Topics「 Topics「法人税減税による株価へのインパクト」 法人税減税による株価へのインパクト」 平成 27 年 10 月 14 日 □ 政府は法人実効税率を 2017 年度に 20%台に引き下げる調整に入った。株価へのイン パクトは現在の実効税率 32.11%が 29%まで引き下げられた場合+4.6%、25%に引き下 げられた場合は+10.5%となる(PER は 15 倍で一定とする)。 □ 企業にとっては、純利益の嵩上げにより現預金の比率が高まり、設備投資、M&A、 自社株買い、人件費引き上げといった余裕が生まれる。法人税減税は設備投資・消費 に乗数効果があり、海外企業の増加も見込まれる。日本経済にとって大きなプラスと なるだろう。 ■ 法人税減税と株価へのインパクト(PER は 15 倍で一定とする) 2013年度 2014年度 2015年度 2016年度 2017年度 実効税率 株価※2013年度を100 (想定上昇率) 37.00% 100.00 34.62% 103.78 3.8% 32.11% 107.76 7.8% 31.33% 109.00 9.0% 25.00% 119.05 19.0% ■ 2017 年度実効税率別シミュレーション 2017年度実効税率 2013年度からの株価上昇率 29% 4.6% 28% 6.1% 27% 7.5% 26% 9.0% 25% 10.5% ※ 株価=EPS×PER(15 倍) ※ EPS 上昇率=(1-実効税率)/(1-37%)-1 ■ 現政府では、来年度の参院選挙をにらんでインパクトのある経済政策が必要とされてきた。法人税 減税は当初から候補に上っていたが、10%への消費税増税と合わせることで、企業活動へプラスの 効果を狙ったものだろう。 ■ 仮に現状の 32.11%から 25%まで引き下げられる場合、経済への影響は極めて大きくなる可能性が ある。株価へのインパクトは+10.5%と想定される。乗数効果としては消費には 0.3、設備投資には 3.5 との試算もある(いずれも減税から 3 年後を想定)。 ■ もちろん、個別企業により消費税増税の影響、TPP 実施に伴う収益変動と言った事情もあるが、 企業の余剰資金は設備投資や M&A、自社株買いにも活用されるだろう。株価は想定上昇率以上の 上昇をもたらす可能性もありそうだ。 ■ 消費税増税は年金生活者には大きなマイナスとなるが、軽減税率の施行やキャッシュバック等の支 援策が実施される可能性が高い。外資系企業の日本拠点増加も見込め、日本経済にはプラスの効果 が圧倒的に大きそうである。 このレポートは投資の参考となる情報等を提供するもので、投資勧誘は意図しておりません。投資の決定はご自身の 判断でお願いします。記載内容は作成時点のもので、正確性・完全性を保障するものでなく、予告なく変更する可能 性もあります。内容に関する権限は Quantsworks.com にあり、事前の承認なく複製・転送等はご遠慮ください。
© Copyright 2024 ExpyDoc