氏名 所属・役職 研究分野 (キーワード) 研究1: 海や湖では、水温、塩分、濁りや栄養塩類な ど、生物にとっての環境要素の分布が、上から 下に向かって著しく不均一であることが多い。 浮游生物(プランクトン)は、環境要素のこの ような不均一に対応して生活しているはずであ る。私は、環境要素の不均一分布が浮遊生物と くに動物プランクトンの鉛直分布に与える影響 について、調査船による観測と室内実験によっ て実態を明らかにし、それを支配する機構を究 明する。 研究2: ミクロの世界に生きるプランクトンにとって は、水は著しく粘っこく、動きの妨げになって いると考えられる。そんな水の中で、動物プラ ンクトンが実際にどのように泳ぎ、餌を捕らえ、 あるいは敵から逃げているのかについては、未 だに不明の点が多くある。私は、高速ビデオな ど先端的手法を駆使して、「プランクトンの泳 ぎ方」の実態を解明しようとしている。 高速ビデオを使ってプランクトンの泳ぎ方を 観察しているところ.写真の左側に、高速ビデ オに繋がったレンズが真上と真横から固定され ている.立方体の水槽の中に、全長3 mmほどの 動物プランクトンが固定されている. カタクチイワシ(Engraulis japonicus)の卵と仔魚.左上: 受精後数時間の卵、左下: 受精後1-2日の卵、右下: 孵化直 後の仔魚、右上: 孵化後数日以内の仔魚. 私は、このような卵や仔魚をはじめ、プランクトンが 環境とどのように対応して分布しているのか?に興味が ある. 研究3: 海の生物には、一生を漂って暮らすも のがある。また、親が海底で暮らすもの (ベントス)や水中をスイスイ泳ぐもの (ネクトン)でも、卵から孵ったあとあ る程度育つまでの間、水中を漂って(す なわち、プランクトンとして)生活する ものが多い。多くの無脊椎動物に限らず、 脊椎動物である魚類についても、そのこ とが言える。それほど普遍的に見られる のに、プランクトンがどこに居て何を食 べているか、何に食べられているか? と いった基本的な情報でさえ、分かってい ないことが多い。このようなプランクト ンについて、やはり現場調査と室内実験 オオバウチワエビ(Ibacus novemdentatus)のフィロゾーマ幼生、 によって、実際どうなのか?を研究する。 ニスト幼生および若体. ローマ数字は脱皮齢 (「 I 」は卵から孵っ 長い浮遊期を持つイセエビやウチワエビ た直後)、アラビア数字は頭胸甲長(mm). 写真: K. Wakabayashi. の仲間の「フィロゾーマ幼生」について、 とくに詳しく調べている。 教育 講義、実験、実習 学部 基礎生物海洋学、浮遊生物学、海の科学、海洋生物学入門、海洋生物学実験、海 洋学実習、博物館学実習など 大学院 浮游生物機能論、浮遊生物学特論など 在学生 卒論 約3名/年、博士前期課程 4-5名、博士後期課程 1-2名 学生の みなさんへ 私は、興味を持ったり疑問に感じたりしたことを妥協せず追究します。自分の仕事がすぐに 世の中の役に立つかどうかは分かりません。しかし、いつか必ず役に立つと信じています。 企業・法人 のみなさん へ 産学・地域連携推進機構の研究者総覧DBは下のとおりです: <http://olcr.kaiyodai.ac.jp/db/profile.php?yomi=TANAKA, Yuji> HP等
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