療養病棟でのレクリエーション活動における気持ちや思いの変化

抄
録
研究テーマ
:療養病棟でのレクリエーション活動における気持ちや思いの変化
Keyword
:療養病棟、レクリエーション、POMS 短縮版 6 つの気分尺度
所属名
:4 病棟
研究者名
:
【目的】 レクリエーション活動前後で、参加した患者の気持ちや思いがどのように変化しているのかを調査・分析
する。
【方法】
1.
期間
H21 年 7 月 20 日~H21 年 12 月 1 日
2.
対象
4 病棟入院患者 20 名(レクリエーション参加可能な ADL であると判断される患者)
3.
方法
1)
7/27 レクリエーション活動前後のアンケートプレテスト実施(POMS 短縮版 6 つの気分尺度を用
いて)
2)
8 月から 11 月までに開催したレクリエーション活動前後にアンケート実施(全 5 回)
3)
アンケート実施後、POMS 短縮版6つの気分尺度〔緊張-不安、抑うつ-落ち込み、怒り-敵意、活
気、疲労、混乱〕ごとに POMS 短縮版得点(T 得点)を換算し、集計
4)
評価・分析
【結果】7 月のレクリエーションはうちわ作りを行い、アンケートに参加した 11 名を対象にプレテストを実施した。
レクリエーション活動前は当日に、また、レクリエーション活動後は翌日にアンケートを実施したが、6
つの尺度全てにおいて活動前後のT得点に大きな差は見られなかった。1 日経過する事で、レクリエーシ
ョン活動が影響を与える気分の変化が反映されていない事を考慮し、当日のうちに活動前後のアンケート
を取る事を再計画した。8 月~11 月までに開催したレクリエーションを通して、緊張は、実施前後で平均
2.2 点減少し、同様に抑うつでも平均 3.6 点の減少がみられ、陰性気分の減少が見られた。怒りと疲労は、
実施前後で平均 0.4 点減少していたが、レクリエーションの内容によっては疲労が増加していた。混乱は
平均 0.8 点の減少を認めた。陽性気分である活気は、11 月のバザーを除いて活動後に平均 3 点増加してい
たが、特に 8 月の魚釣りゲームでは 8 点もの増加が見られた。また、10 月に 2 度開設した喫茶ルームで
はアンケート結果に差が生じていた。
【考察】 レクリエーション活動全体を通して、緊張・抑うつの減少が図れていることが解った。レクリエーション
の内容によって気分の変化に若干の違いは見られたが、他の患者との交流が図れるレクリエーションを実
施する中で、概ね活気の高揚が得られていることに気づいた。ただし 11 月のバザーのアンケート結果に
あるように、活動後の活気が増加しないものもある。同じ内容のレクリエーションでも結果に差が生じて
いることから、必ずしも期待する陰性気分の減少や陽性気分の増加は図れないこともある事が解った。当
日の体調や気分、環境の変化にも影響されることが考えられる。
【結論】 レクリエーション活動によって気持ちや思いは変化する。レクリエーション活動により陰性気分である緊
張・抑うつの減少と陽性気分である活気の高揚が期待できる。