプ で は 小 型 化 で 業 界 をリードして おりま す。ま た、太 陽 光 の 影 響 や 電 源リプル の 影 響 に 強 い 製 品であり、安 心してご 使 用いただけます。 01 リモコン受光モジュール Table of Contents セレクションガイド 3 ラインアップ 5 外形寸法図 7 包装仕様 8 リモコン基礎知識 9 リモコン受光モジュールとデータ通信 10 ブロックとはたらき 11 リモコン送信信号 13 送信側設計時の注意事項 14 受信側設計時の注意事項 16 受信判定方式で到達距離を伸ばす対策 19 誤動作防止対策 20 はんだ付け推奨条件 21 リモコン受光モジュール 02 Opto Electronics セレクションガイド 面実装タイプリモコン受光モジュール RPM5500-H12シリーズ 形状は? 面実装タイプ 電源電圧=5V TOP VIEW 感度=12m RPMS2001シリーズ 超小型、感度=8m RPM5500-H14シリーズ SIDE VIEW RPM5300-H12シリーズ 電源電圧=3V TOP VIEW 感度=12m RPMS1001シリーズ 超小型、感度=8m RPM5300-H14シリーズ SIDE VIEW 03 リモコン受光モジュール Opto Electronics リードフレームタイプリモコン受光モジュール RPM6900シリーズ 形状は? リードフレーム タイプ 電源電圧=5V TOP VIEW 電磁ノイズが気になる RPM7100シリーズ 外付け部品を減らしたい RPM7200シリーズ 電源電圧=3V リモコン受光モジュール 04 Opto Electronics ラインアップ 面実装タイプリモコン受光モジュール ■ ツインレシーバタイプ シリーズ名 fo (kHz) RPM5537シリーズ 36.7 RPM5538シリーズ RPM5540シリーズ 37.9 40.0 品名 特長 RPM5537-H12 電気的・光学的特性 電源電圧範囲 e50% VOL VOH 消費電流 直線到達 水平 (V) (mA) 距離(m) Max.(V) Min.(V) (deg) 4.5∼5.5 RPM5537-H14 RPM5538-H12 デュアルレンズで広角、 4.5∼5.5 RPM5538-H14 高感度を実現 RPM5540-H12 4.5∼5.5 RPM5540-H14 RPM5337-H12 RPM5337シリーズ 36.7 RPM5338シリーズ RPM5338-H12 デュアルレンズで広角、 37.9 2.7∼3.6 RPM5338-H14 高感度を実現 RPM5340シリーズ ■ 40.0 2.7∼3.6 RPM5337-H14 RPM5340-H12 2.7∼3.6 RPM5340-H14 0.95 0.95 0.95 0.3 0.3 0.3 12 12 12 12 12 12 42 4.5 0.5 38 42 2.5 0.5 38 42 2.5 0.5 38 42 2.5 0.5 38 42 4.5 0.5 38 42 4.5 0.5 通信方向 e50% SIDE TOP パッケージ RoHS 垂直 対応 (deg) VIEW VIEW 38 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ Fig.2 Yes Fig.1 Yes Fig.2 Yes Fig.1 Yes Fig.2 Yes Fig.1 Yes Fig.2 Yes Fig.1 Yes Fig.2 Yes Fig.1 Yes Fig.2 Yes Fig.1 Yes 超小型面実装タイプ シリーズ名 fo (kHz) 品名 特長 電気的・光学的特性 電源電圧範囲 e50% VOL VOH 消費電流 直線到達 水平 (V) (mA) 距離(m) Max.(V) Min.(V) (deg) 通信方向 e50% SIDE TOP パッケージ RoHS 垂直 対応 (deg) VIEW VIEW RPMS2371シリーズ 36.7 RPMS2371-H19 4.5∼5.5 0.95 8 0.5 4.5 34 32 ○ Fig.3 Yes RPMS2381シリーズ 37.9 RPMS2381-H19 4.5∼5.5 0.95 8 0.5 4.5 34 32 ○ Fig.3 Yes RPMS2401シリーズ 4.5∼5.5 0.95 8 0.5 4.5 34 32 ○ Fig.3 Yes RPMS1371シリーズ 40.0 RPMS2401-H19 実装エリアを小さく 36.7 RPMS1371-H19 できる 2.7∼3.6 0.3 8 0.5 2.5 34 32 ○ Fig.3 Yes RPMS1381シリーズ 37.9 RPMS1381-H19 