実践応用化学第一 問題(桑田) 2015.6.26 1.(a) 亜

2015.6.26
実践応用化学第一 問題(桑田)
1.(a) 亜硝酸 HNO2 の pKa 値,(b)亜硫酸 H2SO3 の pKa1,pKa2 値を予測せよ.
2.ヒドロキソニウムイオン H3O+の pKa が 0 となることを,pKa の定義をもと
に説明せよ.
3.トリメチルアミン Me3N と二酸化硫黄 SO2 は反応して N–S 結合をもつ化合
物を与える.
(1) 生成物の構造を,共鳴構造式を用いて示せ.また,含まれる各構造がオクテ
ット則を満たしているかどうか記せ.
(2) この反応でトリメチルアミンおよび二酸化硫黄はルイス酸,ルイス塩基のい
ずれとしてはたらいているか答えよ.
4.25°C の水溶液における酢酸の Ka の値は 1.8×10–5 である.酢酸の共役塩基を
示し,その Kb の値を求めよ.
5.H3PO3 の pKa の値は約 2 である.これをもとにして H3PO3 のルイス構造を
推定せよ.
6.酸性溶液中で,硫化水素と硫酸イオンが反応して亜硫酸が生成する反応 X
を,下のラチマー図を用いて考える.
(1) (i) H2SO3/H2S,(ii) SO42–/H2SO3 の半反応式を,それらの標準電位とともに記
せ.
(2) (ii)の反応の電位 E を,標準電位 EO,硫酸イオン,亜硫酸の濃度,ならびに
溶液の pH,ファラデー定数 F,気体定数 R,温度 T を用いて表せ.
(3) 反応 X の反応式を示せ.
(4) 標準状態において,反応 X は熱力学的に有利であるか考察せよ.
(酸性溶液におけるラチマー図:計算の手間を軽減するために,電位は一部改
SO42−
0.16 V
H2SO3
0.50 V
S
0.14 V
H2S
変してある)
7.次の必須アミノ酸 A,B のうち,より強く水銀イオンと結合すると予想され
るものはどちらか.理由とともに答えよ.
A セリン H3N+CH(CH2OH)COO– B システイン H3N+CH(CH2SH)COO–
8. SiX4 (X = F, Cl, Br, I)はルイス酸としてはたらく.
(1) 炭素類縁体である四塩化炭素がルイス酸でないのに対して,これらの分子が
ルイス酸となる理由を説明せよ.
(2) ルイス酸性の強さは,SiF4 > SiCl4 > SiBr4 > SiI4 である.ハロゲンの電気陰性
度の大小関係をもとにして,この傾向を説明せよ.
9.次の平衡反応の平衡定数は1よりも大きいか,小さいか.理由とともに予
想せよ.
(1) HClO + NO2–
(2) CdI2 + CaF2
ClO– + HNO2
CdF2 + CaI2
10.HF は pKa 値が 3.45 の酸であるが,HF に SbF5 を加えると,ハメットの
酸度関数が–20 以下の超強酸となる.このときの反応式を示し,SbF5 の役割を説
明せよ.
11.強い酸化剤である過マンガン酸カリウム KMnO4 はベ
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ンゼンのような非極性溶媒には溶けないが,ここにクラウン
エーテルのひとつである 18-crown-6 を加えると溶けるように
なる.この反応は酸塩基反応と考えることができるか.もし
考えることができるのであれば,どの化合物またはイオンが,
どのような定義での酸,塩基にあたるのかを答えよ.
O
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