岩倉市立岩倉北小学校PTA - 愛知県小中学校PTA連絡協議会

家庭教育力の強化を図る
『北っ子』の笑顔あふれる活動を支えるPTA活動
― 学校・家庭・地域の連携を深める活動を通して ―
岩倉市立岩倉北小学校PTA
1
はじめに
本校は明治6年創立、本年度 141 年目を迎えた児童数 801 人、学級数 25(内
特別支援学級2)、PTA会員数 605
名の大規模校であり、岩倉市の北側
中心部に位置している。岩倉市は名
古屋駅まで特急で 10 分と利便性に
優れ、近年都市化が進んでおり、人
口は 47,577 人(7月1日現在)で
はあるが、人口密度は名古屋市に次
いで県内2番目に高い状況である。
地域の学校教育への関心は高く、
家庭・地域の協力に支えられ、日々
【開校 140 周年記念航空写真】
教育活動に取り組んでいる。
2 研究への取組
(1)研究のねらい
子どもを取り巻く社会的な環境が著しく変化している中、子どもの健全
育成を目指すには、学校における指導のみでは十分なものにはなり得ない。
学校・家庭・地域との連携・協力による指導が不可欠であり、相互理解も
極めて重要である。
そこで、PTAが学校・家庭・地域の連携を深める活動を充実し、相互
の共通理解を図り、子どもが笑顔あふれる学校生活を送る中で、心身とも
に健全に成長していくことを目指し、既存の活動にさらなる改善を進め、
研究に取り組んだ。
(2)PTAの組織・各委員会の活動
委
各
員
委
文化
員
総
会
会
会
役員 常任委員会
総
広報
生活
厚生
・新聞・広報誌づくり講習会
・アルミ缶回収
・「いわきた」発行(年3回)
・救急法講習会
・文化講座
・教育講演会
・プール当番
・夏休み清掃活動
・奉仕活動
・岩倉中学校区
・通学路点検
・学校保健委員会
・こども110番
・セルフガード教室
・ベルマーク・インクカートリッジ集計
・ベルマーク講習会
・給食試食会
地区懇談会
・運動会PTA
種目運営
・かわら版作成
3 実践活動の概要
(1)給食試食会
1年生の保護者および転入児童の保護者を対象にした「給食試食会」を
6月に2日間開催している。はじめに、本校の給食担当者から、学校での
給食指導についての紹介後、市給食センターよりセンター長、栄養教諭、
栄養士をお招きし、岩倉市立学校給食セ
ンターの基本方針、給食施設の状況、学
校給食の目標、本日の献立内容等につい
て、説明をいただいている。
その後、1年生の給食の配膳、給食の
様子を参観したのち、児童と同じメニュ
ーの給食を試食し、給食指導への理解を
深めている。家庭と学校が連携して、食
育に力を入れていかなければならないこ
【学校給食の説明・給食見学】
とを再確認する場となっている。
(2)プール開放と救急法講習会
本校では夏季休業期間中にプール開放を行っている。平成 26 年度は 17
日間実施し、7月は午前午後の2部制、8月は午前のみの1部制で実施し
た。市民プールの閉鎖もあり、子どもたちは学校でのプール開放を大変楽
しみにしており、毎回多くの児童が来校
し、泳力向上をめざして各種泳法を練習
したり、遊泳を楽しんだりしている。
当日のプール開放にかかわる運営(準
備・受付・監視・片付)については、教
職員4名とPTA2名で行っている。
子どもたちの命を守るために、運営に
携わる全PTA委員が救急法講習会を受
講することは極めて重要である。7月の
【プール開放・救急法講習会】
PTA委員総会の後、引き続き実施し、
人工呼吸、心臓マッサージ、AEDの使用について、岩倉市消防署より講
師をお招きし、実技講習を行っている。
これらの活動を通して、全PTA会員が子どもたちの安心・安全を守る
ことに対する意識が大変高まっている。
(3)岩倉中学校区地区懇談会
岩倉市生徒指導推進協議会と連携し、岩倉中学校区地区懇談会を8月末
に開催している。児童生徒の健やかな成長や安全確保のために、小中学校
の教師・保護者・地域住民や市の行政が共に、共通の話題で情報交換・意
見交換を行っている。本年度は「学校がいきるため、学校・家庭・地域の
