第18期ビジネスレポート - デジタル・アドバタイジング・コンソーシアム

Business Report 2015
勝てる
フォーメーション
デジタル の 未 来を拓く
デジタル・アドバタイジング・コンソーシアム株式会社 http://www.dac.co.jp/
I NDEX
Lively scene
動画広告やネイティブ広告の
ビジネス基盤を固める
広告の運用効率を向上させながら、広告
日 本 初 の 記 事 内 動 画 広 告ネットワーク
収益の安定化と新しい広告フォーマットへ
商品「DACプレミアムインリードビデオ
の対応を可能にする統合プラットフォーム
アドネットワーク」の提供開始、インター
「FlexOne ® 」やLINEビジネスコネクト
ネットコンテンツ が 活 用 できるテレビ
T
“スマートテレビ”での動画広告配信ノウ
に対応した「DialogOne」を2014年に
ハウをもつ 米 Y u M e 社との 提 携 など、
開発。
2015年3月には「広告の露出機会
2014年には動画広告の基盤整備を進
を効率的に増大させる広告配信システム
めた。また、ネイティブ広告領域での他社
に関する特 許 」を取 得した。確か な技 術
との協業も加速している。
開発力がDACのビジネスを支えている。
日 進 月 歩 の 勢いで 進 化 を 続 け る
最新動向
ー
イ ン タ ー ネット 広 告 ビ ジ ネ ス
ー
表現方法はさまざまだ。
リ ス ト に 表 示 す る タ イ プ の 広 告 ま で、
索と連動した広告、ECサイトの商品
のタイアップ企画に近い広告から、検
もらえる、という点にある。雑誌や新聞
連の能動的行為の中で広告を体験して
だり、コンテンツを楽しんだりする一
最大の利点は、ユーザーが記事を読ん
つ け ら れ た も の。こ の フ ォ ー マ ッ ト の
告が“自然に”一体化していることから
ウェブサイトの記事やコンテンツと広
クである。
「ネイティブ」という名称は、
も、この一年ほどの間の大きなトピッ
ネイティブ広告と呼ばれるフォー
マットが注目を集めるようになったの
す加速しそうだ。
んになっている。
この流れは今後ますま
ド ビ デ オ 広 告 」な どの 新 しい手 法 も 盛
ジの中で動画広告を表示する
「インリー
め、ニュースなどの記事コンテンツペー
ネットワーク)もメディアで注目され始
複 数 束 ね た M C N( マ ル チ チ ャ ン ネ ル
動画クリエイターや、そのチャンネルを
加した。
「ユーチューバー」と呼ばれる
なって、
動画を活用した広告も大幅に増
ツサービスが活況を呈し、それにとも
番組配信など、ネット上の動画コンテン
ティサービスや、テレビ局のネットでの
ビ ー や ラ イ ブ 配 信 に よ る 動 画 コ ミ ュニ
なった年だった。 YouTube
などの動画
メ ディア だけではなく、ショートムー
ほど、動画を使った広告展開が盛んに
2014年 は 動 画 広 告 元 年 といわ れる
新しい広
その躍進を支えているのが、
告フォーマットやテクノロジーである。
は、
およそ6分の1にまで達している。
突破した。
日本の総広告費に占める割合
い に イ ン タ ー ネット 広 告 費 は 1 兆 円 を
日 本 で イ ン タ ー ネット 広 告 が ス タ ー
トしてから 年あまり。
2014年、つ
18
デジタルの未来を拓く ー
ー
11
“ 勝てるフォーメーション ” を
支える力
05
勝てるフォーメーション
01
DAC TOPICS
Key person discussion
「30年先の未来」を見通してつくった C I
そこに込められた思いとビジョン
TOP message
15
業績概況
19
会社概要/株式状況
21
DAC TOP I CS
広告ビジネスを支える
技術開発力
DAC TOP I CS
Ad Format
01
DAC Business Report
02 DAC Business Report
Business Report 2015
A
T e ch no lo g y
Prize
Glob a l
A
G
D
グループ 発のアプリが
国 内外で人気を集める
日本IR協議会選定の
「IR優良企業奨励賞」を受賞
グローバルビジネス本部を新設
海 外 のビジネスを強 化する
広 告 取引における
データ活用が 本格化
連 結 子 会 社 の ユナイテッドが 提 供する
2014年11月、一般社団法人日本IR協議
2015年4月、
これまでのグローバルビジ
広告配信にデータを活用するためのDMP
アプリ
「CocoPPa
(ココッパ)
」は、
2015年
会が選定する第19回「IR優良企業賞」に
ネス推進室を、新たに「グローバルビジ
(データ・マネジメント・プラットフォーム)
6月現在で、全世界での累計ダウンロード
おいて、DACはIR優良企業奨励賞を受賞。
ネス本部」とし、海外子会社や拠点を統括
「A u d i e n c e O n e ® 」のデータ量( U B
数が 4 , 0 0 0 万 D Lを突 破 。
「CocoPPa
経営トップが自ら経営戦略を説明するなど
する体制を本格的に整えた。中国の北京
/ ユ ニ ー ク ブ ラ ウ ザ )が 4 億 U B を
I Rを重 視している姿 勢 や 、事 業 環 境 の
D A C 、東 南アジアの D A Cアジア、D A C
変動が激しい中での安定した情報開示、
ニューヨークオフィスなど各国の拠点を
積 極 的なI R 活 動などが 評 価され 、応 募
束 ね 、海 外 に お けるビジネスの 一 層 の
企業261社の中から選出された。
強化を目指す
(詳しくは13ページ参照)。
している。
ほかに、
ユーザー参加型のアイド
ル応援アプリ
「CHEERZ(チアーズ)」も国
内外で人気を集めている。
突 破した 。さまざまな 外部のプレイヤー
との 連 携を進 め、ビッグデータを分 析・
活 用しながら広 告 主 のマーケティング
課題を解決する。
2014年8月には、インターネット
広告推進協議会(JIAA)において「ネ
イティブアド研究会」
の活動が開始され、
ネイティブ広告の市場整備を目指し、運
用のガイドラインを策定・公開した。
広告メディアとして、依然、強い勢い
を誇っているのが、全世界に5億人を超
え るユー ザ ー を 抱 え るLINEに 代 表
されるメッセージングサービスだ。
ユー
の コ ミ ュニ
1
ザーの母数が巨大であるばかりでなく、
1
対
ケ ー シ ョン が 実 現 で き る と い う こ と も
ユー ザーと 企 業 との
あって、数多くの企業 が重要なマーケ
ティングメディアに位置づけている。
最
近では、
公式アカウントの各種機能を企
業向けにAPI(アプリケーション・プ
ログラミング・インターフェイス)で提
ビスもスタートしている。
供し、カスタマイズして活用できるサー
一方、アドテクノロジーの面では、生
活者のデータを活用しながら、プラッ
トフォーム 上で 広 告 枠 や 広 告 商 品の取
引 を 自 動 で 行 う プロ グ ラ マ テ ィック と
呼 ば れ る 分 野 の 進 化 が よ り一層 進 ん で
い る。こ の 技 術 を 使 っ た 代 表 的 な 手 法
