平成26年度 校内研修(課題研修)の概要 幸手市立権現堂川小学校 1

平成26年度
校内研修(課題研修)の概要
幸手市立権現堂川小学校
1
目的
・課題意識をもって学級づくり・授業づくりの改善を図り、児童の学力向上を目指す。
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内容
・平成26年度幸手市教育委員会委嘱「学力向上に関する研究」
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平成25年度の成果と課題
成果 ○疑問をもったり、ねばり強く考えたりする姿勢が見られるようになった。
○教育に関する3つの達成目標の検証結果だけでなく、教研式学力テストにおいて
もよい成果が見られた。
○全教員で行う教材研究を取り入れたことで、教員自身が主体的に教材研究を行い
教材研究の重要性を再認識することができた。
○指導者から適切な指導をいただいたことで、目指す児童像や仮説、手立てを見直
し、改善することができた。
課題 △友達の考え方から考えを深め広げようとしたり、新たな疑問を持ったりする、よ
り主体的な姿勢は、まだ十分育っていない。
△授業中は授業者の言葉が多い。また、授業者と一部の児童とのやりとりで展開さ
れてしまうことが多く、一人一人全員の学びが保障されることには至っていない。
4 平成26年度の研究について
(1)研究主題
自ら学び、考え、表現できる児童の育成
~学びあい、支えあう授業づくりを通して~
(2)研究主題の設定理由
平成25年度の研修により、児童の知識・技能、数学的な考え方、学ぶ意欲に成果が
見られた。また、学習中においてもねばり強く考えたり、疑問をもって主体的に考えよ
うとする発言や姿勢が見られるようになってきた。
しかし、授業者主導による一斉指導では、児童一人一人の学びを保障するところまで
は至っていない。そこで、本校のめざす学校像「学びあい、支えあい、高めあい、笑顔
あふれる学校」を実現させるため、互いに学びあい、支えあう環境(教室・授業)を整
えていくことが急務である。学習を協同的にすすめるためには、わからないことを「わ
からない」と言えることが賢いことであるという教師の共通認識を重視し、ペアやグル
ープ学習を多様に組み込むことを通して研究主題に迫りたいと考える。
なお、引き続き、研修教科は算数科に特化して取り組む。
(3)本校の目指す授業
・確かな学力を身に付けることができる課題のある授業
・児童が挑戦したくなる課題のある授業
・1時間の中に必ず学びあいの場面がある授業(ペア・グループ・コの字型等の学習形態)
・温かく聴きあう関係のある授業
・自分、教材、友達との対話のある授業
・教師が「聴く、つなぐ、もどす」の仕事をしている授業
・学習規律があり、落ち着いた学びができる授業
(4)研究仮説
研究の仮説
「学びあい、支えあう」教室で「言語力」「表現力」をどう育むかを研究し、共通認
識のもと共通行動をとれば、研究主題に迫る児童を育成できるであろう。
(5)研究の視点
視点1 教師の聴く耳と子どもをつなぐかかわりを考えた授業を研究する。
聴いてもらってうれしかったという喜びが子どもの心を動かし、聴くことに対す
る価値観が生まれ、温かい人間関係が生まれていく。そのために、まず、教師が子
どもの声を聴き、子ども同士の関係をつなぎ、教師にもどし、さらに個人や全体に
学びを広げる授業の在り方を研究する。元気な発言をよしとした授業から、相手と
つながる対話のある授業へと意識変革を図る。
視点2
教材・他者・自己との対話を研究する。(「わからなさを出発点として)
教師は「できた人?」とよく言ってしまう。それでは、児童が分からないことを
分からないと言える授業の雰囲気、教材や自分とじっくり向かい合う時間はつくれ
ない。「できた人?」から「困っている人は?」に呼びかけを変える。「それはなぜ
だろう?」「それは、どうしてだろう?」など、児童が分からないことを明らかにし
て、学びを深めていくための教師の声かけや指示の出し方について研究する。
教師は、「わからない」という言葉があふれる教室にする。「わからない」とは、
