富岡製糸場—『生糸』がつなぐ地域女性史—

総合女性史学会
地域女性史例会
富岡製糸場—『生糸』がつなぐ地域女性史—
日時:
日時:
2015 年 1 月 18 日(日) 13:
13:30~
30~16:
16:30
報告者:
報告者:
今井幹夫さん
今井幹夫さん(
さん 富岡製糸場総合研究センター所長)
「富岡製糸場を
富岡製糸場を支えた工女
えた工女たち
工女たち」
たち」
全国各地から名もなき若き伝習工女たちが入場し、帰郷後、各地域製糸場での
指導者として技術伝播に貢献した。富岡製糸場の役割、製糸労働の「女工哀史」
の原点はどこにあるのか、富岡製糸場が地域に与えた影響などについての報告
早田リ
早田リツ子さん(
さん 地域女性史研究者)
「彦根工女~
彦根工女~近江絹糸争議はなぜ
近江絹糸争議はなぜ起
はなぜ起きたか」
きたか」
官営期前半で伝習工女が地元群馬県よりも多い滋賀県(737 人入場)の事例から、
戦後、生糸王国で近江絹糸争議がなぜ起きたか、製糸労働と地域についての報告
場 所:
文京区男女平等センター
文京区男女平等センター
B研修室
(営団丸ノ
営団丸ノ内線・
内線・都営大江戸線「
都営大江戸線「本郷 3 丁目」
丁目」下車徒歩 5 分)
資料代:
資料代:
300 円
お問合せ
問合せ先: TEL 0303-38283828-9742 (塩見
(塩見)
塩見)
趣旨:
趣旨:2014 年 6 月 21 日、「富岡製糸場と絹産業遺産群」がユネスコの世界文化遺産に登録された。
日本の近代化に貢献したという点においては、当然であろう。
しかし、最新技術を各地に伝えるため 10~20 代の女性が「伝
習工女」として全国から集められたことから、「工女あっての世界
文化遺産」が妥当であろう。富岡で得た技術が工女たちによっ
て全国各地の製糸場に伝播され、生糸は「国のため」の輸出商
品として重要性が高まった。日露戦争後、「生糸と軍艦」の例え
通り外貨獲得競争の一方で、多くの工場では貧農・小作農の子
女による安価な労働力で賄われ、過酷な労働環境に堪え、家
計の足しとして期待する親のために働く「女工哀史」的女子労働
に変化し た。 「生糸」がつなぐ地域女性史を考える。
【主要参考文献】
富岡市『富岡製糸場誌 上・下』1977 年
富岡市『富岡市史 近代・現代通史編』1991 年
和田英『定本 富岡日記』上条宏之解題 創樹社、1976 年。同『富岡日記』ちくま文庫、2014 年
高瀬豊二『異郷に散った若いいのち―官営富岡製糸所工女の墓―』上武大学出版会、1972 年
高瀬豊二『官営富岡製糸所工女史料』たいまつ社、1979 年
今井幹夫『富岡製糸場初期経営の諸相』1996 年
今井幹夫『富岡製糸場の歴史と文化』みやま文庫、2006 年
今井幹夫編『富岡製糸場 工女たちの故郷への便り』群馬県文化事業振興会、2011 年
早田リツ子『工女への旅 富岡製糸場から近江絹糸へ』1997 年
山本茂実『あゝ野麦峠』朝日新聞社、1968 年。同『続あゝ野麦峠』角川書店、1980 年 ほか