が、オークション型の広告自動取引
「リ
だが、最近では、これまで
“手売り”
で取
アル・タイム・ビッディング(RTB)
」
引 されていた 純 広 告 などをシステム 上
で自動取引する
「プログラマティックダ
イ レ ク ト 」 といった 手 法への 期 待 も 高
まっている。
また、DMP
(データ・マネ
ジメント・プラットフォーム)を用い
て、さまざまなマーケティングデータ
を一元管理し、
ユーザーの嗜好性や行動
自社のサービス、商品開発などあらゆ
を分析することで、広告配信やCRM、
るマ ー ケティン グ 施 策 がで き る よ う に
なるなど、アドテクノロジーが実現す
04 DAC Business Report
る領域は拡大の一途にある。
センター)な
どがある。
イ ン タ ー ネ ッ ト 広 告 ビ ジ ネ ス は、日
進 月 歩 の 勢 い で 進 化 し 続 け て い る 。常
能率協会マ
ネ ジ メ ント
に 最 新 の 技 術 、手 法 、モ デ ル を 取り 入
推進する。
共著書に
『ネット
広 告 ハンドブック』
(日本
れ な が ら 、広 告 主 企 業 と 生 活 者に デ ジ
ロ ジ ー を 活 用し た 広 告
ビ ジネスの 研 究 開 発 を
タルの確かな価値を届けていくこと。
取 り組 み を 社 内 で 牽 引。
最 新 のサービ スやテクノ
それがこの世界でトップランナーとし
広 告 の 効 果 検 証 など の
て 飛 躍 し 続 け る た め の 条 件 だ。そ の 取
永松範之
2004 年 DAC 入社。
ネット
り組みに終わりはない。
プロダクト開発 本部
広告技 術 研究室長
D a ta
DAC TOP I CS
Play」などの関連アプリもユーザーを増や
P
DAC TOP I CS
A p p lica t io n
DAC Business Report
03
紺野俊介
金子陽三
1 9 8 5 年 、博 報 堂 入 社 。デジタル
領 域 のクリエイティブ 専 門 会 社
とし て 2 0 0 0 年 に 設 立 さ れ
た 博 報 堂アイ・スタジオに 移り、
2003年に取締役に就任。2011年
より現職。
EDSジャパン
(現日本ヒューレット・
パッカード)を 経 て、2 0 0 3 年 に
アイレップ入社。
リスティング広告
運用の体系化や、SEO(検索エン
ジン最適化)の手法の確立などを
手がける。2009年より現職。
リーマン・ブラザ ーズ 証 券 会 社 、
VCドレーパー・フィッシャー・ジャー
ベットソン、アップステアーズ代表
取 締 役 などを経て、ユナイテッド
の前身の会社の取締役に就任。
2012年より現職。
1990年、博報堂入社。2000年に
当社に入社し、2006年に取締役
に 就 任 。戦 略 統 括 本 部 長 や 営 業
本部長を経て、2014年より現職。
平林誠一
島田雅也
株式会社アイレップ
代表取締役社長CEO
媒体社、広告会社との取引
生活
者へ
デジタル の 未 来を拓く
person
discussion
ナイテッドはスマートフォンに
く な っ て い る と 感 じ て い ま す。 ユ
トフォーマーの影響力が年々大き
、 Twitter
な ど、 グ ロ ー
Facebook
バルにサービスを展開するプラッ
金子 Google
、 Apple
、 Amazon
、
う考えています。
イ レ ッ プ の 重 要 な 役 割 で あ る。 そ
ンジし続けていくことが私たちア
合 わ せ て、 新 し い や り 方 に チ ャ レ
し て い く も の で す。 環 境 の 変 化 に
術 が 進 化 し て い く 中 で、 常 に 変 化
は、 フ ォ ー マ ッ ト、 デ バ イ ス、 技
と い え ま す。 そ の 最 適 化 の あ り 方
結びつける方法を最適化した広告
用 型 広 告 は、 広 告 主 と 生 活 者 と を
ま す。 ア イ レ ッ プ が 得 意 と す る 運
こ と。 そ の 2 点 に 私 は 着 目 し て い
ジタル技術の進化が加速している
紺 野 広 告 の フ ォ ー マ ッ ト や デ バ
イ ス が 多 様 化 し て い る こ と と、 デ
考えを聞かせてください。
そ こ に お け る 各 社 の 役 割 に つ い て、
デ ジ タ ル 社 会 の 現 状 を 見 る 視 点 と、
す が、 ま ず は そ れ ぞ れ の 立 場 か ら
ジタル社会」と呼んでいるわけで
つ あ る 社 会。 そ れ を 私 た ち は「 デ
ル技術があらゆる領域に広がりつ
い イ ン フ ラ と な り ま し た。 デ ジ タ
人々にとって欠かすことのできな
及 し て い く 中 で、 デ ジ タ ル 技 術 は
後、 イ ン タ ー ネ ッ ト が 爆 発 的 に 普
市 場 は 極 め て 小 規 模 で し た。 そ の
ト 広 告 市 場、 デ ジ タ ル ビ ジ ネ ス の
島 田 D A C が ス タ ー ト し た 1 9
9 6 年 当 時、 日 本 の イ ン タ ー ネ ッ
「い ま 」 を 見 る 視 点
デ ジタル 社 会の
Key
ー
のサ
ビス
提供
)
ディア
(メ
(エージェント)
勝てるフォーメーション
05
DAC Business Report
06 DAC Business Report
デジタル・アドバタイジング・
コンソーシアム株 式 会 社
取 締 役 常 務 執 行 役 員 CO O
ユナイテッド株式会社
代表取締役社長CO O
株式会社博報堂アイ・スタジオ
代表取締役社長
ia
d
e
M
Agent
(Diversified Advertising Service)
DAS
テクノロジー、クリエイティブ 、
ソリューションの提供
プラットフォーマーとどのような
ス を 提 供 し て い く 中 で、 そ れ ら の
フォン向けのアプリや広告サービ
開 し て い る わ け で す が、 ス マ ー ト
フォーカスしたビジネスを主に展
チ ャ ル と い っ た 区 分 け や、 広 告、
ナ ロ グ、 あ る い は リ ア ル と バ ー
な り つ つ あ り ま す。 デ ジ タ ル と ア
う に「 あ っ て 当 た り 前 」 の も の に
デジタルはいよいよ水や空気のよ
ま す が、 こ れ ら が 普 及 し た こ と で、
ス 領 域 が、 デ ジ タ ル と い う 傘 の も
販 促、 販 売 と い っ た 異 な る ビ ジ ネ
とで混然一体になりつつあるのが
パートナーに向けた価値をどのよ
う に 最 大 化 し て い く か。 そ れ が 目
報 堂 ア イ・ ス タ ジ オ は、 こ れ ま で
関係をつくり、ユーザーやビジネス
下の課題の一つですね。
主に広告クリエイティブを手がけ
市場環境変化
DAC
グループ
技術環境変化
向 し て い か な け れ ば な ら な い。 そ
来 の 広 告 を 超 え る「 超 広 告 」 を 志
従 来 の 制 作 を 超 え る「 超 制 作 」、 従
メーションをとっていくべきだと
していくにはどのようなフォー
ま す。 こ の グ ル ー プ の 力 を 最 大 化
の総社員数は約2000人に上り