2.7∼3.6 0.3 8 0.5 2.5 34 32 ○ Fig.3 Yes RPMS1401シリーズ 40.0 RPMS1401-H19 2.7∼3.6 ○ Fig.3 Yes 0.3 8 0.5 2.5 34 32 リードフレームタイプリモコン受光モジュール ■ 5V駆動耐圧ノイズタイプ:RPM6900シリーズ シリーズ名 fo (kHz) RPM6933シリーズ 33.3 RPM6936シリーズ RPM6937シリーズ RPM6938シリーズ RPM6940シリーズ RPM6957シリーズ 05 36.0 36.7 37.9 40.0 56.9 品名 特長 電気的・光学的特性 電源電圧範囲 e50% VOH 消費電流 直線到達 VOL 水平 (V) (mA) 距離(m) Max.(V) Min.(V) (deg) e50% 垂直 (deg) レンズ レンズ面 基板面 パッケージ RoHS 対応 (mm) RPM6933 SIDE VIEW 5.5 Fig.4 Yes RPM6933-V4 TOP VIEW 4.8 Fig.7 Yes RPM6936 SIDE VIEW 5.5 Fig.4 Yes RPM6936-V4 TOP VIEW 4.8 Fig.7 Yes RPM6937 SIDE VIEW 5.5 Fig.4 Yes TOP VIEW 4.8 Fig.7 Yes SIDE VIEW 5.5 Fig.4 Yes RPM6938-V4 TOP VIEW 4.8 Fig.7 Yes RPM6940 SIDE VIEW 5.5 Fig.4 Yes RPM6940-V4 TOP VIEW 4.8 Fig.7 Yes RPM6957 SIDE VIEW 5.5 Fig.4 Yes RPM6957-V4 TOP VIEW 4.8 Fig.7 Yes RPM6937-V4 フォトICで耐電磁 ノイズに強い RPM6938 リモコン受光モジュール 4.5∼5.5 1.5 15 0.5 4.5 42 35 Opto Electronics ■ 5V駆動タイプ:RPM7100シリーズ シリーズ名 RPM7136-Rシリーズ RPM7137-Rシリーズ RPM7138-Rシリーズ RPM7140-Rシリーズ RPM7157-Rシリーズ ■ fo (kHz) 36.0 36.7 37.9 40.0 56.9 品名 RPM7136-R RPM7136-H5R RPM7136-H13R RPM7136-V4R RPM7136-H8R RPM7136-H9R RPM7136-H4R RPM7137-R RPM7137-H5R RPM7137-H13R RPM7137-V4R RPM7137-H8R RPM7137-H9R RPM7137-H4R RPM7138-R RPM7138-H5R RPM7138-H13R RPM7138-V4R RPM7138-H8R RPM7138-H9R RPM7138-H4R RPM7140-R RPM7140-H5R RPM7140-H13R RPM7140-V4R RPM7140-H8R RPM7140-H9R RPM7140-H4R RPM7157-R RPM7157-H5R RPM7157-H13R RPM7157-V4R RPM7157-H8R RPM7157-H9R RPM7157-H4R 特長 電気的・光学的特性 電源電圧範囲 e50% VOH 消費電流 直線到達 VOL 水平 (V) (mA) 距離(m) Max.(V) Min.(V) (deg) レンズ e50% レンズ面 基板面 パッケージ RoHS 対応 垂直 (mm) (deg) SIDE VIEW マルチメディア アプリケーション 対応 4.5∼5.5 0.85 15 0.5 4.5 45 35 TOP VIEW 5.5 9.6 Fig.4 Fig.5 15.0 4.8 7.2 Fig.6 Fig.7 12.0 Fig.9 Fig.10 15.9 5.5 SIDE VIEW 9.6 4.5∼5.5 0.95 15 0.5 4.5 45 35 TOP VIEW Fig.4 Fig.5 Yes 15.0 4.8 7.2 Fig.6 Fig.7 Yes Fig.8 Yes 12.0 Fig.9 Fig.10 Yes 15.9 5.5 SIDE VIEW 9.6 4.5∼5.5 0.95 15 0.5 4.5 45 35 TOP VIEW スタンダード アプリケーション 対応 0.95 15 0.5 4.5 45 35 TOP VIEW 1.00 15 0.5 4.5 45 35 TOP VIEW Yes Yes Yes Yes Fig.6 Fig.7 Yes Fig.8 Yes 12.0 Fig.9 Fig.10 Yes Fig.4 