初任研高度化モデルタイムズ

和歌山大学教育学部
初任研高度化モデルタイムズ
−「学び続ける教師像」の具現化を目指します!!−
第
21号
2015年1月
第11回合同カンファレンス
2学期を省察して3学期へ!
1月6日
(火)
、和歌山大学教育学部第1、第2会議室において、高度
化モデルの初任者と2年次研修者合同の第11回合同カンファレスを実施し
ました。
先ず、
「2学期の実践を省察し3学期への心構えをつくる」というテーマ
で、国語、算数・数学、理科、社会・総合、英語の5つのグループに
分かれて実践を発表し協議しました。その中では、課題を持って継続的に
取り組んでいる教科指導や道徳、総合等の実践について、活用している
資料(ワークシート、評価カード等)などを具体的に提示し、その成果と
課題の視点から話し合い、自己の教育実践についての省察をしました。ま
た、学級や特別教室等の掲示物、配布した学級便りや教科便りなどを具
体的に提示し、2学期における自らの仲間づくりや学級づくり、学習集団づ
くりなどについての省察をさらに深めました。そして、これら2学期の実践を
踏まえ、3学期の心構えについて積極的に発表し合いました。その後、各
グループから協議した内容の報告があり、まとめとしてプロジェクト教員の細
田先生から、
「やはり手間暇かけた教材で作られた授業は子どもが飛びつき、
興味を抱き、意欲ある学習活動を生み出しています。学ぶことに対する子
どもへの外発的な動機付けを、内発的な動機付けへとつなげていくのが教
師の勝負どころです。そのためには先生方が誠実に教育実践に取り組む
ことが大切。フランスの詩人ルイ・アラゴンが『教育とは教える者と教わる
者が互いに錬磨することである。』と言っています。私たちに突きつけられ
ている言葉です。2年次の先生は今日で研修は最後になりますが、是非皆
さんはこの研修で大切なものを学びとって欲しいと思います。」と講評してく
ださいました。
(初任者の感想)
国語グループでは、小学校の先生が実践された「学習計画や単元計画を子どもにも提示する」ことにとても感心さ
せられました。今何をしているのかということが分かり、見通しをもって学習に取り組め、障害のある子どもたち
だけではなく、みんなに共通して大切なことなんだと改めて感じました。単元計画を提示しておくと、自分で確認
し家で考えてくる子もいたということで、子どもが自ら考えることのできる環境設定、言葉がけ、教材の工夫など、
今まで自分はできていたかと振り返るきっかけとなりました。
社会・総合グループの討論の中で心にずしっと響いた瞬間が2つありました。一つ目は中学校の小テストの内容に
ついて見直しをしていたときに、岩野先生から「どの瞬間をがんばらせたいの?」という言葉を聞いたときです。
小テストの目的を何におくのかでちがってくるということはもちろん納得できたし、自分の中でそこまで考えたこと
なく、テストすることだけで自分が満足して終わってたのではないかなと反省しました。どの瞬間をがんばらせた
いのかを意識することで目標にもつながってくると思うので、この考え方を大事にしたいです。二つ目は特別支援
学校の先生の話を聞く中で「子どもの育ってほしい姿」がはっきりしていて素敵だなと感じた瞬間です。まずはこ
のイメージができていないと単元を組むにも学級経営にもつながっていかないとわかりました。3学期がはじまる前
に素敵なヒントをいただけたので、生かしていきたいと思います。
理科は子どもの身近な自然事象への働きかけから始まるので、教師の教材研究の深さが子どもの学びと比例すると
強く感じました。理科学習を軸にして、全ての教科で実践できるようにしていくことが重要であると話し合いました。
3つの「つ」の大切さとして、「つくる・つなげる・つづける」を挙げました。子どもをより深く理解して、より質
の高い教育実践をつくり、つなぎ、つづけることが必要となります。また、1・2学期と積み上げてきた学級経営に