金 子 こ こ に い る 4 社 を 含 む 各 グ
ループ企業がそれぞれの領域でビ
考えていますか。
う考えています。
個 々の 実 力 を 磨 き なが ら
最 適 なフォー メ ー ション を 追 求
ジ ネ ス の 成 果 を 上 げ る こ と で、 日
大と発展に寄与してきたのは確か
本のインターネット広告業界の拡
島 田 こ の 年 ほ ど の 間 に さ ま ざ
ま な 関 連 企 業 が 誕 生 し、 我 々 が D
と で、 人 材 の 交 流 も 図 っ て き ま し
ま た、 相 互 に 社 員 の 出 向 を 行 う こ
る こ と は で き て い た と 思 い ま す。
どしてグループシナジーを発揮す
てのパワーを発揮できる戦略や行
縛 ら れ る こ と な く、 グ ル ー プ と し
環 境 変 化 の 中 で、 こ れ ま で の 形 に
の 両 立 が、 よ り 一 層 求 め ら れ ま す。
産 と し て 活 用・ 強 化 し て い く 部 分
れると思います。
最適化を図っていくことも求めら
な 視 点 を も ち な が ら、 組 織 全 体 の
は、 グ ル ー プ 全 体 を 俯 瞰 す る よ う
が 生 じ て い る 面 も あ り ま す。 今 後
り す る 中 で、 企 業 間 に 業 務 の 重 複
紺 野 グ ル ー プ 各 社 の 業 務 内 容 が
変 化 し た り、 業 務 領 域 が 拡 大 し た
今後も大切にしていきたいですね。
つ く る こ と が で き る。 そ の 強 み を
の形やユニットをフレキシブルに
た め に、 こ れ ま で に な か っ た 協 業
価 値、 ユ ー ザ ー 価 値 を 最 大 化 す る
が 次 々 に 生 ま れ て く る 中 で、 顧 客
クライアントからの新たなニーズ
ま す。 新 た な 広 告 フ ォ ー マ ッ ト や
プの大きな強みであると考えてい
柔 軟 に で き る こ と が、 こ の グ ル ー
平 林 私 は、 新 し い ト ラ イ ア ル が
と思います。
だ と 思 い ま す。 こ れ か ら は、 個 社
タ、 情 報 と い っ た 資 産 を 組 み 合 わ
の業績向上をこれまで同様に追求
せ る 体 制 を 整 備 し て、 よ り 大 き な
ACグループと呼ぶ企業群が形成
し な が ら、 技 術 開 発 な ど の 部 分 で
シナジーを生み出すことが必要に
なるのではないでしょうか。
た。 今 後 は、 こ れ ま で 個 々 の 会 社
動がとても重要になってくるのだ
り 組 む 部 分 と、 グ ル ー プ 共 通 の 資
島 田 そ れ ぞ れ の 企 業 が 独 自 に 取
が 個 別 に 蓄 積 し て き た 技 術、 デ ー
セミナーを共同開催したりするな
紺 野 同 感 で す。 こ れ ま で も、 案
件 ご と に 企 業 間 で 協 力 し 合 っ た り、
グループ内の連携を進めていくこ
勝てるフォーメーション
づくりが 重要
現 在 な の だ と 思 い ま す。 私 た ち 博
平 林 ス マ ー ト デ バ イ ス 、 ソ ー
シ ャ ル ネ ッ ト ワ ー ク、ク ラ ウ ド
て き ま し た が、 こ れ か ら の 時 代 は、
(インターネット・オブ・シングス)
IoT
の広がりなど
スマートデバイス、
クラウドサービスの
普及など
とがより重要になると思います。
さ れ て き ま し た。 現 在 で は、 連 結
15
サ ー ビ ス。 こ の 3 つ を ま と め て、
グローバルに展開する
プラットフォーマーの
影響力など
私 は「 ス マ ソ ー ク ラ 」 と 呼 ん で い
競争環境変化
変化に対応
07
DAC Business Report
08 DAC Business Report
柔軟な変化対 応 力を
グループの
discussion
Key
person
各社の資産を組 み 合 わせ
総合力で
レンジすることが重要なのだと思
していくための体制づくりにチャ
グループ全体でより効率的に生か
い ま す よ ね。 そ の ポ テ ン シ ャ ル を
スのかなりの領域をカバーできて
ターネット広告やデジタルビジネ
金 子 グ ル ー プ が 持 っ て い る ポ テ
ン シ ャ ル と い う 点 で 見 れ ば、 イ ン
ループは、かなり限定されていると
ができている。これが可能な企業グ
北 京 i-studio
の現地3法人の連携
によって、そのニーズに応えること
は、 北 京 D A C、 北 京 ア イ レ ッ プ、
れる状況があります。その中で我々
に幅広い機能やサービスが求めら
広告ビジネスのプレイヤーに非常
同時に進んでおり、インターネット
ターネットにつながるということ
IoTとはあらゆるものがイン
い よ い よ 現 実 味 を 帯 び て き ま し た。
平 林 こ こ 数 年 で、 I o T( イ ン
タ ー ネ ッ ト・ オ ブ・ シ ン グ ス ) が
円滑に循環させる
“エコ シス テ ム ” を
え ま す。 大 き な 変 化 の 中 で そ の 都
いからこそチャンスがあるともい
そ の よ う な 時 代 に あ っ て、 デ ジ タ
含 す る 時 代 に な り つ つ あ り ま す。
で、 デ ジ タ ル が マ ス メ デ ィ ア を 包
新市場でも今後生かされていくは
チャネルになりうるということで
度ビジネスチャンスをつかんでい
ルマーケティングの長い経験をも
ス 展 開 が 挙 げ ら れ ま す。 中 国 で は、
す。 こ れ ま で デ ジ タ ル 広 告 と い え
つDACグループが担える役割
ずです。
ば「 液 晶 の 中 の ビ ジ ネ ス 」 で し た
く こ と が 重 要 だ し、 変 化 に 追 い つ
は、 今 後 ま す ま す 大 き く な っ て い
いても意見を聞かせてください。
で あ り、 そ れ は す な わ ち あ ら ゆ る
も の が 広 告 メ デ ィ ア に な り、 販 売
ているし、広告主や媒体社は、デジ
ングや環境をとらえて、いつでも柔
大限の力を発揮できるよう、タイミ
活性化できるエキスパートとして最
プの強みは、そのエコシステムにあ
タルを活用した生活者とのコミュニ
軟に「勝てるフォーメーション」へ
と思っています。
ケーションの可能性をさらに追求し
と組み替えていけるグループの
らゆる角度からアプローチできる機
たいと考えています。そのエコシス
あり方を今後さらに強めていき
能や技術や人材を持っている点にあ
テムをより円滑に循環させること
たいですね。
ります。デジタルのエコシステムを
が、デジタル社会全体の発展につな
くて便利なデジタルサービスを求め
がるのだと思います。DACグルー
島田 デジタル社会は一種のエコシ
ステムです。一般の生活者は常に安
デジタル技術の普及と経済成長が
が、 今 後、 私 た ち が 勝 負 を す る
く だ け で な く、 変 化 を 自 ら 起 こ し、
東南アジア地域における、統合デジタルマーケティングソリューション
などの提供
世の中を牽引していくような存在
I-DAC PTE.LTD.
