再生医療の実現化ハイウェイ

資料 1-4 別紙 2
再生医療実現拠点ネットワークプログラム「再生医療の実現化ハイウェイ」の中間・事後評価結果
平成 27 年 1 月 29 日
(独)科学技術振興機構
研究課題名
代表機関
代表研究者
採択
年度
/
評価
年度
評価結果
a) 進捗状況
b) 成果
総合
c) 研究体制、運営
等
評価
iPS 細胞由来網膜色素上皮細胞移植による
理化学研究所
H23
a) 上回っている
加齢黄斑変性治療の開発
髙橋 政代
/H25
b) 優れている
c) 優れている
総合評価コメント
本課題は、iPS 細胞を用いた再生医療の臨床応用の先駆けとなるプロジェクトとして順調に進捗しており、
社会的、科学的に大きな波及効果が期待される。特に、iPS 細胞由来の分化細胞の培養・純化及び安全性、有
優れて
効性の検討を実施する等、他の疾患研究分野が参考に出来る成功例として評価できる。各国の規制当局(医薬
いる
品医療機器総合機構(PMDA)、米国食品医薬品局(FDA)、欧州医薬品庁(EMA))と適時相談を実施しなが
ら研究が進められている点も高く評価できる。
以上により、本課題の進捗・成果は優れていると評価される。
滑膜幹細胞による膝半月板再生
東京医科歯科大学
H23
関矢 一郎
/H25
課
a) やや下回ってい
る
目標とする 2 つの臨床研究のうち「半月板縫合後の治癒促進」は臨床研究へ到達しており、順調に進捗して
やや
いる点は評価される。なお、安全性試験及び臨床的有効性を支持する非臨床データについては明確に示す必要
b) 良好である
不十分
がある。また、もう 1 つの目標である「欠損半月板の再生」は進捗に遅延がみられる。産業化に向けた企業と
c) やや不十分
である
の連携も十分とは思われず、改善を要する。
以上により、本課題の進捗・成果はやや不十分であると判断される。
題
A
培養ヒト骨髄細胞を用いた低侵襲肝臓再生
山口大学
H23
療法の開発
坂井田 功
/H25
a) やや下回ってい
る
b) やや不十分
c) 適切である
培養ヒト角膜内皮細胞移植による角膜内皮
京都府立医科大学
H23
a) 達成している
再生医療の実現化
木下 茂
/H25
b) 良好である
c) 適切である
磁性化骨髄間葉系細胞の磁気ターゲティン
広島大学
H24
a) 達成している
グによる骨・軟骨再生
越智 光夫
/H26
b) 良好である
c) 適切である
iPS 細胞を用いた角膜再生治療法の開発
大阪大学
H23
a) 達成している
西田 幸二
/H25
b) 良好である
c) やや不十分
「ヒト幹細胞を用いる臨床研究に関する指針」に基づく臨床研究の申請を行う段階まで進捗したものの、
「1
やや
∼3 年目までに臨床研究に到達する」という課題 A の趣旨をふまえると、進捗及び目標達成の状況は十分では
不十分
ないと判断される。
である
以上により、本課題の進捗・成果はやや不十分である評価される。
細胞の品質と有効性・安全性のバランスを良く考えながら研究開発が進められ、計画通り目標を達成してお
良好
り、成果も良好であると言える。また、研究実施の結果から今後の課題等も明確に認識されている。
である
以上により、本課題の進捗・成果は良好であると評価される。
軟骨再生の研究については着実に進捗しており、厚生労働省により臨床研究が許可された点は評価できる。
良好
また、超高齢化社会に向けて、本治療法の期待が高いことから、早急に品質保証を確立することが望まれる。
である
以上により、本課題の進捗・成果は良好であると評価される。
iPS 細胞由来の角膜上皮・内皮の臨床応用という新規の分野に対して積極的に取り組んでおり、多くの成果
を挙げている。特に角膜上皮に関しては当初の予定通り進行しており、平成 28 年度の臨床研究、平成 31-33
良好
年度の治験に向けて順調に進展している。今後、角膜上皮・内皮ともに、実施している安全性・有効性試験が
である
前臨床試験として十分なものであるか、詳細な検討が必要である。
課
題
B
以上により、本課題の進捗・成果は良好であると評価される。
iPS 細胞を用いた再生心筋細胞移植による
慶應義塾大学
H23
a) 達成している
重症心不全治療法の確立
福田 恵一
/H25
b) 良好である
c) 適切である
ヒト iPS 細胞由来心筋細胞の安全性評価や純化法の確立など、全体的に順調に進んでおり、基盤となる技術
も着実に確立している点は評価される。
良好
なお、今後はこれまでの研究実施の結果をふまえ、心筋細胞の移植方法についてシート移植と心筋球移植そ