Fig.5 Yes Yes Yes Yes 15.0 4.8 7.2 Fig.6 Fig.7 Yes Fig.8 Yes 12.0 Fig.9 Fig.10 Yes 15.9 5.5 SIDE VIEW 9.6 4.5∼5.5 Fig.4 Fig.5 Yes 15.0 4.8 7.2 15.9 5.5 SIDE VIEW 9.6 4.5∼5.5 Fig.8 Yes Yes Yes Yes Yes Yes Yes Fig.4 Fig.5 Yes Yes Yes Yes 15.0 4.8 7.2 Fig.6 Fig.7 Yes Fig.8 Yes 12.0 Fig.9 Yes 15.9 Fig.10 Yes Yes 3V駆動タイプ:RPM7200シリーズ シリーズ名 RPM7236-Rシリーズ RPM7237-Rシリーズ RPM7238-Rシリーズ RPM7240-Rシリーズ fo (kHz) 36.0 36.7 37.9 40.0 品名 RPM7236-H5R RPM7236-H13R RPM7236-H8R RPM7236-H9R RPM7236-H4R RPM7237-H5R RPM7237-H13R RPM7237-H8R RPM7237-H9R RPM7237-H4R RPM7238-H5R RPM7238-H13R RPM7238-H8R RPM7238-H9R RPM7238-H4R RPM7240-H5R RPM7240-H13R RPM7240-H8R RPM7240-H9R RPM7240-H4R 特長 マルチメディア アプリケーション 対応 電気的・光学的特性 電源電圧範囲 e50% VOH 消費電流 直線到達 VOL 水平 (V) (mA) 距離(m) Max.(V) Min.(V) (deg) レンズ e50% レンズ面 基板面 パッケージ RoHS 対応 垂直 (mm) (deg) SIDE VIEW 2.7∼3.6 0.3 15 0.5 2.5 45 35 7.2 TOP VIEW 12.0 15.9 SIDE VIEW 2.7∼3.6 スタンダード アプリケーション 対応 2.7∼3.6 0.3 0.3 15 15 0.5 0.5 2.5 2.5 45 45 35 35 0.3 15 0.5 2.5 45 35 9.6 15.0 7.2 TOP VIEW 12.0 15.9 9.6 SIDE VIEW 15.0 7.2 TOP VIEW 12.0 15.9 SIDE VIEW 2.7∼3.6 9.6 15.0 9.6 15.0 7.2 TOP VIEW 12.0 15.9 Fig.5 Fig.6 Fig.8 Fig.9 Fig.10 Fig.5 Fig.6 Fig.8 Fig.9 Fig.10 Fig.5 Fig.6 Fig.8 Fig.9 Fig.10 Yes Yes Yes Yes Yes Yes Yes Fig.5 Fig.6 Fig.8 Fig.9 Fig.10 Yes Yes Yes Yes Yes Yes Yes Yes Yes Yes Yes Yes Yes リモコン受光モジュール 06 Opto Electronics 外形寸法図 ● Fig.1 <SIDE VIEW> ● Fig.2 <TOP VIEW> ● Fig.3 <TOP VIEW> MOUNTING CENTER 0.1 STAND OFF 2.04 3.02 2.85 1.15 1.2 2.45 1.04 4.8 3.2 1.54 ● Fig.6 <SIDE VIEW> 9.0 6.0 7.3 6.0 1.5 2.5 4.6 1.4 6.3 0.5 0.6 2.5 0.6 1.4 1.4 0.6 6.3 ● Fig.8 <TOP VIEW> ● Fig.9 <TOP VIEW> 7.30 2.95 12.65 1.40 1.40 0.50 0.40 2.54 1.80 0.30 0.60 0.60 2.95 2.54 7.00 2.95 2.35 0.65 3.60 0.60 0.60 1.5 7.0 12.65 0.4 0.6 0.5 0.6 リモコン受光モジュール 2.54 0.30 2.5 0.4 2.35 0.65 7.3 1.8 1.4 1.4 1.80 2.54 2.54 2.54 15.9 07 3.60 7.00 0.65 2.54 ● Fig.10 <TOP VIEW> 3.6 12.00 0.50 3.60 6.0 20.0min 4.2 7.20 9.25 2.35 1.40 3.60 0.40 4.8 3.2 9.0Max. 6.5 4.0 0.8 1.40 7.30 0.5 0.6 2.54 2.54 ● Fig.7 <TOP VIEW> 0.5 4.6 2.54 2.54 2.54 2.54 