(i-dac)
マ ー ケ ッ ト は 液 晶 を 飛 び 出 し て、
東 南 アジ ア 地 域 に お け る 、インター ネット 広 告 の 戦 略 立 案 、事 業
開発、市場リサーチ、グループ 各社 のアジア進 出 の 支 援
あらゆるところに展開していくこ
DAC ASIA PTE. LTD.
( D A Cアジア)
く と 思 い ま す。 デ ジ タ ル 社 会 に
中国におけるインターネット広告 事 業
でありたい。そう考えています。
北京迪愛慈広告有限公司
( 北京 D A C )
と に な り ま す。 そ う な っ た と き に、
ス マ ートフォン ア プ リケ ー ション の メ ディア 事 業 と 広 告 プ ラット
フォーム事業
トータルな価値を提供していける
株式会社 B u m b l e b e e
グ ル ー プ、 日 本 を 代 表 す る よ う な
オウンドメディアのソーシャル 化プラットフォーム「 G I G Y A 」および
ソーシャルメディアの活用支援サービスを提 供
ジタルメディアの間には一線が引
株式会社トーチライト
紺 野 か つ て、 マ ス メ デ ィ ア と デ
インターネット広 告 におけるスケジュール 管 理 、送 稿 、掲 載 確 認 など
の進行管理業務
ク リ エ イ テ ィ ブ の 力、 テ ク ノ ロ
株式会社アド・プロ
ジーの力がこれまで以上に試され
インターネット広告取引のプラットフォームサービスの 提 供
デジタルマーケティンググループ
株式会社プラットフォーム・ワン
か れ て い ま し た が、 あ ら ゆ る メ
インターネット広告領域全般における企画制作、
システム開発、
CRM事業
る こ と に な る し、 グ ル ー プ の
株式会社博報堂アイ・スタジオ
になることを目標にしていきたい
スマートフォンアプリ事業、アドテク事 業を展 開
ディアがデジタル化していく中
ユナイテッド株式会社
フォーメーションの力もより大切
リス ティン グ 広 告 を 中 心 とし た 運 用 型 広 告 、S E O 、コン テ ン ツ
マ ー ケティング 、W e b 解 析 など の デジタル マ ー ケティング 事 業
島 田 デ ジ タ ル 社 会 の 展 望 と、 そ
こで私たちが果たしうる役割につ
います。
などの
思います。このような経験は、日本
それが D A C グル ープの 大きな強 み
国内はもとより、
あらゆる角度からアプローチできる
島田 そのようなポテンシャルが発
揮された例として、中国でのビジネ
デジタル 社会に
株式会社アイレップ
になるのではないでしょうか。
金 子 年 代 後 半 以 降、 デ ジ タ ル
技術は考えられないくらいの進化
を 遂 げ て き ま し た が、 こ の 流 れ は
ま だ ま だ 続 く と 考 え て い ま す。 そ
れがどのような進化となるかを見
通 す こ と は 難 し い し、 生 活 に ど の
ような変化をもたらすかも未知数
だ と 思 い ま す。 し か し、 わ か ら な
D A Cグループ 連 結子会社
09
DAC Business Report
10 DAC Business Report
90
A
S
E
A
N
discussion
Key
person
■
動画広告
■
Lively scene
“ 勝てるフォーメーション ”を
動画広告の方法論を
確 立してい き た い
本
支 える 力
格的な普及元年といわれる動画広
告。中本大介は、そのセールスを担
当 する 部 門 を 率 い る。
「動画広告
D A C の ビ ジ ネ ス は 、若 手 の 社 員 に よって 支 えら れ て い る 。
は、媒 体 社 の 収 益を 向 上させ、広 告 主 のメッ
セージを豊かにする力がある」と話す。動画コ
各 部 門 の ビジ ネスを 中 心 で 担う若 手 社 員 た ち に
ンテンツ内 で 動 画 広 告 を 表 示 する「 インスト
担 当 業 務 や 仕 事 に か け る 思 い に つ い て 語って もらっ た 。
リー ム」や、ニュ ー スな ど の 記 事 コンテンツ
ページの中で動画広告を表示する「インリード
ビデオ」など手法が多様化する分野だ。
「効果
測定を含めた動画広告の方法論を確立するこ
とがこれからの目標です」。
メディアサービス本部
メディアセールス局
第四メディア部マネージャー
中本大介
■
受託開発
チャ ンスを 逃 さ な い よ う、挑 戦 し 続 け て い き
たいと考えています。自分のレベルを上げて、
貢献できる領域を増やしていきたいですね。
■
■
業 務 を 支 えるシステ ムを
カスタムメイドで 構 築 する
入
プ ロダ クト開 発
■
“ 技 術 の D A C ”を 支 える
プ ロダ クト開 発 のプ ロ
媒
社 以 来、テクノロジー サー ビスの
営 業、運 用、開 発 を 経 験。現 在 は、
体 社 向 け の さ ま ざ ま な ソリュ ー
ションを 束 ね る プラットフォ ー ム
「Fle x One ® 」。
“技術のDAC”を
大手総合広告会社の業務システム
開発を担当している鈴木幸絵。
「変化し続ける
象徴するこの商品の開発責任者を務めるのが
市場や業務内容に合わせて、柔軟性とスピー
黒 田 英 二 だ 。媒 体 社 、広 告 主 の 双 方 に 向 き
ドを重視した開発を行い、インターネット広告
合う立ち位置でそれぞれのニーズをくみ取り、
に携わる私たちだからできることをしたい」と
最適な広告展開を技術的に支える役割を担う。
話す。システムに“ 完 成 ”は な い。改 善を 加え
「最新のテクノロジーを追求しつつ、お客さま
ながら、ユーザーがより使い やすい 機能や仕
の立場に立ったソリューションを提供すること
組みを日々追求し続けている。
で、信頼関係を築いています」と話す。
新しい 技術をどんどん取り入れて、お客さまの
ビジネスの拡大に貢献できる優れた製品をこれ
からもつくっていきたいと思います。
12 DAC Business Report
テクノロジーサービス本部
システム開発部
鈴木幸絵
広告効果を上げるだけでなく、生活者の心を捉
える広告表現を支える技術を提供していくこと。
プロダクト開発本部
シニアマネージャー
FlexOne開発部マネージャー
それが私たちの役割です。
黒田英二
DAC Business Report 11
Lively scene
■
China
●北京DAC(北京、上海)
China
USA
●北京アイレップ(北京)
Southeast Asia
●i-dac(シンガポール、マレーシア、タイ、インドネシア)
D
A C グループ のグローバルビジネ
スは 2 0 1 5 年、新 た なステージに
入った。この 4 月、世界各国の拠点
を一元的にマネジメントする「グローバルビジ
Southeast
Asia
●DACアジア(シンガポール)
■
グ ロ ー バ ルビジ ネス 本 部 設 立
海外展開は新たな段階へ
●北京i-studio(北京、上海)
●長春アド・プロ(長春、大連)
グローバル
ネス本 部 」が 発 足。統 合 的な海 外 戦 略を推 進
する体制が本格的にスタートした。
●Innity(マレーシア、シンガポール、インドネシア、
タイ、ベトナム、フィリピン、中国、香港、台湾)
「この新たな体制のもとで、
今後、
一体的かつ効
率的なグローバル展開が加速していくことにな