確かな信頼関係を築く」の共通テーマのもと、3つの分科会を設置し、3
つの小学校PTAでその運営を担当した。
本校PTAでは、チャイルドラインあ
いちの髙橋弘恵代表理事をお招きし、
「健
やかな子どもの成長を目指して ~電話
相談から見えてくる子どもの現状とその
対応~」と題して、電話相談から見えて
くる子どもの悩みとその対応について、
講演をしていただいた。講演の中で、子
どもの話を聞く際の対応の仕方について、
【ロールプレイ中の参加者】
ロールプレイを通して体験的に学ぶこと
もできた。
(4)学校保健委員会
7月と 11 月に開催される学校保健委員会に、PTA委員が毎年参加し、
会の運営とともに、子どもたちの健康な生活について意見交換等をしなが
ら、家庭での健康教育に関わる年少期か
らの重要性の意識を高めている。
平成 25 年度の 11 月に「歯みがきで歯
肉炎を予防しよう」のテーマで、4年生
とその保護者が参加する学校保健委員会
を開催した。寸劇等を取り入れ、歯科衛
生の重要性について意識を高めた後、学
校歯科医から専門的な指導をいただき、
理解を深めた。
平成 26 年度の7月に「本校児童の健康
状態について」のテーマで、引き続き、
歯科衛生について焦点をあて、学年主任、
PTA生活委員が協議を行った。学校と
家庭の連携による指導の重要性を再確認
し、今後のそれぞれの立場からの指導に
【歯みがきに関する協議】
ついて話し合った。
(5)運動会PTA種目
毎年の運動会では、午前の部の最終種
目として、PTA主催による競遊「お昼
だヨ!\全員集合/」
(親子でジェンカの
リズムに乗って「ジャンケン列車」)を行
っている。
9月当初のPTA委員総会前の時間を
活用し、全校練習にPTA学級委員がリ
ハーサルとして参加した。当日の運営・
進行についてもすべてPTAで行ってい
【ジャンケン列車での交流】
る。お昼の親子弁当前の種目でもあるこ
とから、多くの保護者が参加しやすく、子どもたちと保護者や日頃地域で
お世話になっている方々とが心ふれあう場ともなっている。
(6)アルミ缶回収
子どもたちの登校時間に、PTA生活
委員のあいさつ運動と合わせて、年間 13
回のアルミ缶回収をPTA主催で行って
いる。回収日前日には保護者へのメール
配信により、協力依頼している。
収益金は子どもたちの学習活動等に役
立つ物品の購入にあて、3月の朝会でP
TA会長より購入物品の授与を行ってい
る。
本年度より通年で回収の協力がいただ
【回収と購入物品授与式】
けるよう、校舎の各出入口に回収ボック
スを常設し、保護者への周知を図った。その結果、本年は授業参観など保
護者の来校時におけるアルミ缶の持参や、地域の方の回収への協力が増え
つつある。
アルミ缶回収を通して、リサイクルについて子どもたちへの関心を高め
るばかりでなく、保護者に対する環境保全の意識を高めることができた。
(7)こども 110 番・通学路点検
毎年、こども 110 番の家のお礼と継続・新設の依頼を行っている。本年
度も新たに5軒の申し出があり、138 軒の設置となった。また、5月末に
は、PTA広報誌かわら版を通して、通学路点検を依頼している。安全や
防犯上、気になる場所があれば、校外パトロール診断書に記入して報告を
いただいている。集約結果は、要望書という形で市役所に提出し、改善を
進めている。
本年度は、区長、本校職員、PTA役員、
江南警察署、愛知県一宮建設事務所、市役
所都市整備課、学校教育課、行政課ととも
に交通安全総点検に参加し、本校PTAが
提出した要望書を基に、通学路に関わる交
通上の安全点検を行い、危険箇所の改善を
図ることができた。
【交通安全総点検の実施】
4
おわりに
子どもの健全育成を目指す上で、学校・家庭・地域が共通理解を図り、協
力して指導に当たることが重要である。相互理解を深め、子どもたちに積極
的な働きかけを効果的に進めるのに、PTA活動の果たす役割は大きい。
今後も、PTA会員相互の連携ばかりでなく、学校・家庭・地域を積極的
につなぎ、連携を深めるPTA活動を展開し、子どもの笑顔があふれる学校
づくりを支えていきたい。