平成27年3月20日発行 栃木県立がんセンター(Tochigi Cancer Center) ※当センターは(公財)日本医療機能評価機構による病院機能評価の認定を取得しています 第26号 基本理念 学問に裏づけられた 最高 の技術を 愛の心で 県民 の皆様に提供します。 基本方針 1.患者さんの権利を尊重 し、相互の理解のもとに 診療をすすめます。 2.病院スタッフのチーム ワークにより、県民のた めの最良のがん医療を実 践します。 3.がん診療の拠点病院と して、病診連携を重視し、 新しい医療の開発に努め ます。 4.県民と「がん」を語る病 院をめざします。 がん看護研修について 看護部長 池 沢 け い 平成19年にがん対策基本法が制定されまもなく10年目を迎えます。平成24年に計画の見直し が行われ、超高齢化に向かって今後は緩和ケアや在宅医療の整備が最重要課題になっています。 そのためには拠点病院だけではなく地域の医療連携が重要なのは言うまでもありません。 当センターは栃木県のがん診療連携拠点病院です。基本法制定から今日まで、市民公開講座や オープンキャンパスなど、様々なイベントを開催してき ました。看護部ではシルバー大学3校の講義を始め、2年 前からは認定看護師を中心に地域医療従事者を対象に、 研修を行い地域の看護のレベルアップに努めています。 また、県庁で行われているふれあい直売所に年2回参加 し、住民対象に健康相談やがん検診受診率を高めるため の活動を行っています。 今号ではその一部、県内の医療従事者に向けて実施し ているがん看護研修会と化学療法部で行っているアピア ふれあい直売所参加風景 ランスケア支援について御紹介したいと思います。 がん看護研修会報告 乳がん看護認定看護師 上 野 知 子 平成25年より、年2回認定看護師が中心となり臨床実践に活用できるテーマを取り上げ、看護 研修会を開催しています。この研修会の目的は1)県内のがん診療に携わる医療従事者が、がん の治療とケアの知識を深めることでがん看護の質の向上と均てん化を図る2)研修会を通し各施 設とのコミュニケーションが円滑になることでのスムーズな地域連携の2点です。がんセンター が連携している406施設や訪問看護ステーションの看護 師、コメディカルを対象とし、講師は当センターの職員 が努め、会場はセンター内の講堂で行っています。 これまで4回開催し合計263名の方にご参加を頂き、 盛況に開催することができました。中には複数回参加さ れている方もいます。講義は、がん治療に関する最新の 情報とケア方法など、参加された方が各施設に戻りすぐ に実践で活用できる内容としています(詳細は、次ペー ジの「開催状況」を御参照ください)。 研修会風景 目 ◆がん看護研修会について …………………………… 1, 2 ◆アピアランスケア支援について ……………………… 2 次 ◆放射線治療の推進に関する研修等ついて …………… 3 ◆外来診療のご案内・交通のご案内 …………………… 4 1 がん看護研修会開催状況 開催年月日 テ ー マ 参加人数 第1回 H25.10.26(土) 緩和ケアの基本を学ぶ −緩和ケアにおける看護について考える− 69名 第2回 H26.2.1(土) 緩和ケアの基本を学ぶ −がん患者の終末期をどう支えるか− 71名 第3回 H26.7.5(土) がんと栄養 46名 第4回 H26.11.8(土) リンパ浮腫 77名 昨年度は緩和ケアに焦点をあて、1回目は緩和ケアに対する基本的な考え方、2回目は基本的 な考え方を基にした終末期の放射線や薬物による疼痛コントロール、スキンケアについて行いま した。