東京都立翔陽高等学校 10 期生 年次通信 平成27年11月28日 No.10修学旅行特集号 高校生活最大の行事である「グアム修学旅行」実施される! 翔陽高校では,学校経営の3本柱の一つに「国際理解教育」を掲げ,入学時よりさまざまな活動に取り組んで きました。私たち10期生では,アメリカの高校生との交流や,八王子市在住の外国人・留学生との交流,オー ストラリアの高校生とのサッカー交流などを行いました。その集大成ともいうべき行事が, 「グアム修学旅行」で す。去る11月3日(祝・火)~6日(金)の3泊4日,私たちは一生の思い出に残る,大変有意義な時間を過ごすこ とができました。記念すべき第10号である今号の『天を翔る』は, 「修学旅行特集号」と題して,10期生グア ム修学旅行を,紙面の許す限りお伝えしていこうと思います。今一度,思い出に浸ってみよう! 第一日目 11月3日(祝・火) 日常生活語学体験および平和学習講話 ユナイテッド航空827便でグアム国際空港に降り立った私たちは,現地のスーパーマーケットにて買い物体験 を行いました。英語が通じるかどうかドキドキしながらの買い物でしたが,無事,お水やホテルで食べるお菓子な どを購入。ホテル「レオパレスリゾート・グアム」の豪華さに驚く間もなく,Gumataotao さんによる平和学習講 話が実施されました。旧日本軍がグアムを占領した時のこと,米軍が奪還した時のこと,そしてこれまでの人生を 通じて,皆さんに伝えたいことなど,多種多様なお話を聞くことができました。 第二日目 11月4日(水) 学校交流および平和の誓い,異文化体験学習 この修学旅行のメインである「公立オコド高校」との交流が行われました。この日のために準備した「日本文化の紹 介」をはじめ,有志による出し物など,大好評にて終了しました。「英語が通じる!」といううれしさと,「もっと勉 強しておけばよかった…」という悔しさが入り混じる学校交流でした。ジーゴ南太平洋戦没者慰霊公苑では,準備し ていった千羽鶴と,平和への誓いの言葉を寄せ書きした色紙を奉納しました。クラス代表の「平和への誓い」も堂々 たるものでした。タモン地区の観光を経て,夜は,「チャモロビレッジ」にて,現地の文化を体験しました。 12~1月 今後の予定 12月 2日(水) 第三日目 11月5日(木) 平和・歴史学習とコース別研修 太平洋戦争国立歴史公園・太平洋戦争記念館・アサン展望台と,日米の激戦 6 小論文講演会 の地を巡りました。我々の先祖が戦った戦争と,グアムの人々とのことを考え 3日(木)~9日(水)後期中間考査 る良い機会となりました。午後は,各コース(アンダーウォーターワールド・ 12日(土) フィッシュアイ・オーシャンジェットクラブ・リティディアンビーチ)に分か 土曜授業 14日(月)~22日(火) れて研修を実施しました。どのコースも特徴的で有意義なものになりました。 短縮時程・面談週間 15日(火)1~4 留学生が先生 16日(水) ホテルでの夕食時に,ポリネシアンダンスショーを鑑賞して,大盛り上がりと なりました。 5 G-TEC② 6 小論文模試 17日(木)2~4 大学出張講義 成績連絡会 22日(火) 進路講演会 24日(木) 生徒総会 25日(金) 授業終了 26日(土)~1月7日(木) 冬期休業日 1月 第四日目 11月6日(金) 島内見学,そして帰京へ 最終日は,アプガン砦・スペイン広場のスペイン統治時代の名所を巡ったあ 8日(金) 授業開始 冬期課題テスト 9日(土) 土曜授業 と,恋人岬を訪れました。マイクロネシアモールで昼食・買い物タイムのあと, グアム空港へ。ここでなんと搭乗機(UA873便)が90分程度遅延するとい うハプニングが!帰宅は夜中となりました…。 2年次保護者会 16日(土)~17日(日) センター試験同日模試 20日(水) 56 進路講演会 23日(土) 土曜授業 26日(火)~27日(水) 都立高校推薦入試 代表生徒(3名)による「平和の誓い」その1 私はグアムでの戦争について調べました。グアムは第二次世界大戦において重要な拠点で,激戦地でした。それによ ってたくさんの日本兵が被弾や餓死,自決などで亡くなりました。私はこの事実を知った時,戦争の残酷さを痛感しま した。戦争において,兵士はまるで道具のように扱われます。しかし,それぞれの兵士には,家族がいて,その人たち にとっては代わりなどいません。