社長の右腕 2015年10月号

発 行 日 2015年10月号
第656号
社長 の 右腕!
●労働基準監督署の調査とは?
昭和62年 朝日新聞朝刊の旧労働省労働基準局監督課長松原東樹氏コメント記事
「監督官の業務指針として出した内部文書だ。3カ月という限度を設けたのは、
割増賃金の対象となる労働時間の調査が大変手間取る作業で、1年も2年も遡るのは
不可能に近く、3カ月ぐらいなら調べられると判断したからだ。
それに、未払い分の支払いを命じる権限は、労基法上はない。」
●平成22年11月9日「労働基準監督機関の役割に関する質問に対する答弁書」
内閣答弁抜粋:「勧告や指導は、厚生労働省の行政指導として行うもの。
現在、労働基準監督官が、労基法上、同法に違反して支払われていない賃金の支払
いを命ずる権限を有していないことは、昭和62年当時と同様である。
●「是正勧告」「是正指導」は「行政指導」であり、強制力はありません。
行政手続法32条1項
行政指導にあっては、行政指導に携わる者は、いやしくも当該行政機関の任務又は
所掌事務の範囲を逸脱してはならないこと。
●監督官への対応
犯罪捜査のような取調べ口調や裁判官気取りの口調で立場を笠に着て権力を見せつ
ける監督官もいます。書類送検だとか再調査するなど社会的制裁を口にする監督官
もいます。(実際にはできないですけどね)
私はそのような監督官には事務的に淡々とした口調でこう言います。
「その制裁が本当に会社や働く社員にとってプラスになるのか?その制裁によっ
て、結局、働く社員にしわ寄せがくる。制裁によって取引が減って売上が下がる、
働いている社員の家族も不安心配になる、など経営が立ち行かなくなる恐れがあ
る。監督官のやっていることは俺たちの迷惑になるから止めてくれよと言い出した
社員もいた。そこまで考えて発言しているのか?社員の労働生活環境を脅かすよう
な行為は行政指導の範囲を逸脱しているんじゃないか?不利益な取扱いに該当する
んじゃないか?何のための調査なの?監督官の意地を通すだけで本末転倒とはこの
ことだ!」 声を荒げたり、机を叩いたりなどはしませんからね(笑)
もちろん、話の分かる監督官もいますが、私は監督官がどんなタイプであろうとも
会社側で対応しています。監督官の言いなりになることではありませんし、ケンカ
をすることでもありません。労働環境の改善のチャンスとして捉えて、できること
はする、できないことは無理せず、できるように努力する。という前提で本音と建
前を使い分けて「交渉」するわけです。
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