●PT DATA ARTS XPERIENCE(インドネシア)
ります」
。
そう話すのは、
初代本部長に抜擢され
●PT.DIGITAL MARKETING INDONESIA
(インドネシア)
*アイレップの子会社
た 菅 沼 道 彦だ。
20 06 年 のD A C 入 社 以 来、
一
USA
●MOORE ONLINE DEVELOPMENT
SOLUTIONS CORPORATION(ベトナム)
*アイレップの子会社
貫してグローバルの仕事に携わってきた。
「プレッシャーの大きなポジションですが、国内
●DACニューヨークオフィス
外のいろいろな仲間やお客さまと仕事ができ
グローバルビジネス本部長
菅沼道彦
る恵まれた立場であると捉えています。スピー
「海外の最先端をいくビジネスや技術を調査・
ドと柔軟性をもって、どんどん新しいビジネス
研究し、自社商品の品質向上や最先端企業と
領域を開拓していきたいですね」。
の 提 携 などを進 めるの が 私 の 部 署 の 役 割で
D A C は、日本で最もアドテクノロジーに秀でた
D A Cグループが現在拠点を構えるのは、中
す。一種の“デジタル商社”の機能を持つセク
会 社 だと考 えてい ます。そ の 強 み を 海 外 でも
国、東 南アジア、米 国 の 3 地 域である。中 国で
ションといえますね」。
は北京 D A C 、北京アイレップ、北京 i - s t u d i o
広 告 配 信、広 告フォーマット、
トラッキング、
が三位一体となってビジネスを行っている。東
デー タマネジメントな ど、アドテクノロジー の
南アジアでは、D A Cアジアが 全 体 のビジネス
各 領 域に 精 通する専 門 家が 社 内にいるのが
どんどん生かしていきたいですね。
を統括し、i - d a c が各国で具体的な事業を展
会社にとって有益なものを見極める目を持ち、
会社の業績に貢献できるよう、これからもスキ
ルを磨いていきたいと思います。
i-dac
インドネシア
14 DAC Business Report
グローバルビジネス本部
グローバルアライアンス戦略部
荒川五香
東 南アジアのインターネット広 告 市 場でシェア拡 大を目 指す
現在、
シンガポール、
マレーシア、
タイ、
インドネシアのASEAN4カ国に拠点
D A C の大きな強みであると荒川は言う。
開する体制を整備している。一方、最新のデジ
「そのノウハウや知見を生かして、これからも
タル技術や広告技術の調達先と位置づけられ
最適なパートナーやソリューションを海外に見
ているのが米国だ。
出していきたいと考えています」。
現在、米国をはじめとして、ヨーロッパ、ロシ
グロー バルビジネス本 部 の 長 期 的 な 目 標
ア、イスラエルなどからのい わば「輸 入 業 務 」
は、グループ全体の売上に占める海外比率を
を担当しているのが、グローバルアライアンス
高め、D A Cグループを真のグローバル企業に
戦略部の荒川五香である。
育てていくことだ。
北京 D A C
中国
「世界で一番変化が 激しい 市場」で成長を続けるた めに
2005年の設立以来、北京、上海を中心にインターネット広告ビジネスを展
を構えてビジネスの拡大を進めています。一口にASEANといっても、国によっ
開してきました。中国の主要都市では、
この1、2年ほどでデジタル環境が世界
てデジタル環境は大きく異なります。私が働くインドネシアのインターネットの
基準に達しつつあり、
日本の水準を超えるサービスも登場しています。
この「世
普及率は3割から4割程度で、広告市場におけるインターネット広告の割合も
界で一番変化が激しい市場」でビジネスを成長させていくには、DACの技術
まだまだ小さいのが現状です。
その分、
これからの成長に大いに期待できる市
力やグループ力を駆使し、競合を超えるサービスやソリューションを提供して
場でもあります。各国で現地のビジネスパートナーとの戦略的協業を進めなが
いかなければなりません。
これまで、市場の成長に合わせて業績を拡大させて
取締役
ら、中長期的には東南アジア全体のインターネット広告市場の1割のシェアを
総経理
きましたが、設立10年を経て、いよいよ急角度の成長を目指すべき段階に
松井喬介
まずは獲得すること。
それがi-dacの現在の目標です。
奥貞 広
入ったと考えています。向こう5年間が勝負の時期となるでしょう。
DAC Business Report 13
デジタルが社会全体を
つなごうとしている
矢 嶋 2 0 1 1 年 に C I( コ ー ポ
レ ー ト ア イ デ ン テ ィ テ ィ) を 一 新
するプロジェクトをスタートさせ
ようと考えたとき、
「永井さんにこ
のプロジェクトに並走してもらお
う 」 と 思 い ま し た 。新 し い C I は 、
未来のDACを担う若い社員たち
に ぜ ひ と も 考 え て ほ し か っ た 。ボ
トムアップで新しいビジョンをつ
くり出すことにこそ意味があると
思 っ た か ら で す 。し か し 、そ の た め
に は 強 力 な 伴 走 者 が い る 。そ う 考
え て す ぐ に 頭 に 浮 か ん だ の が、 永
井さんの名前でした。
永 井 「 現 場 の 社 員 に D A C の 未
来を自分のこととして考えてほし
い」と矢嶋さんはおっしゃってい
ま し た よ ね 。し か し 、プ ロ ジ ェ ク ト
が 始 ま っ た 頃 は、 発 想 の ジ ャ ン プ
が で き ず、 あ ま り 大 き な ビ ジ ョ ン
は 出 て き ま せ ん で し た 。「 も っ と
広い視野でアイデアを出していき
ましょう」とメンバーの皆さんに
ご提案したのをおぼえています。
矢 嶋 え え 。確 か に 最 初 は 近 視 眼
的なアイデアばかりでした。
「 年
永 井 デ ジ タ ル が 社 会 全 体 に ビ ル
あるいいデザインだと思いました。
か っ た で す よ ね 。力 強 く て 、勢 い の
矢嶋 私も含め、現在のロゴマーク
の案の支持者が最初から一番多
きました。
永 井 ロ ゴ マ ー ク は 、確 か 4 、5 案
をご提案した中から選んでいただ
して本当によかったです。
表現しています。永井さんにお願い
は、そのような現状を極めて的確に
このスローガンとステートメント
が社会全体をつなごうとしている。
いう領域を超えて、まさにデジタル
広告やインターネットビジネスと
進んだのも、ここ数年のことです。
た。スマートフォンの普及が一気に
しばしば耳にするようになりまし
ト・オブ・シングス)という言葉も
し て き て、 I o T( イ ン タ ー ネ ッ
で社会全体がいよいよデジタル化
高まっているなと。新CI後の3年
ステートメントの価値はますます
に、最近になってこのスローガンと
矢嶋 でも、時間をかけただけのも
の が 出 来 上 が っ た と 思 い ま す。特
なってしまいましたね。
1年という長いプロジェクトに
を つ く り ま し た 。最 終 的 に 、足 掛 け
ン ト を つ く り、 最 後 に ロ ゴ マ ー ク
永 井 そ の 後、 そ の ス ロ ー ガ ン の
エッセンスを生かしたステートメ
決 ま る ま で 、半 年 か か り ま し た 。
て い き ま し た 。結 局 、ス ロ ー ガ ン が
て、 そ れ か ら 徐 々 に 発 想 が 広 が っ
と私からもメンバーたちに伝え
先のことを見通して考えようよ」
30
