食物栄養科 教授 依田 萬代

食物栄養科 教授
依田 萬代(よだ
たかよ)
Yoda Takayo
自己紹介(プロフィール) 山梨県の南部、山紫水明の身延町に住んでいます。自然が豊かで、
「そこに山・
川・少し離れた場所に本栖湖」と景観に優れ野生動物もすぐ近くに暮らしてい
ます。「食」を通じて地域の活性化に少しでも貢献できるよう、創造性と行動
力を発揮し、食文化研究・食育活動にも寄与したいと思っています。
筝曲部の顧問として社会福祉施設等で演奏会を開催しています。
学生へのメッセージ
笑顔で明るく、元気を目標とし歩んでください。また、食育実践の「早寝・早
起き・朝ごはん」をモットーに日々過ごしてほしいと思います。調理は単に料
理をつくるだけでなく、サイエンスや文化としての性格もあります。食物と栄
養、食文化を実践や体験によって積極的に学んでください。
保有資格・免許
管理栄養士
調理師
研究分野
食文化の伝承
調理理論
特産品の調理開発
主な担当科目
調理学
応用調理実習Ⅰ
応用調理実習Ⅱ
学内での活動
就職・キャリア支援委員会委員
学生部学友会担当
学外での活動
山梨県栄養士会理事(平成 26 年~)
所属学会
日本栄養改善学会
日本調理科学学会
日本食育学会
日本家政学会食文化研究部会
主な職務実績(抜粋)
事項
(単独・共同)
(共同事業)透析者の調
理実習会の開催(共同)
年月日
概要
H14.10
~
血液透析者のための透析食実習会を 10 回開催した。S病院と連
携し透析者・家族を対象に毎回、テーマを設定し塩分と水分のコ
ントロール、リンと上手に付き合う方法、カリウム除去、エネル
ギーとたんぱく質の関係等を行った。アンケート結果から参加者
の満足度が高く臨床検査結果に一定の成果を得ることができた。
山梨県腎臓病協議会の推薦でもある。
(山梨県内S病院)
山梨県の郷土料理、行事の料理、祭事の料理、通過儀礼の料理、
果物の料理、懐かしの料理、新しい料理、果物料理加工品など食
材を中心に調理された郷土食について資料収集し実際に試作し
意匠考案も示した。約 800 品について山梨県栄養士会のHPに公
表した。山梨県の郷土食の普及・啓発により食文化の継承を図る
目的で進めている。
平成 20 年から自然豊かな小菅村では、まこも栽培を積極的に行
っている。山梨県富士・東部農務事務所と小菅村・多摩源流百姓
の会と連携しまこも(Manchurian wild rice)イネ科多年草の茎
は雄雌異花の穂を付ける、料理開発を行い地域活性化・地域貢献
になるよう取り組んでいる。山梨県庁農政部と本学の HP で『ま
こもを用いたレシピ 50 選』を公表した。
産官学連携プロジェクトとして『山梨県の淡水魚と特産品の美味
しい料理コンテスト』を開催し特産品のメニュー提案をした。コ
ンテストでは甲斐サーモン、いわな、鯉、虹鱒、曙大豆、ヤーコ
ン、大塚人参、桃、李、巨峰、甲州もろこし粉、竹炭粉、米粉、
キヌアなどの食材を用い多彩な料理法にチャレンジし地域の特
産品の更なる普及・啓発に貢献し、地産地消を勧めるよう提案し
た。山梨県庁と本学のHPで掲載した。(山梨県農政部と産業)
(資料収集及び料理提
案)山梨の郷土食を HP
で発信(単独)
H16~
(産官学連携)まこもの
美味しいレシピの提案(共
同)
H25~
(産官学連携)山梨の特
産品の美味しい料理提案
(共同)
H22.10
~
主な教育研究業績(抜粋)
著書、学術論文等
(単著・共著)
山梨の郷土食(共著)
年月日
H19.2
甲州 甲府盆地の婚
礼献立の変遷-江戸
後期から明治時代の
5家における婚礼の
食事構造-(共著)
H24.3
山梨県の郷土食と行
事食の調理文化に関
する研究-現状と食
育活動について-
(共著)
H24.9
行事食の伝承と食育
活動-お正月料理の
伝承を通して-(共
著)
H26.8
発行所、発表雑
誌、発表学会等
山梨日日新聞
社
概要
3,000m 級の山々に囲まれた山梨県は海を持たない
内陸性気候が果樹栽培に好影響をもたらし多くの食
材に恵まれ特異、稀な環境条件が特産品を出現させ
ている。多彩な郷土芸能と密接に関わり特有の食文
化を形成し、伝統の食は貴重な財産である。100 以
上の郷土料理を調査し挙げ祭りと年中行事食、郷土
食、通過儀礼食なども著した。
山 梨 学 院 短 期 江戸後期から明治にかけて甲府盆地に残る婚礼献立
大 学 研 究 紀 要 5家につき膳部の構成、魚介類等の食材の出現数と
第 32 号(本学) 内訳、食材費と供応献立の料理屋委託の客階層区分、
経費を検討した。当時の年収の約 20%を占め表徴的
な機能と社会秩序の絆が示され婚礼は村社会の承
認・認知を得、対外関係にも重要性を含み他の通過
儀礼とはあきらかに異なる事が認められた。
第 59 回日本栄 郷土料理の伝承が減っていく事に対し 3 年間の各年
養改善学会
齢層約 60%が何とかしなければならない、伝承して
いくべきと感じていた。行事食の正月・祭り・盆・
年越しの料理、作成度の平均は 88%、年齢層では
65 歳以上に高い傾向が顕著に見られた。食文化の伝
承には、家庭・学校等での食教育の充実、産官学の
ポリシー体制、食育活動の実践が大切である。
日 本 調 理 科 学 日本の食生活が画一化され各地の特産品を利用した
会平成 26 年度 郷土料理や行事食は薄れつつある。お正月料理につ
大会
いて 6 割は家族が伝承しているものの時間を要す、
材料の確保、調理時間が困難、作り方が解らないな
ど正月料理から離れていく傾向が見られる。食文化
の伝承には食教育の充実や産官学連携など食育活動
の実践を通し効率的な展開が重要である。