そう思った時,胸が痛くなり悲しさでいっぱいになりました。今日本は平和です。こ の平和を作り上げたのは,戦争で犠牲になった多くの方々による,日本の平和な未来を願った強い思いです。この平和 を守り続けていくために,今自分たちにできること…それは戦争がいかに悲惨なもので,お互いを傷つけてしまうもの だということを,後世に伝えることだと思います。戦争を繰り返してはいけません。 10期生の学習の試みを紹介します。 その1 「グアム修学旅行へむけて」の作文から ・単に観光目的で行くのではなく,現地の人やオコド高校の生徒との交流と平和を学ぶための修学旅行だと思うので, 楽しむだけでなく現地でしか学べないことをしっかりと吸収してきたいと思います。特にオコド高校の生徒との交流 は、現地の人としっかり交流できるまたとない機会だと思います。だから恥ずかしがらず,たくさん会話できるよう に,また相手にもてなしてもらうだけではなく,こちらからも日本の文化等をたくさん紹介して,日本のことを知っ てもらえるようにしたいです。 ・はじめは「学校の行事だから行く」という事務的な感情が大きかったのですが,この修学旅行のために色々な準備をし ていくにつれて,「グアムのこともっと知りたい!」「グアムの歴史には日本がすごく関わっているけど,どんな感じに 関わっているのだろう?」など,興味や疑問を持つようになりました。この機会を無駄なく,実りある 4 日間にしたい です。 ・海外に行くこと,そのものに価値があると思っています。チップを払ったり,バスが正確に運行されなかったり,お 釣りの返し方が特殊であったりするなど,準備する段階でさまざまな驚きがありました。日本の当たり前や常識は通 用しないのだと感じました。グアムでは「日本との違い」を実感し,その「違い」を知ることによって,我が国の良さを 再認識できる貴重な機会になると思います。 ・小中学校の修学旅行といえば,集合場所は学校で,バスで現地まで連れて行ってもらうという形でした。予定や準備 するものなど細かく指示され,用意も親に手伝ってもらっている状態でした。しかし高校での修学旅行は今までより 断然,自分で判断しなければならない部分が大きいと感じ,意識して進めてきました。 ・修学旅行中は周りの人に頼りきりにならずに,自分で判断し行動に責任を持てるようしていきたいと思います。また グアムという歴史の深い土地で,太平洋戦争における「日本では知ることができないこと」を少しでも知ることができ ればと考えています。海外というハードルは高いですが,自分で満足できる修学旅行にしたいです。 ・学校行事としては珍しい海外への進出は,国際化が進む近年の社会に対応するためのものであり,英語習得の為であ るのはもちろん,日本とは異なる文化へ慣れることが最終的な目的です。旅行先での行動は異文化理解の大きな手助 けになる,という事を常に念頭に置いて,ただ無駄に時間を過ごすことの無いよう自制することです。恐らく人生で 唯一無二となる海外への修学旅行,グアムの人には日本文化の魅力を最大限伝え,またグアムの人からはチャモロ文 化をしっかり学べるように努めたいです。 ・一年生の一年間,国際交流の係を務めましたが,そのときは,そもそも何のためにやっているのか分からず,あまり 協力を得られませんでした。ですが二年生になり皆が協力して動いているのを感じて本当に修学旅行が近くなったの だと私自身も真剣に取り組みました。もし行く場所がグアムでなかったら知ることのできなかった戦争の歴史や異文 化を,今まで学習したことを活かして学んできたいと思います。ショッピングやグアムの自然を見ることもとても楽 しみです。特にオコド高校の生徒の方との交流はとても楽しみなので,たくさんの話をしたいと思っています。 代表生徒(3名)による「平和の誓い」その2 8月15日で戦後70年を迎えました。私たちは今までに戦争については,学校で教わったり,テレビ番組を通じて 知ったりしていました。私の曽祖父はおなかが弱く,戦時中に乗るはずだった船に乗り損ねてしまったことがあります。 その後,その船は敵から攻撃され沈没しました。もしあのとき船に乗っていたら今ここに私はいません。様々な偶然が 重なって未来が作られているということです。しかも,私たちが知っている戦争は部分的なものです。学校の教科書に は戦争についての全てが載っているわけでなく,テレビも全てを放送してくれるわけではありません。