163 「夏の食中毒対策」

8
月
LIVE
NO.74
August.2014
今回のテーマ
夏の食中毒対策
●夏本番と共に増える原因菌
食中毒の原因には細菌やウイルスがあり、特に梅雨時から9月頃までは特に細菌が好む高温多湿な
状態が続くため、細菌が原因となる食中毒が多く発生します。
主な細菌による食中毒は、発生件数や重症例が多く有名な「カンピロバクター」やO157を始めとした
「腸管出血性大腸菌」によるものです。
食中毒を招く細菌が増殖しても、食べ物の外見や味、匂いに変化はありません。そのため、まず食事
の支度をするときには、菌による食中毒は予防の三大原則を心掛け、食中毒を予防しましょう。
●夏の主な食中毒菌
( )内は潜伏期間
・カンピロバクター
(1~7日)
・ 腸炎ビブリオ
(8~24時間)
・サルモネラ菌
(6~72時間)
・ 腸管出血性大腸菌
(3~8日)
・黄色ブドウ球菌
(1~3時間)
症状はいずれも腹痛、下痢、吐き気、嘔吐、発熱等
★ 食中毒予防の三大原則 ★
・ 付けない(清潔)
食品自体(特に肉・魚類)には多数の細菌が付着しています。このため、食品の取扱いに対し
ては非常に注意するものの、加工時に使用した器具に対して気を配らないことが多いために
細菌が作る毒素が付着し、その器具を使いまわすことで感染が拡大することがあります。
そのため、器具を使い分けることや、まな板を野菜面と肉・魚面で使い分けること、野菜類を
先に切り、肉・魚類を後に切るなどの工夫をして原因毒素を付けないようにしましょう。
もちろん手を石鹸でよく洗い、アルコール消毒することも大切です。
・ 増やさない(迅速、冷却、乾燥)
根本的に細菌の毒素を増やさないためには新鮮な内に食べてしまうこと。それが難しければ
冷蔵、冷凍をしましょう。
しかし、冷蔵庫内に食品を詰め過ぎることで冷気が十分に回らなかったり、解凍と冷凍を繰り
返すことでも菌は増殖してしまうので注意してください。
乾燥させることも重要で、ふきんや手ぬぐいは洗った後に風通しのいいところに吊るして乾燥
させることで菌の増殖を抑えることができます。
・ 殺菌する(加熱など)
菌を殺菌する上で最も効果が期待されるのは加熱することです。調理・洗浄共に加熱すること
が望ましく、一般的には75度で1分間加熱することでほとんどの細菌は不活性化するとされて
います。
電子レンジを使用して調理前にあらかじめ加熱しておくことで、肉料理などはしっかり火を通す
ことができます。
また、調理時・調理後に香辛料(わさび、こしょう、唐辛子など)や香味野菜(ネギ、シソ、ショウ
ガなど)を使うことで一時的に細菌の増殖を抑えることも可能です。
From the author・・・冷蔵庫への詰め込み過ぎは要注意です!
参考サイト
http://www1.mhlw.go.jp/houdou/0903/h0331-1.html
http://ja.wikipedia.org/wiki/