1.4 7.95 1.0 0.4 7.3 3.6 22Min. 0.5 3.6 3.6 0.4 0.4 1.8 12.55 6.0 9.0Max. 6.5 4.0 0.8 1.8 15.0 17.95 9.0 3.6 ● Fig.5 <SIDE VIEW> 2.95 ● Fig.4 <SIDE VIEW> 1.82 2.49 4.33 2.54 Opto Electronics 包装仕様 ■ 面実装タイプ 包装形態 エンボス テーピング ■ 品名 レンズ面 テーピング形名 RPM5537-H14 RPM5538-H14 RPM5540-H14 SIDE VIEW RPM5337-H14 RPM5338-H14 RPM5340-H14 RPM5537-H12 RPM5538-H12 RPM5540-H12 RPM5337-H12 RPM5338-H12 RPM5340-H12 TOP VIEW RPMS2371-H19 RPMS2381-H19 RPMS2401-H19 RPMS1371-H19 RPMS1381-H19 RPMS1401-H19 個装数量 (pcs) 基本発注 単位(pcs) 2500 2500 E2A E4A リードフレームタイプ 5V駆動耐ノイズタイプ:RPM6900シリーズ 包装形態 品名 バルク :チューブ RPM6933 RPM6936 RPM6937 RPM6938 RPM6940 RPM6957 RPM6933-V4 RPM6936-V4 RPM6937-V4 RPM6938-V4 RPM6940-V4 RPM6957-V4 個装数量(pcs) 80 80 5V駆動タイプ:RPM7100シリーズ 基本発注単位 (pcs) 包装形態 品名 バルク :チューブ RPM7136-R RPM7137-R RPM7138-R RPM7140-R RPM7157-R RPM7136-V4R RPM7137-V4R RPM7138-V4R RPM7140-V4R RPM7157-V4R RPM7136-H4R RPM7137-H4R RPM7138-H4R RPM7140-H4R RPM7157-H4R RPM7136-H5R RPM7137-H5R RPM7138-H5R RPM7140-H5R RPM7157-H5R RPM7136-H8R RPM7137-H8R RPM7138-H8R RPM7140-H8R RPM7157-H8R RPM7136-H9R RPM7137-H9R RPM7138-H9R RPM7140-H9R RPM7157-H9R RPM7136-H13R RPM7137-H13R RPM7138-H13R RPM7140-H13R RPM7157-H13R 2000 2000 3V駆動タイプ:RPM7200シリーズ 包装形態 品名 バルク :チューブ RPM7236-H4R RPM7237-H4R RPM7238-H4R RPM7240-H4R RPM7236-H5R RPM7237-H5R RPM7238-H5R RPM7240-H5R RPM7236-H8R RPM7237-H8R RPM7238-H8R RPM7240-H8R RPM7236-H9R RPM7237-H9R RPM7238-H9R RPM7240-H9R RPM7236-H13R RPM7237-H13R RPM7238-H13R RPM7240-H13R 個装数量(pcs) 基本発注単位 (pcs) 50 1000 50 1000 50 1000 50 1000 50 個装数量(pcs) 基本発注単位 (pcs) 80 2000 80 2000 50 1000 50 1000 50 1000 50 1000 50 1000 1000 リモコン受光モジュール 08 Opto Electronics リモコン基礎知識 ■ リモコン受光モジュールについて リモコン受光モジュールとは、TV、オーディオなどの家電製品の赤外線を利用した光通信の受光モ ジュールです。 従来はプリント配線基板上にPINフォトダイオード、受信用IC、コンデンサなどを配置してキャンシー ルドケースでおおったサイコロ状(1.5cm□状)の受光モジュールでしたが、ロームが1パッケージ化し たことにより、現在ではモールド樹脂の1パッケージ品が主流となっています。 ロ ー ム で は 、リードタ イ プ の 5 . 0 V 電 源 用 に RPM7100-Hxシリーズ 、3.0V電 源 用にRPM 5.0V電源用にRPM5500シリーズ・RPMS-2001シ リー ズ 、3 . 0 V 電 源 用 に R P M 5 3 0 0シリー ズ・ RPMS1001シリーズの シリーズがあります。 どちらのシリーズもPINフォトダイオードと受信 用ICの2チップ構成となっています。 