2015年9・10月号 (PDF:1784KB)

記録
現場
から
群馬事業本部群馬事業所
清水 道記
匂いによって不具合機器の発見!
そして、お客さまに異常が ある
まに停電の必要があることを説明
旨の報告を行おうと扉を閉めよう
し、了解を得たのち停電して絶 縁
とした 瞬 間、キュービクル 内 部に
抵抗を測定すると 2MΩしかありま
光 るものを確 認しました。よく見
せんでした。
て み ると、VCB の 合 成 樹 脂 製 絶
この状態で使用を続けると波及事
縁物の表面を電気が放電しながら、
故につながるおそれもありました
走ってい るではありませんか。扉
ので、一時的に VCB をバイパスし
9 月は台風 などによる長 雨 の 季
問診の際に異常や気になったこと
りと安 全性能を維持しているかを
が全開で明るい状態では、まった
て、当 日 は 仮 復 旧 す る こ と とし、
節で湿 度も高く、電 気設備にとっ
は特にないとの返答をいただいて
確 認しています。電 圧 10,000 ボル
く気づくことが できなかったので
後 日 工 事 を 行 い 新 品 の VCB に 取
今 回 は月次 点 検 時 に VCB の 不 具
てあまりよい季 節とは言えません。
いたことから別の原因があると考
トを加え耐電圧試験を行って絶縁
すが、扉が閉まりかけの薄暗い状
り替えることとしました。
合を発見でき停電事故を防ぐこと
今回は湿度の高さが原因で発生す
えました。
用保護具の自主検査を行っている
態になると目視できました。
このお客さまの設備では、停電
ができました。
る事故を未然に防いだ記録をご紹
しかし、それ 以 外 の原因となると
ので す が、そ のときに 漂ってくる
を 伴う年 次 点検を 5 月に行ったば
介します。
思い当たるものもなく、
「キュービ
匂いにそっくりでした。
かりでした。その際に実 施した 絶
キュービクルなどの 受 電 設備に
ずっと続いていた長雨が上がり、
クルの中に匂いを放つようなゴム
「電気が流れてはいけないところ
縁 抵 抗 測 定 では 抵 抗値 が 500MΩ
おける高圧設備の短絡や地絡事故
天 気 は とて も 良 か った の で す が、
はないし……」と思いながら周囲
を 流 れてい る!」と直 感したので、
と 絶 縁 状 態 が 良 好 で し た。ま た、
はお客さま設備が停電し、復旧す
湿 度が高く蒸し暑い日に月次点検
の 確 認を行いましたが、見 渡して
ウルトラホンという放 電 時に発 生
前月の月次 点検でも異常は見当た
るまで業務が停止してしまい大き
を実施していた時のことです。
も異常は見当たりませんでした。
する超 音 波(40kHz)が 受 信 で き
りませんでした。
な 損 害となります。さらに、責任
いつもどおり連 絡責任者の工場
とりあえず点検を 進 めようと、扉
る測定器を使ってキュービクル内の
9 月の 長 雨が もたらした 湿 度 の高
分界点付近に PAS や UGS が未設
長にご挨拶を行い、何か異常や気
を開放してその 他の 部分を点検し
ノイズ を 測 定 することにしました。
さとキュービクル設 置箇 所の環 境
置だと波 及事故になるおそれもあ
になったことがないか問診を行っ
ているうちに匂いは拡散され、だ
何カ所か測定をした結果、VCB(真
によっては、たった 4 カ月で絶縁抵
りますので、未設置のお客さまに
たあと、キュービクル の点 検に 取
んだん薄くなって感じられなくなっ
空 遮断器)の 付近で大きなノイズ
いつ事故が発 生してもおかしくな
抗が 2MΩまで低下することがあり
おいては早急に設 置していただく
り掛かりました。
ていきます。もう一度匂いを思い
が 発 生してい ることが分かりまし
い状態でしたので、大至急お客さ
ます。
ことをおすすめします。
キュービクル入 口のノブ で 検 電
出してい るうちに、ふと 気づ きま
た。
を 行 った 後、開 錠して 1 つ 目 の 扉
した。
そこで VCB に一番近い扉を開け
を開けると、明らかにいままで感
保 安 協 会 で は 6 カ月 以 内 に 1 回、
て再度ノイズ 測 定を実 施したとこ
じたことのな い“匂 い”が 漂って
電 気から身を守るために使 用する
ろ、数値にも異常が見られました
いることに気がつきました。
絶縁用保護 具の電 気用ヘルメット
ので、間違いなくVCB に異常があ
や高圧 用のゴム手 袋などがしっか
ると判断しました。
例えるならばゴムが焼けたよう
な独 特 の 匂いです。一 瞬、ケーブ
ル の 焼 損 が 頭 を よ ぎ りました が、
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電気と保安
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