戦争を体験した ことのない私たちは,むしろ,実際に体験していないからこそ,戦争について自分から知ろうとし, “平和とは何か”を 考えなくてはなりません。そして戦争を体験した方々の伝えようとしている思いを受け取り,平和な未来を守り続ける 必要があります。 10期生の学習の試みを紹介します。 その2 「グアム修学旅行を終えて」の作文から ・4 日間たくさんの場所を訪問して分かったのは,日本はすごく清潔で綺麗だということです。日常生活の送りやすさ は日本にかなう所はないなと感じました。ですがグアムは日本と違い,人が本当にだれでもあたたかく,コミュニケ ーションが取りやすくて,一言二言の会話でもとても楽しかったです。 ・現地で食べたラーメンやアイスクリームは,残念ながら自分の口には合いませんでした。その分日本食の奥ゆかしい 味わいを再認識することができました。また正確な会計,手際の良い接客など,日本の常識や日本での当たり前は全 く通じない点について,最初は本当に戸惑いました。良い意味であのぐらいの心の余裕が日本人には必要ではないか と感じました。 ・オコドの高校生と生の英語で接するのは根気が必要で,とても一人では厳しいものでした。ボキャブラリーのなさを 痛感しました。クラスメートの助けを得て充実した楽しい交流となりました。英語と仲間は国境を超えると感じまし た。もっと英語を勉強し,レベルアップさせた語学を武器に,もう一度海外へ行きたいと思いました。 ・英語の必要性を知りました。日本の安全性・食生活・マナー等は改めて我が国の誇れる部分だと分かりました。事前 学習で学んだ事に加えて,現地の人から直接話を聞いたり,その場所に訪れたり,意味ある時間となりました。また クラス全体・学年全体の団結力が高まった気がしました。より良い関係を築くことができたと思います。 ・言葉は、全く伝わらない訳ではなかったです。現地の人もある程度日本語が喋れる人が多くて助かりましたが,もっ と英語の会話力があると,オコド高校の人との交流でもっと深く交流できたと思います。 ・バスの席を色々な人と座ったり,一緒に見学地をまわったり,笑い合ったり,ご飯を食べたりトランプをしたりなど, 友達とかかわる機会が多くすごく大切な忘れられない思い出ができたと思います。 ・日本とグアムの大きな違い,逆に同じ所がたくさん分かりました。思っていたよりも別世界という感じではなかった です。グアムに行けて良かった。 ・実際に海外に行くことで外国の方と英語を使ってやりとりをして,どうすれば伝わるのかを自分で考え言葉にするこ とができた。英語を使うことに大きな不安を抱えていたが,伝えようとすることが大切だと気づいた。 ・こんな素敵な地が数十年前には戦争の地だったなんて考えられなかった。今こうやって日本とグアムがお互い旅行な どができる関係になって良かったなと思った。 ・普段あまり話さない人とも話すことができたし,英語が分からない時にお互いに助け合うこともできて良かったです。 事前の準備ではみんなで協力して千羽鶴を折ったのが楽しかったし良い思い出です。 ・とても充実した4日間。たとえ言葉が通じなくても,魂で感情を出せば,相手と対話することができた。一生の思い 出になりました。 代表生徒(3名)による「平和の誓い」その3 私は戦争を体験したことがなく,授業で話を聞くことで戦争について理解しているつもりでした。しかし事前学習のビ デオを見たとき,それは間違いだと気づきました。一緒に命をかけて戦った仲間ですら疑ってしまうようになるという ことに衝撃をうけ,戦争の残酷さを痛感しました。私は今,何不自由なく生活しています。たわいのない話をする友達 や,家に帰れば温かいご飯や迎えてくれる家族がいます。そんな生活がある日突然なくなってしまうなんて全く想像が できません。しかしグアムで戦った日本兵の方々は家族や大事な人々と離れ離れにされました。そして二度と日本に帰 ることなく戦死していった方々もたくさんいました。それがどんなに辛くて苦しいことだったかと思うとただただ悲し い気持ちになります。私はこのような悲しい思いをする人たちを二度と増やしたくありません。私たちはみんなが悲し むことなく,笑顔で安心して暮らせる世界を作る努力をしていくことを誓います。
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