57 長野県安曇野・大北地域におけるフルオロキノロン耐性大腸菌と抗菌薬使用密度の検討 ◎赤羽 貴行 1)、冨永 等 2)、太田 貴大 3)、村山 範行 1)、小穴 こず枝 4) 安曇野赤十字病院 1)、JA 長野県厚生連 北アルプス医療センター あづみ病院 2)、市立大町総合病院 3)、信州大学医学部 4) 【はじめに】当院では JANIS(厚生労働省院内感染対策サ 薬の他に経口薬も調査した。【結果】フルオロキノロン耐 ーベイランス事業;検査部門)に参加し、毎月の院内感染 性大腸菌分離率の全国平均(2014 年のデータ未開示)は 対策の一助としてデータ利用している。JANIS から公表さ 2.52%(2011 年)、2.87%(2012 年)、3.12%(2013 年) れる特定耐性菌分離率のうち、フルオロキノロン耐性大腸 と年々増加していた。この状況に対し、2011 年では 3 病院 菌の分離率が数年前から全国平均より高い状態が続いてい 中 2 病院で全国平均の分離率を超え、2013 年は 3 病院とも た。2012 年より感染防止対策地域連携が始まり、周辺病院 全国平均を超える状態であった。また各病院のキノロン系 との連携を開始し定期的なカンファレンスを行っている。 注射薬 AUD は 20-100 を推移していたが、著明な増加傾向 連携カンファレンスでは、他の加算Ⅰ病院のフルオロキノ は確認されなかった。しかし、注射薬のみではなく経口薬 ロン耐性大腸菌の分離率と抗菌薬使用密度(AUD)の情報 を含めた AUD では増加傾向が確認され、注射薬単独の が得られ、当院同様に全国平均より高い状態に推移してい 4 倍以上の AUD であった。【まとめ】今回調査した 3 病院 る状況が確認された。当院(加算Ⅰ)及び連携を組んでい のキノロン系注射薬 AUD は 20-100 前後と長野県北信地域 る病院(加算Ⅰの 2 病院)のフルオロキノロン耐性大腸菌 の 40(2011 年)より高く、他地域よりキノロン系抗菌薬の の分離率及び AUD について比較検討した。【方法】対象 使用実態が多い可能性が示唆された。今後は県内及び全国 期間は 2011 年から 2014 年の 4 年間とし、当院・北アルプ との AUD の比較や、JANIS から得られるフルオロキノロ ス医療センター あづみ病院・市立大町総合病院のフルオ ン耐性大腸菌を含めた特定耐性菌分離率を注視し、感染防 ロキノロン耐性大腸菌分離率を JANIS 還元情報からデータ 止対策地域連携を利用して地域の耐性菌制御の一助になる 抽出した。キノロン系 AUD は各病院の ICT 担当薬剤師に よう取り組んでいきたい。 データ提出を依頼した。また、キノロン系 AUD では注射 連絡先 0263-72-3170(1264)
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