3回目はがん患者の栄養管理についてNSTチームの活動を通し、臨床の場で行っている支 援方法や考え方を学んでいただきました。また患者さんが摂取されている栄養補助食品を知って いただくために試食体験も行いました。4回目の「リンパ浮腫」では、リンパ管吻合術の紹介や シンプルリンパドレナージの実技指導の他、圧迫療法で使用する包帯・弾性着衣を展示し特徴や 選択方法など見本品を見て頂きながら紹介しました。 研修会終了後のアンケート結果から、テーマについて は94%の方が満足、96%の方が今後の業務に役立つ、 92%の方が研修会の継続を希望するとの評価を頂きまし た。今後のテーマに対しても「口腔ケア」「せん妄」な ど様々な要望を頂いています。今後は参加者とのディス カッションを行いがん看護についての意見交換も行いた いと考えています。皆様から頂いた貴重なご意見を活か し、多くの皆様に満足していただける研修会を企画した いと考えております。 リンパドレナージ実技 ※お問い合わせ先:看護部 TEL:028-658-5151(代) アピアランスケア(外観の変化に対するケア)支援について がん化学療法看護認定看護師 松 本 幸 絵 化学療法を受ける患者さんは、副作用で脱毛が起こ る場合があります。脱毛は頭皮以外に、眉毛やまつ毛 など体毛全体に起こり、外見の変化は患者さんに大き なストレスを与えます。 そこで、患者さんのストレスを少しでも和らげる手 助けができればと考え、2012年からメイク研修会を始 めました。外来化学療法センターの一角を使い、3人の 認定看護師と美容師が担当し、交代で行っています。 所要時間は90分で、内容は顔色を良く見せるメイクや 眉の描き方、つけまつ毛の使用方法などです。 参加された方には「眉が描けるようになった」「外 出が楽しみ」と好評です。2014年から内容を頭皮や皮 膚・爪のケアに拡大しました。今後も患者さんが自分 らしく日常生活が送れるよう、サポートしていきたい と考えています。 参加費は無料、他の病院で治療を受けている方も参 加可能です。 ※お問い合わせ先: 化学療法部 TEL:028-658-5151(代) 2 元気に見せるメイクをレッスン中! 脱毛すると眉をかく目印が分からない! でも、講師が考案したキットを使えば、 簡単・上手に眉をかくことができます! 放射線治療の推進に関する研修等について 放射線技術部長 浅 賀 昭 彦 当センターではがん診療連携拠点病院の要件として、放射線治療の推進に関する研修を行って います。県内の放射線治療施設は10施設あり、その全ての医療従事者を対象とした研修になり ます。 この研修会は平成23年から開始され合計4回開催されました。詳細は以下のとおりです。 放射線治療の推進に関する研修等開催状況 開催年月日 テ ー マ 第1回 H23.9.10(土) ① 講演「乳房温存療法の術後照射における短期全乳房照射について」 獨協医科大学越谷病院 放射線科教授 野崎 美和子 先生 ② ミニレクチャー 「乳がんの放射線治療 ∼診療放射線技師の立場から∼」 栃木県立がんセンター 放射線技術部主任 伊藤 憲一 「照射中の皮膚ケアについて」 栃木県立がんセンター 看護部副師長 松澤 千恵子 第2回 H24.9.15(土) ① 講演「放射線治療における品質管理―世界の報告に基づいて―」 名古屋大学 准教授 小口 宏 先生 ② ミニレクチャー 「安全な放射線治療―診療放射線技師の立場から―」 栃木県立がんセンター 放射線技術部主任 伊藤 憲一 「安全な放射線治療―看護師の立場から―」 栃木県立がんセンター 看護部副師長 松澤 千恵子 第3回 H25.9.21(土) ① 