巖 寒 と 成 長 - さいたま市立善前小学校

平成26年度
2月号
平成27年1月30日発行
さいたま市立善前小学校
電話 048-882-7871
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「善力前進」 ともに伸びよう 善前小 ~はずむ心 きたえる体 学ぼう創ろう「みどりの学園」~
巖 寒 と 成 長
校 長
永 山
誉
2月4日は二十四節気の立春。暦の上では春ですが、
まだまだ寒い日が続きます。気象学上では、12月~
2月の3か月が冬にあたり、1年の内でも1月下旬か
ら2月上旬が最も寒い時期ともいわれています。その
ような中、善前小学校の中庭の梅が一足早く花を咲か
せ、これから迎える春の訪れを予告しているかのよう
に感じられます。
さて、東洋画の画題の一つに歳寒三友という言葉が
あります。寒さに耐える三つの植物ということで日本
でもよく知られた松・竹・梅や梅・水仙・竹を配した
ものをいいます。特に中国では、松・竹・梅の歳寒三友が書道や絵画のモチーフとして使われてきました。
この歳寒三友の中の一つである梅は、雪の降る中でも美しい花を咲かせることもあり、
「高潔」
「潔白」
「澄
んだ心」
「忠義」といった花言葉をもっています。このような梅の木のように、寒風にじっと耐えて美しく
花を咲かせるものもあれば、秋に葉っぱを落とし、じっと春を待つ木々もあるのが、この厳寒の時期です。
詩人であり、書家としても有名な相田みつをさんは、このような冬の時期を次のように詠っています。
巖 寒
相田みつを
樹木が余分なものを捨てる季節
樹木が孤独に輝く季節
樹木が黙って根を張る季節
そして1年の中で 樹木が最も充実する季節
梅は、この時期に寒さに耐えてじっと咲くからこそ、初夏にあのみずみずしい緑の実をつけることができ
るのでしょう。また、木々は、このような寒さの中、葉を落としてじっと耐えるからこそ、春に眩しいほど
の若葉をつけることができるのでしょう。
2月になると南の地方からプロ野球のキャンプインのたよりが聞
かれるようになります。しかし、プロ野球の選手たちは、この2月から動きはじめるのではなく、それに向
けて寒さの厳しい1月、
いや12月から見えないところで準備を進めています。
春の始動に向けての準備は、
姿の見えない冬から始まっているのです。この冬の時期にしっかりと基礎を固め、力を蓄えておかないと、
春によいスタートが切れません。子どもたちの成長も同じことが言えます。寒さの厳しい冬だからこそ、こ
の厳しい寒さに立ち向かい、次へのステップ、つまり次学年への進級に向けて基礎を固め、力を蓄えていか
なくてはいけないのです。この時期に寒さに負けて縮こまっていては、春によいスタートが切れません。
各学年での活動も残り2か月となりました。進級への準備としてのこの冬から春にかけての時期、子ども
たちの活動がより充実したものになるよう、教職員一同気を引き締めて、子どもたちの成長を後押ししてい
きたいと思います。