DAC Business Repor t 15
16 DAC Business Repor t
新経済連盟幹事なども務める。
多摩美術大学美術学部統合デザイン学科の教授も務める。
インターネット広告推進協議会( JIAA)副理事長、
ソーシャル領域での活動も多い。
グループ企業などの取締役のほか、
「+designプロジェクト」を主宰するなど、
アイレップ、
ユナイテッドをはじめとする
社会的課題の解決に取り組む
博報堂DYメディアパートナーズ、
幅広く手がけている。
2001年、
ナスダック・ジャパン
(現 JASDAQ)
に上場。
コミュニケーション、
プロジェクトなどのデザインを
1996年、DAC設立と同時に代表取締役社長就任。
数々の企業の商品、
ビジョン、
研究調査や広告戦略プランニングに携わる。
HAKUHODO DESIGNを設立。
研究開発部門、
マーケティング部門などで
2003年、
デザインによるブランディングを行う
一橋大学社会学部卒業後、1984年に博報堂入社。
多摩美術大学美術学部卒業後、1985年に博報堂入社。
デジタル・アドバタイジング・
コンソーシアム株式会社
代表取締役社長 CEO
株式会社HAKUHODO DESIGN
代表取締役社長
矢嶋弘毅
永井一史
H I R O TA K E YAJ I M A
KAZUFUMI NAGAI
C I を手がけた H A K U H O D O D E S I G N の
永井一史氏とD A C の矢嶋弘毅が語り合った。
TOP m essage
2 012 年10月、D A C は C I を一新。
「30 年先 の 未 来 」を 見 通してつくったCI
そこに 込 められ た思いとビジョン
は 、 日 々 進 化 を 続 け て い ま す 。今
域がどんどん切り拓かれていくは
トインされていこうとするこの時
ず で す 。そ の 絶 え ざ る 変 化 の 中 で 、
後、 広 告 に お い て も イ ン タ ー ネ ッ
時 間 を か け て 案 を 練 り ま し た 。デ
私たちDACはどのような本質を
ト ビ ジ ネ ス に お い て も、 新 し い 領
ジタルは特別なものではなくなり
保 つ べ き か 。そ の 問 い に 対 す る 答
代 に は、 ど ん な デ ザ イ ン が ふ さ わ
つ つ あ る が、 一 方 で デ ジ タ ル な ら
し い か 。そ ん な こ と を 考 え な が ら 、
で は の ス ピ ー ド 感 や ス マ ー ト さ、
つ こ と 」だ と 私 は 考 え て い ま す 。
えは、
「自ら変化し続ける能力を持
のバランスを考えた結果がこのデ
パ ワ フ ル さ と い う も の も あ る 。そ
ザインです。
永 井 「 変 わ れ る 能 力 」を 変 わ ら ず
持 ち 続 け る 、と い う こ と で す ね 。
て い た だ い た と 思 い ま す 。イ ベ ン
はこれまでも次々に淘汰されてき
矢 嶋 え え 。そ の 力 が な い イ ン
ターネットビジネスのプレイヤー
矢 嶋 未 来 に 向 け て 伸 び て い く イ
メ ー ジ を、 た い へ ん 上 手 に 表 現 し
ト な ど で も、 こ の ロ ゴ は す ご く 目
た し、 こ れ か ら も 淘 汰 さ れ て い く
永 井 一 方 で 、食 事 を し て 、睡 眠
を と っ て 、仕 事 を し て 、と い う
でしょう。
立 つ ん で す よ( 笑 )。
「 変 わ れ る 能 力 」を
変わらず持ち続ける
人々の基本的な生活は変わって
く1000年以上前から変わっ
生前、
「 デ ジ タ ル 革 命 は 、向 こ う
い ま す 。ス テ ィ ー ブ ・ ジ ョ ブ ズ は 、
一つの本質であると私は考えて
私たちには求められているのだ
イ デ ア を 生 み 出 し て い く こ と が、
術 。そ の 両 方 を 踏 ま え て 新 し い ア
なく変化していくデジタルの技
も つ そ の よ う な 普 遍 性 と 、絶 え 間
い な い し 、感 情 や 感 覚 も 、お そ ら
永井 DACはこれからもデジタ
ル革命の担い手であり続ける
。
て い な い と 私 は 思 い ま す 。人 間 が
─
それが現在のCIが表現している
世紀末に始
100年間は続くだろう」と語った
ものなのだと思います。
らく私たちの想像を絶するような
す。デ ジ タ ル が も つ 可 能 性 は、 お そ
初期段階にすぎないということで
まったデジタル革命は、現在もまだ
も 変 わ ら な い で し ょ う ね 。一 方 、そ
為 が 重 要 な の は、 こ れ か ら の 時 代
本質的なメッセージを考え抜く行
矢 嶋 広 告 の 根 源 に あ る の は「 何
を 伝 え る か 」と い う こ と で す 。そ の
と思います。
と い い ま す。つ ま り、
矢 嶋 そ う で す ね 。デ ジ タ ル 技 術
の メ ッ セ ー ジ を「 ど う 伝 え る か 」と
い う 点 は、 新 し い 技 術、 新 し い メ
デ ィ ア、 新 し い デ バ イ ス が 続 々 と
登 場 す る こ と に よ っ て、 ど ん ど ん
刷新されていくでしょう。
例えば、いわゆるビッグデータを
集積し、解析する技術はある。では、
そのデータをどう有効に活用する
か。そこがこれからの大きなチャレ
ンジとなります。そのようなチャレ
ンジに、永井さんのようなクリエイ
ティブのプロフェッショナルにも
関わってほしいと考えています。テ
クノロジーとクリエイティブをう
ま く 組 み 合 わ せ れ ば、「 何 を ど う 伝
えるか」の可能性はぐっと広がるに
違いありません。
永 井 合 理 的 な デ ー タ と 感 性 に 訴
えるクリエイティブは、一見相反す
る も の の よ う に 見 え ま す が 、「 伝 え
る」という点において融合できる。
そ う 考 え る と 、わ く わ く し ま す 。
矢 嶋 デ ジ タ ル に は 効 率 性 を 高 め
る だ け で な く、 生 活 を 豊 か に し た
り、人々の感性に刺激を与えたりす
る力もある。そこには無限の可能性
があります。その可能性を私たちは
絶えず追求しなければならない。守
りに入った瞬間に市場から追い出
されてしまう。そのくらいの意気込
みをもって、これからも挑戦し続け
たいと思っています。
デジタルの力によって、
世界は驚くべき速さで変化し、
多様化し続けています。
デジタルは、仕事のスタイルを変え、
ビジネスの仕組みを変え、
大きく変えようとしています。
さらに社会のあり方までも
誰も思いもつかなかったものが
これからも、誰もが夢見たことや、
デジタルを通じて、
一つずつ現実となっていくでしょう。
私たちDACの使命。
活力を与えること。
それは、
このデジタル社会の未来に、
デジタルの更なる可能性を
これからのデジタル社会をよりアクティブにし、
切り拓いていくことです。
実現するのは、
ネットビジネスの先駆者として培った経験と、
デジタルエキスパートとしての知見が生み出す、
未来を見据えた創造性ある提案力。
そして、
それを裏づける技術力。
対応できるフレキシビリティもDACの強みです。
また、日々変化するデジタル社会に
私たちは約束します。
企業と企業がデジタルを通じてめぐり逢い、
まだ見ぬ人と人、
共に新しい夢を描ける社会をつくっていくことを。
