徳洲会から 10演題

徳洲会から 演題
じょくそ う
けるよう、さらなるシス
の褥瘡対策を徹底してい
チーム医療を極め、院内
ろ改善したことから、「含
で、薬剤を変更したとこ
わない治癒停滞のケース
また、過剰肉芽をともな
抗生剤投与、基礎疾患の
組織の除去)を施行し、
デブリードマン(壊死
ともなう褥瘡が多発して
が見られました」と発表。 紹介、入院した。壊死を
に、エアマット使用方法
調査し、現状を把握。次
性筋膜炎を起こしていた。 マットの体重設定状況を
おり、右大転子部は壊死
のマニュアルを作成、導
全病棟をラウンドしエア
た取り組みを実施。まず
褥瘡発生率の低下に向け
小 委 員 会の 活 動 報 告
徳洲会研修事務部会
徳洲会グループ研修事
看護師。
の現状」同院の有田樹美
内における体位変換実施
テムの構築をしていきた
有抗生剤の変更が奏効し
栄養剤変更で褥瘡改善
い」と結んだ。
た可能性が示唆されまし
「下痢症状を有する透析
催した。同部会は基幹型
県で第5回部会会議を開
過剰肉芽に効果ある薬剤
務部会は9月 日、千葉
ミスの割合が有意に減少
患者が経腸栄養剤変更に
臨床研修病院の研修担当
適時調査を改善の契機に
先進的褥瘡研究が開催テーマ
回日本 褥 瘡学会学術集会が2日間にわたって宮
静岡徳洲会病院
理、体圧分散など多角的
した。
より下痢症状と褥瘡の改
井口沙緒里・管理栄養士
滞した褥瘡に対しては抗
に ア プ ロ ー チ。
「インプ
「マニュアルを作成し効
事務職員らによる部会で、
入したところ、体重設定
演(口頭発表)と3題のポスター発表があった。高
生剤含有ステロイド薬が
ラントが露出した右大転
果的な介入ができました。 善がみられた一例」排泄
管理、局所治療、栄養管
齢人口が増加するなか、褥瘡の発生予防や効果的な
選択肢のひとつになると
子部と仙骨部中央を除い
た 」 と し、
「上皮化が停
治療法の研究・実践・普及は重要な課題。口演を中
考えられます」と説明。
セミナー
(スキルアップ)
「厚生局適時調査から学
「上皮化が停滞した褥瘡
静岡徳洲会病院
物による汚染で褥瘡治療
委員会、専門研修委員会、
同院はラップ療法以外 に
静岡徳洲会病院
今後、マニュアルの運用
地域医療研修委員会、電
治療効果と経済性を兼備
心に紹介する。
てすべて治癒し、可能な
に難渋する場合があるた
子カルテ改善委員会、ア
坂田志穂・薬剤部主任
を浸透させるため継続的
め、下痢の改善は必須。
伊藤真弓・看護師長
限りの改善は得られまし
経管栄養投与患者の下痢
へのステロイドの使用に
多発褥瘡へのアプローチ
な教育が必要と考えま
より創傷治療が好転した
マニュアル導入で効果
庄内余目病院(山形県)
証」日常生活自立度Cラ
「オムツによる圧の検
周囲の爛れや褥瘡の改善
状の改善が見られ、肛門
に変更。その後、下痢症
くオリゴ糖を含む栄養剤
低浸透圧で食物繊維が多
今西康次・南部徳洲会病
ことを報告。同部会長の
医学生数が増加している
明会や病院見学会の参加
リクルート委員会は説
どがあった。
と今後の方向性の発表な
見られなかったことから、 日は小委員会の活動報告
ート委員会で構成。この
た」と結んだ。
んだ褥瘡対策の役割と当
症例の検討」ステロイド
院の今後の課題」厚生局
による適時調査(医療機
外用薬は治癒遅延や感染
も、被覆材、フィルム ド
創膏、外用剤、VAC 療
関が適切に運営されてい
症の誘発、増悪を招くと
レッシング、非固着性 絆
法(陰圧閉鎖療法)に よ
るかどうかを確認する実
が第一選択だが、改善が