特にロームリモコン受光モジュールはいかなる Relative Effective Distance (%) 7200-Hxシリーズの2シリーズ、面実装タイプの RPM7200-Hxシリーズ 他社5V品 電源環境にも対応するべく、電源リップル対策を 行い、電源ラインノイズによる誤作動を低減して います。 ■ Ripple Frequency (kHz) Fig.1 RPM7200-Hxでの 相対到達距離 対 電源リップル周波数 リモコンの光信号について リモコンでは光信号として赤外線を使用しています。 赤外線とは可視光よりも長い波長の光で人の目には見えない光です。 実際にリモコンでは波長が950nm付近の光を使用しています。 ■ なぜ赤外線を使っているのか? リモコンを使用する環境は室内が圧倒的に多く、照明器 具の(可視光の成分を多く含む)光があふれています。こ 明器具にはあまり含まれていない赤外線を使用していま す。 つまり、信号とノイズの比率を高め(S/NをUPする)リモコ 相対感度:(%) のような光がリモコンにとってはノイズ源となるため、照 ンの届く距離(到達距離)を確保するために赤外線を用い ます。 リモコン受光モジュールは、パッケージの樹脂に可視光 カットフィルタ特性を持たせ、光ノイズを除去しています。 09 リモコン受光モジュール 波長:h(nm) Fig.2 RPM7100-Hx/RPM7200-Hxでの相対感度 Opto Electronics リモコン受光モジュールとデータ通信 ■ リモコン受光モジュールの構造 金属製のリードフレーム上にフォトダイオードと信号処理 ホルダーケース モールド樹脂 用ICチップをダイボンし、金線で必要な配線をワイヤー ボンディングしています。 PINフォトダイオード まず可視光のモールド樹脂で封止し、可視光の光ノイズ をカットした後、メタルシールドケースで集光レンズ以外 信号処理用IC をカバーします。 集光レンズ リードフレーム Fig.3 RPM7100-Hx/RPM7200-Hxでの構造図 ■ リモコンシステム信号フロー リモコン受光モジュールはリモコンユニットからの光信号を受信し、電気信号にかえています。 電源ON ボタンプッシュ 赤外発光 LED リモコンユニット リモコン 受光モジュール マイコン セットへ 指示 “H” レベル時にLED ON(発光) 副搬送波 (Ex. 36.7Hz, 38kHz, 40kHz) 電気信号発生 “電気ON” コード “電源ON” というコード 信号を副搬送波にのせる 電気信号 光信号 光信号 光信号 電気信号 リモコン受光 モジュールの仕事 “電源ON” というコード 信号に復調 (副搬送波を除去) 電気信号 リモコン光モジュール出力は光ON区間が”Low” になる マイコンがコード判定を行い 電源ONの指示を出す セット電源が ONになる Fig.4 リモコン受光モジュール 10 Opto Electronics ブロックと働き ■ リモコン受光モジュールブロック図 PINフォトダイオード コンパレータ アンプ 検波 BPF Fig.5 ブロック図 ■ 各ブロックの働き ・ フォトダイオード フォトダイオードはリモコン送信機から送られてくる光信号を光ー電流変換しています。 リモコン受光モジュールのモールド樹脂は可視光をカットする機能を持っているので、光信号以外 の光をカットしています。 モールド樹脂とフォトダイオードの分光感度特性はFig.6になります。 ・ IV フォトダイオードで受信し、光ー電流変換した信号を電流ー電圧変換します。また、強い光や信号が 入力されたとき回路の許容値を超えないように自動的にゲイン調整する機能を持っています。 ・ アンプ IVブロックでは電圧信号に変換した信号を 増幅して次段以降で処理がしやすい振幅 にしています。また、入力が大きい時には 相対感度 : (%) 振幅制限も行っています。 波長 : h(nm) Fig.6 RPM7100-Hx/RPM7200-Hxでの分光感度特性 11 リモコン受光モジュール Opto Electronics ・ BPF(バンドパスフィルタ) リモコン送信信号は副搬送波による変調信 号なので、バンドパスフィルタは受信した 0.00 信号(ノイズ含む)から信号成分のみを取り 出すために内蔵されています。 Gain (dB) -2.00 -4.00 -6.00 -8.00 -10.00 -8 -7 -6 -5 -4 -3 -2 -1 fo +1 +2 +3 +4 +5 +6 +7 +8 Frequency (kHz) Fig.7 BPF特性 ・ 検波 このブロックでは検波器と積分器が入っています。 検波器はBPF出力のレベルにより自動的に検波レベル(a)を決定し、積分タイミングを作ります。 