講演「チーム医療におけるコミュニケーション」 栃木県立がんセンター 医療連携課 臨床心理士 丸山 睦 ② ミニレクチャー 「皮膚ケアのポイント」 栃木県立がんセンター 看護部副師長 松澤 千恵子 「放射線治療の安全と質の向上」 栃木県立がんセンター 放射線技術部主任 伊藤 憲一 第4回 H26.9.6(土) ① 講演「放射線治療における具体的な業務改善∼ニアミスの原因分析と対策∼」 栃木県立がんセンター 放射線技術部主任 伊藤 憲一 ② ミニレクチャー 「肌に優しい放射線治療マーカーの使用経験」 栃木県立がんセンター 放射線技術部主任 佐藤 宏 「IMRT患者の副作用対策∼日常生活面の指導の見直し∼」 栃木県立がんセンター 看護部副師長 松澤 千恵子 参加人数 33人 28人 42人 26人 参加者は医師、看護師、診療放射線技師で特に診療放射線技師の参加が目立ちました。放射線 治療にかかわる職種からさまざまな問題提起や意見が出され、お互いを理解する上で非常に有意 義な研修となっています。 がんセンターの強化事業として、平成26年7月に放射線治療技術の均てん化を目的とした研 修会を開催しましたので併せてご紹介いたします。県内 の放射線治療に従事する診療放射線技師を対象とした研 修会で「直線加速器の幾何学的QA/QCの実際」をテー マとして開催しました。実際の放射線治療装置を使って の研修で、参加人数が24名と予定の10名を大幅に超え たため2台の装置を用いての研修となりました。実機に 触れる事によって装置の精度管理がより理解することが でき、参加者からは非常に好評でした。県内の放射線治 療施設のほぼ全施設から参加をいただき、今後も施設と の連携を深めながら治療技術の向上のために活動を進め 放射線治療装置による研修 て行く予定です。 3 交通のご案内 外来診療のご案内 ※【午後】の表示以外はすべて午前の診察になります。 変更になる場合がありますので事前にご確認ください。 診療科 血液内科 月 火 水 木 金 和泉 透 松山智洋 目黒明子 山本千鶴 和泉 透 松山智洋 加納康彦【午後】 富永慶晤 内 科 ●JR宇都宮駅西口から関東バス「江曽島 行」で「がんセンター前」下車。 徒歩1分(約25分) (肺・循環器他) 糖尿病・がんスクーリング 消化器内科 小西 潤 小西 潤 (胃・腸) (胃・腸) 笠井 尚 杉山智英 呼吸器内科 東武宇都宮線 菱沼正一 小林 望 今野真己 (胃・腸) (胃・腸) 神山由香理 笠井 尚 笠井 尚 中原理恵 松隈治久 鈴木晴子 中原理恵 松隈治久 鈴木晴子 呼吸器外科 【午後】 外 科 消化器外科 乳 腺 外 科 ) 清水秀昭 藤田 伸 富川盛啓 北村東介 小山靖夫 (食道・胃・他) (大腸・他) (胆・膵他) (乳腺・他) (大腸・他) 矢野健太郎 固武健二郎 小澤平太 固武健二郎 稲田高男 (乳腺・他) (大腸・他) (大腸・他) (大腸・他) (胃・他) 安藤二郎 尾形佳郎 稲田高男 安藤二郎 菱沼正一 (乳腺・他) (肝・胆・膵他) (胃・他) (乳腺・他) (膵・胆他) 白川博文 松下尚之 原尾美智子 北村東介 尾澤 巌 (乳腺・他) (肝・胆他) 原尾美智子 吉澤浩次 (乳腺・他) (肝・胆・膵他) (食道・胃・他) 和田 治 ●江曽島駅東口から関東バス「JR宇都宮駅 行」で「がんセンター前」下車。 徒歩1分(約5分) 東北自動車道 神山由香理 禁煙サポート (緑の外来) ( JR宇都宮線 (平成27年3月1日現在) ●鹿沼インターチェンジから宇都宮方面へ向 かい、滝谷町交差点を右折南進し、JR陸 橋を越え3つ目の信号を左折(約20分) ●鹿沼インターチェンジから宇都宮方面へ向 かい、宮環鶴田陸橋を右折。