ドバンス委員会、リクル
る褥瘡の総合的な局所 治
ンク(1日中ベッド上で
も認めた。
高橋直美 看護師
過ごし、排泄、食事、着
「透析患者さんで水分制
薬剤師
静岡徳洲会病院
立山由香利・看護副主任
人の体圧など
替えで介助を要する)の
早川梢江
死性筋膜炎を伴う褥瘡を
「褥瘡対策におけるエア
患者さん
される一方で、過剰肉芽
含む多発性褥瘡に対して
マット体重設定ミスの抽
地調査)が、院内の褥瘡
肉芽は、創傷が治癒する
多角的アプローチで改善
出と適正使用への取り組
院(沖縄県)小児科部長
療を実践。
過程で発生する新しい組
した一例」男性患者さん
限も考慮した腎疾患対応
静岡徳洲会病院
織)が顕著な創には効果
で、右大腿骨頚部骨折に
度側臥位時に
え
きっかけとなったことか
があるといわれている。
を測定。
と専門研修部会長の佐土
し
だいたいこつけい ぶ
対策の現状把握や改善の (盛り上がりすぎた肉芽。 「インプラントを有し壊
~4種類のサイズのパ ッ
ら、今後の課題を含めて
坂田主任は同薬使用によ
み」エアマットは体重設
栄養剤では、浸透圧が高
原道人・岸和田徳洲会病
ラップ療法では常時 3
「当院におけるラップ療
に応じて使い分けてい る 。 報 告 。 適 時 調 査 で は お お
ドを用意し、浸出液の 量
むね問題なしとされた一
より手術後、寝たきりに
定を誤ると褥瘡発生につ
く、投与速度の調整のみ
村山弘之・外科医長
法を中心とした局所治療
方、専任看護師の役割の
る改善例を報告。
なり、右大転子部などに
ながる恐れがある。同院 ( ㎜ )以上の圧がかか
医が治療に難渋し同院に
左右のどちらかに正常値
30 42
り持ち上げることで、オ
す。体位変換時はしっか
形成に至る場合がありま
ては圧が高くなり、潰瘍
「オムツの当て方によっ
いた。
ープ部分が当たっている
患者さんのなかには、テ
はなく片寄りが見られた
で、オムツが左右対称で
人
レス選定~」同院の井元
~失敗から学んだマット
院での体圧分散寝具選定
の 油 谷 裕 子 看 護 師、「 当
える化を図った褥瘡発生
テーマは次のとおり。「見
ポスター発表の演者と
◇ ◇
と考えます」と結んだ。
養剤の変更が有効だった
あります。本症例では栄
では改善が困難な場合が
る可能性を指摘、卒後臨
ラムの審査が義務化され
者機関による研修プログ
児島県)副院長は、第三
徳洲会総合病院
(大阪府) 村幸大・大隅鹿屋病院
(鹿
予防への取り組み」八尾
床研修評価機構(JCE
とを提案。
病院を紹介したりするこ
した場合は他のグループ
バイスしたり、定員に達
ログラムになるようアド
深めて互いに良い研修プ
病院間の横のつながりを
院(大阪府)副院長は、
㎜ を超える患者さんが
側の皮膚にかかる圧が
っていた患者さんは
ムツのずれや摩擦を少な
英樹看護師(皮膚・排泄
P)の受審を推奨した。
とまとめた。
徳洲会研修委員長の田
くすることが大切です」
ケア認定看護師)
、
「病棟
Hg
ただ
とラップ療法の工夫と意
と経済性を兼ね備えた 優
義」ラップ療法とは創面 「 ラ ッ プ 療 法 は 治 療 効 果
明確化や処置マニュアル
「多くの症例で肉芽が引
褥瘡が多発。かかりつけ
ない
はいせつ
を覆い保護する治療法の
れた治療法です。災害 時
の作成などが今後の課題
き締まり上皮化(皮膚の
再生)の開始と創の縮小
くう
い
一種で、静岡病院は工夫
の医療物資が枯渇した 状
として浮かび上がった。
かく せい
そく が
を重ね、現在は穴あきポ