BPF出力 検波 積分 コンパレータ ROUT Fig.8 波長整形 BPFの出力振幅の大きさに応じて検波レベルが自動調整されることによって、入力信号にノイズ がのっている場合でも信号のみを取り出す働きをします。 ・ コンパレータ 検波ブロックの出力を2値化します。 この時、 ヒステリシス(b)がついているためノイズによるチャタリングを防止しています。 リモコン受光モジュール 12 Opto Electronics リモコン送信信号 送信信号は統一規格がないため、いろいろな “0” 方 式が取られていますが、変 調 方 式は同じ “1” コードはPPM(パルス位置変調)方式を取り、 パルスの時間間隔により”1”と”0”を区別して います。 また、パルス列により副搬送波を振幅変調し 副搬送波 33kHz∼57kHz ており、副搬送波の周波数は33kHz∼57kHz の範囲で使用されています。 Fig.9 日本国内では家電製品協会から1987年7月に「赤外線リモコン家電製品の誤動作防止策」として、赤外 線リモコンの推奨方式が提唱されています。 ■ 家製協フォーマット概要 適用 : 家庭用機器などに用いられる赤外線を利用したリモコン・システムのうち、40kHz までの副搬送波によりデータを伝送するシステムに適用。 副搬送波 : 33kHz, 40kHz以下 信号ファーマット: 1フレームはリーダ、カスタム・コード、パリティ、データ・コード、 トレーラ などからなり、概要を下記に示します。 リーダ パリティ カスタム・コード データ・コード トレーラ (a)信号構成 1バイト トレーラ リーダ (b)パルス形状 8ms以上 0.35ms<T<0.5ms Fig.10 このフォーマットにおける上記各部分の用途目的として、 リーダは送信開始の判別用で、カスタム・コー ドは登録制による機器間の誤動作防止を目的とするものであり、カスタム・コードとパリティ・ビットによ り自分に対する信号であることを確認します。またトレーラは、送信終了の判別用として使用します。 赤外線リモコンの家電製品の普及に伴い、上記家製協フォーマットにより各メーカにおける信号伝達方 式に一定の取り決めをもうけ、登録制にすることにより機器間の誤動作を防止するものです。 また、現在使用されている送信フォーマットは個別に誤動作防止対策を行っており、例えばリーダ・コー ドを3回送信し2回以上正確に受信して初めて、データ・コードを読み取る方式や、また表裏信号を送信 し表信号と裏信号が一致して初めてデータを判断する方式などがあります。 13 リモコン受光モジュール Opto Electronics 送信側設計時の注意点 ■ 送信機 抵抗RはLEDの順方向電流を設定し送信機の光出力 <送信機回路例> のパワーを調整します。 LED電流 LEDは径が5qで、高輝度タイプの赤外LEDが一般的 R 電池 に使用されます。 (光波長 h=940nm, 950nm) LED 電解コンデンサCはLED電流を供給します。 Fig.11 <送信機周波数の注意点> 送信機の副搬送波周波数は、 リモコン受光モジュールの中心周波数に一致させてください。 周波数が一致しないと到達距離が短くなったり受信しない場合があります。 ■ 送信フォーマットについて ・リーダーパルス リモコン受光モジュールは広い入力範囲をカバーするため、自動で受信感度の調整を行っていま す。この自動調整をリーダーパルスを利用して行っているため、 リーダーパルスがないと入力開始 直後のパルスが変動する可能性があります。 (送信パルス幅に対して受信出力パルス幅が広くなる) 感度が安定するのに 必要な時間 信号 2値化スライスレベル Fig.12 感度自動調整 リモコン受光モジュール 14 Opto Electronics ■ 送信フォーマットについて ・ 送信パルス幅 リモコン受光モジュール出力パルス幅仕様(送信パルス幅:600+sのとき) 600+s 出力パルス幅 Min. Typ. Max. Unit TON/TOFF 400 600 800 +s 600+s 送信 送信に対して±200+sは受信出力パルスは バラツキます。 受信 Fig.13 送信パルス幅がON/OFF共に200+sの場合 ワーストケースでは、出力パルス0+s∼400+s 200+s があり得ることになり、受信不可能になる。 200+s 送信 パルス ON区間 OFF区間 受信 パルス 送信に対し±200+sの バラツキがあり Fig.14 ・ 受信出力パルスのバラツキに対する対策 送信パルス幅をできるだけ広くとってください。