諦めの「わからない」ではなく、スタートの「わからない」へと意識を変革する。
視点3
一人残らず学びに参加できる授業形態について研究する。
教師が一方的に効率よく知識を伝達し暗記させる教え込む授業から、他者とのコ
ミュニケーションがある「学び」へ授業の質を変える。そのためにコの字型での学
習形態や男女2名計4名となる小グループによる学習形態などを授業の中に取り入
れる。毎時間において、小グループでの「学びあい」を育てる。そして、実践した
学習形態が、児童一人ひとりを学びに参加させるものであったかを研究する。
視点4
学びが深まる課題について研究する。
①分かっていることを共有する学習課題=基礎基本の定着を確認する課題 ②わ
くわくと探求したくなる学習課題=学びが深まる課題 とはどのようなものである
かを研究する。
(6)研究の方法
①一人6回の授業公開を実施
・和井田先生にご指導いただく授業研究会①~⑥の研究授業、一人1回ずつ
・支援担当訪問で、一人1回ずつ(ただし、研究授業と公開授業)
・低ブロック研究部と高ブロック研究部の部内で見あう授業、一人1回ずつ
・(自己評価シートに関する面談前の管理職授業参観、年間一人3回ずつ)
②指導案から授業デザインへ
(本時のみの授業デザインをA4で1枚、授業に対する担任の想いを1枚)
③講師(共栄大学 和井田先生)を招いての授業研究会6回
④共通理解を図るための研究だよりの発行
⑤研究の進捗状況を確認するための教師や児童へのアンケートの実施
⑥学びの共同体を推進している学校との合同研修会の実施(先進校視察)
(7)研修経過と予定・・・・・別紙
(8)「学び合い、支えあう教室」で育つ児童の「言語力」「表現力」とは?=目指す児童の姿
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教材に対して「なんだろう」と興味を持つことができる力
考えることに夢中になれる力
仲間の考えを一生懸命にわかろうと仲間の話を聴く力
仲間の考えをわかろうと、わからないところを相手に問う力
仲間の考えと自分の考えをつないで考えようとする力
自分の考えを「ちょっと聴いて」と仲間に語り、コメントをもらおうとする力
新しい問題に対し、それまでに学んだことを利用して何とか答えを出そうとする力
授業の様子を思い出す力
授業の様子を思い出して文章で表現する力
仲間の書いたものを読んで、自分なりの考えが言える力
わからない時に「わからない」と表現する力
わからない時に、教科書やノートにかえって考える力
わからない時に、以前の学習に戻って考えようとする力
わからない時に、「これどうやるの」と仲間にたずねる力
自分が納得するまで、わかったふりをしない力
自分の考えを伝えるときに、言葉を吟味する力
言葉を探している仲間を待つ力
言葉を探している仲間といっしょに言葉を探そうとする力
自分の言葉が相手に届いているか見届けながら話そうとする力
自分の言葉が相手に届いているか確かめようと、相手の表情などを観察する力
自分の言葉が相手に届いているか確かめようと、問いかける力
相手に考えを届けようと、あの手この手を使おうとする力
自分の考えよりさらにいい考えがあるのではないかと考える力
困難な問題に立ち向かおうとする力
困難な問題にへこたれないでねばり強く考えようとする力
仲間と一緒に困難な問題に挑戦しようとする力
仲間と一緒に困難な問題に挑戦することを楽しむ力
仲間の考えをできるだけいいものにしようとする力
仲間の発見や気付きに「それ、いい考えだね」と素直に言葉に出せる力
自分が解いた問題を「これでいいかなあ」と仲間に見せようとする力
仲間の作品を見て、自分の作品に取り入れようとする力
テスト結果を見て、自分が次に何をしたらいいか考える力
まちがうことを恐れない力
間違えから次の課題を見つける力
自分たちの答えが本当に正しいのかという疑問を残して理解する力
など
<提案>
算数のノート指導は、板書を書き写すノート指導から「学びの軌跡」を残し、活用する
ノートへの意識変革をするために、算数日記(ふりかえり)を書かせ(その日の宿題)、
翌日教師に提出、教師の赤ペンを入れて、交流するものにしていく。
これは、上の⑦から⑬の力を育成できるものです。