況で有用な治療法でも あ
ふ しゅ
20
40
「多職種との協働による
ふんごう
止パッドを使用している。 ります」とまとめた。
ほう か しきえん
い の ち
重症例に特殊技術
リンパ浮腫外科治療で採用
特別
寄稿
32
Hg
は正確な体重設定による
リエチレン袋+床ずれ防
静岡徳洲会病院
ずれや摩擦の減少が大切
改善には投与速度の調節
瘡研究の推進」
。徳洲会からは一般演題で7題の口
城県仙台市で開催された。全体テーマは「先進的褥
第
10
す」と報告した。
26
日本褥瘡学会
学 術 集 会
17
当院で
は2014年
5月より 、
上肢・下肢
のリンパ浮腫(リンパ
液の流れが滞り、 む
くみが生じる病態)に
関征央
(せき ゆきお)
対する外科治療を開 湘 南 厚 木 病 院( 神 奈 川
県)
形成外科医
始しました。
2006年、秋田大学医学
リンパ 浮 腫 に は、 部卒業。日本形成外科学
主に先天性のリンパ 会専門医。国際リンパ学
会会員
管異常に起因する原
発性リンパ浮腫と、乳がんや婦人科がん
治療にともなうリンパ節郭 清 に起因する
二次性リンパ浮腫があります。リンパ浮
腫に対する現在の世界的な標準治療は、
圧迫療法を中心とした理学療法です。こ
れらの治療により、患者さんの日常生活
は比較的保たれ、また浮腫の増悪を遅ら
せることが可能です。
しかし、理学療法のみでは浮腫自体の根本的改善を得
られないため、一般に浮腫は徐々に進行していきます。と
くに、リンパ液のうっ滞が原因となって皮膚・皮下に感染
が生じる蜂窩織炎を繰り返す例では、早期から重症化する
ことが多く、だるさや腫れをともなうため患者さんの生活
は制限されます。
これに対し我々は、浮腫のある四肢の皮下のリンパ管を
顕微鏡下に静脈と直接吻合(つなぎ合わせること)
すること
で、うっ滞したリンパ液を静脈内にドレナージ(抜き取るこ
と)する手術(リンパ管細静脈吻合術)を行っています。
もともとリンパ液は胸部で静脈内に流入するものですが、
胸部までたどり着けずに貯留し行き場のなくなったリンパ
液を、四肢で静脈内に流すことでリンパの流れをつくります。
リンパ管は0.2〜0.7mm程度と細いため、手術器具で内
腔を確認しながら吻合することが困難です。これらを正確
に吻合するには、指先の感覚で脈管内を捉えることで、
0.5mm以下の吻合を可能とするスーパーマイクロサージャ
リーという特殊な技術が必要なため、この手術を行ってい
る施設は世界的にもまだ数える程度しかありません。
しかし、その高い治療効果と、病態に対する直接的な
治療理論から、形成外科領域では国内外の学会で常にト
ピックとなっています。当院の手術治療の適応は、二次性
リンパ浮腫、12歳以降に浮腫発症の原発性リンパ浮腫の患
者さんのうち圧迫療法と通常歩行が可能な方です。11歳以
前の発症例では、リンパ管低形成の方が多く、手術をして
もリンパ管が見つからないケースがあるため、詳細な検
査が必要になります。
また当院では、我々が考案したSuperior-Edge-of-theKnee-Incision Methodという新しいリンパ管細静脈吻合術
を下肢リンパ浮腫治
療に取り入れており、
世界的にも注目され
ています。これから
も多職種のスタッフ
と協 力しな がら、リ
ンパ浮腫の根絶を目
指して、 治療を行っ
リンパ管と静脈を吻合するにはスーパーマイク
ていきます。
ロサージャリーという特殊技術が必要
生 命だけは平等だ
聞
新
洲
徳
❸ 平成 27 年 10 月 19 日 月曜日│ No.1002