おいて3つの「り」を意識して取り組みたいと考えました。「こだわり・ふんばり・たかまり」です。面倒なことを
本気でしなければ子どもは育たないと感じます。志高く、こだわり、踏ん張り、高め合えるよう心掛け、3学期も
全力で子どもたちと向き合いたいと思います。
ビデオ研究授業
∼驚き、
感動、
他者の実践から学ぶ∼
午後からは、3つの会場に分かれ、ビデオ研究授業と研究協議を行いました。第1グループでは、四箇郷北小学校の森川英
美先生、有功東小学校の花本智里先生、紀伊コスモス支援学校の尾﨑麻衣先生が、第2グループでは、山崎北小学校の米
澤奈甫子先生と粉河中学校の土山卓志先生が、第3グループでは、四箇郷北小学校の井上義之先生、山崎北小学校の川端
大奨先生、紀伊コスモス支援学校の西山真琴先生が自分の課題研究を踏まえ、授業を撮影したビデオを用いて発表しました。
その後、8つのグループに分かれて発表の柱に沿って、よかった・学べた点や課題を出し合う研究協議を行いました。発表者は
すべて初任者で、2年次研の先輩や他校種の先生、指導教員や校長先生、和歌山大学の教員から多くのアドバイスをいただき、
充実した研究協議となりました。
(初任者の感想)
四箇郷北小学校の井上先生の授業では、小学生の子どもたちは自分の意見に理由も加えてしっかり発表できていま
した。井上先生の日頃のきめ細やかな指導が表れていたように感じました。自分は「子どもの言葉をひろって、授
業をどんどんつなげていく」という授業ができずに、一方的な教授になってしまっていたのではないかと深く反省
しています。また、四箇郷北小学校の貴志校長先生のお話で「子ども同士が聞きあい、つなげ合う授業」はレベ
ル2、その上にレベル3として「子ども同士が聞き合い、答え合う、子どもが学び合う授業」が存在することを知り、
驚きと教師の仕事の奥深さを感じました。
有功東小学校の花本先生の総合的な学習の時間の実践では、子どもたちが積極的に意見を出し合い、意欲的に学
習をすすめていく様子のビデオを見て、総合的な学習ではやはり子どもたちのこのような意欲的な姿勢が大切だな
と感じました。総合的な学習は子どもたちの学びたいことを尊重し、子どもたちが自ら課題を見つけ、解決してい
く力をつける時間だと思うので、「どのようなタイミングで、どのようにして教師が介入していけばよいのか」とい
うのは難しい問題だなと感じました。また、今回の花本先生が広島県の土砂災害を導入に取り入れたように、ニュー
スなどから課題を投げかける方法も良いなと感じました。私は今2年生の担任なので総合的な学習の時間はないの
ですが、3年∼6年の担任になったときは、ぜひ参考にしたいと思いました。
研究テーマである『コミュニケーション力を高めるために∼自立活動の実践を通して∼』について、自立活動の様
子を見せていただきました。その中で、『あ∼い∼う∼べ∼』の課題は、はっきりと発音するための体操であり、
明瞭な発音を目指してここからどう発展させていくかが課題だというお話をいただきました。すでに、上手に『あ
∼い∼う∼べ∼』は言えており、自分でもこれからどう進めていくかをとても悩んでいるところでした。協議の中で、
宮本先生から、
『上手にあ∼い∼う∼べ∼は言えてるから、ここから『あの言葉、いの言葉』と広げていくという
手もあるのでは』とアドバイスをいただきました。今まではお口の体操のあとに『ことばカード』として、声に出し
て身近な物の名前を言う課題を設定していましたが、お口の体操とのつながりを全く考えていなかったことに気づ
きました。宮本先生が言われたように、上手に言えているあ、い、う、べから始まる言葉を課題として設定することで、
お口の体操の効果を次の課題へよりつなげることができることを学ぶことができました。今年度もあと少しですが、
協議会でいただいたご意見を参考に、子どもの力を少しでも伸ばしていけるよう、もう一度教材や課題設定につい
て見直したいと思います。