すべての人が、デジタルで
新しい幸せを見つけられるように。
DAC Business Repor t 17
18 DAC Business Repor t
20
DACはこれからも
デジタル革命の担い手であり続ける
TOP m essage
業績概況
5年間の主要財務データ
主要指標推移
2010年度※ 1
2011年度
2012年度
2013年度
2014年度
■売上高
会計年度(百万円)
売上高
77,943
82,785
96,319
105,335
117,463
120,000
売上総利益
12,304
11,783
14,188
14,392
16,400
100,000
販売費及び一般管理費
9,396
9,548
12,530
12,411
14,153
営業利益
2,908
2,234
1,658
1,980
2,246
経常利益
3,018
2,295
1,704
2,017
2,518
60,000
当期純利益
1,745
1,369
804
2,022
1,050
40,000
12,792
24,107
総資産
(16ヵ月)
※1
2011年度
2012年度
2013年度
16,453
31,545
16,472
31,344
20,045
37,499
22,998
43,897
1株当たり
(円)
20,000
33.18
27.27
16.57
41.66
21.64
7
6
6
6
8
配当金 ※ 4
比率(%)
2011年度
2012年度
2013年度
2014年度
15,000
30
10,000
20
5,000
10
117,463 百万円
2010年度
(16ヵ月)
※1
2011年度
2012年度
2013年度
2014年度
14.7
13.7
14.0
2,500
25
オペレーティング・マージン※ 2
23.6
19.0
11.7
13.8
13.7
2,000
20
自己資本比率
45.3
34.1
36.0
35.7
34.7
1,500
15
ROE
17.4
12.6
7.3
16.4
7.3
1,000
10
※4 2013年4月1日付で普通株式1株につき100株の株式分割を行っております。2012年度以前につきましては、当該株式分割が行われたと仮定して、配当金を記載しております。
5
0
0
(単位 : 百万円)
(単位 : %)
2,246 百万円
13.7 %
営業利益
2014 年度の業績 】
オペレーティング・マージン
その結果、2014年度の業績は、売上高1,174億円(前年比
12%増)、営業利益22.4億円(同13%増)、経常利益25.1億円
2014年度のインターネット広告市場は、前年度に引き続き
( 同 2 5 % 増 )と、増 収 増 益を達 成 い たしました 。なお 、前 年 度
広 告 市 場 全 体 の 伸 び を 上 回る成 長 が 続き、1 兆 519 億 円と
第2四半期に関係会社株式の売却による特別利益を計上した
総広告費の17.1%を占める規模となりました。特に、データを
ことから、当期純利益は前年比マイナスの10.5億円となって
活用した広告配信が浸透し、
運用型広告は大きく増加しました。
おります。
■当期純利益/ROE
2,500
2010年度
(16ヵ月)
※1
2011年度
ングサービス、キュレーションメディアなどの新しいメディアの
2010年度
(16ヵ月)
※1
2011年度
2012年度
2013年度
2014年度
3,000
2,500
1,500
1,000
500
0
(単位 : 百万円)
2,518 百万円
経常利益
■1株当たり配当金※2
2012年度
2013年度
2014年度
8
2,000
20
1,500
15
1,000
10
500
5
また、PC、スマートデバイスともにブランディングを目的とし
た動画広告やリッチ広告の活用が本格化しました。
メッセージ
売上総利益率
2,000
500
※3 2013年4月1日付で普通株式1株につき100株の株式分割を行っております。2012年度以前につきましては、連結会計年度の期首に当該株式分割が行われたと仮定して、
1株当たり当期純利益を算定しています。
16,400 百万円
14.0 %
売上総利益
3,500
14.2
※2 オペレーティング・マージンは、売上総利益に対する営業利益の比率を表示しています。
(単位 : %)
■経常利益
■営業利益/オペレーティング・マージン
15.8
※1 2010年度は、決算期変更に伴い2009年12月1日から2011年3月31日までの16カ月間の変則決算となっています。
0
(単位 : 百万円)
売上総利益率
2010年度
(16ヵ月)
※1
2011年度
2012年度
2013年度
2014年度
6
4
【 配当方針 】
成 長 や 、ネイティブ 広 告 を はじめとした 新しい 広 告 手 法 の
当社は、株主の皆様に対する利益還元を充実させることを
広がりもあり、
スマートデバイス市場は引き続き成長しました。
経営の重要課題と認識しており、中長期的な企業価値の向上
このような環境の下、DACグループは、主力のディスプレイ
を目指し、資金需要の状況、業績の動向等を総合的に勘案しな
広告において媒体社との協業により、新たな広告フォーマット
がら、安定した配当を継続的に実施したいと考えております。
の 開 発・標 準 化を進 めるなど市 場 の 活 性 化を図り、また 運 用
配当については、年1回(期末配当)を基本方針としており、
型 広 告 やスマートデ バイス広 告 など成 長 分 野 の 売 上 拡 大 に
2015年3月期(第18期)の期末剰余金の配当は、前期より2円
努めてまいりました。
増配の1株当たり8円といたしました。
20 DAC Business Report
(16ヵ月)
※1
0
0
(単位 : 百万円)
3,000
【
2010年度
80,000
売上高
当期純利益 ※ 3
2014年度
20,000
会計年度末(百万円)
純資産
■売上総利益/売上総利益率
2010年度
0
(単位 : 百万円)
当期純利益
ROE
0
(単位 : %)
1,050 百万円
7.3 %
2
0
(単位 : 円)
1株当たり配当金
8円
※1 2010年度は、決算期変更に伴い2009年12月1日から2011年3月31日までの16カ月間の変則決算となっております。
※2 2013年4月1日付で普通株式1株につき100株の株式分割を行っております。2012年度以前につきましては、当該株式分割が行われたと仮定して、配当金を記載しております。
DAC Business Report 19
会社概要
会社概要(2015年3月31日時点)
社
設
名
デジタル・アドバタイジング・コンソーシアム株式会社
立
1996年12月2日
4,031百万円
資
本
金
所
在
地
役員一覧(2015年6月24日時点)
取 締 役
【東京本社】
〒150-6033
東京都渋谷区恵比寿四丁目20番3号 YGPタワー33F
TEL: 03-5449-6300 FAX: 03-5449-6301
【関西支社】
〒530-0003
TEL: 06-4797-9223 FAX: 06-4797-9224
〒460-0008
TEL: 052-249-3340 FAX: 052-249-3341
【九州支社】
〒810-0073
福岡県福岡市中央区舞鶴一丁目1番3号 リクルート天神ビル5F
TEL: 092-406-3351 FAX: 092-406-3361
【ニューヨークオフィス】
C/O ARCtangent. Inc.
