Title A Randomized Controlled Non-inferiority Study Comparing the Antiemetic Effect between Intravenous Granisetron and Oral Azasetron Based on Estimated 5-HT3 Receptor Occupancy( 内容 と審査の要旨(Summary) ) Author(s) 遠渡, 純輝 Report No.(Doctoral Degree) 博士(医学) 甲第972号 Issue Date 2015-03-25 Type 博士論文 Version none URL http://repository.lib.gifu-u.ac.jp/handle/123456789/51046 ※この資料の著作権は、各資料の著者・学協会・出版社等に帰属します。 [ 氏名(本籍) 遠 渡 純 学位の種類 博 士(医学) 学位授与番号 甲第 学位授与日付 平成 輝(岐阜県) 学位授与要件 学位規則第4条第1項該当 学位論文題目 A 972 27 ] 号 3 年 Randomized 月 25 日 Controlled Non-inferiority Study Comparing the Antiemetic Effect between Intravenous Granisetron and Oral Azasetron Based on Estimated 5-HT3 Receptor Occupancy 審 査 委 員 (主査)教授 清 島 満 (副査)教授 長 岡 仁 教授 出 口 隆 論文内容の要旨 現在,5-HT3 拮抗薬は癌化学療法時に出現する悪心・嘔吐を予防する目的で標準的に使用されて おり,支持療法のガイドライン各種でも推奨されているが,5-HT3 拮抗薬の投与量についての詳 細な言及はない。今回申請者らは,制吐効果ならびに 5-HT3 受容体占有率の観点から,国内承 認投与量の経口アザセトロンと静注グラニセトロンについて化学療法後に発症する悪心・嘔吐 への予防効果を比較した。 【対象と方法】 既報の薬物血行動態的解析を参考に 5-HT3 拮抗薬の血中濃度と受容体結合定数を推定し 5-HT3 受容体占有率を算出した。2010 年 11 月から 2012 年 4 月までにカルボプラチンを含む初回化学 療法を施行した肺癌患者 105 例について,経口アザセトロン群と静注グラニセトロン群に無作 為に割り付け,両群の制吐作用を比較し経口アザセトロンの非劣勢を証明する比較試験を行っ た。 【結果】 5-HT3 受容体占有率について アザセトロンは経口・経静脈投与いずれも 10mg を投与した場合に 24 時間後に経口 80%,静注 85%の 5-HT3 受容体占有率を示した。これは他の第一世代 5-HT3 拮抗薬数種との比較でも最も高 い数値を示していた。一方グラニセトロンは経口 2mg,静注 3mg を投与後 24 時間で経口では 65%, 静注では 70%の受容体占有率であった。 制吐作用について 経口アザセトロン投与群 53 例と静注グラニセトロン投与群 52 例であり両群の患者背景に有意 な差は認められなかった。化学療法後 24 時間の悪心・嘔吐について Complete response rate は経口アザセトロン群で 98.11% (52/53),静注グラニセトロン群で 98.08% (51/52)。Risk difference は 0.0004(95% confidence interval, CI-0.0519-0.0527)であり統計学的に非劣勢 を証明するものであった。また化学療法後 120 時間の悪心・嘔吐の Complete response rate は経口アザセトロン 67.9%,静注グラニセトロン群で 67.3%であり,遅発期の悪心・嘔吐につい ても両剤は同等の効果を示した。 また便秘や血液毒性といった化学療法の副作用の発現についても検討したが両群間の有意な差 は認められなかった。 【考察】 中等度以上の催吐リスクを有する化学療法時の悪心・嘔吐の予防目的で 5-HT3 拮抗薬を用い る際に経口アザセトロンの選択は妥当と考えられる。国内で承認された投与量で高いレベルの 受容体占有率を示しており,実際の投与例においてもこれまで汎用されてきた静注グラニセト ロンと比較して効果および安全性は同等であった。現時点では費用対効果にも優れており,ま た経口剤の使用は化学療法時の点滴の総投与時間の短縮にも寄与するという点で注目に値する。 【結論】 中等度以上の催吐リスクを有する化学療法時の悪心・嘔吐の予防効果について肺癌症例の実 臨床での使用を検討し,経口アザセトロンの静注グラニセトロンに対する非劣勢を確認した。 本研究は肺癌治療ならびに化学療法時における悪心,嘔吐制御に貢献できると考えられる。 論文審査の結果の要旨 申請者 遠渡純輝は化学療法を施行した肺癌患者において,5-HT3 拮抗薬である経口アザセトロ ンと静注グラニセトロンの悪心・嘔吐予防効果について比較検討した。経口アザセトロンは高い 5-HT3 受容体占有率を示し,予防効果の点で静注グラニセトロンに対する非劣勢を証明した。本研 究の成果は呼吸器病学および肺癌の化学療法学の進歩に少なからず寄与するものと認める。 [主論文公表誌] JUNKI ENDO, HIROTOSHI IIHARA, MAYA YAMADA, KOUMEI YANASE, FUMIHIKO KAMIYA,FUMITAKA ITO, NORIHIKO FUNAGUCHI, YASUSHI OHNO, SHINYA MINATOGUCHI and YOSHINORI ITOH : A Randomized Controlled Non-inferiority Study Comparing the Antiemetic Effect between Intravenous Granisetron and Oral Azasetron Based on Estimated 5-HT3 Receptor Occupancy Anticancer Research 32,3939-3948(2012).
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