である
れぞれの長所・短所を整理し、各移植方法の臨床上の位置づけを明確にされたい。
以上により、本課題の進捗・成果は良好であると評価される。
1
研究課題名
代表機関
代表研究者
採択
年度
/
評価
年度
重症高アンモニア血症を生じる先天性代謝
国立成育医療研究
H23
異常症に対するヒト胚性幹(ES)細胞製剤
センター
/H25
に関する臨床研究
梅澤 明弘
評価結果
a) 進捗状況
b) 成果
総合
c) 研究体制、運営
等
評価
総合評価コメント
a) やや下回ってい
我が国で唯一 ES 細胞の臨床応用を目指すチャレンジングな研究に取り組んでいる点は評価できるものの、
必ずしも POC が確立されたとは思われないまま大動物実験(投与ルートや移植細胞数、有害事象の検討等)
る
b) やや不十分
やや
を進めており、方針を再検討する必要がある。現状では、課題 B の目標である「5∼7 年目までに臨床研究に
c) やや不十分
不十分
到達」が実現されることは難しいと考えられる。また、研究開始から 2 年半が経過し、その間に多額の研究費
である
を使用したにもかかわらず、得られた成果は限定的である。更に、発表論文において本事業への謝辞のないも
のが多い。
以上により、本課題の進捗・成果はやや不十分であると判断される。
パーキンソン病に対する幹細胞移植治療の
京都大学
H23
a) 達成している
霊長類のパーキンソンモデルにおける自家 iPS 細胞移植で一定の治療効果が認められ、優れた評価を上げた
実現化
髙橋 淳
/H25
b) 良好である
と評価できる。また、免疫拒絶時に起こる脳内炎症の有無をモニタリングするための生体イメージング技術の
c) 適切である
開発は、類似研究分野への波及効果が期待できる。更に、5∼7 年以内の臨床研究到達を目指した課題 B とし
て予定通りの成果を上げたのみならず、学術的にも貢献している点で優れている。
良好
本課題は、代表研究者及び研究グループが「再生医療実現拠点ネットワークプログラム 疾患・組織別実用
化研究拠点(拠点 A)
」平成 25 年度新規課題として採択されたため、これに伴い平成 24 年度を以って実施終
である
了とする。今後の取組に当たっては、本課題の治療法は移植細胞の生着率が低く、治癒メカニズムが細胞補給
によるものだけなのか、検証が必要であることに留意されたい。また、事業成果である論文発表において、事
業支援への謝辞のない発表が多く、今後改善を求める。
以上により、本課題の進捗・成果は良好であると評価される。
iPS 細胞技術を基盤とする血小板製剤の開
京都大学
H24
a) 達成している
発と臨床試験
江藤 浩之
/H26
b) 良好である
良好
c) 適切である
である
既に、iPS 細胞から血小板を作製する基本技術を確立しており、当初の計画通りに臨床研究の開始が見込ま
れる点は評価できる。本課題の最終目標は、iPS 細胞技術を基盤として新規の血小板製剤を開発し、産業化す
ることであるため、今後、コスト等について検討が望まれる。
以上により、本課題の進捗・成果は良好であると評価される。
課
再生医療の早期実現化と国際展開に向けた
先端医療振興財団
H23
a) 上回っている
題
研究開発支援
松山 晃文
/H25
b) 優れている
優れて
c) 適切である
いる
C
総じて期待以上の支援活動を展開し、研究課題の推進に大きく貢献したことは高く評価できる。研究課題の
進捗管理や研究課題間の情報共有に加えて、SOP 作成支援、CPC トレーニング支援を行うなど、基盤技術支
援についても役割を果たしたと言える。今後は課題内メンバーの人材育成の観点から、支援を通じて得られた
経験・分析を、計画的に国内外誌に論文・報告として発表していくことを期待したい。
以上により、本課題の進捗・成果は優れていると評価される。
課
再生医療研究における倫理的課題の解決に
東京大学
H23
題
関する研究
赤林 朗
/H25
D
(∼H25. 8)
a) やや不足してい
る
b) やや不十分
武藤 香織
(H25. 9∼)
研究課題に対する具体的な支援内容とその成果が必ずしも明確でなく、総合的に、当初の計画及び本事業全
やや
体から期待される役割に比して、必ずしも十分な成果が上がっていないと判断される。本課題が実施した支援
不十分
活動・調査研究は、再生医療研究と社会の両方にとっての重要性が認められるものの、支援の結果どのような
である
成果が創出されたかという観点に立って、これまでの取組を厳しく総括することが求められる。
c) やや不十分