事 業 内 容
○ インターネット等デジタルネットワーク上の広告スペースの購入、
販売
○ インターネット等デジタルネットワークを利用した広告、
マーケティング
プロモーション、PR活動の企画、運営、
コンサルテーション
○ インターネット等デジタルネットワーク上の広告に関する効果の調査受託
○ インターネット等デジタルネットワークを利用した広告に関する情報提供
サービス及び研究開発、情報システムの販売 ほか
島田雅也
取締役
常務執行役員CMO
徳久昭彦
取締役
常務執行役員CFO
大塔達也
寺井久春
連結子会社
●
アイレップ
●
ユナイテッド
●
博報堂アイ・スタジオ
●
プラットフォーム・ワン
●
アド・プロ
●
持 分 法 適 用
関 連 会 社
●
●
●
●
●
トーチライト
●
Bumblebee
●
北京迪愛慈広告有限公司(北京 DAC)
●
DAC ASIA PTE.LTD.(DAC アジア)
●
●
その他の主な
出 資 会 社
●
●
●
●
I-DAC PTE.LTD.(i-dac)
●
●
高梨秀一
●
●
愛知県名古屋市中区栄三丁目4番15号 鏡栄ビル4F
単体:319名 連結:1,986名(役員、臨時雇用者、出向者を含む)
取締役
常務執行役員COO
取締役
執行役員CRO
【中部支社】
55 Broad Street 18th Floor New York,NY 10004-2501 USA
矢嶋弘毅
取締役
執行役員DACアジア担当
大阪府大阪市北区堂島一丁目2番5号 堂北ダイビル6F
役 職 員 数
代表取締役
社長執行役員CEO
グループ企業
監 査 役
取締役
野沢直樹
取締役
三神正樹
取締役
五十嵐真人
社外取締役
渡部恒弘
社外監査役(常勤)
進藤一馬
監査役
西岡正紀
社外監査役
水上 洋
メンバーズ
スパイスボックス
アドイノベーション
デジタルブティック
livepass
Innity Corporation Berhad(イニティ)
デジタルカタパルト
データスタジアム
ビデオリサーチインタラクティブ
BrandXing
オウチーノ
ボルテージ
mediba
ゆめみ
●
●
●
●
●
●
●
●
ココア
ALBERT インフォバーン
Origami
データセクション
Yummy Japan
ZEDO,Inc.
IPONWEB Holdings Limited
株式状況
■株式情報
●証券コード : 4281 ●上場証券取引所 : 東京証券取引所(JASDAQ) ●単元株式数 : 100株
●事業年度 : 4月1日~翌年3月31日 ●期末配当金受領株主確定日 : 3月31日 ●定時株主総会 : 毎年6月
●株主名簿管理人、特別口座の口座管理機関 : 三菱UFJ信託銀行株式会社
●同連絡先 : 三菱UFJ信託銀行株式会社 証券代行部 〒137-8081 東京都江東区東砂七丁目10番11号 TEL.0120-232-711
(通話料無料)
●公告の方法 : 電子公告により行う
公告掲載URL http://www.dac.co.jp/
■株式の状況
(2015年3月31日時点)
〈大株主 〉
(ただし、電子公告によることができない事故、そのほかのやむを得ない事由が生じたときには、
日本経済新聞に公告いたします)
発行可能株式総数
発行済株式総数
株主数
90,000,000 株
53,442,300 株
10,009名
〈 所有株主別の株式数構成比〉
自己名義株式等
9.1%
持株数
(株)
議決権
比率
(%)
23,269,500
47.9
株式会社博報堂
4,500,000
9.3
日本トラスティ・サービス信託銀行株式会社(信託口)
1,317,400
2.7
株式会社東急エージェンシー
1,000,000
2.1
日本マスタートラスト信託銀行株式会社(信託口)
549,900
1.1
楽天証券株式会社
430,600
0.9
株式会社SBI証券
417,500
0.9
MORGAN STANLEY & CO. LLC
415,234
0.9
株主名
株式会社博報堂DYメディアパートナーズ
金融機関
8.1%
個人その他
23.2%
その他の法人
55.9%
外国法人等
3.7%
【ご注意】
1.株 主様の住所変更、買取請求その他各種お手続きにつきましては、原則、口座を開設されている口座管理機関(証券会社等)で承ることとなっております。
口座を開設されている証券会社等にお問合せください。株主名簿管理人(三菱 U F J 信託銀行)ではお取り扱いできませんのでご注意ください。
2.特 別口座に記録された株式に関する各種お手続きにつきましては、三菱 U F J 信託銀行が口座管理機関となっておりますので、上記特別口座の口座管理機関
(三菱 U F J 信託銀行)にお問合せください。なお、三菱 U F J 信託銀行全国各支店にてもお取次ぎいたします。
3.未 受領の配当金につきましては、三菱 U F J 信託銀行本支店でお支払いいたします。
22 DAC Business Report
DAC Business Report
21