下砥上アンダ ーに入ってすぐ江曽島方面へ左折し7つ目 の信号を左折(約20分) (乳腺・他) 至日光 海藤章郎 安藤二郎 森谷弘乃介 矢野健太郎 国 道 119 号 【午後】 (乳腺・他) 【午後】 (大腸・他) 【午後】 (乳腺・他) 菅家大介 【午後】 (乳腺) 外 科 (消化器初診) 肝がん予防外来 尾澤 巌 又は 清水秀昭 固武健二郎 菱沼正一 尾澤 巌 又は 清水秀昭 稲田高男 【午後】 【午後】 【午後】 【午後】 【午後】 川島清隆 荒井啓暢 中西公司【午後】 鎌田裕之 関口 勲 泌尿器科 婦 人 科 尾澤 巌 川島清隆 後藤健太郎 後藤健太郎【午後】 川島清隆 荒井啓暢 鎌田裕之 関口 勲 鎌田裕之 関口 勲 植木敬介 (偶数週) 脳神経外科 宇塚岳夫 (奇数週) 至那須塩原 鶴宮 田環 至 陸 東 橋 北 自 動 車 道 ・ 宇 鹿 都 沼 宮 I 環 C 状 ※2 菅野康吉【午後】 竹内克仁 固武健二郎 大塚恵理 山中康弘 割田悦子 行澤斉悟 片野 進 山中康弘 腫瘍内科 片野 進 竹内克仁 博 物 館 滝谷町 交差点 行澤斉悟 山中康弘 割田悦子 井上浩一 井上浩一 山本孝信 JR 宇 都 宮 駅 市役所 文化会館 不動前 南宇都宮駅 線 ア下 ン砥 ダ上 ー 4号 国道 セが ンん タ ー バス停 大塚恵理 山中康弘 割田悦子 行澤斉悟 井上浩一 田 川 宇東 都武 宮 駅 JR日光線 ※1 ストーマ相談 ホテル・ザ・セントレ宇都宮 至 大 谷 粕田晴之 麻酔科ペインクリニック 頭 頸 科 がん予防・遺伝カウンセリング 骨軟部腫瘍科 放射線治療科 放射線科(IVR) 鈴木友宜【午後】松井孝至【午後】 三宅 智 鈴木友宜【午後】 島田宣弘【午後】 緩和ケア科 県 庁 【午後】 (乳腺)【午後】 (大腸・他) 【午後】 (食道・胃・他) 江曽島駅 東武 宇都宮線 至栃木 川 田 入 口 J R 東 北 新 幹 線 J R 宇 都 宮 線 至小山 ※1 頭頸科 第1∼第3 長友 第4∼第5 高野澤 ※2 頭頸科 第1 小林 第2 橋本 第3 槙 第4 宮崎 初診・再診ともに予約制です。予約センターに お電話のうえ、受診日をご予約下さい。 ※セカンドオピニオン外来(午後のみ) 消 化 器 月 火 水 木 金 清水秀昭 菱沼正一 菱沼正一 固武健二郎 尾澤 巌 (主に大腸) (主に肝) ◇予約センター TEL 028(658)5012(直通) 平日 AM 8:30∼PM 4:30 松山智洋 和泉 透 がんに関するご相談 (主に食道) (第2週のみ、主に胆・膵) (主に胆・膵) 尾澤 巌 (主に肝) 血 呼 液 吸 器 (第2週、 第4週)(第1週、 第3週) 神山由香里 笠井 尚 杉山智英 (担当医は週替わり) 婦 人 鎌田裕之 関口 勲 科 (担当医は週替わり) 乳 泌 尿 総 腺 器 合 安藤二郎 川島清隆 小山靖夫 (第2火曜日を除く) がんセンターだより 第26号 平成27年3月20日 発行 栃木県立がんセンター 4 ◇がん相談支援センター TEL 028(658)6484(直通) 平日 AM 8:30∼PM 5:15 医療機関からの病診連携に関するお問い合わせ ◇医療連携課 TEL 028(611)5503(直通) 平日 AM 8:30∼PM 5:15 〒320−0834 栃木県宇都宮市陽南4−9−13 電 話 028(658)5151(代) FAX 028(658)5669 ホームページ http://www.tcc.pref.tochigi.lg.jp/
© Copyright 2024 ExpyDoc