以上により、本課題の進捗・成果はやや不十分であると判断される。
2
再生医療実現拠点ネットワークプログラム「疾患特異的 iPS 細胞を活用した難病研究」の中間評価結果
平成 27 年 1 月 29 日
(独)科学技術振興機構
研究課題名
樹
立
代表機関
代表研究者
採択
年度
/
評価
年度
疾患特異的 iPS 細胞樹立促進のための基盤
京都大学
H24
形成
山中 伸弥
/H26
評価結果
a) 進捗状況
b) 成果
c) 研究体制、運営
等
総合評価コメント
a) やや下回ってい
る
b) 良好である
拠
総合
評価
本拠点の目的は多種多様な疾患から疾患特異的 iPS 細胞を樹立して細胞バンクの充実を図ることである。平
成 26 年度中に累計 100 症例で疾患特異的 iPS 細胞の樹立、寄託が完了する見込みであるなど、全体としては
良好
順調に進捗している。細胞バンクの多様性を増すために、出来るだけ多くの疾患について iPS 細胞を樹立する
である
ことが期待される。
c) 適切である
点
以上により、本拠点の進捗・成果は良好であると評価される。
高品質な分化細胞・組織を用いた神経系お
理化学研究所
H24
a) 達成している
よび視覚系難病の in vitro モデル化と治療
笹井 芳樹
/H26
b) 良好である
法の開発
(∼H26. 9)
c) やや不十分
京都大学
視覚系難治性疾患の課題においては理化学研究所の特殊な事情により中断を余儀なくさせられるなど、進捗
の遅れが見られる。現状、疾患特異的 iPS 細胞を用いて、画期的な病態解明や創薬に結びつくような研究成果
良好
が具体的に得られていないため、目標を達成し得るかどうか判断し難い。一方で、神経系難治性疾患の課題は
である
ほぼ予定通りに進んでいる。また、京都大学および理化学研究所の連携体制は相互の優れた技術を補完し得る
井上 治久
ものである。製薬企業の参画も順調であり、今後は産業界とのなお一層の協業により成果の創出が期待される。
(H26. 10∼)
以上により、本拠点の進捗・成果は良好であると評価される。
疾患特異的 iPS 細胞技術を用いた神経難病
慶應義塾大学
H24
a) 達成している
研究
岡野 栄之
/H26
b) 良好である
良好
c) 適切である
である
共
同
研
究
ペンドレッド症候群の病態解析から候補化合物を見出すなど、着実な進捗及び基礎的な検討成果は、今後の
当該分野の研究進展に貢献するものと評価できる。研究体制が整いつつあり、これからの研究の進展が期待さ
れる。
以上により、本拠点の進捗・成果は良好であると評価される。
iPS 細胞を用いた遺伝性心筋疾患の病態解
東京大学
H24
a) 下回っている
明および治療法開発
小室一成
/H26
b) やや不十分であ
(∼H27. 1)
拠
る
c) 適切である
森田 啓行(代行)
点
進捗・成果は、細胞の寄託や製薬企業との連携において遅れている。しかし、疾患特異的 iPS 細胞の樹立及
やや
び心筋への分化方法等を確立したことにより、平成 26 年度内には寄託細胞数等の数値目標を達成予定である。
不十分
また、創薬スクリーニングのための基盤技術等が確立されている点は評価できる。しかし、創薬スクリーニン
である
グからの応用開発と製薬企業との連携について具体的に道筋を示す必要がある。
(H27. 1∼)
以上により、本拠点の進捗・成果はやや不十分であると判断される。
疾患特異的 iPS 細胞を活用した筋骨格系難
京都大学
H24
a) 達成している
創薬スクリーニングに成功し、難治性疾患治療薬の候補を同定して英科学誌 Nature に発表したことは、特
病研究
戸口田 淳也
/H26
b) 優れている
優れて
c) 優れている
いる
筆すべき成果と言える。疾患特異的 iPS 細胞の樹立、寄託及び連携体制の構築が順調であり、全体としてバラ
ンス良く進んでいる。
以上により、本拠点の進捗・成果は優れていると評価される。
難治性血液・免疫疾患由来の疾患特異的
京都大学
H24
a) 達成している
iPS 細胞の樹立と新規治療法開発
中畑 龍俊
/H26
b) 良好である
良好
c) 適切である
である
今後の血液疾患の病態解明とその治療薬への応用が期待できる。ほぼ計画通りに進捗し、応用に向けてはハ
イスループットスクリーニングの系も構築しており、今後の候補化合物の取得に関して、目標を達成すること
が期待できる。
以上により、本拠点の進捗・成果は良好であると評価される。
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