(ON/OFF共に) 1200 出力ONパルス幅 :TON (+s) 1000 800 600 400 200 0 0 200 400 600 800 送信バースト長 : (+s) Fig.15 出力ONパルス幅 対 送信バースト長 15 リモコン受光モジュール 1000 1200 Opto Electronics 受信側設計時の注意点 ■ 指向角設計 ・ 受光窓とリモコン受光モジュール設置 ・ 導光管 q1 リモコン モジュール レンズ端と窓の端を つないだ角度で 設計を行ってください。 リモコン モジュール q2 Fig.16 受光窓 ■ Fig.17 導光管 要求仕様指向角がe1の場合、右図のe>e1と 導光管のリモコン受光モジュール側の径を なるように窓設計を行ってください。 q1、 リモコン受光モジュールのレンズ径をq2 レンズトップから角度を規定すると、 レンズの とするとq1>q2としてください。 端に光信号が入射しないため、十分な性能を レンズ全面に光信号を当てることで最大感度 引き出せません。 が引き出せます。 耐環境ノイズ設計 リモコン受光モジュールを使用する環境には、 ノイズ源がたくさんあります。 リモコン受光モジュールは微少な光信号を受光するために非常に高い感度を持っています。 従ってリモコン受光モジュール自身でも各ノイズ源に対していろいろな対策を行っていますが、過度 のノイズが入ってきた場合には、誤動作する可能性があります。 ・ 光ノイズのいろいろ ラピット蛍光灯 通常の蛍光灯で発光周波数は100Hz/120Hz(関東/関西) です。発光周 100 波数自身はリモコンの副搬送波数よりも十分低いですが、 高調波が誤動 光源の発光強度 : (%) 80 作の原因になります。(到達距離が短くなる) 白熱灯 太陽光 60 インバータ蛍光灯 40 す。この周波数が45kHz付近とリモコン副搬送波に近いため非常に除 人の目で見たちらつきを少なくするために、発光周波数を変調していま 去が困難なノイズ源です。 20 0 0.2 インバータ蛍光灯の光が入射するラピット蛍光灯よりも更に到達距離が 蛍光灯 0.5 短くなります。 1 2 波長 : (mm) Fig.18 光ノイズ波長特性 3 4 白熱灯、太陽光 ノイズ周波数は直流です。 リモコンで使用している赤外線の成分を多 く含んでいます。やはりこのノイズが入射すると到達距離が短くなります。 ・ 光ノイズに対するセットでの対策 通常、光ノイズ源は照明器具が多いため、上からの照射が多くなります。 よってセットの窓設計において、上からの光の入射を制限することで対策できます。 リモコン受光モジュール 16 Opto Electronics ・ その他のノイズ源 電源ノイズ セット内のデジタル系のブロックからの回り込みや電源回路の平滑化不足などにより電源ノイズがのっている場合があります。通常電源 リップルがある場合には到達距離が半減することもありますが、ロームのリモコン受光モジュールは到達距離ダウン率を非常に少なくし ています。 電磁ノイズ ・ブラウン管ノイズ ・ LCD(ドライバ) − 水平同期信号の38kHz ・ FL巻 ・ 電源回路からの輻射ノイズ などがあげられます。 ■ GND接地とパターン設計 ・ 出力プルアップ抵抗について 出 力にプルアップ抵 抗をつける場 合 <回路図> は、 リモコン受光モジュールの吸い込 み電流の規定値を越えない範囲の抵 抗値にしてください。ローレベル電圧 C 47+F が仕様書の規定値よりも高くなってし R Vcc + まいます。 ROUT マイコン R> GND VCC−VOL Isink Isink : 吸い込み電流の規格値 機種名 Fig.19 プルアップ回路図 5.0V電源用シリーズ 400 3.0V電源用シリーズ 200 ・ ホルダーの接地について ホルダーは必ずGNDパターンに接地して下さい リモコン受光モジュールは、遠くの赤外線信号を 受信するため非常に高感度なモジュールとなって います。電源リップル対策は十分に行っておりま すが、万が一の誤動作に備え対策が必要です。 RPM7100-Hxシリーズホルダーレスの場合 外来ノイズの影響を避けるため、外来ノイズ源の 方向に接地した金属板を設けていただくと効果的 Fig.20 遮へいシールド 17 リモコン受光モジュール です。 Isink(+A) Opto Electronics ・ Vcc, GNDパターン設計 リモコン受光モジュールは、遠くの赤外線信号を受信するため非常に高感度なモジュールとなって います。電源リップル対策は十分に行っておりますが、万が一の誤動作に備え対策が必要です。 <良い例> ノイズ ノイズ ノイズは出来るだけ デジタルのループ内で おさめる 共通インピーダンスが 少ないため影響が少ない VDD VCC デジタル ブロック リモコン受光 モジュール GND GND 出来るだけGNDの 占有面積を上げて 共有インピーダンスを 下げてください Fig.21 ラインノイズ対策 <悪い例> ノイズ VDD ノイズループ ノイズ ノイズ VCC ノイズループ デジタル ブロック リモコン受光 モジュール GND GND Fig.22 ラインノイズ対策(NG) この配線パターンだと、デジタル系の電源ノイズがそのままリモコン受光モジュールの電源パター ンに影響を及ぼします。 リモコン受光モジュール 18 Opto Electronics 受信判定方式で到達距離を伸ばす対策 ■ パルス幅ジッタが大きい場合 T1 T2 送信波形 近距離での 受信波形 T1’ T2’ 遠距離での 受信波形 T1’’ T2’’ Fig.23 ジッタ対策 送受信間の距離が遠いときや角度がついているとき、または光ノイズが入射しているときなど、受信限 界になってくると出力パルスのジッタが大きくなりパルス間隔T1、T2との誤差が大きくなります。これを 補うためソフトでの受信判定でT1’’、T2’’にマージンを持たせることにより到達距離を伸ばすことが出来 ます。 ■ パルス割れを生じる場合 パルス割れ Fig.24 ONパルス割れ 過度の外来ノイズ入射光 光ノイズや電磁ノイズなど、外来ノイズなどにより、 まれにパルス割れを生じる場合がある パルスの途中でパルスが割れてしまう場合は、割れたパルスを無視するように受信判定のプログラムを 組むことで環境が悪い場合でも、到達距離を確保することができます。 19 リモコン受光モジュール Opto Electronics 誤動作防止対策 外来ノイズ(光ノイズ、電磁ノイズ、電源リップルなど)が大きい(強い)環境では、入力信号がなくとも出 力端子にノイズパルスが発生する場合があります。 ■ 受信コード判定での対策 受信コード判定は、必ず何ビットかの組み合わせを1つのコードとして受信判定をすることで、誤動作 が防げます。 「リードパルス+コード」の形の方が更によい ■ 単一パルスの立ち上がりエッジによる判定で 外来ノイズの影響などにより、出力にノイズパルスが発生する可能性があるため、コード化されてい ない(例:単一パルスの立ち下がりエッジのみ)信号での受信判定はおすすめできません。 <悪い例> 送信 1パルスのエッジ判定では ノイズパルスでもセットが 反応してしまう 受信 受信OK ノイズパルス ノイズと信号の見分けが付かない Fig.25 単一送信パルス ■ 副搬送波Dutyの一定化について 副搬送波のDutyは一定にして下さい。Duty不連続区間があると、受信出力パルス割れによる受信 エラーなしが発生する恐れがあります。 送信波形 送信波形 受信出力波形 パルス割れ パルス割れ Fig.26 Duty不連続区間について リモコン受光モジュール 20 Opto Electronics はんだ付け推奨条件 ■ 面実装タイプ <推奨実装条件> 温風リフロー条件 パッケージ表面温度($C) 測定箇所はシールドケース表面の中央部とする。 Temp.($C) Max.260 1~5$C/s 1~5$C/s 230 165 <15 1~5$C/s RT Max.10 温風リフローによる 加熱は、2回迄とする。 90 <30 Time(s) Max.40 Fig.27 部分加熱法(はんだごて使用)の条件 350$C Max. 3秒 Max./pin ■ リードフレームタイプ 1.封止樹脂部に保存温度以上の熱を加えないように注意して下さい。 2.封止樹脂部に高温の状態で応力のかかるようなことは、絶対避けて下さい。 3.はんだ付けについて (1) プリント基板などにはんだ付けする場合、ストレスのかかった状態で実装しますとはんだ付け時、 または使用中に不具合の原因となりますので基板の取付穴はリード端子間隔か、フォーミング後 のリード端子間隔に合わせて設計し、ストレスの残らないようにして下さい。また、 リード加工はは んだ付け前に行い、樹脂内部にストレスが加わらないように加工して下さい。樹脂部にストレスを 加えると不具合の発生原因となります。 (2) はんだ付け時には、パッケージにストレスが加わらないようにして行って下さい。 (3) はんだ付け推奨条件は次の通りです。 条件 21 プリヒート+はんだ槽 プリヒート:90$C以下 はんだ槽:265$C以下 樹脂下部から3mm以上 ディップ時間:5s以内、2回以下 はんだごて はんだこて先温度 400$C±10$C 3s 2回 樹脂下部から3mm以上 リモコン受光モジュール Opto Electronics MEMO リモコン受光モジュール 22 2012 リモコン受光モジュール 2011 9 1 54P6518J 11.2011
© Copyright 2025 ExpyDoc