6.コミュニケーションツールを活用した交差点改良計画の検討

株式会社
ケー・シー・エス
コミュニケーションツールを活用した交差点改良計画の検討
∼定量的、視覚的ツールを用いた地域住民との協働による道づくり∼
1.調査の必要性及び背景
交差点改良は、渋滞の解消、交通事故の減少など交通環境の改善に大きなインパクトをもたらす。
一方、交通流の変化に伴い、騒音や大気など沿道の生活環境にも大きな変化をもたらす。このような
交差点改良事業を円滑かつ効果的に進めるためには、地元住民の理解と協力が不可欠となる。
本業務は、渋滞シミュレーション、事故シミュレーションなどの定量的、視覚的に効果把握が可能
なツールを活用し、AHP 分析による意志決定や懇談会の開催など、住民とのコミュニケーションを図
りながら、交差点の改良事業を推進することを目的とする。
2.調査のアウトプットイメージ
ナンバープレート調査、交通量調査、環境調査、住民アンケート調査等の基礎的データ収集調査を
行った上で、以下の各種効果予測、定量的分析を行う。
①ミクロ交通シミュレーションによる渋滞解消効果の把握
自動車1台1台の挙動をシミュレートする、ミクロ交通シ
ミュレーション・ソフト(TRAFFICSS など)を用いて、
渋滞解消効果を定量的に把握する。渋滞の変化はアニメーシ
渋滞のミクロ交通シミュレーション
ョンで視覚的に表現することが可能。
②事故発生予測シミュレーションによる事故減少効果の把握
ドライバーの認知、判断、操作をシミュレーションすることで、
交通事故の発生率を予測するシミュレーション・ソフト(アスト
ランズ)を用いて、事故の減少効果を定量的に把握する。事故の
発生状況は、3D アニメーションで視覚的に表現することが可能。
③面的解析による生活環境の改善・保全効果の把握
事故発生予測シミュレーションの 3D アニメ
GIS を活用して、大気質、騒音、日照阻害、電波障害を想定し、
現況の立地条件等を考慮した面解析による評価を行う。
④住民とのコミュニケーションによる AHP 分析
交差点改良計画案に対する住民アンケート調査を行いAHP
分析による計画案の決定を行う。交通安全、生活環境保全、景
観等の各対策案について評価を行い、必要となる見直し案を検
討したうえで、地域住民や道路利用者にとって最適となる計画
GIS による沿道環境の面解析
案の策定を合理的・効率的に行う。
無断の複製、頒布、転用を禁ずる
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3.調査方針及び調査フロー
(1)調査方針
①多角的な視点からの分析・対策案検討
・工事中の状況を想定したミクロ交通シミュレーションを実施し、交通流動予測及び生活環境予測を
行います。
・シミュレーションの結果を用いて、生活道路への進入抑制対策や通行規制等の検討、また、遮音壁
の設置等について対策を検討し、シミュレーションによる対策効果を計測します。
②AHP分析を踏まえた設計案の作成
・多数の意見を調整し、複数の代替案を絞り込んでいく意思決定過程に、AHP分析を使用します。
・複数の代替案を複数の評価要素にもとづいて評価し、総合評価の高い案を選択し、これに基づいて
景観対策案及び交通安全・生活環境対策案を検討し、最終的に合理的な設計案を導きます。
(2)調査フロ−
調査
環境調査
交通量調査、
プレート調査
分析
PI
地域住民を対象
(自動車利用者・自 転車利
用者・子供・歩行者・お年
ミクロ交通シミュレーション
交通流動予測
(工事中及び整備後)
生活環境
予
測
対策案の検討
ワークショップ
概略設計
○ 交通安全対策
○ 生活環境保全対策
設計案の検討
道路利用者と地域住民を対
象(沿道及び背後地等)
アンケート調査
AHP分析
○ 景観対策
3DCG・フォトモンタージュ
地域住民の意見を心理的アプロ
ーチ分析により的確に整理し、
効率的な対策につなげることが
設計条件の整理
懇談会
予備設計
ニューズレター
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